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【テイラー】倒れる
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「ディオエル様、ディオエル様」
ライシードは目を疑い、護衛と共に馬車に乗せて、倒れたディオエルを王宮に運び、医師に診せることになった。
シュアリア、エレサーレ、デリア侯爵家側も驚いた。
葬儀は全て終わっていたので、良かったというところではあったが、だからこそ倒れたのだと思われた。
「眠れていなかったのではありませんか」
「おそらく、そうだと思います」
医師に問われたライシードは、見たわけではないが、そうだろうと思った。このような状況になって、眠れるはずがない。
むしろ、しっかり眠れていたと言われる方が、驚いたと思う。
「ゆっくりお休みになられてください」
「はい、ありがとうございます」
医師が去って行くと、ライシードもようやく緊張していた肩を下ろした。
「ライシード様」
護衛たちも不安そうにしており、これまでこんなことは一度もなかったので、当然と言えば当然であった。
「驚いたな」
「はい、戻るのを先延ばしにしますか」
葬儀が終わり次第、竜帝国に戻る予定にしていた。
「いや、そうはおっしゃらないだろう。ここにいても眠れないなら、竜帝国に戻るとおっしゃると思う」
「そうですね」
「イオリク様の取り調べは進んでいるのでしょうか」
「ああ、順調に進んでいるそうだ」
竜帝国からは自白剤を使う前に、取り調べを行い、その後で自白剤を使って、取り調べを行うことになっている。自白剤の前の取り調べでは、こちらで話していたようなことを言っていたと報告を受けている。
「亡くなられたことは、伝えたのですか?」
「ごく僅かだけに留めておくように伝えている。もちろん、イオリクには伝えないようにしてある」
「その方がよろしいですね」
関係者が自害する可能性を考慮して、絶対に洩らすなと厳命してある。
「だが、今日のことから洩れる可能性もあるから、連絡しておく」
「そうでございますね」
ディオエルの番だという発言を止める気はなかったが、まさかご自身で口にされるとは思わなかった。
テイラーにあれだけ考慮していたのに、冷静な精神状態ではなかったとも言えるが、限界だったのではないかと感じている。
ライシードは竜帝国に今日のことを知らせて、情報を抑えるように指示した。
ディオエルはその間も、微動だにせず眠っている。
どうして、こんなことになってしまったのか。
一番そう思っているのはテイラーであり、ライシードだけではなく、多くの方が思っていることではあったが、考えずにはいられなかった。
一方、娘の埋葬に立ち会えず、帰ることになったエイク子爵夫妻とラオナは邸に着いた。
使用人に手伝わせて、口を塞がれて縛られた状態のままラオナを邸に入れた。流石に使用人たちも驚きはしたが、何かしたのだろうことは聞かなくても分かった。
話をしなくてはならないために、口の布を取ることにした。
「何てことをするのよぉぉぉ!ふざけるんじゃないわよぉぉぉ!」
涎まみれで叫ぶラオナに、ソラードは厳しい口調で告げた。
「黙れ!姉の葬儀になんてことをしてくれたんだ!どうして死者を弔うことすらできないんだ!お前には、ほとほと愛想が尽きた!」
「は?そんなのこっちの台詞なんですけど!」
自由に使えるお金もなくなって、葬儀に行ってあげたのに、屈辱的な目に遭って、ラオナは頭が沸騰していた。
「ならばいいな、当然だが後継者から外す。学園は寮を手配するから、そちらで過ごしなさい。卒業後は好きにしたらいい」
「は?後継者は私しかいないのよ!お姉様だって、死んだから戻せないのよ!バッカじゃないの!」
「そんなことはない、血縁者に継がせればいい話だ」
これから選ぶことになるが、私ではなく、デリア侯爵に相談させてもらい、きちんとした方を選んでもらってもいい。
ライシードは目を疑い、護衛と共に馬車に乗せて、倒れたディオエルを王宮に運び、医師に診せることになった。
シュアリア、エレサーレ、デリア侯爵家側も驚いた。
葬儀は全て終わっていたので、良かったというところではあったが、だからこそ倒れたのだと思われた。
「眠れていなかったのではありませんか」
「おそらく、そうだと思います」
医師に問われたライシードは、見たわけではないが、そうだろうと思った。このような状況になって、眠れるはずがない。
むしろ、しっかり眠れていたと言われる方が、驚いたと思う。
「ゆっくりお休みになられてください」
「はい、ありがとうございます」
医師が去って行くと、ライシードもようやく緊張していた肩を下ろした。
「ライシード様」
護衛たちも不安そうにしており、これまでこんなことは一度もなかったので、当然と言えば当然であった。
「驚いたな」
「はい、戻るのを先延ばしにしますか」
葬儀が終わり次第、竜帝国に戻る予定にしていた。
「いや、そうはおっしゃらないだろう。ここにいても眠れないなら、竜帝国に戻るとおっしゃると思う」
「そうですね」
「イオリク様の取り調べは進んでいるのでしょうか」
「ああ、順調に進んでいるそうだ」
竜帝国からは自白剤を使う前に、取り調べを行い、その後で自白剤を使って、取り調べを行うことになっている。自白剤の前の取り調べでは、こちらで話していたようなことを言っていたと報告を受けている。
「亡くなられたことは、伝えたのですか?」
「ごく僅かだけに留めておくように伝えている。もちろん、イオリクには伝えないようにしてある」
「その方がよろしいですね」
関係者が自害する可能性を考慮して、絶対に洩らすなと厳命してある。
「だが、今日のことから洩れる可能性もあるから、連絡しておく」
「そうでございますね」
ディオエルの番だという発言を止める気はなかったが、まさかご自身で口にされるとは思わなかった。
テイラーにあれだけ考慮していたのに、冷静な精神状態ではなかったとも言えるが、限界だったのではないかと感じている。
ライシードは竜帝国に今日のことを知らせて、情報を抑えるように指示した。
ディオエルはその間も、微動だにせず眠っている。
どうして、こんなことになってしまったのか。
一番そう思っているのはテイラーであり、ライシードだけではなく、多くの方が思っていることではあったが、考えずにはいられなかった。
一方、娘の埋葬に立ち会えず、帰ることになったエイク子爵夫妻とラオナは邸に着いた。
使用人に手伝わせて、口を塞がれて縛られた状態のままラオナを邸に入れた。流石に使用人たちも驚きはしたが、何かしたのだろうことは聞かなくても分かった。
話をしなくてはならないために、口の布を取ることにした。
「何てことをするのよぉぉぉ!ふざけるんじゃないわよぉぉぉ!」
涎まみれで叫ぶラオナに、ソラードは厳しい口調で告げた。
「黙れ!姉の葬儀になんてことをしてくれたんだ!どうして死者を弔うことすらできないんだ!お前には、ほとほと愛想が尽きた!」
「は?そんなのこっちの台詞なんですけど!」
自由に使えるお金もなくなって、葬儀に行ってあげたのに、屈辱的な目に遭って、ラオナは頭が沸騰していた。
「ならばいいな、当然だが後継者から外す。学園は寮を手配するから、そちらで過ごしなさい。卒業後は好きにしたらいい」
「は?後継者は私しかいないのよ!お姉様だって、死んだから戻せないのよ!バッカじゃないの!」
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