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◆やらかしました
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奥に顔を洗いに行っていたダインさんが、さっぱりとした顔で戻ってくると「済まなかった。」と俺とアルガンさんに頭を下げてきた。
「もう、イチャつくのはいいんですか?」
「それは言わないでくれ。初めて好きと言われ舞い上がっていたんだ。今考えてもどうかしていたとしか思えない。しかも俺の仕事を『樽職人何か』と言う女だったなんて…」
「分かりました。ダインさん改めて樽の件、よろしくお願いしますね。それとアルガンさんのことも。」
「ああ、アルガンすまなかったな。」
「よかった~ダインさんが戻って来た~ケイン君、ありがとう。」
「これでよかったのかのぉケイン、あのお嬢さんが何かしでかすかもしれんぞ。」
「ガンツさんは同じ親バカ同士、分かることもあるんだね。」
「親バカなのは認めるが、もう勘弁してくれんか。」
「じゃあ、早速と言いたいですがダインさん、こちらに楢の木はありますか?」
「ああ、あるぞ。ちゃんと乾燥済みのがな。それが?」
「それで、試作品を三つほど作ってもらえますか。」
「三つか、ならやっぱり一週間後だな。いいか?」
「分かりました。それで頼みます。」
「ケイン君。俺も手伝うから。今度は、あのお嬢さんに邪魔させないから任せてよ。」
「本当に~?」とアルガンさんを揶揄う様に返事すると「ぐっ」とサムズアップしてみせる。
「ケイン、ここはもう大丈夫じゃろ。次に行こうか。」
「そうだね、じゃダインさん、アルガンさん、またね。」
「「ああ。」」
ダインさんの工房を出ると、今度はドラゴニュータウンへとゲートで向かう。
ゲートを出て確認するが、何も変わった様子はなかった。
つまりは何も進捗がないということになる。
里長達かダルクさんが、その辺にいると思ったが人の気配がしない。
「ガンツさん、どういうことだろ?」
「どういうことも何も本人達に連絡を取ればよかろう。」
「あ、そうだね。」と、まずは里長に電話をかける。
『はい、ドラン。』
「里長、ケインです。今どちらにいますか?」
『今?今はドラゴニュータウンにいるが…』
「へ~奇遇ですね。俺達もドラゴニュータウンにいるんですが…おかしいですね。」
『へ?そこにいるのか?』
「ええ、ガンツさんも一緒ですよ。で、里長はどこにいるんですか?」
『いや…わ、ワシは…あれ?…な…だ…ちょ…で…』
「もしも~し、どうしました?」と問いかけるが『ブツ』と通話を切られた。
「どうした?ケイン、いたのか。」
「この辺りにいるって言われたけど、いないよね?」
「ああ、そうじゃな。全く何をやっているんだか。」
「もう、向こうが無視するなら、探すまでだね。」とタブレットを取り出し、地図を表示させ『探索』とケインがつぶやくとタブレットに表示されている地図上に赤丸が表示される。
「ガンツさん、この位置って教習所だよね。」
「どれ?ああ、そうだな。教習所で間違いないな。」
「じゃあドランさん達は教習所に通っているってことなの。」
「まあ、そんなところじゃの。」
「そりゃ教習所に通うようには言ったけどさ~何も進んでないってのも問題だよね。」
「ああ、それだけ酒の出来上がりが遅くなるのも嫌だしな。」
「じゃあ教習所に行ってみようか。」
「そうだな、まずは一つずつじゃな。んじゃ頼むぞ。」
「うん、じゃあ繋ぐね。」と教習所へとゲートを繋ぎ潜る。
教習所へ出ると、そこには里長達とダルクさん達がいた。
その集団に近付き「何しているんですか?」と声を掛ける。
「ケ、ケイン。なぜここに?電話ではちゃんと誤魔化したはずなのに…」
ドランさんにそう言われるが、「ドランさん達こそ何やっているんですか?何も進んでいないようだけど…」と返す。
「もし八月中に何も進まないようなら、移住する意思はないものと見做して俺は、あの土地を取り上げますからね。」
「待て!ケイン、お前も教習所に行くことを勧めたじゃないか。それなのに何で、そこまでの話になるんだ?」
「『何で』って何も進んでいないじゃないですか!ダルクさん達まで一緒になって何やっているんですか!もっと真面目に移住のことを考えていると思っていたのに。俺が間違っていたのかな~初めっから、こんないい加減な人達に頼まずに自分でやればよかったって、今物凄く後悔していますよ。」
「待て!ワシらだって遊んでいた訳じゃないぞ。」
「じゃあ、その成果とやらを見せてもらえますか?」
「え~と、その…」
「さあ、早く!もしかして、それも嘘ですか?呆れた…」
「…じゃ。」
「はぁ?何言ってるんですか?」
「じゃから、こんな楽しいことを教えたケインが悪いんじゃ!」
「開き直りですか。いい歳した大人が…他の人達も同じ意見ですか?ダルクさん?」
「俺は今日からだから、関係ないかな。」
「あ~ダルク!嘘を言うな~お前も今まで一緒に教習を受けていたじゃないか!」
「ドランさんはああ言ってますけど?」
「ぐっドランのバカが…ああ、そうだ。俺も共犯だよ。それで何が悪い!」
「こっちも開き直りかよ。それで、一日教習を受けていた訳じゃないんでしょ?何か話し合って決めた事とか本当にないんですか?」
「「ない!」」
「そうですか、分かりましたよ。じゃあ、あそこの土地は俺達で管理するんで、しばらくは立ち入らないようにお願いしますね。じゃ、ガンツさん行きましょうか。」
「ケイン、こいつらはこのままでいいのか?」
「どっちにしろ、しばらくは放置ですね。こっちの都合だけど早く進めないと何もかもが後手に回ってしまうし。もうこの人達は移住者じゃなく、単なる労働者か観光者として見るんで。そうなると街の名称もドラゴニュータウンじゃなく別のに変えようかな。」
「じゃが、お前が拾って来たのなら、最後まで面倒を見る責任があるんじゃないのか?」
「まさか!犬猫じゃあるまいし。皆さん責任ある大人ですよ。まあ、その大人がしでかした訳ですけどね。」と問題の大人達を一瞥すると、自分達のしでかしたことをようやく認識したのか、今は俯いてずっと足元を見ている。
ケインがドラン達に向かって、告げる。
「今まで振り回してすみませんでした。お渡しした物は後ほど、回収に伺いますので、それまでは保管をお願いします。じゃ、ガンツさん行こうか。」
「おい、ケイン。本当にワシ達から、あの土地を取り上げるつもりか!」
「ドランさん、おかしなことを言いますね。元はあの土地で耕作をして欲しいとお願いして、その条件で移住を進めていた筈ですが。」
「ぐぬぬ、た、確かにそう言う約束じゃった。」
「なら、いいですよね。その意思がないと見做して。」
「いや、だからそれを待って欲しいんだが…ダメかの?」
「待ってどうなるんですか?」
「だから、言ったじゃないですか。ちゃんと作業と合わせて効率よく動きましょうって。」
「だが、ドズも乗り気だったじゃろ。」
「そりゃ、俺一人で作業するのもバカらしくなるじゃないですか。」
「じゃ、もういいですか?」とケインが声を掛けるが何も返事がないので、「じゃ、帰りますね。」とゲートを工房へ繋いで自室へ戻る。
「もう、イチャつくのはいいんですか?」
「それは言わないでくれ。初めて好きと言われ舞い上がっていたんだ。今考えてもどうかしていたとしか思えない。しかも俺の仕事を『樽職人何か』と言う女だったなんて…」
「分かりました。ダインさん改めて樽の件、よろしくお願いしますね。それとアルガンさんのことも。」
「ああ、アルガンすまなかったな。」
「よかった~ダインさんが戻って来た~ケイン君、ありがとう。」
「これでよかったのかのぉケイン、あのお嬢さんが何かしでかすかもしれんぞ。」
「ガンツさんは同じ親バカ同士、分かることもあるんだね。」
「親バカなのは認めるが、もう勘弁してくれんか。」
「じゃあ、早速と言いたいですがダインさん、こちらに楢の木はありますか?」
「ああ、あるぞ。ちゃんと乾燥済みのがな。それが?」
「それで、試作品を三つほど作ってもらえますか。」
「三つか、ならやっぱり一週間後だな。いいか?」
「分かりました。それで頼みます。」
「ケイン君。俺も手伝うから。今度は、あのお嬢さんに邪魔させないから任せてよ。」
「本当に~?」とアルガンさんを揶揄う様に返事すると「ぐっ」とサムズアップしてみせる。
「ケイン、ここはもう大丈夫じゃろ。次に行こうか。」
「そうだね、じゃダインさん、アルガンさん、またね。」
「「ああ。」」
ダインさんの工房を出ると、今度はドラゴニュータウンへとゲートで向かう。
ゲートを出て確認するが、何も変わった様子はなかった。
つまりは何も進捗がないということになる。
里長達かダルクさんが、その辺にいると思ったが人の気配がしない。
「ガンツさん、どういうことだろ?」
「どういうことも何も本人達に連絡を取ればよかろう。」
「あ、そうだね。」と、まずは里長に電話をかける。
『はい、ドラン。』
「里長、ケインです。今どちらにいますか?」
『今?今はドラゴニュータウンにいるが…』
「へ~奇遇ですね。俺達もドラゴニュータウンにいるんですが…おかしいですね。」
『へ?そこにいるのか?』
「ええ、ガンツさんも一緒ですよ。で、里長はどこにいるんですか?」
『いや…わ、ワシは…あれ?…な…だ…ちょ…で…』
「もしも~し、どうしました?」と問いかけるが『ブツ』と通話を切られた。
「どうした?ケイン、いたのか。」
「この辺りにいるって言われたけど、いないよね?」
「ああ、そうじゃな。全く何をやっているんだか。」
「もう、向こうが無視するなら、探すまでだね。」とタブレットを取り出し、地図を表示させ『探索』とケインがつぶやくとタブレットに表示されている地図上に赤丸が表示される。
「ガンツさん、この位置って教習所だよね。」
「どれ?ああ、そうだな。教習所で間違いないな。」
「じゃあドランさん達は教習所に通っているってことなの。」
「まあ、そんなところじゃの。」
「そりゃ教習所に通うようには言ったけどさ~何も進んでないってのも問題だよね。」
「ああ、それだけ酒の出来上がりが遅くなるのも嫌だしな。」
「じゃあ教習所に行ってみようか。」
「そうだな、まずは一つずつじゃな。んじゃ頼むぞ。」
「うん、じゃあ繋ぐね。」と教習所へとゲートを繋ぎ潜る。
教習所へ出ると、そこには里長達とダルクさん達がいた。
その集団に近付き「何しているんですか?」と声を掛ける。
「ケ、ケイン。なぜここに?電話ではちゃんと誤魔化したはずなのに…」
ドランさんにそう言われるが、「ドランさん達こそ何やっているんですか?何も進んでいないようだけど…」と返す。
「もし八月中に何も進まないようなら、移住する意思はないものと見做して俺は、あの土地を取り上げますからね。」
「待て!ケイン、お前も教習所に行くことを勧めたじゃないか。それなのに何で、そこまでの話になるんだ?」
「『何で』って何も進んでいないじゃないですか!ダルクさん達まで一緒になって何やっているんですか!もっと真面目に移住のことを考えていると思っていたのに。俺が間違っていたのかな~初めっから、こんないい加減な人達に頼まずに自分でやればよかったって、今物凄く後悔していますよ。」
「待て!ワシらだって遊んでいた訳じゃないぞ。」
「じゃあ、その成果とやらを見せてもらえますか?」
「え~と、その…」
「さあ、早く!もしかして、それも嘘ですか?呆れた…」
「…じゃ。」
「はぁ?何言ってるんですか?」
「じゃから、こんな楽しいことを教えたケインが悪いんじゃ!」
「開き直りですか。いい歳した大人が…他の人達も同じ意見ですか?ダルクさん?」
「俺は今日からだから、関係ないかな。」
「あ~ダルク!嘘を言うな~お前も今まで一緒に教習を受けていたじゃないか!」
「ドランさんはああ言ってますけど?」
「ぐっドランのバカが…ああ、そうだ。俺も共犯だよ。それで何が悪い!」
「こっちも開き直りかよ。それで、一日教習を受けていた訳じゃないんでしょ?何か話し合って決めた事とか本当にないんですか?」
「「ない!」」
「そうですか、分かりましたよ。じゃあ、あそこの土地は俺達で管理するんで、しばらくは立ち入らないようにお願いしますね。じゃ、ガンツさん行きましょうか。」
「ケイン、こいつらはこのままでいいのか?」
「どっちにしろ、しばらくは放置ですね。こっちの都合だけど早く進めないと何もかもが後手に回ってしまうし。もうこの人達は移住者じゃなく、単なる労働者か観光者として見るんで。そうなると街の名称もドラゴニュータウンじゃなく別のに変えようかな。」
「じゃが、お前が拾って来たのなら、最後まで面倒を見る責任があるんじゃないのか?」
「まさか!犬猫じゃあるまいし。皆さん責任ある大人ですよ。まあ、その大人がしでかした訳ですけどね。」と問題の大人達を一瞥すると、自分達のしでかしたことをようやく認識したのか、今は俯いてずっと足元を見ている。
ケインがドラン達に向かって、告げる。
「今まで振り回してすみませんでした。お渡しした物は後ほど、回収に伺いますので、それまでは保管をお願いします。じゃ、ガンツさん行こうか。」
「おい、ケイン。本当にワシ達から、あの土地を取り上げるつもりか!」
「ドランさん、おかしなことを言いますね。元はあの土地で耕作をして欲しいとお願いして、その条件で移住を進めていた筈ですが。」
「ぐぬぬ、た、確かにそう言う約束じゃった。」
「なら、いいですよね。その意思がないと見做して。」
「いや、だからそれを待って欲しいんだが…ダメかの?」
「待ってどうなるんですか?」
「だから、言ったじゃないですか。ちゃんと作業と合わせて効率よく動きましょうって。」
「だが、ドズも乗り気だったじゃろ。」
「そりゃ、俺一人で作業するのもバカらしくなるじゃないですか。」
「じゃ、もういいですか?」とケインが声を掛けるが何も返事がないので、「じゃ、帰りますね。」とゲートを工房へ繋いで自室へ戻る。
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