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第3部 プラチナ帝国魔法学園編
第7話
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8月、夏休み。
だけど僕は帰っても誰もいないので学園の寮にとどまっている。学食もでるし、図書館で本も読めるし、快適なのだ。
実はあのあと、ジェード皇子たちの噂を広げる行為が皇帝陛下の耳に入り、後継者になるのが難しくなったことと、ある冒険者があの場にいてつぶさに魔道具で録画をし、それを魔法騎士団に提出していたということをナスから聞いた。
じゃあ助けてくれよ!
と思わず心の中でツッコんだ。
貴族にかかわるとホントにろくな目にあわないな。
そう考えながら歩いていると前から貴族風の学生がやってくる。
何故貴族風とわかるかというと僕たち平民は学園の制服を着ているけど貴族様は制服を着ずに私服を着ているから。
見た目から派手で上質なことがわかるためすぐにわかる。
そして僕の顔を確認するとドヤ顔で
「おい、お前が底辺と呼ばれているもので間違いないか。いや、腰抜けだったか。どちらでもいい。そんなどうしようもないお前を俺が拾ってやろう。光栄に思い、身を粉にして俺に尽くすがいい。感謝の涙で溺れろ!!」
その言動を聞きため息をついた。
はあ、またか。
僕はいま、貴族の派閥に入れと言われている。
学園内ではこの派閥争いが盛んだ。いや、学園だからこそと言える。これが卒業してのちに人脈として生きてくるのだ。
この派閥内での功績も卒業後の貴族社会に反映される。
ということは貴族にとって優秀な人材の引き抜きは成績や授業より遥かに重大であり、むしろそのための魔法学園といっても過言ではない。
そして、なかには使える平民を取り込むこともあるらしい。
平民は使い捨てだが、優秀であればあるほど他の派閥への牽制になり、武器にもなる。
僕に対してもそうで、最初の4月は何回か誘いがあり、僕はそれを断ってきた。
5月からは「底辺」というあだ名がついたせいで誘いが無くなったが、「ギルド屋」なら派閥に加えてもいいかという貴族様の誘いが増えた。
それも断ってきたが、先日の実習による噂で「腰抜け」が加わり、使い捨て用としての誘いが逆に増えた。
これで4回目だ。
ほとんどの貴族や平民はなにかしらの派閥に入っている。
それに対してどこにも入っていない僕は勧誘の対象になりやすいのだろう。
そして僕は、お断りの言葉を言う。
「お誘い、大変光栄です。ですが底辺腰抜けの私が派閥に入ると派閥の品位を下げる恐れがあると思います。ですので大変恐縮ですがご遠慮申し上げます」
僕の断る定型文だ。
そして返事を聞かず大げさに頭を下げて、素早く立ち去る。
これが一番無難な断り方だということが経験から分かっている。
「ちょっ、まっ」
という相手の声を聞こえないふりをして全力で立ち去る僕。
一棟丸々離れたところで、やっと立ち止まった。
フゥ。これで充分離れたかな。
そう思っていると、今度は前から赤い全身鎧をつけたいかつい戦士が歩いてくる。
兜を深くかぶっているため顔はわからない。
その戦士が僕を見かけると声をかけてきた。
僕は身構えたが、その内容は思っていたものと違っていた。
「・・・・・・初めまして。自分はガーネットと申すものです」
と直立不動の姿勢で僕にあいさつをする。
初めて会ったはずだけど、初めましてがなんか言いづらそうに聞こえた。気のせいかな。
声は女性だが、ただよう雰囲気からただ者ではないことがわかる。
おそらく僕より数段強い。
「よく似ている」
ん?この戦士さん、なにか言ったかな。小さい声なのでよく聞こえなかった。
その戦士さんは兜をとり全身鎧を取り外した。鎧の下は軽装の服だ。
やっぱり女の人だ。
赤髪を長く伸ばし、左側だけを三つ編みにして前へ垂らし、残りは背中側へ流している。
スタイルの良い身体にはドレスがさぞや似合うだろう。
そして服から見える腕の肌はとても白い。
また、整った顔立ちに赤い瞳が印象的だ。
僕が黙って見ているとガーネットと名乗る女戦士さんは、
「折り入ってお話があり、聞いていただきたいことがあります」
次の瞬間、ガバッと身をかがめて土下座をした。
「初対面の方に言うことではないんですが、どうかあなた様のお仲間にしてほしいんです」
土下座を勢いよくしたため、後ろに結んでいた赤い髪のポニーテールがまだ宙を舞っている。しかし、あまりにも内容が不可解なのでおもわず、
「はぁ?」
と聞き返してしまった。
しかしそれが相手を勘違いをさせてしまいさらに萎縮し、
「あ、ちがった。ちがいました。仲間じゃなくてあの、護衛・・・・でもいいし、使い捨ての肉壁でも。こう見えて頑丈だし。・・・いやちがうな」
「その・・・・性・・・の奉仕をする従者でもいいです。だからどうか!!!お願いします。側に置いてください!」
「あなた様が生まれる前から好きでした!!!」
と土下座のまま懇願してくる。
そして、とても理解に苦しむことまで言ってくる。
はあ、今が夏休みでよかった。周りに人がいたらどんな目で見られたことか。
あとセリフの大半が不穏なことばで埋め尽くされているので聞かなかったことにしよう。
あれ、この感じどこかで・・・・
しかし、この人かなり強い。
こんなに強ければ必死になって僕なんかの仲間にならなくてもよさそうなものなのに。
だけど、
「ご主人様と呼びたいです。いいえ、ぜひ呼ばせてください!!」
と必死すぎて見てられない。思わず、
「僕でよければ・・・・・」
その瞬間ガーネットはパァッと嬉しそうな笑顔を見せ、僕はその顔に見とれてしまった。
不思議なやりとりなんだけどこうしてガーネットは僕の仲間?になった。
後で聞いた話では、以前の職場をやめて求職中だったので、魔法学園の教師に雇ってもらおうと思って近くまで来たそうだ。
ついでに冒険者ギルドの依頼で瘴気の森にいる魔物の討伐をしていたらしい。
ガーネットの威圧におびえて逃げ出した魔物の一部が、僕たちが遭遇したサーベルタイガーやブラックベアーなんだと。
じゃあこのひとのせいやないかーい。
あと、なぜ僕の仲間になりたがるかの理由は教えてくれなかった。
でも聖女ノワールとは知り合いというか幼なじみらしい。
ちなみに学園の教師として無事に採用されたと聞いた。
2学期から着任する予定で実習の授業を担当するようだ。
だけど僕は帰っても誰もいないので学園の寮にとどまっている。学食もでるし、図書館で本も読めるし、快適なのだ。
実はあのあと、ジェード皇子たちの噂を広げる行為が皇帝陛下の耳に入り、後継者になるのが難しくなったことと、ある冒険者があの場にいてつぶさに魔道具で録画をし、それを魔法騎士団に提出していたということをナスから聞いた。
じゃあ助けてくれよ!
と思わず心の中でツッコんだ。
貴族にかかわるとホントにろくな目にあわないな。
そう考えながら歩いていると前から貴族風の学生がやってくる。
何故貴族風とわかるかというと僕たち平民は学園の制服を着ているけど貴族様は制服を着ずに私服を着ているから。
見た目から派手で上質なことがわかるためすぐにわかる。
そして僕の顔を確認するとドヤ顔で
「おい、お前が底辺と呼ばれているもので間違いないか。いや、腰抜けだったか。どちらでもいい。そんなどうしようもないお前を俺が拾ってやろう。光栄に思い、身を粉にして俺に尽くすがいい。感謝の涙で溺れろ!!」
その言動を聞きため息をついた。
はあ、またか。
僕はいま、貴族の派閥に入れと言われている。
学園内ではこの派閥争いが盛んだ。いや、学園だからこそと言える。これが卒業してのちに人脈として生きてくるのだ。
この派閥内での功績も卒業後の貴族社会に反映される。
ということは貴族にとって優秀な人材の引き抜きは成績や授業より遥かに重大であり、むしろそのための魔法学園といっても過言ではない。
そして、なかには使える平民を取り込むこともあるらしい。
平民は使い捨てだが、優秀であればあるほど他の派閥への牽制になり、武器にもなる。
僕に対してもそうで、最初の4月は何回か誘いがあり、僕はそれを断ってきた。
5月からは「底辺」というあだ名がついたせいで誘いが無くなったが、「ギルド屋」なら派閥に加えてもいいかという貴族様の誘いが増えた。
それも断ってきたが、先日の実習による噂で「腰抜け」が加わり、使い捨て用としての誘いが逆に増えた。
これで4回目だ。
ほとんどの貴族や平民はなにかしらの派閥に入っている。
それに対してどこにも入っていない僕は勧誘の対象になりやすいのだろう。
そして僕は、お断りの言葉を言う。
「お誘い、大変光栄です。ですが底辺腰抜けの私が派閥に入ると派閥の品位を下げる恐れがあると思います。ですので大変恐縮ですがご遠慮申し上げます」
僕の断る定型文だ。
そして返事を聞かず大げさに頭を下げて、素早く立ち去る。
これが一番無難な断り方だということが経験から分かっている。
「ちょっ、まっ」
という相手の声を聞こえないふりをして全力で立ち去る僕。
一棟丸々離れたところで、やっと立ち止まった。
フゥ。これで充分離れたかな。
そう思っていると、今度は前から赤い全身鎧をつけたいかつい戦士が歩いてくる。
兜を深くかぶっているため顔はわからない。
その戦士が僕を見かけると声をかけてきた。
僕は身構えたが、その内容は思っていたものと違っていた。
「・・・・・・初めまして。自分はガーネットと申すものです」
と直立不動の姿勢で僕にあいさつをする。
初めて会ったはずだけど、初めましてがなんか言いづらそうに聞こえた。気のせいかな。
声は女性だが、ただよう雰囲気からただ者ではないことがわかる。
おそらく僕より数段強い。
「よく似ている」
ん?この戦士さん、なにか言ったかな。小さい声なのでよく聞こえなかった。
その戦士さんは兜をとり全身鎧を取り外した。鎧の下は軽装の服だ。
やっぱり女の人だ。
赤髪を長く伸ばし、左側だけを三つ編みにして前へ垂らし、残りは背中側へ流している。
スタイルの良い身体にはドレスがさぞや似合うだろう。
そして服から見える腕の肌はとても白い。
また、整った顔立ちに赤い瞳が印象的だ。
僕が黙って見ているとガーネットと名乗る女戦士さんは、
「折り入ってお話があり、聞いていただきたいことがあります」
次の瞬間、ガバッと身をかがめて土下座をした。
「初対面の方に言うことではないんですが、どうかあなた様のお仲間にしてほしいんです」
土下座を勢いよくしたため、後ろに結んでいた赤い髪のポニーテールがまだ宙を舞っている。しかし、あまりにも内容が不可解なのでおもわず、
「はぁ?」
と聞き返してしまった。
しかしそれが相手を勘違いをさせてしまいさらに萎縮し、
「あ、ちがった。ちがいました。仲間じゃなくてあの、護衛・・・・でもいいし、使い捨ての肉壁でも。こう見えて頑丈だし。・・・いやちがうな」
「その・・・・性・・・の奉仕をする従者でもいいです。だからどうか!!!お願いします。側に置いてください!」
「あなた様が生まれる前から好きでした!!!」
と土下座のまま懇願してくる。
そして、とても理解に苦しむことまで言ってくる。
はあ、今が夏休みでよかった。周りに人がいたらどんな目で見られたことか。
あとセリフの大半が不穏なことばで埋め尽くされているので聞かなかったことにしよう。
あれ、この感じどこかで・・・・
しかし、この人かなり強い。
こんなに強ければ必死になって僕なんかの仲間にならなくてもよさそうなものなのに。
だけど、
「ご主人様と呼びたいです。いいえ、ぜひ呼ばせてください!!」
と必死すぎて見てられない。思わず、
「僕でよければ・・・・・」
その瞬間ガーネットはパァッと嬉しそうな笑顔を見せ、僕はその顔に見とれてしまった。
不思議なやりとりなんだけどこうしてガーネットは僕の仲間?になった。
後で聞いた話では、以前の職場をやめて求職中だったので、魔法学園の教師に雇ってもらおうと思って近くまで来たそうだ。
ついでに冒険者ギルドの依頼で瘴気の森にいる魔物の討伐をしていたらしい。
ガーネットの威圧におびえて逃げ出した魔物の一部が、僕たちが遭遇したサーベルタイガーやブラックベアーなんだと。
じゃあこのひとのせいやないかーい。
あと、なぜ僕の仲間になりたがるかの理由は教えてくれなかった。
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