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第七章 王都にて
第2話 歓迎されてないっぽい
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ようやくソルト達の番になり貴族専用の通行門の衛兵が馬車の周りを確認し、御者をしているゴルドに色々と確認してくる。
「俺達はエンディから領主引き継ぎの手続きに来ました。後ろの馬車には領主代行が乗っています」
「少し待て」
ゴルドが衛兵と対応していると、その衛兵は少し顔を顰めると詰所の方へ何かを確認しに向かった。
「ゴルドさん、なんだか歓迎されてない雰囲気なんだけどさ。気のせいかな」
「さあな。だが、お前の言うように少なくとも諸手を挙げての歓迎ではないな」
「あ~やっぱり、あの羊皮紙の束と関係あるのかな」
「ん? そりゃどういう意味だ?」
ゴルドに聞かれるが、ここで羊皮紙の束を見せる訳にもいかないのでソルトはゴルドに要点だけを伝える。
「あのさ、領主の紋章も羊皮紙の束にあったことは言ったでしょ」
「ああ、そう聞いたな。まあ、あの領主だからな。で、それがどうした?」
「うん、それでさ。その領主の紋章にデッカくバツが付けられていたんだけど、ソレってさ」
「あ~もう言わなくても分かったわ。だが、ここは王都だぞ。いくら教会でもよ」
「そうだけどさ。だからこそ影響力が強いとも言えるんじゃないの」
「と、言うことは……」
「ん、と言うことなんだけど……」
「また、襲われるかもしれないってことなの?」
ゴルドとソルトがコソッと話をしていたところにレイが割って入ってきた。
「だが、領主代行は一応、貴族街にお屋敷を持っているからそこまで心配しなくてもいいと思うがな」
「本当にそう思っているの?」
「……やっぱりダメか」
「だと思ってた方がいいよ」
「そうか……あ~楽できると思っていたのによ」
「まあまあ、ほら」
「ああ」
ソルト達が会話をしている内に確認が終わったのか衛兵が通行許可証を手に持ち近付いてくる。
「はい、これ」
「ありがとうございます」
衛兵から貴族街への通行許可証を渡されるとゴルドはゆっくりと馬車を進めて王都の中へと入っていく。
「へ~これが王都なんだね」
「そうだ。ここはまだ平民街でな。貴族街はほら、あの王城の周辺になる」
「なるほどね。中心に近付くほど身分が上になるってことなんだ」
「ああ、そうだ。ちなみにディランは子爵で平民街と貴族街を分ける城壁の近くだ」
「ふ~ん」
ゴルドに簡単な王都事情を教えてもらいながら貴族街を目指しているが、平民街の少し暗いところに目をやると、そこには痩せ細った子供や無気力な大人が見えた。
「あまり見ない方がいいぞ」
「え……でも」
「下手に関わらない方がいい。気持ちは分からんでもないが、例えここでお前が何かをしてあげたとしても、それは一時のものにしか過ぎないだろうよ」
「それでも何かしてあげないと死んじゃうよ」
「レイ、それでもだ」
「「……」」
ソルト達が見たのはスラム街の一角にしか過ぎない。そして、その一握りの者達にソルト達が少しばかりの施しを与えたとしてもキリが無いとゴルドは言う。
そんなゴルドの言葉にソルトとレイは何も口に出せなくなる。
レイは諦めきれないのかソルトの顔をジッと見るが、ソルト自身もスラム街全域の人達に対し責任持って世話することが出来るのかと言われれば無理だと答えるしかないだろう。
だから、レイの言いたいこと、したいこともなんとなくは理解しているつもりのソルトはただただ黙って首を横に振ることしか出来なかった。
「ほら、今度は貴族街の通用門だ。大人しくしてろよ」
貴族街の通用門の衛兵も領主の馬車を不思議な物でも見るような目をしていたが、現時点では特に支障もないので黙って通してもらえた。
貴族街を城壁に沿うように進むとそれほど大きくもないお屋敷が見えて来た。
「あれが領主のお屋敷だ」
「……」
「どうした?」
「いや、あのさ。周りのお屋敷と比べるとさ……」
「ああ、小さいよな」
「そうだな。まあ、田舎の貴族なんてこんなもんだよ。俺が言うのもなんだがな」
「へ~そうなんだ」
ゴルドに案内された屋敷は宅地を含めても周りの屋敷と比べると、よくて七割小さい。
それほど小さくても門番は常駐しているらしくソルト達の馬車に気付くと門を開け、中へと誘導してくれた。
「お疲れ様。馬と馬車はこちらで世話しよう」
「ああ、頼む」
ゴルドは近付いて来た使用人に手綱を任せると馬車から降りて軽く伸びをする。ソルトも同じ様に下りてから体を伸ばす。
領主代行の馬車も入口横に付けられるとアランが馬車から降りてくる。
「ここまでの護衛お疲れ様でした。道中、色んなことがありましたが無事に着くことができました。ありがとうございます」
「いや、俺達こそ色々迷惑を掛けてしまって……」
「「「すみませんでした!」」」
「あ~道中の討伐については何も文句はありませんよ。逆にお礼を言いたいくらいなので」
「そう言って貰えれば有り難いです」
「それよりもまずはお茶でもどうですか? 久々にゆっくりしましょう」
「「「はい」」」
「俺達はエンディから領主引き継ぎの手続きに来ました。後ろの馬車には領主代行が乗っています」
「少し待て」
ゴルドが衛兵と対応していると、その衛兵は少し顔を顰めると詰所の方へ何かを確認しに向かった。
「ゴルドさん、なんだか歓迎されてない雰囲気なんだけどさ。気のせいかな」
「さあな。だが、お前の言うように少なくとも諸手を挙げての歓迎ではないな」
「あ~やっぱり、あの羊皮紙の束と関係あるのかな」
「ん? そりゃどういう意味だ?」
ゴルドに聞かれるが、ここで羊皮紙の束を見せる訳にもいかないのでソルトはゴルドに要点だけを伝える。
「あのさ、領主の紋章も羊皮紙の束にあったことは言ったでしょ」
「ああ、そう聞いたな。まあ、あの領主だからな。で、それがどうした?」
「うん、それでさ。その領主の紋章にデッカくバツが付けられていたんだけど、ソレってさ」
「あ~もう言わなくても分かったわ。だが、ここは王都だぞ。いくら教会でもよ」
「そうだけどさ。だからこそ影響力が強いとも言えるんじゃないの」
「と、言うことは……」
「ん、と言うことなんだけど……」
「また、襲われるかもしれないってことなの?」
ゴルドとソルトがコソッと話をしていたところにレイが割って入ってきた。
「だが、領主代行は一応、貴族街にお屋敷を持っているからそこまで心配しなくてもいいと思うがな」
「本当にそう思っているの?」
「……やっぱりダメか」
「だと思ってた方がいいよ」
「そうか……あ~楽できると思っていたのによ」
「まあまあ、ほら」
「ああ」
ソルト達が会話をしている内に確認が終わったのか衛兵が通行許可証を手に持ち近付いてくる。
「はい、これ」
「ありがとうございます」
衛兵から貴族街への通行許可証を渡されるとゴルドはゆっくりと馬車を進めて王都の中へと入っていく。
「へ~これが王都なんだね」
「そうだ。ここはまだ平民街でな。貴族街はほら、あの王城の周辺になる」
「なるほどね。中心に近付くほど身分が上になるってことなんだ」
「ああ、そうだ。ちなみにディランは子爵で平民街と貴族街を分ける城壁の近くだ」
「ふ~ん」
ゴルドに簡単な王都事情を教えてもらいながら貴族街を目指しているが、平民街の少し暗いところに目をやると、そこには痩せ細った子供や無気力な大人が見えた。
「あまり見ない方がいいぞ」
「え……でも」
「下手に関わらない方がいい。気持ちは分からんでもないが、例えここでお前が何かをしてあげたとしても、それは一時のものにしか過ぎないだろうよ」
「それでも何かしてあげないと死んじゃうよ」
「レイ、それでもだ」
「「……」」
ソルト達が見たのはスラム街の一角にしか過ぎない。そして、その一握りの者達にソルト達が少しばかりの施しを与えたとしてもキリが無いとゴルドは言う。
そんなゴルドの言葉にソルトとレイは何も口に出せなくなる。
レイは諦めきれないのかソルトの顔をジッと見るが、ソルト自身もスラム街全域の人達に対し責任持って世話することが出来るのかと言われれば無理だと答えるしかないだろう。
だから、レイの言いたいこと、したいこともなんとなくは理解しているつもりのソルトはただただ黙って首を横に振ることしか出来なかった。
「ほら、今度は貴族街の通用門だ。大人しくしてろよ」
貴族街の通用門の衛兵も領主の馬車を不思議な物でも見るような目をしていたが、現時点では特に支障もないので黙って通してもらえた。
貴族街を城壁に沿うように進むとそれほど大きくもないお屋敷が見えて来た。
「あれが領主のお屋敷だ」
「……」
「どうした?」
「いや、あのさ。周りのお屋敷と比べるとさ……」
「ああ、小さいよな」
「そうだな。まあ、田舎の貴族なんてこんなもんだよ。俺が言うのもなんだがな」
「へ~そうなんだ」
ゴルドに案内された屋敷は宅地を含めても周りの屋敷と比べると、よくて七割小さい。
それほど小さくても門番は常駐しているらしくソルト達の馬車に気付くと門を開け、中へと誘導してくれた。
「お疲れ様。馬と馬車はこちらで世話しよう」
「ああ、頼む」
ゴルドは近付いて来た使用人に手綱を任せると馬車から降りて軽く伸びをする。ソルトも同じ様に下りてから体を伸ばす。
領主代行の馬車も入口横に付けられるとアランが馬車から降りてくる。
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「あ~道中の討伐については何も文句はありませんよ。逆にお礼を言いたいくらいなので」
「そう言って貰えれば有り難いです」
「それよりもまずはお茶でもどうですか? 久々にゆっくりしましょう」
「「「はい」」」
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