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◆盗み聞きがバレました
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父さんの店へと潜り、まずは母さんを探す。
「母さん、約束のミシンだけど、ここでもいい?」
「いいけど、もうすぐ私はお休みになるから…」
「その時はちゃんと家まで運ぶからさ。」
「なら、いいけど。どうしたの?」
「まあ、それは後からで。はい、これ!」
「あっ『ファスナー』じゃない!もう出来たの。」
「うん、ガンツさんが張り切ってくれてね。もう生産用の機械も設置したから、何にも問題がなければ、約束の明後日には卸せるから。」
「そう、ありがとうね。なら、ここでも作業出来る人を探した方がいいわね。ちょっと父さんに頼んでみようかしら。」
「それは俺の用事の後でいい?」
「あら、ごめんなさいね。で、何かしら?」
簡単なデザイン画と俺とリーサさんのサイズ表を渡す。
「あら、これは?へ~ふ~ん、面白い形ね。ああ!真ん中に長いファスナーを使うのね。いいわ、作ってあげる!」
「ありがとう、そんなに急がないから。無理しない程度にね。」
「ふふふ、ありがとうね。それでね、これが完成した後なんだけど。同じ物をこの店でも売っていい?ダメ?」
「まずは俺達のを作ってからにしてね、頼むよ。それと使う布は多少厚めの丈夫なヤツでお願いね。」
「ええ、いいわ。でも私がお休みしたら作れないわね。チラッ」
「…三台くらいでいい?」
「あら、分かる?お願いね。」
「じゃ、取ってくるからリーサさんはここで待っててね。」
ゲートを工房に繋ぎ、ミシンの担当者を探す。
残されたリーサさんは作業机の前に座る母さんと向き合う。
「リーサさん、あの子は無茶を言ったりしていない?」
「マギー、それはない。ケインは私には優しく接してくれる。たまにキツイことも言われたりはするが、その時は私が暴走したりとか、私に非がある時だけだしな。」
「そうなのね。ケインはヘタレなのにムッツリなところがあるから大変よね。」
「まあ、そういうのが態度や表情から分かると暴走しがちになるのだが、今は大丈夫だ。」
「うふふ、リーサさん。私は応援しているからね。義母からの助言としてはあまり我慢しなくてもいいわよ。うふふ。本当は親としては言っちゃいけないんでしょうけどね。内緒ね?」
「ああ、すまない。」
「あら、そこは『ありがとう、義母様』じゃないの?」
「…あまり揶揄わないでくれ。ケインももうすぐ戻るだろうから。」
『はい、戻って来ています。開けようとした扉の前で聞こえていました。もう何てことを言うんでしょうね。母として息子の貞操には興味ないんでしょうか。まさか肉親が階段を下から押し上げようとしているんて…』
とりあえず、今このまま扉を開けるのはマズイので一旦工房に戻って、部屋の中に繋ぎ直そう。
その前に赤くなっている顔をどうにかしないと。
『そうだ、ガンツさんの顔でも見るか。』
「ケイン、どうした。顔が赤いぞ?」
「ううん何でもない。忘れ物だから、すぐに戻るね。ああ、これこれ。じゃ。」
適当に物を掴むと店に戻る。
「あら、ケイン。遅かったわね。」
「ちょっとね、向こうで色々話し込んじゃって。」
「そう。(盗み聞きは関心しないわね、貸し一つね。)」
「(な、何のことかな?)じゃ、ミシンはここでいいの?」
「(ま、別にいいわ。目の前の階段は上るなり現状維持なり好きにしなさい。どっちでもいいから。)そうねその辺に置いといて。」
「(親が言うセリフか?)分かった。ここだね。」
「(あら?ムスコの成長は嬉しいものよ。)ありがとう。」
「は~マジかよ。」
「ケイン、どうした?疲れている様だが、大丈夫か?」
「(疲れたのはこの部屋に来てからだけどね。)大丈夫。さあ、次の営業先に行こうか。あ!そうだ、母さんも縫製事業に手を出すのなら、アリー様と提携した方がいいかもよ。あっちでも色々展開予定みたいだから。」
「あらそう、ならちょっと話してみようかしら。」
「なら、今から行く先で少し話してみるよ。母さんはあまり出歩かない方がいいよね。」
「ありがとう。じゃ、お任せするわ。」
「うん、じゃあ行ってくる。」
「はい、行ってらっしゃい。リーサさんも色々頑張ってね。」
「あ、ああ、頑張ってみる。」
「ふふふ、それでいいわ。今はね。」
リーサさんと店の外に出る。
途中で父さんに会って、冷やかされるが軽く流しておく。
「じゃ、リーサさん案内頼むね。そのお店は遠いの?」
「いや、そこまで遠くはなかったと思う。」
「そう、ならこのまま行こうか。」
「ああ。」と言い右手を出してくるので、その手を握り歩き出す。
周りの人が「あら」「まあ」「久々だな」と口にするが気にしてはいけない。
他愛もない話をしながら、キャシーさんの店に着く。
パッと見の外見は婦人服専門店だが、通りに面したショーケースには下着も飾られている。
なるほど、シャルさんとの共同経営なのかな。
男が店に入るには少々度胸がいるな。
ヘタレを返上するには足らないかもしれないが、このドアを開け中に入らないと話が出来ない。
この店を指定したキャシーさんに悪意を感じてしまう。
ここでヘタレていても話にならないので、心を落ち着かせていざ!ドアに手を掛けようとすると。
「ケイン、いつまでそこにいるんだ?さあ早く中に入ってくれ。」
「…リーサさん。ここまでの俺の決意は、どこへ?」
「ん?いいから早く入ろう。」
「…はい。」
店の中に入ると、入って右が洋服類で左が下着類と分けて展示されていた。
「どうせなら、下着類を奥にすればいいのにね。」
「あら、それはどうも。貴重な意見として聞いておくわ。」
「キャシーさん。お久しぶりです。」
「ケイン君たら、お店に入るなりそんなに下着を凝視して!リーサさんが困ってるわよ。相変わらずのムッツリなのね。」
「だったら、さっき言ったように奥に置いてくださいよ。」
「それは出来ない相談だ。なあキャシー。」
「私も最初は奥にした方がいいって言ったのよ。でもシャルが引かなくてね、本当にもう。」
「下着なんてみられてナンボだろ?それなのに隠すなんてダメだ。」
「シャルさん。まあ、いいです。どこか落ち着いて話せる場所はありますか?」
「ええ、何か見せたい物があるのよね。じゃこちらへ。」
「今日は何を持って来たんだ?」
奥の部屋へと案内され、キャシーさんとシャルさんが座った対面に俺とリーサさんが座る。
「さあ、見せてちょうだい。」
「ああ、早く見せろよ。」
「お見せしたかったのは、コレです。」
ファスナーの試作品をテーブルに出す。
「あら、不思議な形ね。」
「何だ?よくわかんないな。なあ説明してくれよ。」
ファスナーのスライダーを摘み、上げ下げしてみる。
「へ~面白いわね。それでこれがどうなるの?」
「そうだな、これだけじゃ分からないぞ。」
「お二人の今着ている服は後ろが開いてますよね。」
「まあ、開いていると言うか紐を通して結んでいるな。」
「それをこれで代用するとどうなります?」
「…そういうことね」
「…そうか」
「別に前でもいいんですけどね。例えばこの先寒くなると手袋とか嵌めたままだと、上着を脱ぐときにボタンが外せなかったりとかもどかしくないですか?」
「そうね。そういう時もあるわね。」
「だな。」
「その上着のボタンもこれに代えたら?」
「「ケイン(君)!」」
二人がガシッと音がするくらいに俺の手を掴むから、リーサさんが怖い顔で剥がしにかかる。
「落ち着いて下さい。いいですか?」
「「はい。」」
近日中にガンツさんの工房から父さんの店に優先的に卸す予定があることを伝える。
それ以降はガンツさんの工房へ試作品の提供やサイズ、形状、色などの細かい注文をしてもらえれば、卸すことは可能だと伝える。
それと母も安価な縫製品を作る予定だが、キャシーさん達で扱っている縫製工場の一部を母用に借りることが出来ないかを相談する。
「なるほどねえ、縫製事業として提携出来る部分は互いに協力していこうって訳ね。うん、分かった。一度、アリー様やお母様と相談してみるわね。」
「頼みます。」
キャシーさん達との話も終わったので、また店へと戻り母に交渉がうまくいったことと、もしかしたら縫製業の提携が出来るかどうか、一度母さんと相談したいと言っていたことを話す。
「分かったわ、ありがとうね。ケイン。」
「それでね、もう少し頼みたいことがあってね。今履いているズボンもそうだけど、これのさ、この部分をファスナーにしたのが欲しいんだけど?お願いできるかな。」
「ああ、そうよね。男の人はそこだけで用が足りるものね。いいわ、それはすごくいいことよ。早速、変更しなきゃね。うふふ。」
「頼んだよ、母さん。」
でも、あれは慣れないとナニを挟み込んじゃうからな~
この世界に弁護士がいるなら雇っておかないと。
「母さん、約束のミシンだけど、ここでもいい?」
「いいけど、もうすぐ私はお休みになるから…」
「その時はちゃんと家まで運ぶからさ。」
「なら、いいけど。どうしたの?」
「まあ、それは後からで。はい、これ!」
「あっ『ファスナー』じゃない!もう出来たの。」
「うん、ガンツさんが張り切ってくれてね。もう生産用の機械も設置したから、何にも問題がなければ、約束の明後日には卸せるから。」
「そう、ありがとうね。なら、ここでも作業出来る人を探した方がいいわね。ちょっと父さんに頼んでみようかしら。」
「それは俺の用事の後でいい?」
「あら、ごめんなさいね。で、何かしら?」
簡単なデザイン画と俺とリーサさんのサイズ表を渡す。
「あら、これは?へ~ふ~ん、面白い形ね。ああ!真ん中に長いファスナーを使うのね。いいわ、作ってあげる!」
「ありがとう、そんなに急がないから。無理しない程度にね。」
「ふふふ、ありがとうね。それでね、これが完成した後なんだけど。同じ物をこの店でも売っていい?ダメ?」
「まずは俺達のを作ってからにしてね、頼むよ。それと使う布は多少厚めの丈夫なヤツでお願いね。」
「ええ、いいわ。でも私がお休みしたら作れないわね。チラッ」
「…三台くらいでいい?」
「あら、分かる?お願いね。」
「じゃ、取ってくるからリーサさんはここで待っててね。」
ゲートを工房に繋ぎ、ミシンの担当者を探す。
残されたリーサさんは作業机の前に座る母さんと向き合う。
「リーサさん、あの子は無茶を言ったりしていない?」
「マギー、それはない。ケインは私には優しく接してくれる。たまにキツイことも言われたりはするが、その時は私が暴走したりとか、私に非がある時だけだしな。」
「そうなのね。ケインはヘタレなのにムッツリなところがあるから大変よね。」
「まあ、そういうのが態度や表情から分かると暴走しがちになるのだが、今は大丈夫だ。」
「うふふ、リーサさん。私は応援しているからね。義母からの助言としてはあまり我慢しなくてもいいわよ。うふふ。本当は親としては言っちゃいけないんでしょうけどね。内緒ね?」
「ああ、すまない。」
「あら、そこは『ありがとう、義母様』じゃないの?」
「…あまり揶揄わないでくれ。ケインももうすぐ戻るだろうから。」
『はい、戻って来ています。開けようとした扉の前で聞こえていました。もう何てことを言うんでしょうね。母として息子の貞操には興味ないんでしょうか。まさか肉親が階段を下から押し上げようとしているんて…』
とりあえず、今このまま扉を開けるのはマズイので一旦工房に戻って、部屋の中に繋ぎ直そう。
その前に赤くなっている顔をどうにかしないと。
『そうだ、ガンツさんの顔でも見るか。』
「ケイン、どうした。顔が赤いぞ?」
「ううん何でもない。忘れ物だから、すぐに戻るね。ああ、これこれ。じゃ。」
適当に物を掴むと店に戻る。
「あら、ケイン。遅かったわね。」
「ちょっとね、向こうで色々話し込んじゃって。」
「そう。(盗み聞きは関心しないわね、貸し一つね。)」
「(な、何のことかな?)じゃ、ミシンはここでいいの?」
「(ま、別にいいわ。目の前の階段は上るなり現状維持なり好きにしなさい。どっちでもいいから。)そうねその辺に置いといて。」
「(親が言うセリフか?)分かった。ここだね。」
「(あら?ムスコの成長は嬉しいものよ。)ありがとう。」
「は~マジかよ。」
「ケイン、どうした?疲れている様だが、大丈夫か?」
「(疲れたのはこの部屋に来てからだけどね。)大丈夫。さあ、次の営業先に行こうか。あ!そうだ、母さんも縫製事業に手を出すのなら、アリー様と提携した方がいいかもよ。あっちでも色々展開予定みたいだから。」
「あらそう、ならちょっと話してみようかしら。」
「なら、今から行く先で少し話してみるよ。母さんはあまり出歩かない方がいいよね。」
「ありがとう。じゃ、お任せするわ。」
「うん、じゃあ行ってくる。」
「はい、行ってらっしゃい。リーサさんも色々頑張ってね。」
「あ、ああ、頑張ってみる。」
「ふふふ、それでいいわ。今はね。」
リーサさんと店の外に出る。
途中で父さんに会って、冷やかされるが軽く流しておく。
「じゃ、リーサさん案内頼むね。そのお店は遠いの?」
「いや、そこまで遠くはなかったと思う。」
「そう、ならこのまま行こうか。」
「ああ。」と言い右手を出してくるので、その手を握り歩き出す。
周りの人が「あら」「まあ」「久々だな」と口にするが気にしてはいけない。
他愛もない話をしながら、キャシーさんの店に着く。
パッと見の外見は婦人服専門店だが、通りに面したショーケースには下着も飾られている。
なるほど、シャルさんとの共同経営なのかな。
男が店に入るには少々度胸がいるな。
ヘタレを返上するには足らないかもしれないが、このドアを開け中に入らないと話が出来ない。
この店を指定したキャシーさんに悪意を感じてしまう。
ここでヘタレていても話にならないので、心を落ち着かせていざ!ドアに手を掛けようとすると。
「ケイン、いつまでそこにいるんだ?さあ早く中に入ってくれ。」
「…リーサさん。ここまでの俺の決意は、どこへ?」
「ん?いいから早く入ろう。」
「…はい。」
店の中に入ると、入って右が洋服類で左が下着類と分けて展示されていた。
「どうせなら、下着類を奥にすればいいのにね。」
「あら、それはどうも。貴重な意見として聞いておくわ。」
「キャシーさん。お久しぶりです。」
「ケイン君たら、お店に入るなりそんなに下着を凝視して!リーサさんが困ってるわよ。相変わらずのムッツリなのね。」
「だったら、さっき言ったように奥に置いてくださいよ。」
「それは出来ない相談だ。なあキャシー。」
「私も最初は奥にした方がいいって言ったのよ。でもシャルが引かなくてね、本当にもう。」
「下着なんてみられてナンボだろ?それなのに隠すなんてダメだ。」
「シャルさん。まあ、いいです。どこか落ち着いて話せる場所はありますか?」
「ええ、何か見せたい物があるのよね。じゃこちらへ。」
「今日は何を持って来たんだ?」
奥の部屋へと案内され、キャシーさんとシャルさんが座った対面に俺とリーサさんが座る。
「さあ、見せてちょうだい。」
「ああ、早く見せろよ。」
「お見せしたかったのは、コレです。」
ファスナーの試作品をテーブルに出す。
「あら、不思議な形ね。」
「何だ?よくわかんないな。なあ説明してくれよ。」
ファスナーのスライダーを摘み、上げ下げしてみる。
「へ~面白いわね。それでこれがどうなるの?」
「そうだな、これだけじゃ分からないぞ。」
「お二人の今着ている服は後ろが開いてますよね。」
「まあ、開いていると言うか紐を通して結んでいるな。」
「それをこれで代用するとどうなります?」
「…そういうことね」
「…そうか」
「別に前でもいいんですけどね。例えばこの先寒くなると手袋とか嵌めたままだと、上着を脱ぐときにボタンが外せなかったりとかもどかしくないですか?」
「そうね。そういう時もあるわね。」
「だな。」
「その上着のボタンもこれに代えたら?」
「「ケイン(君)!」」
二人がガシッと音がするくらいに俺の手を掴むから、リーサさんが怖い顔で剥がしにかかる。
「落ち着いて下さい。いいですか?」
「「はい。」」
近日中にガンツさんの工房から父さんの店に優先的に卸す予定があることを伝える。
それ以降はガンツさんの工房へ試作品の提供やサイズ、形状、色などの細かい注文をしてもらえれば、卸すことは可能だと伝える。
それと母も安価な縫製品を作る予定だが、キャシーさん達で扱っている縫製工場の一部を母用に借りることが出来ないかを相談する。
「なるほどねえ、縫製事業として提携出来る部分は互いに協力していこうって訳ね。うん、分かった。一度、アリー様やお母様と相談してみるわね。」
「頼みます。」
キャシーさん達との話も終わったので、また店へと戻り母に交渉がうまくいったことと、もしかしたら縫製業の提携が出来るかどうか、一度母さんと相談したいと言っていたことを話す。
「分かったわ、ありがとうね。ケイン。」
「それでね、もう少し頼みたいことがあってね。今履いているズボンもそうだけど、これのさ、この部分をファスナーにしたのが欲しいんだけど?お願いできるかな。」
「ああ、そうよね。男の人はそこだけで用が足りるものね。いいわ、それはすごくいいことよ。早速、変更しなきゃね。うふふ。」
「頼んだよ、母さん。」
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この世界に弁護士がいるなら雇っておかないと。
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