僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です1~またクビになったけど、親代わりのメイドが慰めてくれるので悲しくなんてない!!~

あきくん☆ひろくん

文字の大きさ
28 / 61
第3部 プラチナ帝国魔法学園編

第1話

しおりを挟む

「いやああああああ、私、ゲームの世界に転生してるーーーーーーーー」

叫び声があがる2日前、アイボリー王国の王家に次いで権力をもつベージュ公爵の娘であるシャトルーズ・ベージュは屋敷の階段を降りようとしたとき、ふとした弾みでバランスを崩して足を踏み外してしまった。

ガタタッ、ガシャーーーーン。

「お嬢様ーー!!」

悲鳴をあげる侍女。

幸いなことに、身体に大きな傷は無かったが、運悪く頭を強く打ってしまった。

そして今、シャトルーズは目を覚ましのだが、起きて最初の一言がそれであった。

心配していた侍女をはじめ、公爵夫婦が「ゲーム??転生??」と疑問を持つのは仕方ないことだろう。

そんな皆の心配をよそにシャトルーズは真っ青な顔をしている。

私、いままでシャトルーズとして生きてきたけど、頭を打った拍子に前世のことを思い出したんだわ。

たしか、令和の日本でブラック企業の社畜をしてて、30歳を目前に過労死した気がする・・

そしてシャトルーズ・ベージュは私が前世でやり倒したゲーム「あなたの胸にロックオン!!憧れの王子様とラブラブ♡ズキュン」略して「胸キュン」にでてきた悪役令嬢の名前と一致しているのよ。

ついでに言うと顔もそっくりーーーーー!!

このゲームたしか、悪役令嬢は追放エンドで破滅するのよね。

どんどん記憶がよみがえってきたシャトルーズはさらに顔色が悪くなる。

「わたしはゲームのように破滅なんかしないわ。絶対に追放エンドを回避して見せるわよーーーーーーーーーーー!」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「・・・・・・というわけで、「ギルド屋」のあなたに依頼をしたいのよ」

長々と説明をしたあと、すがるような眼で一人の令嬢が僕を見つめてくる。

僕はいま、プラチナ帝国の学園に学生として在籍している。

この学園は15歳から入れるらしく、この4月に僕は入学した。

いまは6月。

暖かい陽気を感じる季節だ。

中庭で昼寝をしようと教室から出たところをシャトルーズ嬢につかまり、長々と話を聞かされたうえで「ギルド屋」である僕に依頼をしてきた。


順を追って説明しよう。

さきの協定でシルバー王国とプラチナ帝国が同盟を結び友好を深めることになった。

友好政策の一環としてお互いの若い人材を交流させようということになった。

そのためシルバー王国からプラチナ帝国の学園に留学生が来ることになった。

この学園の名称を魔法学園といい、ここプラチナ帝国では王族貴族に加え、平民でも試験をクリアすれば入学して学問の恩恵にあずかることができた。

平民にとっては卒業後に高給取りの仕事に就きやすいというメリットがあるので人気は高い。

そこに、シルバー王国からも貴族が来ることになったので護衛を増やす意味で今年の4月から入学者の枠を広げたらしい。

すると、それに目を付けた商業ギルドが学園内で貴族とギルドの間のつながりを作るチャンスとみてギルドの関係者を送り込み、末永く良好な関係をつくろうとしたことがはじまりだ。

ここで学園に送り込むのは若者が望ましいという結論になった。

大人を送り込むには教師という形しかないが魔法学園の教師になるには難関試験に受からなければいけないから。

なので15歳から20歳までの若者をギルドの代表として魔法学園に生徒として送り込むことになり、その白羽の矢に僕が当たったというわけだ。

一応、商業ギルドのCランク相当の依頼という形をとっている。僕は商業ギルドの商業人だからね。

内容は学園で手に入りにくい商品の取り寄せが主だが、学園から外へでるときの護衛もあり。全寮制だからそういう需要もあると判断したわけだ。

ちなみに僕は平民専門。

平民といえど学園に入学できるということは家は一定以上の資産をもっている証だ。関係を作っておいて損はないと考えたのだろう。

僕は4月から入学してすでに何件か依頼をうけ達成している。

依頼人からはとても喜ばれている。そこから僕のことを「ギルド屋」と呼ぶようになったみたい。

そしてその評判をどこかから聞きつけてきたアイボリー王国ベージュ公爵令嬢のシャトルーズ嬢はぼくのところへ依頼をしにきたというわけだ。


「あの~~~~ちゃんと聞いていただけているんですの?」

と考え事をしていた僕にシャトルーズ嬢は心配そうに声をかけてきた。

説明をしても僕が無反応だったから心配になったんだろう。だけど無反応になる気持ちもわかってほしい。

彼女の話をまとめると、シャトルーズ嬢の婚約者が平民に「これから」熱をあげて、その平民の令嬢が「これから」冤罪工作してシャトルーズ嬢の評判を下げて、「これから」1か月後の終業式パーティで婚約者からその令嬢をいじめたという断罪イベントが起きるからそれを阻止してくれ。

まだ起きてもいないことを前提にだなんて無茶もいいとこだ。「これから」が3つもあるし。

この令嬢は、託宣か予言のスキルを持っているのかな。だってそうじゃなかったらただの妄想だ。

ツッコミ所が満載で僕の手に負える範囲じゃない。だけど、彼女自身は嘘でも冗談でもなく必死な様子だ。

ぼくは、必死な思いをしている人を無下に切り捨てるようなことはしたくない。

「僕は何をすればいいんですか?」

と返すとシャトルーズ嬢は自分の意見を聞いてもらえたと思い、目を輝かせて自分の考えを僕に言った。
 
シャトルーズ嬢からの依頼とは、録音の魔道具をつかって自分は何もしていないという証拠を集めてほしいということだった。

あと平民令嬢がばらまく噂をできるかぎり消してほしいとも。

最終的には、終業式でおきる断罪イベントの被害を最小限に抑えるというのが本当の目標らしい。

最悪、婚約者である王子殿下との婚約は破棄されてもかまわないと言った。

どんな事情にせよ貴族令嬢が婚約破棄されるというのはかなりのおおごとだと思う。

もちろんそんなことは彼女の妄想で起きない可能性もあるわけだけど。

だけど、シャトルーズ嬢は明らかに困っていた・・・・・ようにみえる。

本当に困っているなら助けようと思い、僕はまずシャトルーズ嬢がどんな人物かを調査した。

結果は白。

少なくとも嘘をつくことはないとわかった。

なら、彼女の言葉を信じて、彼女の婚約者であるアイボリー王国第1王子ライム・アイボラリーと側近、そして平民令嬢を調べることにした。

結果は黒。

どうやって知り合ったのかわからないけどライム王子と平民令嬢が学園内でいちゃついているのは周知のできごとだった。

王子なので側近がいて窘めているかというと、側近たちもその令嬢にべた惚れだった。

その令嬢は魅了のスキルでも持っているのかと疑った。だって綺麗だけどそこまで魅力的と思えなかったから。

調査の結果魅了スキルもなし。

平民で入学している理由は貴重な聖属性の魔力をもち、魔力量がAクラスだったから。実家は普通の家。これも調査してすぐにわかった。

じゃあ将来は聖女候補としてエリューシオン教会に入るか、それ以外だと魔法省や魔法騎士団ということも考えられる。

さらに詳しく調べると、王子たちも最初は聖属性もちで回復魔法を利用できるとおもって近づいたらしいが徐々に本気になっていったということが分かった。

王子チョロイ。

しかし、王子には婚約者がいるので愛する者とは結ばれない悲劇のヒロインだと自分たちで酔っているようなのだ。

ここまで聞いた僕は、たしかにシャトルーズ嬢の言う通りだと思った。

他には、王子の婚約者である公爵令嬢がその平民令嬢に嫉妬していやがらせをしているという噂も流れている。

もちろん公爵令嬢のシャトルーズ嬢はそんなことはしていない。そんな許せない噂の出どころはライム・アイボラリー王子とその側近たちであった。

僕にとって、冤罪をきせる行為はは許せない。

なので、シャトルーズ嬢に全面的に協力することにした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

処理中です...