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連載
◆取り敢えず走らせました
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領主様のお屋敷に着き門衛に顔パスで通してもらい、玄関前でノッカーを鳴らすとセバス様が出迎えてくれた。
「ケイン様、旦那様はお部屋でお待ちです。ご案内しますのでこちらへ。?リーサ様は何用で?」
「ああ、私は旦那様の秘書として雇われている。以後会うことも増えるだろうから、よろしく頼む。」
「???すみません、聞き間違いなら申し訳ないのですが、ケイン様を『旦那様』と?」
「うむ、そうだケインは私の旦那様だ。」
「ちょっリーサさん、まだそれは言わない約束でしょ!」
「…ケイン様、後で説明はしてもらえるのでしょうか。」
「…出来るだけするつもりです。」
「まあ、私にはどうでもいいですね。じゃ行きますか。」
「はい、セバス様にも後で確認して欲しい物があるんですよ。」
「え?もしかして!」とこちらに向き直り興奮した様子だ。
「『もしかして』ですね、ビルさんと話してセバス様には新車を用意する運びとなりました。後で、そのデザインを確認してもらえますか?」
「それは後でと言わずに今すぐ確認させて下さい。そうですね、ここではなんですから、私の部屋に行きましょうか。さあ!」
「セバスよ。私の客人をどこに連れて行こうと?」
「これは旦那様、私の用事はすぐに済みますのでお部屋でそのままお待ちください。では、ケイン様。」
「だから、セバスよ。落ち着け!ケインとの話が終わればあとはお前の好きにしていいから、まずはそこの部屋で話をさせろ。いいな。」
「チッわかりました。」
「ああ!舌打ちしやがった。まだ、お前のご主人は俺だからな。契約期間も確認済みだからな。ふぅふぅ…ケイン。この部屋で話を聞こう。」
部屋に入り、西門の駅側に車両基地と貨物列車への荷物の積載拠点を作る許可をもらいたいと話す。
「土地は城壁の外については、一応俺の管轄だが所有権以外は自由にして構わん。」
「ありがとうございます。」
「話はそれだけか?」
「はい、俺からはそれだけですが。」
「違うよな、リーサ久しぶりだが、何か言うことがあるんじゃないのか。」
「ふむ、先代の息子のデュークか、前見た時はこのケインより小さかったからな、久しぶりだな。」
「…(ババアめ)で、何でケインの横にいるんだ?」
「それは私が、ケインの秘書で、ケインが旦那様だからだ。」
「はあ?ケイン説明出来るか?」
「…必要ですか?」
「そりゃ、そうだろう。お前は一応俺の、娘の婚約者(仮)だぞ。」
「婚約者(仮)なら私の立場が上だな。」
「「リーサはちょっと黙ってようか。」」
デューク様にことの成り行きを説明すると「脇が甘い」と言われたが、男としてはしょうがないと思える部分があったらしく「娘に何と言おう。」と項垂れていた。
「では、お話が終わったのであれば、私の部屋で色々お聞かせ願えますか。」
セバス様の部屋へと案内され、お茶をご馳走になりながら、あの車の壊れ具合から、もういくら修理してもレースには耐えられそうにないことを了承してもらう。
それと新車を作るビルさんのチーム編成や新しいエンジン、チューニング内容を一気に話す。
セバス様が「私のために」と感動に浸っていたが、その前にと本番で躓かないようにドライビングシミュレーターを調整する。
「なぜ?」と聞かれたが、強化クラッチやハンドルの重さに慣れておかないとダメだと納得させる。
「あ、そうだ。セバス様はどれが好みですか?」
テーブルに車の模型を出す。
いわゆる赤い『跳ね馬』と黄色い『猛牛』と白いけど見た目が『カエル』なそれぞれをテーブルに出す。
「これは!何とも惹かれる形状ですね。ケイン様のお勧めはどれですか?」
聞かれたので、『跳ね馬』と『猛牛』のどちらも甲乙つけ難いと推してみる。
「確かに速さを追求するとこの様な形になるのでしょうね、悩みますね。」
セバス様が腕を組み、模型を手に取り眺めた後にテーブルに戻し違う模型を手に取り眺めて、テーブルに戻すというのを何度か繰り返した後にやっと絞り出すように声に出す。
「…決めました。この『跳ね馬』でお願いします。」
「ちなみに色はどうします?」
「もう、このままの赤で、お願いします。この赤が…と言うより『紅』でしょうか。素晴らしいです。王者の風格ですね。」
「ふふっ分かりました。ビルさんにも伝えておきますね。あ、そうだビルさんにも携帯電話を渡しましたので、番号をここに置いておきますね。」
「重ね重ね申し訳ありません。ありがとうございます。」
「これで少しは恩返しできましたか。」
「少しどころか、こちらからのお返しをどうしようか悩むところです。」
「この模型も、置いていくので気が変わったら、連絡下さいね。」
「はい、ありがとうございます。」
「じゃ、失礼しますね。」
ゲートを領都の工房に繋げ潜って行く。
「ビルさ~ん、いますか?」
「ケイン君、こっちです。」
「ガンツさんからの許可は貰いました。チームの人選はどうですか。」
「すみません。まだ決まってません。」
「そうなんですね。セバス様も楽しみにしていたので、出来れば早目にお願いしたいのですが。」
「それはわかるんですが。四~五人でと話をしたら、思いの外に人数が集まってしまって。中々決められずにいるところです。」
「なら、もう一つガンツさんのチームも作りませんか?ガンツさんの方は基本がドワーフ専用車になるから、そっちに流れる人もいるかもしれませんよ。チーム人数は同じ五人で。」
「そうですね、それなら何とかなるかもしれません。」
「では、決まったら連絡して下さいね。」
そうだ忘れていたとセバス様が選んだ『跳ね馬』の模型を渡し、目指すのはこの形状だからと説明する。
「ねえビルさん、ちょっと今から試しに行きますか?」
「えっとどこへ?」
ゲートをレース場の側に繋ぎ、空き地となっている場所へと移動する。
「えっとケイン君?ここで何を?」
「そうだぞケイン、いきなり説明もせずにこんな所まで来て。」
「まあいいから、いいから。えいっ」
そこには謂わゆるレーシングカートのコースと作業場、それとトイレや休憩室、更衣室を備えた建物が用意されていた。
「さあ、ビルさんこっちに来て。」
口を開いたまま、意識を手放した状態のビルさんを作業場まで連れて行き、その場でパイプフレームを加工して、カートを作り出す。
エンジンはさっきの単気筒エンジンでいいかと載せて、動かしたところでビルさんが覚醒する。
「…ケ、ケイン君ここは?」
「ここはドワーフタウンのレース場の横に作ったカート場ですね。」
「…一つも理解出来ない。…僕は何でここにいる?」
「ビルさん?」
ビルさんを落ち着かせ、ここまでの経緯を説明する。
「そうだったんですね。納得は出来ませんが、理解はしました。それで、目の前のこれは?」
「新しいエンジンを乗せたカートと言います。車の運転は無理なので、これでまずは慣れてもらって、その後に少し大きめに作って、車と同じ構造にして、ビルさんが色んなことを試せるようにしましょうか。」
「う~確かにドワーフ体型のこの体じゃ、セバス様の車の整備は出来ても実体験は出来ない。でも試作の段階なら、別にセバス様の車じゃなくて、僕の体型でも運転が出来るサイズで試せばいいと。なるほどですね。ありがとう、ケイン君。」
「礼はいいですから、まずは乗って!さあ!」
「え?ちょっとケイン君…待って、え、何?」
ビルさんをカートに無理やり押し込み、アクセルとブレーキとハンドルのみの操作であることを伝え、コースへと送り出す。
最初は恐る恐るといった感じだったが、周回を重ねる内にスピードが上がり、遂にはスピンしてコースアウトしてしまった。
慌てて駆け寄り声を掛けるが、何て言うか恍惚としていた。
「…ビルさん、大丈夫ですか?」
「あ、ケイン君。最後にミスったよ。イケると思ったんだけどな~悔しいな~ね、もう一回いいかな?」
「今日はこのくらいで、終わった方がいいかと思いますよ。」
「え~そんな~こんな面白いものを無理矢理やらせといて、楽しくなったら取り上げるなんて、非道いよ!ケイン君。」
「俺はいいんですけどね、あそこで我慢出来ずにうずうずしている樽が分かりますか?」
「げっ!まさか親方。」
ガンツさんが、こちらの音に気付いて覗きに来たところ、ビルさんが楽しそうに走っているのを目撃してしまい、乗り込んで来たというところかな。
「そういうことなので、戻りましょうか。」
「はい、しょうがないっす。」
「ケインよ、ずるくはないか?」
「ガンツさん、いきなり『ずるい』はないでしょ。」
ーーーーー
とある一室で。
「お母様、最近出番が少なくなった様な気がします。気のせいでしょうか?」
「マリーもそうおもうの。」
「あらあら、もうお勉強に飽きたの?」
「それはそれで必要だと思うけど、使う機会がないんだもの。」
「ないんだもの!」
「あらあら、まあまあ。」
「それに何か影が、いろいろとうっす~い影が見え隠れするの。もう不安しかない。」
「マリーはおなじくらいとおもうの。」
「あらあら、まあまあ。これは楽しみね。うふふ」
「ケイン様、旦那様はお部屋でお待ちです。ご案内しますのでこちらへ。?リーサ様は何用で?」
「ああ、私は旦那様の秘書として雇われている。以後会うことも増えるだろうから、よろしく頼む。」
「???すみません、聞き間違いなら申し訳ないのですが、ケイン様を『旦那様』と?」
「うむ、そうだケインは私の旦那様だ。」
「ちょっリーサさん、まだそれは言わない約束でしょ!」
「…ケイン様、後で説明はしてもらえるのでしょうか。」
「…出来るだけするつもりです。」
「まあ、私にはどうでもいいですね。じゃ行きますか。」
「はい、セバス様にも後で確認して欲しい物があるんですよ。」
「え?もしかして!」とこちらに向き直り興奮した様子だ。
「『もしかして』ですね、ビルさんと話してセバス様には新車を用意する運びとなりました。後で、そのデザインを確認してもらえますか?」
「それは後でと言わずに今すぐ確認させて下さい。そうですね、ここではなんですから、私の部屋に行きましょうか。さあ!」
「セバスよ。私の客人をどこに連れて行こうと?」
「これは旦那様、私の用事はすぐに済みますのでお部屋でそのままお待ちください。では、ケイン様。」
「だから、セバスよ。落ち着け!ケインとの話が終わればあとはお前の好きにしていいから、まずはそこの部屋で話をさせろ。いいな。」
「チッわかりました。」
「ああ!舌打ちしやがった。まだ、お前のご主人は俺だからな。契約期間も確認済みだからな。ふぅふぅ…ケイン。この部屋で話を聞こう。」
部屋に入り、西門の駅側に車両基地と貨物列車への荷物の積載拠点を作る許可をもらいたいと話す。
「土地は城壁の外については、一応俺の管轄だが所有権以外は自由にして構わん。」
「ありがとうございます。」
「話はそれだけか?」
「はい、俺からはそれだけですが。」
「違うよな、リーサ久しぶりだが、何か言うことがあるんじゃないのか。」
「ふむ、先代の息子のデュークか、前見た時はこのケインより小さかったからな、久しぶりだな。」
「…(ババアめ)で、何でケインの横にいるんだ?」
「それは私が、ケインの秘書で、ケインが旦那様だからだ。」
「はあ?ケイン説明出来るか?」
「…必要ですか?」
「そりゃ、そうだろう。お前は一応俺の、娘の婚約者(仮)だぞ。」
「婚約者(仮)なら私の立場が上だな。」
「「リーサはちょっと黙ってようか。」」
デューク様にことの成り行きを説明すると「脇が甘い」と言われたが、男としてはしょうがないと思える部分があったらしく「娘に何と言おう。」と項垂れていた。
「では、お話が終わったのであれば、私の部屋で色々お聞かせ願えますか。」
セバス様の部屋へと案内され、お茶をご馳走になりながら、あの車の壊れ具合から、もういくら修理してもレースには耐えられそうにないことを了承してもらう。
それと新車を作るビルさんのチーム編成や新しいエンジン、チューニング内容を一気に話す。
セバス様が「私のために」と感動に浸っていたが、その前にと本番で躓かないようにドライビングシミュレーターを調整する。
「なぜ?」と聞かれたが、強化クラッチやハンドルの重さに慣れておかないとダメだと納得させる。
「あ、そうだ。セバス様はどれが好みですか?」
テーブルに車の模型を出す。
いわゆる赤い『跳ね馬』と黄色い『猛牛』と白いけど見た目が『カエル』なそれぞれをテーブルに出す。
「これは!何とも惹かれる形状ですね。ケイン様のお勧めはどれですか?」
聞かれたので、『跳ね馬』と『猛牛』のどちらも甲乙つけ難いと推してみる。
「確かに速さを追求するとこの様な形になるのでしょうね、悩みますね。」
セバス様が腕を組み、模型を手に取り眺めた後にテーブルに戻し違う模型を手に取り眺めて、テーブルに戻すというのを何度か繰り返した後にやっと絞り出すように声に出す。
「…決めました。この『跳ね馬』でお願いします。」
「ちなみに色はどうします?」
「もう、このままの赤で、お願いします。この赤が…と言うより『紅』でしょうか。素晴らしいです。王者の風格ですね。」
「ふふっ分かりました。ビルさんにも伝えておきますね。あ、そうだビルさんにも携帯電話を渡しましたので、番号をここに置いておきますね。」
「重ね重ね申し訳ありません。ありがとうございます。」
「これで少しは恩返しできましたか。」
「少しどころか、こちらからのお返しをどうしようか悩むところです。」
「この模型も、置いていくので気が変わったら、連絡下さいね。」
「はい、ありがとうございます。」
「じゃ、失礼しますね。」
ゲートを領都の工房に繋げ潜って行く。
「ビルさ~ん、いますか?」
「ケイン君、こっちです。」
「ガンツさんからの許可は貰いました。チームの人選はどうですか。」
「すみません。まだ決まってません。」
「そうなんですね。セバス様も楽しみにしていたので、出来れば早目にお願いしたいのですが。」
「それはわかるんですが。四~五人でと話をしたら、思いの外に人数が集まってしまって。中々決められずにいるところです。」
「なら、もう一つガンツさんのチームも作りませんか?ガンツさんの方は基本がドワーフ専用車になるから、そっちに流れる人もいるかもしれませんよ。チーム人数は同じ五人で。」
「そうですね、それなら何とかなるかもしれません。」
「では、決まったら連絡して下さいね。」
そうだ忘れていたとセバス様が選んだ『跳ね馬』の模型を渡し、目指すのはこの形状だからと説明する。
「ねえビルさん、ちょっと今から試しに行きますか?」
「えっとどこへ?」
ゲートをレース場の側に繋ぎ、空き地となっている場所へと移動する。
「えっとケイン君?ここで何を?」
「そうだぞケイン、いきなり説明もせずにこんな所まで来て。」
「まあいいから、いいから。えいっ」
そこには謂わゆるレーシングカートのコースと作業場、それとトイレや休憩室、更衣室を備えた建物が用意されていた。
「さあ、ビルさんこっちに来て。」
口を開いたまま、意識を手放した状態のビルさんを作業場まで連れて行き、その場でパイプフレームを加工して、カートを作り出す。
エンジンはさっきの単気筒エンジンでいいかと載せて、動かしたところでビルさんが覚醒する。
「…ケ、ケイン君ここは?」
「ここはドワーフタウンのレース場の横に作ったカート場ですね。」
「…一つも理解出来ない。…僕は何でここにいる?」
「ビルさん?」
ビルさんを落ち着かせ、ここまでの経緯を説明する。
「そうだったんですね。納得は出来ませんが、理解はしました。それで、目の前のこれは?」
「新しいエンジンを乗せたカートと言います。車の運転は無理なので、これでまずは慣れてもらって、その後に少し大きめに作って、車と同じ構造にして、ビルさんが色んなことを試せるようにしましょうか。」
「う~確かにドワーフ体型のこの体じゃ、セバス様の車の整備は出来ても実体験は出来ない。でも試作の段階なら、別にセバス様の車じゃなくて、僕の体型でも運転が出来るサイズで試せばいいと。なるほどですね。ありがとう、ケイン君。」
「礼はいいですから、まずは乗って!さあ!」
「え?ちょっとケイン君…待って、え、何?」
ビルさんをカートに無理やり押し込み、アクセルとブレーキとハンドルのみの操作であることを伝え、コースへと送り出す。
最初は恐る恐るといった感じだったが、周回を重ねる内にスピードが上がり、遂にはスピンしてコースアウトしてしまった。
慌てて駆け寄り声を掛けるが、何て言うか恍惚としていた。
「…ビルさん、大丈夫ですか?」
「あ、ケイン君。最後にミスったよ。イケると思ったんだけどな~悔しいな~ね、もう一回いいかな?」
「今日はこのくらいで、終わった方がいいかと思いますよ。」
「え~そんな~こんな面白いものを無理矢理やらせといて、楽しくなったら取り上げるなんて、非道いよ!ケイン君。」
「俺はいいんですけどね、あそこで我慢出来ずにうずうずしている樽が分かりますか?」
「げっ!まさか親方。」
ガンツさんが、こちらの音に気付いて覗きに来たところ、ビルさんが楽しそうに走っているのを目撃してしまい、乗り込んで来たというところかな。
「そういうことなので、戻りましょうか。」
「はい、しょうがないっす。」
「ケインよ、ずるくはないか?」
「ガンツさん、いきなり『ずるい』はないでしょ。」
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とある一室で。
「お母様、最近出番が少なくなった様な気がします。気のせいでしょうか?」
「マリーもそうおもうの。」
「あらあら、もうお勉強に飽きたの?」
「それはそれで必要だと思うけど、使う機会がないんだもの。」
「ないんだもの!」
「あらあら、まあまあ。」
「それに何か影が、いろいろとうっす~い影が見え隠れするの。もう不安しかない。」
「マリーはおなじくらいとおもうの。」
「あらあら、まあまあ。これは楽しみね。うふふ」
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