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◆洗礼を受けました
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皆んなでドワーフタウンの模型を見ながら、学校の場所に付いて検討する。
「まずは住宅地に近過ぎず遠過ぎずって所で、広目の運動場と校舎と体育館にプールが必要だよね」
「待て、ケイン。校舎とプールは分かる。後の二つは何じゃ?」
「え~と、ガンツさん後の二つってのは『運動場』と『体育館』のことでいい?」
「ああ、それ!それじゃ。お前の言うことには聞いたこともない単語が含まれることがあるからの。危うく聞き逃すところじゃったわい」
「そんなに言わなくて……まあいいよ、運動場はその名の通りに皆んなで運動しても問題ないくらいの広場だね。体育館は板張りの運動施設ってとこかな」
「運動場は分かった。だが、その体育館か。雨の日用と言うが必要か?」
「何言ってんの!雨の日に動けないってのは子供にとってはストレスなんだからね。ガンツさんはお年寄り過ぎて動きたくはないだろうけどさ」
「また年寄り扱いしおって……まあ、ええ。そういう理由ならしょうがないの。で、それぞれの広さは大体考えているんじゃろ。説明してくれ」
「うん、いいよ。じゃあ説明するね」
まずは模型の縮尺に合わせて一周四百メートルのトラックを用意して、その横に体育館をバスケットゴール二面分に余裕を持たせて少し大きめにした蒲鉾型の屋根を持つ体育館を置き、その横にプールを二五メートルを六コース分の大きさで用意する。
最後にプールと反対側の体育館の横にL字型の校舎を置く。
「こんなかな」
「ほう、これがケインの考える学校か」
「ガンツさん、ざっくりだけどこんなイメージでどうかな?」
「なあ、ケインはどのくらいの子供を預かるつもりなんじゃ」
「どのくらいかは予想だけど、今は百人から二百人くらいかな。ガンボさんはどう思うの?」
「人数としては、その位なら何とかなるかな。移住者も増えているし、それに合わせて子供も増えている。後は学びたい大人も意外と多いと思うしの」
「じゃあ、ガンボさんは校舎の大きさとしては問題ないんだね」
「ああ、足らんなら上に足せばいいんじゃろ。その時にはケインに頑張ってもらうがな」
「それくらいなら、いいよ。カーティスさんはどこか変な所とか、足りないと思う物はある?」
「いや、私からは特に何もない。強いて言うなら、この学校の敷地は囲むのかい?」
「ああ、そうだよね。通ってくれる子供達を守るためにもある程度の高さの塀で囲った方がいいね。ありがとうカーティスさん」
「いや、お役に立てたなら嬉しいな」
「塀を用意するなら、入り口も必要だよね。正門と裏門を作って、校舎側を正門、運動場の方に裏門かな」
模型に二メートルくらいの高さで塀を作り学校の敷地を囲い、正門、裏門を追加する。
「これでどうかな」
「うむ、ほぼ出来たな。じゃ後はこれをどこに置くかだ」
「さっきケインが言うた条件に合うのはどの辺じゃ、ガンツよ」
「確か住宅地から遠過ぎず近過ぎずじゃったな。それだと、ほぼ中央のこの辺りか」
「繁華街の近くはダメじゃぞ」
「なら、もう少し住宅地の方に近付けると……この辺りか」
「まだ土地は余っていたと思っていたけど、意外と建物が多くなってるんだね」
「ほぼお前が作ったもんじゃねえか」
「ガンツさんはそう言うけど、俺だって無秩序に建てている訳じゃないからね」
「でもよ、ここの位置だと駅からは遠くなるんじゃないか」
「ガンボさんは何を気にしているの?」
「いやな、今の領都にも学校はないし、河の向こうにも学校が作られる予定もないんだろ」
「そうだね、そういう話は聞いてないね」
「だろ、ならその辺りからも通って来ることを考えると駅の近くがいいんじゃねえかと思ってな。生徒だけじゃなく通いの教師も出て来るだろうからな」
「なるほどね~そうなると駅の近くで住宅地から遠過ぎず近過ぎず繁華街からは離してか。」
「まあ、この際だ。多少住宅街に近くなっても構わんじゃろ。じゃ、この辺りで決まりじゃ」
「町長のガンツさんが言うなら、そこでいいか」
「さりげなくワシに責任を負わせおって」
「まあまあ、いいじゃない。じゃ、ちょっと作りに行こうか。カーティスさんも新しい職場が気になるでしょ」
「そうですね、ですが今から行って何をするんでしょうか」
「何って、こいつが作っちまうんだよ。『えぃ』ってな。なあケイン」
「うん、そうだね」
「は? 正気ですか。これだけの建物を作るだなんて」
「何だ、まだケインの洗礼は受けていないのか?」
「何、ガンツさん。その『洗礼』って」
「いや、お前の非常識な魔法のことだよ。カーティスも見たんだろ? こいつが建物を魔法でパパッと作っちまうのを」
「ええ、確かに見たことはありますが、私が見たのは小屋を作るだけでしたよ。それに学校となると、その模型からも分かるように小屋とは違った大きさになりますよね。いくら何でもそんなことは」
「ハァ~まだケインの洗礼はちゃんと受けていないようだな。いいか、今ワシ達がいるこの建物な、何階建てか知っているか?」
「確か十階建てですよね」
「そう十階建てだ。それをこいつが『えぃ』って作っちまったんだよ。な、これで分かっただろ」
「へ?」
「『へ』じゃなく『えぃ』だ」
「ガンツよ、カーティスが言っているのはそれじゃない」
「何じゃ違うのか。なら何を言いたいんだ」
「もう、いいから。キリがないからパパッと作っちゃおうよ」
「そうだな、結局それが早いな」
「じゃ、ガンツさん。また軽トラでよろしくね」
「ああ、しょうがねえな。ほれ、そう決まったのなら、さっさと出るぞ。邪魔したなアーロン」
ガンツさんが厨房にいるアーロンさんに一声掛けて食堂を抜け独身寮の外に出る。
「じゃあ、出すな。『解除』」
ガンツさんが右手を翳し軽トラを出す。
「ほれ、乗ってくれ。カーティスは助手席だ。ガンボはケインと荷台だな」
「何じゃワシは荷物扱いか。まあええ」
「私はここに乗るんですか?」
「そうですよ、早く乗ってくれないと」
「カーティス、何をやってんだ。早く乗れって」
「わ、分かりました」
カーティスさんがやっと乗り込み、軽トラをしばらく走らせ建設予定の空き地の側で止める。
「ケイン、ここだ。どうだ、ある程度の条件には合致するだろう」
「ガンツさん、そうだね。ガンボさんはどう?」
「ワシも問題ないと思うぞ。駅はないが後でどうにでもなるんだろう。な、ケイン」
「まあ、要望があれば応えるよ」
「ならいいか。じゃやってくれ。カーティスよ、よく見とくがいい」
「わ、分かりました」
「じゃ、行くね。えぃ」
ケインの掛け声と共に学校施設が出来上がる。
「へ? あの一言で……校舎に体育館に運動場にプールにそれを取り囲む塀まで」
「まずは住宅地に近過ぎず遠過ぎずって所で、広目の運動場と校舎と体育館にプールが必要だよね」
「待て、ケイン。校舎とプールは分かる。後の二つは何じゃ?」
「え~と、ガンツさん後の二つってのは『運動場』と『体育館』のことでいい?」
「ああ、それ!それじゃ。お前の言うことには聞いたこともない単語が含まれることがあるからの。危うく聞き逃すところじゃったわい」
「そんなに言わなくて……まあいいよ、運動場はその名の通りに皆んなで運動しても問題ないくらいの広場だね。体育館は板張りの運動施設ってとこかな」
「運動場は分かった。だが、その体育館か。雨の日用と言うが必要か?」
「何言ってんの!雨の日に動けないってのは子供にとってはストレスなんだからね。ガンツさんはお年寄り過ぎて動きたくはないだろうけどさ」
「また年寄り扱いしおって……まあ、ええ。そういう理由ならしょうがないの。で、それぞれの広さは大体考えているんじゃろ。説明してくれ」
「うん、いいよ。じゃあ説明するね」
まずは模型の縮尺に合わせて一周四百メートルのトラックを用意して、その横に体育館をバスケットゴール二面分に余裕を持たせて少し大きめにした蒲鉾型の屋根を持つ体育館を置き、その横にプールを二五メートルを六コース分の大きさで用意する。
最後にプールと反対側の体育館の横にL字型の校舎を置く。
「こんなかな」
「ほう、これがケインの考える学校か」
「ガンツさん、ざっくりだけどこんなイメージでどうかな?」
「なあ、ケインはどのくらいの子供を預かるつもりなんじゃ」
「どのくらいかは予想だけど、今は百人から二百人くらいかな。ガンボさんはどう思うの?」
「人数としては、その位なら何とかなるかな。移住者も増えているし、それに合わせて子供も増えている。後は学びたい大人も意外と多いと思うしの」
「じゃあ、ガンボさんは校舎の大きさとしては問題ないんだね」
「ああ、足らんなら上に足せばいいんじゃろ。その時にはケインに頑張ってもらうがな」
「それくらいなら、いいよ。カーティスさんはどこか変な所とか、足りないと思う物はある?」
「いや、私からは特に何もない。強いて言うなら、この学校の敷地は囲むのかい?」
「ああ、そうだよね。通ってくれる子供達を守るためにもある程度の高さの塀で囲った方がいいね。ありがとうカーティスさん」
「いや、お役に立てたなら嬉しいな」
「塀を用意するなら、入り口も必要だよね。正門と裏門を作って、校舎側を正門、運動場の方に裏門かな」
模型に二メートルくらいの高さで塀を作り学校の敷地を囲い、正門、裏門を追加する。
「これでどうかな」
「うむ、ほぼ出来たな。じゃ後はこれをどこに置くかだ」
「さっきケインが言うた条件に合うのはどの辺じゃ、ガンツよ」
「確か住宅地から遠過ぎず近過ぎずじゃったな。それだと、ほぼ中央のこの辺りか」
「繁華街の近くはダメじゃぞ」
「なら、もう少し住宅地の方に近付けると……この辺りか」
「まだ土地は余っていたと思っていたけど、意外と建物が多くなってるんだね」
「ほぼお前が作ったもんじゃねえか」
「ガンツさんはそう言うけど、俺だって無秩序に建てている訳じゃないからね」
「でもよ、ここの位置だと駅からは遠くなるんじゃないか」
「ガンボさんは何を気にしているの?」
「いやな、今の領都にも学校はないし、河の向こうにも学校が作られる予定もないんだろ」
「そうだね、そういう話は聞いてないね」
「だろ、ならその辺りからも通って来ることを考えると駅の近くがいいんじゃねえかと思ってな。生徒だけじゃなく通いの教師も出て来るだろうからな」
「なるほどね~そうなると駅の近くで住宅地から遠過ぎず近過ぎず繁華街からは離してか。」
「まあ、この際だ。多少住宅街に近くなっても構わんじゃろ。じゃ、この辺りで決まりじゃ」
「町長のガンツさんが言うなら、そこでいいか」
「さりげなくワシに責任を負わせおって」
「まあまあ、いいじゃない。じゃ、ちょっと作りに行こうか。カーティスさんも新しい職場が気になるでしょ」
「そうですね、ですが今から行って何をするんでしょうか」
「何って、こいつが作っちまうんだよ。『えぃ』ってな。なあケイン」
「うん、そうだね」
「は? 正気ですか。これだけの建物を作るだなんて」
「何だ、まだケインの洗礼は受けていないのか?」
「何、ガンツさん。その『洗礼』って」
「いや、お前の非常識な魔法のことだよ。カーティスも見たんだろ? こいつが建物を魔法でパパッと作っちまうのを」
「ええ、確かに見たことはありますが、私が見たのは小屋を作るだけでしたよ。それに学校となると、その模型からも分かるように小屋とは違った大きさになりますよね。いくら何でもそんなことは」
「ハァ~まだケインの洗礼はちゃんと受けていないようだな。いいか、今ワシ達がいるこの建物な、何階建てか知っているか?」
「確か十階建てですよね」
「そう十階建てだ。それをこいつが『えぃ』って作っちまったんだよ。な、これで分かっただろ」
「へ?」
「『へ』じゃなく『えぃ』だ」
「ガンツよ、カーティスが言っているのはそれじゃない」
「何じゃ違うのか。なら何を言いたいんだ」
「もう、いいから。キリがないからパパッと作っちゃおうよ」
「そうだな、結局それが早いな」
「じゃ、ガンツさん。また軽トラでよろしくね」
「ああ、しょうがねえな。ほれ、そう決まったのなら、さっさと出るぞ。邪魔したなアーロン」
ガンツさんが厨房にいるアーロンさんに一声掛けて食堂を抜け独身寮の外に出る。
「じゃあ、出すな。『解除』」
ガンツさんが右手を翳し軽トラを出す。
「ほれ、乗ってくれ。カーティスは助手席だ。ガンボはケインと荷台だな」
「何じゃワシは荷物扱いか。まあええ」
「私はここに乗るんですか?」
「そうですよ、早く乗ってくれないと」
「カーティス、何をやってんだ。早く乗れって」
「わ、分かりました」
カーティスさんがやっと乗り込み、軽トラをしばらく走らせ建設予定の空き地の側で止める。
「ケイン、ここだ。どうだ、ある程度の条件には合致するだろう」
「ガンツさん、そうだね。ガンボさんはどう?」
「ワシも問題ないと思うぞ。駅はないが後でどうにでもなるんだろう。な、ケイン」
「まあ、要望があれば応えるよ」
「ならいいか。じゃやってくれ。カーティスよ、よく見とくがいい」
「わ、分かりました」
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