転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

文字の大きさ
92 / 468
連載

◆まけてもらいました

しおりを挟む
朝になり、朝食を食べようとレストランまで来ると期待満面の女将さんがそこにいた。
「ねえ、悪いけど朝食セットを二つこのテーブルに用意して貰えるかしら。私にはお茶をお願いね。で、どうだったの?」
「『どうだった』って女将さんがそんなゲスいことを聞くの?」
「何言ってんの。久々に現れたのよ。こんなご馳走を目の前にして何もしないで帰せと言うの。それこそ客商売に対する冒涜よ!」
「何が冒涜に値するのか、商売を生業とする俺には理解することは出来ませんが?」
「あら、あなたは商人なの?へ~」
「正確には、父が商人で小さな店を営んでいます。俺は工房で物を作ってるだけですけどね。」
「そう、それでなのね。昨日はウェイターが妙な物を渡されたと困惑していたけど、シェフである夫に渡したら、びっくりしていたわ。遅くなったけど私からもお礼を言わせてね。ありがとう。それに揚げ物のレシピまで頂いて、夫が興奮して大変だったのよ。うふふ。久しぶりよ、あんなはしゃいだ夫を見るのは。他でも同じくらいはしゃいでくれたらいいのにね…さて、私の話はおしまい。あなた達、特にあなたの昨夜のお話を聞かせて。さあ、早く!」
「寝た。」
「それは分かっているわ。だから、その前後のことを詳細に私にお話してと言ってるのよ。さあ!」
「だから、詳細も何もそのままの意味だ。ベッドで寝た。それだけだ。」
「…え?嘘、何言ってるの?そうか、まだ午前中だものね。こんな明るいうちは恥ずかしいか。ごめんなさいね。気が早って、また午後にでも改めて聞かせて貰えるかしら。」
「改めようが、どうしようが内容は変わらないぞ。」
「そんな…嘘でしょ。」
「嘘も何も俺はまだ出来ない体でね。」
「だって、ベッドは一つしか使ってないって…」
「…まだチェックアウトもしてないってのに。」

くだらないやりとりをしていると朝食を手に近寄って来たシェフがテーブルの上に並べていく。
「昨夜頂いた魔道具だが、あれは素晴らしいものだ。料理の手間が省けるどころか、新しいレシピが次から次へと溢れてくる。本当にありがとう。それと、あの揚げ物のレシピも素晴らしい。きっとこの店の名物になるだろう。いや、私があれ以上の物を作ってみせるさ。今度、この店に来た時には、もらったレシピ以上の物をご馳走するよ。楽しみにしといてくれ。それで、コレはもういいのかい?」
女将さんをコレ呼ばわりすると言うことはこのシェフがご主人と言うことで間違いないのだろう。

「いいも何もこちらから話すべきことも、女将さんが聞きたいことも全て話したので、もう俺達には用はありませんが。」
「そうか、ではこちらで引き取ろう。遅くなったが朝食を楽しんでくれ。」
「「ありがとう。」」

シェフのご主人が女将さんを立たせ一緒に歩くが「嘘よ」「何で」とかまだ呟いている。
「ふぅ」と軽く嘆息し遅くなった朝食を済ませる。

朝食を終え、部屋に戻りこれからの予定を軽く話す。
まあ予定と言っても買い出しツアーで回る順序を決めるくらいだが。

部屋を出て、チェックアウトのためにカウンターへと寄ると「お支払いは結構です。」と告げられた。
理由を聞くと女将さんの失礼に対するお詫びと伺っていますと返された。
「まあ、得したと言えるのかな?」
「微妙なとこだな。だが、私は楽しかったぞ。今度来た時には、今以上の礼を返せばいいんじゃないのか。」
「それはそうだろうけど、何かお礼を互いにくりかえすことになりそうだね。」
「ははは、それはそれで楽しそうだけどな。」

宿を出て、頼まれてもいないお土産の買い出しツアーへと出掛ける。

一軒目は、重くて嵩張るお酒だ。
宿を出る際にお勧めの酒屋を聞いておいた。

目的とする酒屋は苦もなく見つけることが出来たので、あとは買うことが出来る量が問題だ。
酒屋に入り、店主と思われる男性を見つけ話しかける。

「要するにウチで出せるだけの酒を港の倉庫に運んで欲しいと、そう言う訳か。」
「そう、お願い出来る?」
「それはいいが、結構な金額になるぞ。」
「ちなみにどれくらいか聞いても?」
「ああ、概算でこれくらい…だな。」
店主が算盤を弾いてこちらに見せる。
「算盤がもう、こんなところにまで。」
「お、坊主はこれを知っているのか?すごく便利だろ。もう俺はコイツを離せなくてな。あんな面倒な筆算に戻ろうなんて思えねえよ。で、どうだ?払えそうか。」
「ギルドからの引き落としでもいいの?」
「ああ、大金になるだろうからな。構わねえぞ。」
「じゃあ、それではい。」とカードを渡す。
「…よし、これで成立だな。ほいよ。」とカードを返される。
「ねえ、算盤以上のものがあったら、使いたい?」
「ん?そんなもんあるわけねえよ。あったら、今のはタダにしてやるぞ、ははは。」
「じゃあ、これ。」
魔導計算機をテーブルの上に出す。
「何だこれは?数字が書かれているボタンに演算子…まさか、まさかだよな…嘘だろ?」
「嘘も何も目の前にあるでしょ?使って見て。ほら!」
「…ま、まあな肝心の計算が出来るとは限らないしな。どれ…マジかよ。揺すってもブレない。算盤はそこだけが不満だったんだが、これは…よし!俺も男だ。さっきのはタダにしてやろう。くっ」
「全部をタダとは言わないから、半額でお願いね。」
「男が一度言ったことを引っ込める訳にはいかねえ。いいから、タダにすると言ってんだ。そこは喜ぶべきだろうが。」
「でもこれだけの金額をタダにされて、『はい、そうですか』で帰ったら俺が怒られるよ。」
「そうか、それもそうだな。じゃ、さっき言ってた半額でいいぞ。」
「(逃げ道を用意したら、すぐに乗ってきた。いい人っぽいが大丈夫か。)ありがとうね。じゃ、倉庫の場所はここだから、三時に届くようにお願いね。」
「ああ、分かった任せろ。」
「あ、そうだ半額のお礼にこれも付けてあげる。感想はまた来た時にでも聞かせてね。」
蒸留酒を取り出し、テーブルに置く。
「ほう、こいつは…」
「試飲するのは倉庫に届けてからにしてね。」
「あ、ああ分かったよ。チッ」

それから別の酒屋に食料品に布を買い付け倉庫に届けてもらう様にお願いする。
「はあ、後は洋服類だな。こればかりは俺は役に立たないから、リーサさんにお願いしてもいいかな?」
「私に任せられても自信はないが…頑張ってみる。」
「お願いします。」

服に関してはウィンドウショッピングで、彷徨きながらよさそうな店を見つけたら入ることにして、ついでにお昼を食べられるところも探す。

「あ!あれ美味しそうじゃない?寄ってみようか。」
「ケイン、さっきから買い食いで、お昼どころかお腹いっぱいなんだが…」
「ごめん。」
「それに目的の服も見つけていないし。」
「もう、服は今度にしようか。キャシーさん達に聞くなり案内してもらった方が早いし。」
「それもそうだな。」
「じゃ少し早いけど、倉庫で待ってようか。」
「ああ。」

しおりを挟む
感想 254

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。