転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

文字の大きさ
90 / 468
連載

◆サービスしてもらいました

しおりを挟む
ケイン達の前に条件に合致する複数の物件を並べて見せたが、ケインが手に取ったのは最も高い物件だった。
しかも内見もせずに「これでいい。」と言うのだから、お姉さんも驚いてしまうのもしょうがない。

お姉さんから物件の地図と鍵を受け取り、賃貸契約の書類にサインを済ませる。
「では、お支払いはどの様に?」
「俺の口座からの引き落としで。」
「はい。ではギルドカードをお借りします。」
「はい、これね。」
「では、少々お待ち下さい。」
お姉さんが退室していくのを眺める。

「ケイン、あの物件で本当にいいのか?」
「問題ないよ。通りにも面しているし、ある程度の広さも確保出来ているから。」
「まあ、ケインがそう言うのならいいんだが。さっきあれだけ言ってたのはいいのか?」
「いいよ。そのくらいなら俺で何とか出来るから。」
「ふぅそうかそうだよな、ケインならそのくらいは簡単だよな。」
ほどなくしてお姉さんがカードを手に戻って来た。

「引き落としの手続きは完了しましたので、このカードはお返しします。ご確認を。」
「ああ、間違いなく。」
「では、またのご利用をお待ちしております。」
「ああ。」
ケインがギルドを出た後にギルド長が横に来て呟く。
「まさか、あれが最近の噂になっていたガキだったとはな。」
「私がギルドの預金口座を確認した時には、それほど預金されてはいせんでしたよ。」
「あれでも一度はほぼ空にしたんだぞ。それなのにごく短期間であの金額になったことが驚きだろう。また期間を空けずにギルドが困ることになるだろうな。」
「へえ、ここで何か事業をして貰えるなら、私が担当になりたいな。そうすれば私も…」
「やめとけ。下手に触らない方がいい相手ってのもいることは分かるだろ。」
「それもそうですね。でも、もったいないな~」

ギルドを出た後は、地図を手に港の倉庫を目指し歩いていく。
「地図だとこの辺だね。」
「そうだな、あれがそうじゃないか?」
「ああ、そうだ。あれだね。」
目的の倉庫を見つけ、前まで近付く。

「パッと見はどこも異常なさそうだね。」
「そうだな、特に損壊している場所もなさそうに見える。しかし港の側と言ったが、これが港なのか?」
「王都の港だから、それなりに整備されていると思ったんだけど、酷いね。まさかここも遠浅とか何か原因があるのかな。」
「まあ、今の私達には関係ないか。」
「まあね、でも向こうの港を整備したら、こっちもどうにかしないと無駄になりそう。」
「ああ、そうなるのか。でも、今は考えなくてもいいだろ。もうすぐ一日が終わるんだし。」
「それもそうだね。じゃ中を見て、色々仕掛けて宿を探そうか。」
「ああ、そうしてくれ。」
渡された倉庫の鍵を使い倉庫の大きな扉ではなく、横の通用口を開く。

中は真っ暗だったので、感知式の灯りを壁面に付ける。
広いのは分かるが、全体が見えない。
ならばと正面の大きな扉を左右に開き明るくして中が分かるようにする。
「うわ~高いだけあって、無駄に広いね。」
「そうだな、ここまで広くなくてもよかったんじゃないか。」
「まあ、いいじゃん。とりあえずは灯が欲しいから、ちょっと待っててね。」
天井に張り付き、灯りの魔道具を設置していく。
「これでよし。じゃ扉を閉めるね。」

扉を閉めると感知式の灯りが反応し、倉庫の中を照らす。
「よし、灯りは十分だね。じゃ、後は仕掛けを施して…よし、これでいいかな。」
倉庫の通用口と正面に認証機能を備えた警備セットを付けて、倉庫自体には全体に『障壁』を掛け警備セットと連動する様にしておく。
「今は何もないから、今夜は何もないと思うけど警備は必要だよね。」

倉庫から出て、リーサさんと歩く。
「思ったより、時間が掛かったね。まずは宿を確保してから夕食にしようか。」
「そ、そうだな宿は大事だよな。ゆ、夕食よりも優先しないとな。うんうん。」
「リーサさん、今は変な妄想は無しだからね。暴走しないように気を付けてよ。」
「あ、ああ分かっている。分かってはいるが…」
「もう、別に妄想する必要はなくない?」
「むぅそれはそうだが、癖になっていると言うか何だろうな。」
「『何だろうな』とか俺に言われても困るし。」

宿探しで条件にしているのは、鍵付き風呂付きベッドが綺麗なことだ。
安い宿だと鍵が付いていないのは珍しいことではないらしい。
なので、それなりに高そうな宿を中心に見て回ることになる。

「ここは雰囲気がいいね。どう?」
「ああ、中で聞いてみよう。」
少し入った所にカウンターらしき場所があったので近付いて尋ねる。

「すみません、宿泊したいんですが部屋は空いてますか?」
「あら、親子なの。なら一部屋でいいのかしら?」
「いや、夫婦だ。ベッドはダブル希望で。」
「夫婦なの?ねえボク衛兵さん呼ぶ?」
「失礼な夫婦と「リーサさんはややこしくなるから、しばらく黙ってようね。それから衛兵は不要です。部屋は一部屋でいいのですが、ベッドはツインでお願いします。」…夫婦なのに。」
「あら、何か訳ありのようね。いいわ、ツインのお部屋ね。お風呂は希望かしら。」
「ええ、お願いします。」
「ふふふ、あまり汚さない様にね。」
「よ、汚すようなことはしませんよ。しないはずです。多分…」
「なんだケイン、しないのか?」
「だから、しないし、人前でそういうことは言わない!」
「す、すまん。」
「ふふふ、いいわよ。最初はワケも分からず天井のシミを数えたものよ。ボクは何を数えるのかしらね。うふふ。」
「そ、そう言うことはま、まだしないし。何も数えないから!」
「ケイン、数える間もないってことなのか。それはそれで問題だと思うぞ。知り合いの話だがな、あっという間に終わって、『1』すら届かなかったとか。」
「リーサさん、人前でする話じゃないよね。お姉さんも煽るようなことはやめてもらえませんか。」
「あら、『お姉さん』と言ってくれるのね、ありがとうね。遅くなったけど、私はこの宿の女将でもあるのよ。『女将さん』て呼んでね。」
「じゃ、部屋は確保出来たし次は夕食だね。」
「何、夕食はまだなの?なら、ここで済ませなさい。さっきからかったお詫びじゃないけど、サービスさせてもらうわよ。どう?」
「ここでいい?」
「ああ、サービスしてくれると言うし、もう探す時間もないだろう。」
「そうだね、さっきので疲れたし。じゃあお願いします。」
「ふふふ、じゃこちらへどうぞ。」

女将さんにホテル内のレストランらしき場所へと案内され席へと通される。
「女将さん、こんな格好で来ていい場所とは思えないけど?」
「いいのよ。私のお客様なんですもの。」
テーブルへと近付いて来たウェイターに女将さんが、「私のお客さまなの。お願いね。」と声を掛けると「ごゆっくり」とその場から去っていく。
しおりを挟む
感想 254

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。