転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

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◆速すぎました

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リーサさんと拗れて機体の胴体部分が出来てから、一週間が経過した。
その間に主翼、尾翼と各翼を胴体に接続しジェットエンジンを載せて、ケーブルを敷設して操作パネルや制御系のあれこれとの接続を確認し、後は試運転を待つだけとなった。

「ケイン、そっちの確認は終わったか?」
「終わったよ、後は動かすだけ。」
「長かった…」
「何言ってんの、たった一週間じゃない。」
「そうは言うが、今まではほとんとが一瞬で済ませてたからの。何か初めてというか新鮮な気分じゃの。」
「じゃ、そろそろいい?」
「まあ、待て。まだ心臓が落ち着かん。」
「それなら、ゆっくり進めるからダメな時は言ってね。」
「分かった頼む。」

「それじゃ、久々の発車シーケンスと行きますか!格納庫ハッチオープン!『ポチッ』」
『ガガガ…』と音を鳴らしながら、格納庫の上部ハッチが左右に分かれて開き始める。

ハッチが開ききって、格納庫の上部に取り付けてあるシグナルが赤から青に変わる。
「ガンツさん、そっちはどう?落ち着いた?」
「まだバクバク鳴っているが、ワシが作った機体じゃこっからは譲れんぞ。」
「ふふふ、いいよ。じゃガンツ機長キャプテン。後は任せます。」
「ああ、任された。よし行くぞ。ファンを回せ!」
「ファン回します。ファンの回転を確認。」
「よし、点火イグニッション。」
点火イグニッション。タービンの起動を確認。」
「上昇開始!」
「上昇開始。」と反重力の魔法陣を起動しゆっくりと上空に上がる。
「ここまではいつも通りじゃの。いよいよこっからか。さて、どうするかの。」
「まずは落ちることも考えて、海の方に向けようか。」
「何じゃ、最初から落ちることを想定するのか?縁起でもない。」
「まあまあ、最初は何があるか分からないし、ここは慎重に行こうよ。」
「ふむ、それもそうじゃの。じゃ進路を海へ。」
「了解、機長キャプテン。」
「それにしてもいつの間にか計器類が増えたの。」
「そうだね、前の機体には間に合わなかったから着けられなかったけど、あれば便利でしょ?」
「いいな、速度計に高度計、これは、機体の傾きか。まあ後は追々じゃな。」
「進路固定。機長キャプテン、いつでもいいよ。」
「はぁドキドキするな。よし、行くぞ!まずは微速で。」
「了解、機長キャプテン。」
スロットルをゆっくりと押し込む。
機体後方から『ゴォォォォォ』と排気音が聞こえゆっくりと動き出す。
「動いた!ワシのホークが動いた!」
「ガンツさん、はしゃぎ過ぎ!ほら、立たないで落ち着いて。まだ微速だから。」
「あ、ああすまない。よし、機体の各部位に異常がないか確認。」
「了解、機長キャプテン。異常音なし、計器類異常なし、視界良好。」
「よし、これから飛行速度の確認じゃ。いいな、徐々に上げるんじゃぞ。いいな、フリじゃないからな、ゆっくりだぞ。ゆっくりだ。」
「懐かしい!でもそんなに言われたらフリに聞こえるから不思議だ。」
「ケイン、こんな時に言う冗談じゃないぞ。いいかフリじゃないからな、ゆっくりだ。」
「もう何回も言われるとウズウズしちゃうじゃん。もう、いいから黙ってて、ゆっくりでしょ?」
「何じゃそのわざとらしい笑みは…ケイン、こんな時にふざけるのはよくないと思うぞ。」
「いいから、じゃゆっくりね。」
揶揄いすぎたなと思いつつ、スロットルをゆっくりと押し上げる。
後方から聞こえる排気音が徐々に高くなっていく。

「おお、速い!速過ぎじゃケイン。ゆっくりと言っただろ。」
「ガンツさんも見てたでしょ?ゆっくりと上げるのを。」
「そうじゃったな、それなのにこの速さなのか?」
「まだ上げられるけど?」
「もう少しだけ待ってくれ。この速さに慣れるから。」

ガンツさんが速度に慣れるのを待って、更に速度を上げていく。
速度計を見るとマッハに近い速度が出ていたけど、機体に異常は感じられなかったので、試験は成功したと言えるだろう。
だけど、ここはどこなんだろう?

「ガンツさん、それでここはどこなんだろうね。」
「何じゃケイン、そんなことも分からんのか。」
「ガンツさんは分かるの?」
「ああ、海の上ってことだけは確かじゃ。」
「ふふふ、それはそうだね。」
「よし、少し速度を落として無人島でも探してみるか。」
「そんなの探してどうするのさ。」
「そんなもんは決まっとる。秘密基地を作るんじゃ!」
「秘密基地…いいね、それ。分かった。じゃ微速まで落とすね。ついでに高度も落として、と。」
「おう、それでいい。さあ、島はどこじゃ。」

ガンツさんと島を探して一時間もしない内に群島を見つける。
「ガンツさん、ゆっくり上空を回って人の痕跡がないか確認しよう。」
「分かった。ゆっくり旋回じゃな。」
「俺も下向きのカメラで確認するから。なるべくゆっくりね。」
「ああ。」

「人どころか生き物がいるかも怪しいな。」
「みたいね。ちょっと降りてみるから、あそこの砂浜に降ろして。」
「ワシはどうする?」
「機体には障壁をかけるから、何かあったらすぐに飛べるようにしといて。」
「分かった。」

自分のバイクを出し起動する。
「じゃ、その辺を見てくるね。」
「おお、気を付けてな。」

久々のモトクロスバイクと未開の地に興奮を覚えつつ、島内を走り回る。
携帯電話でガンツさんに掛ける。
「もしもし、ガンツさん。」
『ケイン、どうした?何があった?』
「別に何もないよ。今のところはね。人の気配もないし、生き物の気配もない。本当に無人島みたいだね。」
『そうか、なら俺も出ていいか?』
「もう少し待って。まだ一周してないから。」
『分かった。』
電話を切り探索を続ける。

「これだけ回っても何も出て来ないか。なら花火を上げてみるかな。と、その前に。ガンツさん。」
『何じゃケイン、淋しくなったか?』
「少しね。今から大きな花火をあげるから、驚かないでねって話。」
『花火?ああ、いいぞ。どうせ誰もいないし好きにするがええ。』
「分かった。じゃね。」

言質は取ったから、派手に行くかな。
『ドン!ドン!ドン!』と大きめの魔法を放つ。
まだ何も出て来ないか。なら、もう一回と続けて放つ。
『ドン!ドン!ドン!』
「もう一回。」
『ドン!ドン!ドン!ドン!』
「もういいかな。」
ガンツさんの所に戻る。

「ガンツさん、誰もいないし何もいない。ちょっと不思議だね。」
「そうか、虫くらいはいるだろ。」
「それは調べていないや。」
「まあいい、それならそれで秘密基地の障害にはならないな。くくく。」
「じゃお昼にしようよ。」
「もうそんな時間か。楽しいと早いな。」
「じゃ、一度父さんの店に行くから、ホーク号は収納するね。」
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