538 / 816
ララシャ王子妃の優雅な生活~交友関係~
しおりを挟む
「当たり前が染み付いて、それでも誰か教えてくれる人がいたなら別だけど、変にプライドが高いでしょう?だから、じゃあ、もういいわ!と言い出したのではないかと思うの」
「さすが、よく分かっているな。そして、想像が出来る」
そう言えば、止めたらいい、無理をするなと、構って貰えたのだろう言葉で、ララシャはすぐに不貞腐れて見せるのである。
「ピデム王国でもララシャの名前は一応は、知っているけど、見たこともない人も多かったのよ」
「マルシャ夫人の生家は?あちらが懇意だったのではないのか?」
「さあ?私はピエスラ侯爵家とは、ララシャが見初められてからは一切、関わっておりませんから」
現在、ピデム王国で肩身の狭い思いをしているマルシャの生家であるピエスラ侯爵家。現在は従兄である伯父の息子が継いでいる。
それまでも頻繁に会うことはなく、ピエスラ侯爵家も嫡男であるサイラスと、いずれ王太子妃になるララシャを優遇していた。
ソアリスに良い印象もなく、親しかったのはジルアス伯爵家に嫁いだ叔母であるルーエンヌくらいだったために、関係性は気薄であった。
「連絡はなかったのか…?」
「ああ…」
珍しく歯切れの悪いソアリスに、聞いては不味かったかとアンセムは思った。
「ララシャが離縁された時に、私宛にどういうことなのか、お前の力でどうにかならないのかと、手紙が届いたの」
「っな、聞いていない!」
ソアリス宛てで、その後に何もなかったことから、問題にはなっていないのだろうが、不穏な空気を感じる。
「だって、返事は一行だけ書いたの」
「何と書いたんだ?」
ソアリスはメディナ、ポーリア、キャロラインを見た。
「私も覚えております」
「私もです」
「私も当然、覚えております」
「何なんだ…」
「お前のクソ叔母にそっくりだな」
「っ」
ソアリスなら迷いなく、書く。しかも、ソアリスの方が、立場も上であるために書いてもいい。
しかも、マルシャは奪った過去があり、ララシャも同じであった。尻拭いをさせられたのはソアリスだけで、頼んでいい立場ですらない。
だが…書いたのか。
「返事は…」
「私がそんな返事をするとは思わず、再び送られて来た」
「そうだろうな」
表向きのソアリスしか知らなければ、頭が拒否する返事だろう。
「だから、今度は正確に、マルシャにララシャはそっくりだ。自分の尻くらい、自分で拭くのが当たり前ではないか?お前は自分で拭けぬのか?と書いてやった」
「尻……そうだな、またソアリスに尻を拭かせようとしたのだものな」
「そうだ、太って拭けないのか?と書いてやろうかと思ったが、止めて置いた。太っているか、知らぬしな」
メディナ、ポーリア、キャロラインは書いてもよろしいのではないですかと、言ったほどである。
「それからは送られて来ていない」
「そうか…」
ソアリスが怒っていることは間違いなく伝わり、何も言えなくなったのだろう。
「ララシャも、この調子だからあまり会っている様子もないのよね」
「頼ってもおかしくないだろうし、招待されることもあったのではないか?」
「そうなのだけど…」
ソアリスも、両親も側にいないのだから、ララシャなら頼ってもおかしくないと思う。時折、侯爵夫妻がララシャに会いに来るような事はあった。
だが、茶会やパーティーに誘われたというような記載はない。
「ここに書いていないだけかもしれないけど、もしかしたらマナーのなっていない様に呼ばなかったとか?」
「…あ、だが、そんなこと知っていたのではないか?」
「そうなのよね、見ていればカップの持ち方一つで分かるものだけど…両親は気付いていなかったのか、見て見ぬ振りをしていたのか、外ではちゃんとやっていると思っていたのかもしれないけど」
ソアリスはロアンスラー公爵邸で、家族でお茶をするような場面は一度もなかったが、キリスとマルシャが叱っているようなところは見たことがない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日もお読みいただきありがとうございます。
本日同時刻より、
新しい話「病める時も、健やかではない時も」を投稿しております。
巻き戻る人生を送っている話です。
よろしければ、よろしくお願いいたします。
「さすが、よく分かっているな。そして、想像が出来る」
そう言えば、止めたらいい、無理をするなと、構って貰えたのだろう言葉で、ララシャはすぐに不貞腐れて見せるのである。
「ピデム王国でもララシャの名前は一応は、知っているけど、見たこともない人も多かったのよ」
「マルシャ夫人の生家は?あちらが懇意だったのではないのか?」
「さあ?私はピエスラ侯爵家とは、ララシャが見初められてからは一切、関わっておりませんから」
現在、ピデム王国で肩身の狭い思いをしているマルシャの生家であるピエスラ侯爵家。現在は従兄である伯父の息子が継いでいる。
それまでも頻繁に会うことはなく、ピエスラ侯爵家も嫡男であるサイラスと、いずれ王太子妃になるララシャを優遇していた。
ソアリスに良い印象もなく、親しかったのはジルアス伯爵家に嫁いだ叔母であるルーエンヌくらいだったために、関係性は気薄であった。
「連絡はなかったのか…?」
「ああ…」
珍しく歯切れの悪いソアリスに、聞いては不味かったかとアンセムは思った。
「ララシャが離縁された時に、私宛にどういうことなのか、お前の力でどうにかならないのかと、手紙が届いたの」
「っな、聞いていない!」
ソアリス宛てで、その後に何もなかったことから、問題にはなっていないのだろうが、不穏な空気を感じる。
「だって、返事は一行だけ書いたの」
「何と書いたんだ?」
ソアリスはメディナ、ポーリア、キャロラインを見た。
「私も覚えております」
「私もです」
「私も当然、覚えております」
「何なんだ…」
「お前のクソ叔母にそっくりだな」
「っ」
ソアリスなら迷いなく、書く。しかも、ソアリスの方が、立場も上であるために書いてもいい。
しかも、マルシャは奪った過去があり、ララシャも同じであった。尻拭いをさせられたのはソアリスだけで、頼んでいい立場ですらない。
だが…書いたのか。
「返事は…」
「私がそんな返事をするとは思わず、再び送られて来た」
「そうだろうな」
表向きのソアリスしか知らなければ、頭が拒否する返事だろう。
「だから、今度は正確に、マルシャにララシャはそっくりだ。自分の尻くらい、自分で拭くのが当たり前ではないか?お前は自分で拭けぬのか?と書いてやった」
「尻……そうだな、またソアリスに尻を拭かせようとしたのだものな」
「そうだ、太って拭けないのか?と書いてやろうかと思ったが、止めて置いた。太っているか、知らぬしな」
メディナ、ポーリア、キャロラインは書いてもよろしいのではないですかと、言ったほどである。
「それからは送られて来ていない」
「そうか…」
ソアリスが怒っていることは間違いなく伝わり、何も言えなくなったのだろう。
「ララシャも、この調子だからあまり会っている様子もないのよね」
「頼ってもおかしくないだろうし、招待されることもあったのではないか?」
「そうなのだけど…」
ソアリスも、両親も側にいないのだから、ララシャなら頼ってもおかしくないと思う。時折、侯爵夫妻がララシャに会いに来るような事はあった。
だが、茶会やパーティーに誘われたというような記載はない。
「ここに書いていないだけかもしれないけど、もしかしたらマナーのなっていない様に呼ばなかったとか?」
「…あ、だが、そんなこと知っていたのではないか?」
「そうなのよね、見ていればカップの持ち方一つで分かるものだけど…両親は気付いていなかったのか、見て見ぬ振りをしていたのか、外ではちゃんとやっていると思っていたのかもしれないけど」
ソアリスはロアンスラー公爵邸で、家族でお茶をするような場面は一度もなかったが、キリスとマルシャが叱っているようなところは見たことがない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日もお読みいただきありがとうございます。
本日同時刻より、
新しい話「病める時も、健やかではない時も」を投稿しております。
巻き戻る人生を送っている話です。
よろしければ、よろしくお願いいたします。
2,873
あなたにおすすめの小説
冷遇夫がお探しの私は、隣にいます
終日ひもの干す紐
恋愛
愛人がいるなら、さっさと言ってくれればいいのに!
妻に駆け落ちされた、傷心の辺境伯ロシェのもとへ嫁いでほしい。
シャノンが王命を受け、嫁いでから一年……とんでもない場面に立ち会ってしまう。
「サフィール……またそんなふうに僕を見つめて、かわいいね」
シャノンには冷たいの夫の、甘ったるい囁き。
扉の向こうの、不貞行為。
これまでの我慢も苦労も全て無駄になり、沸々と湧き上がる怒りを、ロシェの愛猫『アンブル』に愚痴った。
まさかそれが、こんなことになるなんて!
目が覚めると『アンブル』になっていたシャノン。
猫の姿に向けられる夫からの愛情。
夫ロシェの“本当の姿”を垣間見たシャノンは……?
* * *
他のサイトにも投稿しています。
夫は私を愛していないらしい
にゃみ3
恋愛
侯爵夫人ヴィオレッタは、夫から愛されていない哀れな女として社交界で有名だった。
若くして侯爵となった夫エリオットは、冷静で寡黙な性格。妻に甘い言葉をかけることも、優しく微笑むこともない。
どれだけ人々に噂されようが、ヴィオレッタは気にすることなく平穏な毎日を送っていた。
「侯爵様から愛されていないヴィオレッタ様が、お可哀想でなりませんの」
そんなある日、一人の貴婦人が声をかけてきて……。
このわたくしが、婚約者になるはずでしょう!?
碧井 汐桜香
恋愛
先々代の王女が降嫁したほどの筆頭公爵家に産まれた、ルティアヌール公爵家の唯一の姫、メリアッセンヌ。
産まれた時から当然に王子と結婚すると本人も思っていたし、周囲も期待していた。
それは、身内のみと言っても、王宮で行われる王妃主催のお茶会で、本人が公言しても不敬とされないほどの。
そのためにメリアッセンヌ自身も大変努力し、勉学に励み、健康と美容のために毎日屋敷の敷地内をランニングし、外国語も複数扱えるようになった。
ただし、実際の内定発表は王子が成年を迎えた時に行うのが慣習だった。
第一王子を“ルーおにいさま”と慕う彼女に、第一王子は婚約内定発表の数日前、呼び出しをかける。
別の女性を隣に立たせ、「君とは結婚できない」と告げる王子の真意とは?
7話完結です
灯火
松石 愛弓
恋愛
子供のいない男爵家に、幼少時に引き取られたフィーリア。
数年後、義両親に実子が授かり、フィーリアは無用とばかりに男爵令嬢の立場から使用人扱いにされる。
意地悪な義母と義妹の浪費癖のため、無償労働のメイドとしてこき使われる辛い日々。
そんなある日、フィーリアに転機が訪れて・・
珍しくシリアスな感じのお話を書いてしまいました
いつもはこんな感じなのに・・ ^^;
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/122288809/episode/2034446
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/658488266/episode/4191823
新作です。毎週土曜日に更新予定です。興味を持っていただけましたら幸いです。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/910027059/episode/10733961
「商売する女は不要」らしいです
たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリアナ・ヴァルトハイムは、第二王子の婚約者だった。しかし「女が商売に口を出すな」と婚約破棄され、新しい婚約者には何も言わない従順な令嬢が選ばれる。父にも見捨てられたエリアナは、自由商業都市アルトゥーラへ。
前世の経営コンサルタントの知識を武器に、商人として成り上がる。複式簿記、マーケティング、物流革命——次々と革新を起こし、わずか一年で大陸屈指の豪商に。
やがて王国は傾き、元婚約者たちが助けを求めて土下座してくるが、エリアナは冷たく突き放す。「もう関係ありません」と。
そして彼女が手に入れたのは、ビジネスでの成功だけではなかった。無愛想だが誠実な傭兵団長ディアンと出会ってーー。
奪う人たちは放っておいて私はお菓子を焼きます
タマ マコト
ファンタジー
伯爵家の次女クラリス・フォン・ブランディエは、姉ヴィオレッタと常に比較され、「控えめでいなさい」と言われ続けて育った。やがて姉の縁談を機に、母ベアトリスの価値観の中では自分が永遠に“引き立て役”でしかないと悟ったクラリスは、父が遺した領都の家を頼りに自ら家を出る。
領都の端でひとり焼き菓子を焼き始めた彼女は、午後の光が差す小さな店『午後の窓』を開く。そこへ、紅茶の香りに異様に敏感な謎の青年が現れる。名も素性も明かさぬまま、ただ菓子の味を静かに言い当てる彼との出会いが、クラリスの新しい人生をゆっくりと動かし始める。
奪い合う世界から離れ、比較されない場所で生きると決めた少女の、静かな再出発の物語。
逆行令嬢の反撃~これから妹達に陥れられると知っているので、安全な自分の部屋に籠りつつ逆行前のお返しを行います~
柚木ゆず
恋愛
妹ソフィ―、継母アンナ、婚約者シリルの3人に陥れられ、極刑を宣告されてしまった子爵家令嬢・セリア。
そんな彼女は執行前夜泣き疲れて眠り、次の日起きると――そこは、牢屋ではなく自分の部屋。セリアは3人の罠にはまってしまうその日に、戻っていたのでした。
こんな人達の思い通りにはさせないし、許せない。
逆行して3人の本心と企みを知っているセリアは、反撃を決意。そうとは知らない妹たち3人は、セリアに翻弄されてゆくことになるのでした――。
※体調不良の影響で現在感想欄は閉じさせていただいております。
※こちらは3年前に投稿させていただいたお話の改稿版(文章をすべて書き直し、ストーリーの一部を変更したもの)となっております。
1月29日追加。後日ざまぁの部分にストーリーを追加させていただきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる