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◆もう十分だと思いました
広場で『懺悔大会』を見ながら屋台で購入した昼食を済ませ、ドラゴさんのお店に向かう。
「ケイン、ここだったはずだよな?」
「そうだけど、なんか様子が変だね。あ! なんか表に書いてある」
ドラゴさんのお店は閉店状態で表通りに面する扉は閉じられたままだったが、その扉には『本日、店主の都合により急遽閉店とさせて頂きます。またのご来店をお待ちしております。』と書かれていた。
「『店主の都合』ね~これってあれだろ? どう考えても旦那の糾弾だよな。中から少しだけ声が漏れてきてるしな」
「あ~やっぱり、そうだよね~どうするガンツさん」
「どうするもなにもサム達だけでも助けてやれよ」
「それもそうだね。よし、ドラゴさ~ん! いますか~いますよね~ここを開けてもらえますか~」
そう言いながら、扉をガンガン叩いていると、中から扉が開けられおじさんが出てくる。
どことなく、父さんと雰囲気が似ているから、多分兄弟なんだろうな~とか考えていると、そのおじさんがこちらを睨みながら言ってくる。
「おい、『本日閉店』と書かれた紙が貼ってあるだろう。読めなかったのか?」
「読めたけど、ドラゴさんに用があったから」
「知らん! 親父はそこに書かれてあるように都合が悪いんだ。またにしてくれ」
「なら、サム兄さんとクリス兄さんを返してもらえますか?」
「な、なんだ、そんな奴は知らん! とっとと帰れ!」
「なら、ここで大声出して衛兵を呼びますよ? それでもいいんですか?」
「な、俺を脅すつもりか?」
「そんな、脅すなんて。さっきも言った通り、サム兄さんとクリス兄さんを出してもらえればいいですから」
「そ、そうかちょっと待ってろ」
そう言って、おじさんが扉の中へと入っていく。
「なあ、ケインよ。ありゃどうみても旦那の兄弟だろ?」
「うん、多分そうだと思うよ」
「なら、サム達をすんなり返すとは思えないがな」
「それなら、それでまた別の手で取り返すからいいよ」
「なんだか、さっきの奴に同情したくなるな」
しばらくした後に扉の向こうからドタドタと走ってくる音がしたと思ったら扉が勢いよく開かれ、ドラゴさんが出てくると「ケイン!」と叫ばれる。
「ドラゴさんじゃなくって、兄さん達を呼んだんですけどね」
「あの子達なら無事だ」
「無事じゃなきゃ困ります」
「まあ、まずは中に入ってゆっくりしてくれ」
「いえ、急ぐのでお断りします。兄さん達を呼んでください」
「そう言わずに、頼む! この通りだ」
ドラゴさんが、その場に土下座しそうな勢いだったので、慌てて止める。
「こんなところでやめて下さい。だいたい、父さんがいるんだから兄さん達は必要ないでしょ。さっさと呼んで来て下さいよ」
「チッ通じないか……」
「なに考えているんですか? あまり変なことを考えているようなら、こちらにも考えというものがありますが」
「ま、まあとりあえずは中に入って皆に紹介させてくれんか? ちゃんとサム達もいるから」
「分かりました。ガンツさん、マサオは先に港の倉庫に行っといてもらえますか」
「ああ、分かった。あまり暴れるなよ。まだ、いいお得意様でいたいんでな」
「うん、少しは気をつけるよ」
「少しかよ。まあ、ええ。ほどほどにな。ほれ、マサオ行くぞ」
『……』
ガンツさんとマサオを見送るとドラゴさんとお店の中へと入る。
「ほれ、ここにいるから」
そうドラゴさんに言われ、中に入ると父さんに似たおじさんがいっぱいとジュリアンさんと母さんに似たおばさんがいっぱいいた。
「で、父さん、どういう状況なのさ」
「お前、自分がしでかしといて、なにを涼しげに言うかな~」
「そうだぞ! ケイン、俺達までこんな目に合わせて!」
「そうだよ。僕なんか、そこのおばさま達に……」
「まあまあ、それで父さん。どういう状況なの? 父さんがいて説明出来ないことなんてないでしょ」
「いや、まあ、そのなんだ……」
「なにがあったの?」
「まあ、駆け落ちしてから今までのことは説明出来たと思う」
「なら、いいじゃない。なにがダメなの?」
「ケイン、お前だよ」
「え? 意味が分からない。なにがどうなって俺が悪いのさ。俺は父さん達の駆け落ちした後に生まれたよね?」
「そういう意味じゃない。お前がしでかしたことで質問責めにあっていたんだ」
「ああ、そういうこと。なら、ちゃんと説明してあげればいいじゃない。父さんには全部話しているし、卸しているんだから」
「あ! バカ」
「なに? 俺がなにかした?」
「せっかくぼやかしていたのに~」
「ふふん、やっぱりか。まあ、あんだけやらかしておいて今更しらばっくれるのも無理な話だろ」
ドラゴさんの言葉に少しだけムッとしながら応える。
「まあ、今更感でいっぱいだけどそれがどうしたの?」
「ふぅ~俺の苦労って一体……」
「父さん、なにか苦労したの?」
「それを言われると」
父さんがしょげてしまったので代わりに話を聞こうと思ったけど、ここは優秀なクリス兄さんにお任せしよう。
「クリス兄さんは、ちゃんとここにいる人がなにを言いたいのか聞きたいのか欲しいのかをまとめてね。サム兄さんは家のことで聞かれたことはちゃんと答えてあげて。父さんはここにいる人たちの相関関係を分かるようにしといてね。ドラゴさんとジュリアンさんはそれぞれの身内をちゃんと管理して、暴走させないように見張っておいて。もしなにかあったら減点するからね。はい! じゃそれぞれに始める!」
「「「「「はい!」」」」」
「やだ、あの子本当にマギーの子なの?」
「そう見たいよ。クリスもいいけど、あの子もなかなかね。うちの子と歳も近いようだし」
「あら、姉さん達なにを話しているのよ! 私のところだって男の子が欲しいんだからね」
「おい、あの生意気そうな小僧と、利口そうな小僧に、力だけの小僧か。トミーの息子にしちゃなかなかよさそうだな」
「兄さん、そういうこと言わない!」
「なんでだ、ここで働くなら必要な品定めだろうが」
「まったく兄さんはなんでも強引にことを運ぼうとするから、まだ独身なんだよ」
「今は、それとこれとは関係ないだろうが!」
「それより、どうすんの? もう他の連中は、あのクリスって子に色々と必要なことを頼んでいるよ」
「そうか、なら俺も忘れないうちに」
「やっと、行ったか」
ドラゴさん、ジュリアンさん達の両親の兄弟姉妹達が話している好き勝手なアレコレをしっかりと聞きながら、無視して逃げる算段を考える。
「ケイン、だいたい聞き取れたよ」
「ケイン、説明はだいたい終わったぞ」
「ケイン、俺も書き終わったぞ」
「じゃあ、父さんとクリス兄さんはここにいる人たちの写真をちゃんと撮っておいて。各個人毎と集合写真もお願いね」
「「分かった」」
「俺はなにすればいい?」
「まあ、今は父さん達のしていることが終わるまで待ってようよ。それが終われば忙しくなるからさ。ね」
「あ! ああ、なるほど。そうだよな~まあケインだからな。それくらいは簡単か。することが終わればあとは帰るだけってことだな」
「まあね。ごめんね、楽しいはずの王都がこんなことになって」
「まあ、正直少し恨みはしたがな。こんなところに父さん達と置いてきぼりにされたんだしな。でも、父さん母さんの家族にも会えたし、これはこれでいいかなって、今は思えるけどね」
「じゃ、俺のことは許してもらえるのかな?」
「今度、ちゃんと王都に連れてきてもらえるのならな」
「うん、任せてよ」
「ケイン、撮ってきたぞ」
「僕も終わったよ」
「じゃあ、こっちに集まって」
父さん達のカメラでの関係者の撮影が終わったということで、ここから退散することにした。
「今度はなにが始まるんだ?」
「ちょっと、マサオとガンツさんを迎えに行くから」
「お、じゃあここから帰るんだな」
「そう、その前に……えいっ」
自分達を中心に直径二メートルくらいの障壁を張ると港の倉庫の中へとゲートを繋ぐ。
ゲートの向こうではマサオにもたれてくつろぐガンツさんの姿があった。
「お、旦那。もう終わったのかい?」
「ガンツさん、ええなんとかね」
そんな風にゲートを繋いだままでガンツさんと父さんのやりとりを見ていたら、後ろの方が騒がしい。
「なんだ、これ以上前に進めんぞ」
「もしや、あれが親父の言っていたどこにでも行けるってヤツか」
「それをあの小僧がしているってのか」
「え~なに、あの犬! 大きい! 毛並みもいいわね。ぜひ敷物にしたいわね」
「あら、敷物なんて勿体無い! コートよ。あの大きさなら十分だわ」
「姉さん達、なに言ってるの。あれはもっと大きくしてからよ……ふふふ」
それぞれの兄弟姉妹が好き勝手なことを言っているのを背中で聞きながら自分達もゲートを潜って閉じる。
『怖かった~なんだあのおばさん達は! 俺をモノ扱いしていたぞ』
「ケイン、ここだったはずだよな?」
「そうだけど、なんか様子が変だね。あ! なんか表に書いてある」
ドラゴさんのお店は閉店状態で表通りに面する扉は閉じられたままだったが、その扉には『本日、店主の都合により急遽閉店とさせて頂きます。またのご来店をお待ちしております。』と書かれていた。
「『店主の都合』ね~これってあれだろ? どう考えても旦那の糾弾だよな。中から少しだけ声が漏れてきてるしな」
「あ~やっぱり、そうだよね~どうするガンツさん」
「どうするもなにもサム達だけでも助けてやれよ」
「それもそうだね。よし、ドラゴさ~ん! いますか~いますよね~ここを開けてもらえますか~」
そう言いながら、扉をガンガン叩いていると、中から扉が開けられおじさんが出てくる。
どことなく、父さんと雰囲気が似ているから、多分兄弟なんだろうな~とか考えていると、そのおじさんがこちらを睨みながら言ってくる。
「おい、『本日閉店』と書かれた紙が貼ってあるだろう。読めなかったのか?」
「読めたけど、ドラゴさんに用があったから」
「知らん! 親父はそこに書かれてあるように都合が悪いんだ。またにしてくれ」
「なら、サム兄さんとクリス兄さんを返してもらえますか?」
「な、なんだ、そんな奴は知らん! とっとと帰れ!」
「なら、ここで大声出して衛兵を呼びますよ? それでもいいんですか?」
「な、俺を脅すつもりか?」
「そんな、脅すなんて。さっきも言った通り、サム兄さんとクリス兄さんを出してもらえればいいですから」
「そ、そうかちょっと待ってろ」
そう言って、おじさんが扉の中へと入っていく。
「なあ、ケインよ。ありゃどうみても旦那の兄弟だろ?」
「うん、多分そうだと思うよ」
「なら、サム達をすんなり返すとは思えないがな」
「それなら、それでまた別の手で取り返すからいいよ」
「なんだか、さっきの奴に同情したくなるな」
しばらくした後に扉の向こうからドタドタと走ってくる音がしたと思ったら扉が勢いよく開かれ、ドラゴさんが出てくると「ケイン!」と叫ばれる。
「ドラゴさんじゃなくって、兄さん達を呼んだんですけどね」
「あの子達なら無事だ」
「無事じゃなきゃ困ります」
「まあ、まずは中に入ってゆっくりしてくれ」
「いえ、急ぐのでお断りします。兄さん達を呼んでください」
「そう言わずに、頼む! この通りだ」
ドラゴさんが、その場に土下座しそうな勢いだったので、慌てて止める。
「こんなところでやめて下さい。だいたい、父さんがいるんだから兄さん達は必要ないでしょ。さっさと呼んで来て下さいよ」
「チッ通じないか……」
「なに考えているんですか? あまり変なことを考えているようなら、こちらにも考えというものがありますが」
「ま、まあとりあえずは中に入って皆に紹介させてくれんか? ちゃんとサム達もいるから」
「分かりました。ガンツさん、マサオは先に港の倉庫に行っといてもらえますか」
「ああ、分かった。あまり暴れるなよ。まだ、いいお得意様でいたいんでな」
「うん、少しは気をつけるよ」
「少しかよ。まあ、ええ。ほどほどにな。ほれ、マサオ行くぞ」
『……』
ガンツさんとマサオを見送るとドラゴさんとお店の中へと入る。
「ほれ、ここにいるから」
そうドラゴさんに言われ、中に入ると父さんに似たおじさんがいっぱいとジュリアンさんと母さんに似たおばさんがいっぱいいた。
「で、父さん、どういう状況なのさ」
「お前、自分がしでかしといて、なにを涼しげに言うかな~」
「そうだぞ! ケイン、俺達までこんな目に合わせて!」
「そうだよ。僕なんか、そこのおばさま達に……」
「まあまあ、それで父さん。どういう状況なの? 父さんがいて説明出来ないことなんてないでしょ」
「いや、まあ、そのなんだ……」
「なにがあったの?」
「まあ、駆け落ちしてから今までのことは説明出来たと思う」
「なら、いいじゃない。なにがダメなの?」
「ケイン、お前だよ」
「え? 意味が分からない。なにがどうなって俺が悪いのさ。俺は父さん達の駆け落ちした後に生まれたよね?」
「そういう意味じゃない。お前がしでかしたことで質問責めにあっていたんだ」
「ああ、そういうこと。なら、ちゃんと説明してあげればいいじゃない。父さんには全部話しているし、卸しているんだから」
「あ! バカ」
「なに? 俺がなにかした?」
「せっかくぼやかしていたのに~」
「ふふん、やっぱりか。まあ、あんだけやらかしておいて今更しらばっくれるのも無理な話だろ」
ドラゴさんの言葉に少しだけムッとしながら応える。
「まあ、今更感でいっぱいだけどそれがどうしたの?」
「ふぅ~俺の苦労って一体……」
「父さん、なにか苦労したの?」
「それを言われると」
父さんがしょげてしまったので代わりに話を聞こうと思ったけど、ここは優秀なクリス兄さんにお任せしよう。
「クリス兄さんは、ちゃんとここにいる人がなにを言いたいのか聞きたいのか欲しいのかをまとめてね。サム兄さんは家のことで聞かれたことはちゃんと答えてあげて。父さんはここにいる人たちの相関関係を分かるようにしといてね。ドラゴさんとジュリアンさんはそれぞれの身内をちゃんと管理して、暴走させないように見張っておいて。もしなにかあったら減点するからね。はい! じゃそれぞれに始める!」
「「「「「はい!」」」」」
「やだ、あの子本当にマギーの子なの?」
「そう見たいよ。クリスもいいけど、あの子もなかなかね。うちの子と歳も近いようだし」
「あら、姉さん達なにを話しているのよ! 私のところだって男の子が欲しいんだからね」
「おい、あの生意気そうな小僧と、利口そうな小僧に、力だけの小僧か。トミーの息子にしちゃなかなかよさそうだな」
「兄さん、そういうこと言わない!」
「なんでだ、ここで働くなら必要な品定めだろうが」
「まったく兄さんはなんでも強引にことを運ぼうとするから、まだ独身なんだよ」
「今は、それとこれとは関係ないだろうが!」
「それより、どうすんの? もう他の連中は、あのクリスって子に色々と必要なことを頼んでいるよ」
「そうか、なら俺も忘れないうちに」
「やっと、行ったか」
ドラゴさん、ジュリアンさん達の両親の兄弟姉妹達が話している好き勝手なアレコレをしっかりと聞きながら、無視して逃げる算段を考える。
「ケイン、だいたい聞き取れたよ」
「ケイン、説明はだいたい終わったぞ」
「ケイン、俺も書き終わったぞ」
「じゃあ、父さんとクリス兄さんはここにいる人たちの写真をちゃんと撮っておいて。各個人毎と集合写真もお願いね」
「「分かった」」
「俺はなにすればいい?」
「まあ、今は父さん達のしていることが終わるまで待ってようよ。それが終われば忙しくなるからさ。ね」
「あ! ああ、なるほど。そうだよな~まあケインだからな。それくらいは簡単か。することが終わればあとは帰るだけってことだな」
「まあね。ごめんね、楽しいはずの王都がこんなことになって」
「まあ、正直少し恨みはしたがな。こんなところに父さん達と置いてきぼりにされたんだしな。でも、父さん母さんの家族にも会えたし、これはこれでいいかなって、今は思えるけどね」
「じゃ、俺のことは許してもらえるのかな?」
「今度、ちゃんと王都に連れてきてもらえるのならな」
「うん、任せてよ」
「ケイン、撮ってきたぞ」
「僕も終わったよ」
「じゃあ、こっちに集まって」
父さん達のカメラでの関係者の撮影が終わったということで、ここから退散することにした。
「今度はなにが始まるんだ?」
「ちょっと、マサオとガンツさんを迎えに行くから」
「お、じゃあここから帰るんだな」
「そう、その前に……えいっ」
自分達を中心に直径二メートルくらいの障壁を張ると港の倉庫の中へとゲートを繋ぐ。
ゲートの向こうではマサオにもたれてくつろぐガンツさんの姿があった。
「お、旦那。もう終わったのかい?」
「ガンツさん、ええなんとかね」
そんな風にゲートを繋いだままでガンツさんと父さんのやりとりを見ていたら、後ろの方が騒がしい。
「なんだ、これ以上前に進めんぞ」
「もしや、あれが親父の言っていたどこにでも行けるってヤツか」
「それをあの小僧がしているってのか」
「え~なに、あの犬! 大きい! 毛並みもいいわね。ぜひ敷物にしたいわね」
「あら、敷物なんて勿体無い! コートよ。あの大きさなら十分だわ」
「姉さん達、なに言ってるの。あれはもっと大きくしてからよ……ふふふ」
それぞれの兄弟姉妹が好き勝手なことを言っているのを背中で聞きながら自分達もゲートを潜って閉じる。
『怖かった~なんだあのおばさん達は! 俺をモノ扱いしていたぞ』
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しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。