僕っ娘、転生幼女は今日も元気に生きています!

ももがぶ

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第三章 運動会なんだよ

第八話 盛り上げるのよ

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 お昼も終え、午後からの競技に備え家族の元からメアリー達の所へと行こうとしていたアビーに母親であるジュディから声が掛けられる。

「ねえ、アビー。今度は応援合戦ってあるんだけど、これって何をするの?」
「何って、応援するんだけど?」
「ん~そういうのはなんとなく分かるんだけどね……」
「ふはは、アビー母さんが言いたいのはな「マーク、邪魔するんじゃないの」……いやでもお袋」
「いいから、アンタは黙ってるの」
「……はい」

 アビーに「応援合戦て何?」と質問したジュディに対しマークがアビーにいいところを見せようと会話に入ろうとしたところでソニアに余計なことをするんじゃないとビシッと叱られ萎れてしまう。

 アビーはそんな父親の姿にクスッとしながらも、ジュディが何を気にしているのかがなんとなく分かったアビーはジュディに対し「見てもらったら分かるから」とだけ伝えるとメアリー達がいる場所へと小走りで駆けていく。

「アビー、遅かったのね」
「もしかして、お腹いっぱい食べ過ぎて動けなかったとか?」
「そんな、サンディでもあるまいし」
「ちょっと、どういう意味よ!」
「ふふふ」
「「アビー笑わない!」」
「……はい」
「もう、二人とも。ほら、準備しないとでしょ」
「「は~い」」

 それからアビーはメアリー達と一緒に着替えると、それぞれのクラスの前に並ぶ。

「……ちょっと、恥ずかしいかも」
「メアリー、今さらだよ」
「でも……こんなにお腹や足を出すなんて……アビー、ホントにこれで大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。ほら、見てよ。ケビン達も驚いた顔しているよ」
「ケビンが……ホントだわ。うふふ、よ~し見てなさい」

 アビーが応援合戦をしたいと言いだしたはいいが、担任を始め、誰もアビーが何を言っているのか何をしたいのかがよく分からなかったが、そんなことくらいで諦めなかったアビーは応援合戦の大事さと盛り上がること間違いなしと自ら太鼓判を押すからと押しきった結果、昼休み後の午後一番に組み込まれた。

 この順番なら、休み後に場を盛り上げることも出来るので、アビーにとっては願ってもないことだった。

 結果、アビー達の格好を見たマークは「なんて格好を」と少しだけ不機嫌になるが、ジュディやジョディにソニアは「可愛い」や「出来れば私も」と言い出したところでコーディやゴードンが微妙な顔になったので「あとでね」と二人に話すと「ブルッ」としたのは寒いからではないはずだ。

 終わってみれば、アビー発案の応援合戦は盛大に盛り上がった。もしかしたら今日一ではないだろうか。

 そして、メアリーの父であるキリルは自分の娘であるメアリーの可愛さが映えるのもそうだが、回りのメアリーを見る目から「これはイケる!」とほくそ笑むのだった。

 そんなこんなで運動会も盛大に盛り上がり午後三時を回る頃には、最後の競技である全学年がバトンを繋ぐリレーが始まろうとしていた。

「で、なんでこんなちっこいのがここにいるんだ?」
「ちっこいのって僕のこと?」
「そうだよ、お前以外にいないだろうが」
「でも、なんでって言われても……」
「もう、兄ちゃん! 止めなよ」
「ケビン、お前の友達か。なら、早く連れてってやれよ。ここは最終走者が集まるところなんだかよ」
「じゃあ、僕はここだよ」
「はぁ? お前は何言ってんだ? ちっこいのは一番、最初だろうが。ケビン、いいから連れて行け」
「だから、兄ちゃん……違うから!」
「違う? 何が違うんだ?」
「だからね……」

 ケビンが「兄ちゃん」と呼ぶ最上級生であろうこの男の子をアビーは不思議そうに自分にも兄弟がいたらこんな感じなのかなと見ていた。

「はぁ? コイツが一番速いから、ここにいるだぁ? お前、俺に嘘を付くのか?」
「だから、嘘じゃないって」
「僕は速いよ。ホントだよ」
「はぁ、お前までそんなことを……ケビン、これはイジメだぞ。俺はイジメが嫌いだってのは知っているだろ」
「もう、兄ちゃん。だから、ちゃんと話を聞いてよ」
「ケビン、いいよ」
「アビー、いいのか?」
「うん。だって、走れば分かってもらえるから。ね」
「あ? そりゃ、俺に勝てるって言っているのか?」
「うん、そう言っているつもりだよ」
「……ほう、分かった。そこまで言うなら俺も何も言わない。だがな、もし俺に負けたなら、その時は……」
「その時は?」
「ふん、後で教えてやるよ。ケビン、お前も準備があるだろ。行け」
「兄ちゃん……俺は言ったからね。後で文句は言うなよ」
「分かった、分かったから、さっさと行け」
「アビー、大丈夫だと思うけど、本気でやっちゃっていいからね」
「うん、大丈夫だから」
「……」

 ケビンはまだ何か言いたそうにしていたが、自分も準備があるので、何事もありませんようにと願いつつ、その場を離れるのだった。
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