13 / 897
暴論
「待って!いいこと思いついたわ!私も妊娠したことにして、ソアリスの子を貰えばいいんじゃない?ソアリスの子は死んだことにして」
「そんなこと出来る訳ないだろう!なんて恐ろしいことを言うんだ!」
「そのくらいいじゃない…」
「それは出来ない!」
いくらララシャのためでも、さすがのリベルもそんなことは出来ない。それこそ問題になる、提案が出来るはずがない。
「幸せのためには、子どもが欲しいのよ!」
ララシャはもちろん自分の子は欲しかった。王子妃だからではなく、皆が持っているから、欲しいという気持ちの方が強い。
だが同時に周りの妊婦を見ていると怖くなった。元々好き嫌いが多く、食べたい物が食べられなくなり、着たい物が着られなくなり、そして出産で死ぬ者もいること…
細い身体は体力を付けないと危ないと言われたこともあり、ララシャは細いと言われることが誇りだった。太りたくないことも積極的になれない理由である。
そして、子どもが出来なくても、周りにはリベルが気を付けるように言っており、直接責められることもなく、リベルが側妃などとは絶対に言わないことも分かっていた。
でも自分によく似た可愛らしい娘と、「姉妹のようね」と言われるように、若い内に着飾ってみたいという夢を持っていた。そこへ自分が産まずとも、都合のいいアリルが見つかり、自分が辛い思いをせずに、手に入れればいいと考えたのだ。
「だったら養子を貰おう」
「駄目よ、血が繋がってないじゃない」
「私の遠縁から貰い受ければいい」
「私とは血が繋がってないわ」
「ソアリス嬢の子なら、私もそうじゃないか」
「そっ、それはそうだけど…ソアリスはこれで四人も子どもがいるのよ!おかしいじゃない!そうでしょう?姉妹なのよ?」
何の問題もなく、子どもが出来れば違ったのだろうが、ララシャは愛されることは好きだが、閨が特別好きなわけではなく、時期なども決めることはせず、気分で行っており、回数は少ない方である。
リベルも嫌がることをしたくなかったので、子どものためにタイミングや、回数を増やそうとは言えずにいた。
「落ち着いて話そう、私は子どもは生まれたら嬉しいが、それよりもララシャがいればいいんだ」
「私は子どもが欲しいの!優しい夫と、可愛い娘が欲しいの!私は全て持っていたのよ、どうして子どもが出来ないのよ…」
「じゃあ、指導してもらおう」
「指導?」
「そうだ、子どもが出来やすいように指導してもらうんだ」
ララシャはいずれ出来ると思っていたので、医師に診てもらうことではないと、年々過敏にもなってしまい、勧めにくくなってしまっていた。
リベルは診察を受けており、問題ないと診断されている。
痩せ過ぎていることだけは聞いていたので、食事量を増やしたりしていたが、あまり食べないので、成果は出ていない。
「そんなことしたくないわ。お願いよ、アンセム殿下とソアリスに頼んで頂戴。私を大事に想っている二人なら叶えてくれるわ」
ララシャはアンセムに泣く泣く別れ、今でも好かれている。ソアリスは憧れの私からならば希望に応えてくれると疑っていない。
「無理だよ、アンセム殿下には断られただろう?」
「じゃあ、もう死んでやるわ!」
「何?何を、言ってるんだ?死ぬなんて簡単に言うもんじゃない」
「私は本気よ、私の幸せのためなのよ、どうして叶えてくれないの…私を幸せにするって言ったのは嘘だったの?あなたは、嘘つきよ!」
ララシャはアリルが手に入るまで、部屋から出ないと言って、自室に閉じこもってしまった。
リベルは世話を頼んで、アンセム殿下と話をして来ると、また隣国に向かうことになった。アンセムは文を貰って、暇なのかとすら思うほどだった。
アンセムと、ララシャがいないことで、ソアリスも同席し、リベルとソアリスはララシャの結婚式以来だった。
「助けてほしい、何かいい案はないかという相談に来た。私は子どもを奪おうなんて考えていない」
「はあ……」
「そんなこと出来る訳ないだろう!なんて恐ろしいことを言うんだ!」
「そのくらいいじゃない…」
「それは出来ない!」
いくらララシャのためでも、さすがのリベルもそんなことは出来ない。それこそ問題になる、提案が出来るはずがない。
「幸せのためには、子どもが欲しいのよ!」
ララシャはもちろん自分の子は欲しかった。王子妃だからではなく、皆が持っているから、欲しいという気持ちの方が強い。
だが同時に周りの妊婦を見ていると怖くなった。元々好き嫌いが多く、食べたい物が食べられなくなり、着たい物が着られなくなり、そして出産で死ぬ者もいること…
細い身体は体力を付けないと危ないと言われたこともあり、ララシャは細いと言われることが誇りだった。太りたくないことも積極的になれない理由である。
そして、子どもが出来なくても、周りにはリベルが気を付けるように言っており、直接責められることもなく、リベルが側妃などとは絶対に言わないことも分かっていた。
でも自分によく似た可愛らしい娘と、「姉妹のようね」と言われるように、若い内に着飾ってみたいという夢を持っていた。そこへ自分が産まずとも、都合のいいアリルが見つかり、自分が辛い思いをせずに、手に入れればいいと考えたのだ。
「だったら養子を貰おう」
「駄目よ、血が繋がってないじゃない」
「私の遠縁から貰い受ければいい」
「私とは血が繋がってないわ」
「ソアリス嬢の子なら、私もそうじゃないか」
「そっ、それはそうだけど…ソアリスはこれで四人も子どもがいるのよ!おかしいじゃない!そうでしょう?姉妹なのよ?」
何の問題もなく、子どもが出来れば違ったのだろうが、ララシャは愛されることは好きだが、閨が特別好きなわけではなく、時期なども決めることはせず、気分で行っており、回数は少ない方である。
リベルも嫌がることをしたくなかったので、子どものためにタイミングや、回数を増やそうとは言えずにいた。
「落ち着いて話そう、私は子どもは生まれたら嬉しいが、それよりもララシャがいればいいんだ」
「私は子どもが欲しいの!優しい夫と、可愛い娘が欲しいの!私は全て持っていたのよ、どうして子どもが出来ないのよ…」
「じゃあ、指導してもらおう」
「指導?」
「そうだ、子どもが出来やすいように指導してもらうんだ」
ララシャはいずれ出来ると思っていたので、医師に診てもらうことではないと、年々過敏にもなってしまい、勧めにくくなってしまっていた。
リベルは診察を受けており、問題ないと診断されている。
痩せ過ぎていることだけは聞いていたので、食事量を増やしたりしていたが、あまり食べないので、成果は出ていない。
「そんなことしたくないわ。お願いよ、アンセム殿下とソアリスに頼んで頂戴。私を大事に想っている二人なら叶えてくれるわ」
ララシャはアンセムに泣く泣く別れ、今でも好かれている。ソアリスは憧れの私からならば希望に応えてくれると疑っていない。
「無理だよ、アンセム殿下には断られただろう?」
「じゃあ、もう死んでやるわ!」
「何?何を、言ってるんだ?死ぬなんて簡単に言うもんじゃない」
「私は本気よ、私の幸せのためなのよ、どうして叶えてくれないの…私を幸せにするって言ったのは嘘だったの?あなたは、嘘つきよ!」
ララシャはアリルが手に入るまで、部屋から出ないと言って、自室に閉じこもってしまった。
リベルは世話を頼んで、アンセム殿下と話をして来ると、また隣国に向かうことになった。アンセムは文を貰って、暇なのかとすら思うほどだった。
アンセムと、ララシャがいないことで、ソアリスも同席し、リベルとソアリスはララシャの結婚式以来だった。
「助けてほしい、何かいい案はないかという相談に来た。私は子どもを奪おうなんて考えていない」
「はあ……」
あなたにおすすめの小説
王妃は春を待たない〜夫が側妃を迎えました〜
羽生
恋愛
王妃シルヴィアは、完璧だった。
王であるレオンハルトの隣に立ち、誰よりも正しく、誰よりも美しく、誰よりも“王妃らしく”あろうとしてきた。
けれど、結婚から五年が経っても2人には子は授からず、ついに王は側妃を迎えることになる。
明るく無邪気な側妃ミリアに、少しずつ心を動かしていくレオンハルト。
その変化に気づきながらも、シルヴィアは何も言えなかった。
――王妃だから。
けれど、シルヴィアの心は確実に壊れていく。
誰も悪くないのに。
それでも、誰もが何かを失う。
◇全22話。一日二話投稿予定。
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
私を欠陥品と呼ぶ執事長が鬱陶しいので、侯爵夫人として排除することにしました
菖蒲月(あやめづき)
ファンタジー
「欠陥品に払う敬意など無い」
結婚後もそう言って嫌がらせを続けるのは、侯爵家の執事長。
どうやら私は、幼少期の病が原因で、未だに“子を産めない欠陥品”扱いされているらしい。
……でも。
正式に侯爵夫人となった今、その態度は見過ごせませんわね。
証拠も揃ったことですし、そろそろ排除を始めましょうか。
静かに怒る有能侯爵夫人による、理性的ざまぁ短編。
________________________________
こちらの作品は「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
「仕方ない」には疲れました ~三年続いた白い結婚を終わらせたら、辺境公爵の溺愛が待っていました~
ゆぷしろん
恋愛
「仕方ない」と白い結婚に耐え続けていた伯爵夫人エリス。
彼女の誕生日、夫は幼なじみのセシリアを屋敷に連れ帰り、エリスが大切にしてきた猫を彼女に見せろと言う。冷めた晩餐の前で心が折れたエリスは、ついに離縁を宣言し実家へ戻った。
彼女の薬草知識と領地経営の才は、北方を守る公爵ディートリヒが目を留める。流行り病に苦しむ公爵領を救うため奮闘するエリスは、初めて努力を認められ、大切に扱われる喜びを知っていく。一方で彼女を失った元夫の伯爵家は傾き、身勝手な幼なじみの嘘も暴かれて――。
我慢をやめた傷心令嬢が、辺境公爵に溺愛され、自分らしい幸せを選び直す逆転愛されファンタジー。
婚約破棄された公爵令嬢は、王と交わらない道を選ぶ
富士山麓
恋愛
婚約者である王太子アルベルトから、一方的に婚約破棄を告げられた公爵令嬢エレノア。
だが彼女は、涙も復讐も選ばなかった。
「婚約は、役目でしたもの。終わったのなら、それで結構ですわ」
王宮を去ったエレノアは、領地に戻り、
干渉しない・依存しない・無理をしない
ただそれだけを軸に、静かに領地運営を始める。
一方、王となったアルベルトもまた、
彼女に頼らないことを選び、
「一人の判断に依存しない国」を作るための統治に身を投じていた。
復縁もしない。
恋にすがらない。
それでも、二人の選択は確かに国を安定へと導いていく。
これは、
交わらないことを選んだ二人が、
それぞれの場所で“続けられる世界”を完成させる物語。
派手なざまぁも、甘い溺愛もない。
けれど、静かに積み重なる判断と選択が、
やがて「誰にも壊せない秩序」へと変わっていく――。
婚約破棄から始まる、
大人のための静かなざまぁ恋愛ファンタジー
【完結/番外追加】恋ではなくなったとしても
ねるねわかば
恋愛
十一年前、彼女は納得して切り捨てられた。
没落した貴族家の令嬢アリーネは、王都の社交サロンで同伴者として生きる道を選んだ。
歳月は、すべてを思い出に変えたはずだった。
会うたびにかつての婚約者を目で追うのは、ただの癖。
今ある思いは、恋ではない。
名がつくことのない二人の関係は、依頼主と同伴者となり、またその形を変えていく。
2万字くらいのお話です。
男娼を買ったら、かつての婚約者でした
志熊みゅう
恋愛
王宮魔術師エマ・カバネルは、三十歳独身。十年前に婚約者クロードに裏切られて以来、結婚を捨て、仕事だけを支えに生きてきた。だが強すぎる魔力ゆえに抑えきれない『欲』を抱える彼女は、ある晩女性専用娼館『秘密の園』を訪れる。
そこでかつて自分を傷つけたクロードによく似た男娼エリクと出会う。甘い言葉と抱擁に癒やされ、エマは少しずつ心を許していく。
しかし王宮の政争に巻き込まれ、唯一生きがいになっていた仕事にも裏切られた彼女は、王都からの逃亡を決意する。せめてもの感謝にエリクを身請けし、自由を与えたはずが、彼はエマを追って現れる。
そしてその正体は、十年前に彼女を捨てたクロード本人で――。裏切りと後悔の果て、二人は失った愛と向き合う。
妖精隠し
棗
恋愛
誰からも愛される美しい姉のアリエッタと地味で両親からの関心がない妹のアーシェ。
4歳の頃から、屋敷の離れで忘れられた様に過ごすアーシェの側には人間離れした美しさを持つ男性フローが常にいる。
彼が何者で、何処から来ているのかアーシェは知らない。