231 / 468
連載
◆船旅が終わりました
しおりを挟む
王都への船旅と言うには、些かチープではあるけど舟の旅には違いない。片道一時間ちょっとだけどね。
そろそろ、王都が近付いて来たなと思ってたところに携帯電話が鳴る。
こんな時に誰だろうと思えば、ガンツさんだっだ。まさか、今気付いたの?
携帯電話の通話ボタンを押し、出てみる。
『ケイン、どこに行った?』
「どこって、王都に行くって言ってたでしょ。なに、ガンツさんは今気付いたの?」
『ああ、ちょっとサム達と熱くなってしまっての~悪かった。だが、黙っていなくなることはないだろう』
「まあ、こっちはもうすぐ王都の港に着くけどね。そっちは自由にしたらいいよ」
『あ、そんなこと言うなよ』
「じゃ、用事がそれだけなら切るね」
『あ、ちょっとま』
「で、ガンツさんはなんだって?」
父さんがガンツさんからの通話内容を聞いてくる。
「今、俺達がいないことに気付いたって。サム兄さん達はどうしているか知らないけどね」
「サムは来ないのか?」
「ん? 来るんじゃない? ほら、もう追い付いて来てるよ」
俺が指差す方向を父さん達が見ると、ウィリー走行でサム兄さんが追い付いて来た。
「ケイン!」
「なに?」
「なんで置いて行った?」
「え~置いて行ったんじゃなくて、サム兄さんが遊びに夢中になっていただけでしょ。ねえ、ティーダさん、ガンツさん」
サム兄さんの後を着いて来た二人に聞いてみる。
「まあ、少々熱くなりすぎたかの」
「そうだな、俺もやりすぎたかも」
「俺は……」
「あ~サム兄さんはいいよ。いつものことだし。ガンツさんも少々ハメを外したいのも分かる。でも、ティーダさんはダメでしょ。なに楽しんでんの? もう、前のことは忘れた? まあ、いいや。もう少しで着くから。反省はするならしてて」
アルフさんがサム兄さん達が追いつくまで、少しだけ緩めていた速度を早めて、王都への道を急ぐ。
こういう気遣いが出来るなら、もう少しティーダさんをなんとかしてくれればいいのにね。
王都の港へと舟を着け、アルフさんを残し上陸する。
「アルフさんはティーダさんと、この辺の海図作成よろしくね」
「え? 俺達の昼飯は?」
「ここに舟を置いて行ったら、盗られるからしょうがないよね」
「ぐっ……それは確かにそうだが」
「今度からは、ちゃんとティーダさんを躾けといてね。次は、もっと遠くまで調査に行ってもらうかも知れないよ」
「それって、どのくらい遠くになりそうか聞いても?」
「とりあえず、新大陸を発見するまでとか?」
「ちゃ、ちゃんとティーダを躾けるから。な、ほら、ティーダも」
「なんで俺が」
「お前は……」
「アルフさん、今回はガンツさんや、サム兄さんが切欠だったかも知れないけど、一度は舟を止めて判断を仰いでもよかったんじゃないの? そのためにクレイグさんを上に付けているんだし」
「ぐっ……それはそうかも知れないが」
「とにかく、今度はこういうことがないようにね。じゃ、調査してから帰ってね。範囲はクレイグさんの方で確認出来るから、ちゃんと確認とってね」
「「はい」」
ティーダさん達を見送り、もう一つの問題児達を見る。
「ガンツさん、言いたいことは後で聞くから。サム兄さんもね」
「「ケイン……」」
まずは盗られないように舟を回収する。
「じゃ、父さん。車を出してくれるかな」
「ここでか?」
「だって、歩くと遠いよ」
「そうか。じゃ『解除』」
父さんの車がドンっと現れる。
父さんがロックを解除し、皆なに乗るように促す。
俺は助手席に乗り、父さんの道案内を務める。
「おいおい、俺だって王都育ちだぞ。多少の道は分かるって」
「だって、もう何十年も前でしょ?」
「そこまでは経ってないと思うが、まあ俺の地図じゃ古いか。なら、頼むな」
「でしょ。じゃ、まずはお昼だね。やってればいいけど」
そう言いながら、リーサさんと泊まったホテルの食堂を目指す。
少し迷ったが、目的のホテルへと到着する。
車から下りると父さんには、収納するようにお願いする。
「こんな物、盗む奴がいるのか?」
「これにも悪意を持ってなにかしようとすれば呪いが付与されるからな。折角静かになりかけているんだから、また火種を追加することもないでしょ」
「あ、ああそうだな。『収納』」
ホテルに入り食堂へと向かうと、あの女将さんらしき人がこちらに気付き小走りに寄ってくる。
「わぁ~久しぶり~ねえ、元気だった? あら、この前の綺麗な人は? どうしたの? 別れたの? ねえ、なにがあったの? よければ私に話して」
そこまで女将さんが一気に喋りまくったところで、女将さんの後頭部がはたかれる。
「お前はお客さんになにをしているんだ! ってこの前の。いやぁよく来てくれました。もう、いただいた魔道具がいいのなんのって」
「あ、長くなりそうなら後で聞きますので、席に案内してもらっても?」
「これは失礼しました。おい! 席にご案内して」
「は、はい、こいらへどうぞ」
女将さんに奥のテーブルへと案内され、今日のランチを人数分頼む。
「ケイン、お前こんなところにリーサさんと泊まったのか。俺でも泊まったことがないのに」
「父さんは王都住みだったんでしょ。なら、泊まる必要がないじゃない」
「でもさ、ケインはなんでここを選んだの?」
「クリス兄さんも度々利用するかも知れないからね。こういうセキュリティがしっかりしているところは押さえておいた方がいいよ」
「そうか、いくら部屋に鍵が付いていても宿屋の主人が信用出来ないと危ないものね」
「そういうこと。でも、泊まるのならデューク様のところに行ってもいいし」
「「「「それはダメだ!」」」」
「いい案だと思ったんだけどな~」
そろそろ、王都が近付いて来たなと思ってたところに携帯電話が鳴る。
こんな時に誰だろうと思えば、ガンツさんだっだ。まさか、今気付いたの?
携帯電話の通話ボタンを押し、出てみる。
『ケイン、どこに行った?』
「どこって、王都に行くって言ってたでしょ。なに、ガンツさんは今気付いたの?」
『ああ、ちょっとサム達と熱くなってしまっての~悪かった。だが、黙っていなくなることはないだろう』
「まあ、こっちはもうすぐ王都の港に着くけどね。そっちは自由にしたらいいよ」
『あ、そんなこと言うなよ』
「じゃ、用事がそれだけなら切るね」
『あ、ちょっとま』
「で、ガンツさんはなんだって?」
父さんがガンツさんからの通話内容を聞いてくる。
「今、俺達がいないことに気付いたって。サム兄さん達はどうしているか知らないけどね」
「サムは来ないのか?」
「ん? 来るんじゃない? ほら、もう追い付いて来てるよ」
俺が指差す方向を父さん達が見ると、ウィリー走行でサム兄さんが追い付いて来た。
「ケイン!」
「なに?」
「なんで置いて行った?」
「え~置いて行ったんじゃなくて、サム兄さんが遊びに夢中になっていただけでしょ。ねえ、ティーダさん、ガンツさん」
サム兄さんの後を着いて来た二人に聞いてみる。
「まあ、少々熱くなりすぎたかの」
「そうだな、俺もやりすぎたかも」
「俺は……」
「あ~サム兄さんはいいよ。いつものことだし。ガンツさんも少々ハメを外したいのも分かる。でも、ティーダさんはダメでしょ。なに楽しんでんの? もう、前のことは忘れた? まあ、いいや。もう少しで着くから。反省はするならしてて」
アルフさんがサム兄さん達が追いつくまで、少しだけ緩めていた速度を早めて、王都への道を急ぐ。
こういう気遣いが出来るなら、もう少しティーダさんをなんとかしてくれればいいのにね。
王都の港へと舟を着け、アルフさんを残し上陸する。
「アルフさんはティーダさんと、この辺の海図作成よろしくね」
「え? 俺達の昼飯は?」
「ここに舟を置いて行ったら、盗られるからしょうがないよね」
「ぐっ……それは確かにそうだが」
「今度からは、ちゃんとティーダさんを躾けといてね。次は、もっと遠くまで調査に行ってもらうかも知れないよ」
「それって、どのくらい遠くになりそうか聞いても?」
「とりあえず、新大陸を発見するまでとか?」
「ちゃ、ちゃんとティーダを躾けるから。な、ほら、ティーダも」
「なんで俺が」
「お前は……」
「アルフさん、今回はガンツさんや、サム兄さんが切欠だったかも知れないけど、一度は舟を止めて判断を仰いでもよかったんじゃないの? そのためにクレイグさんを上に付けているんだし」
「ぐっ……それはそうかも知れないが」
「とにかく、今度はこういうことがないようにね。じゃ、調査してから帰ってね。範囲はクレイグさんの方で確認出来るから、ちゃんと確認とってね」
「「はい」」
ティーダさん達を見送り、もう一つの問題児達を見る。
「ガンツさん、言いたいことは後で聞くから。サム兄さんもね」
「「ケイン……」」
まずは盗られないように舟を回収する。
「じゃ、父さん。車を出してくれるかな」
「ここでか?」
「だって、歩くと遠いよ」
「そうか。じゃ『解除』」
父さんの車がドンっと現れる。
父さんがロックを解除し、皆なに乗るように促す。
俺は助手席に乗り、父さんの道案内を務める。
「おいおい、俺だって王都育ちだぞ。多少の道は分かるって」
「だって、もう何十年も前でしょ?」
「そこまでは経ってないと思うが、まあ俺の地図じゃ古いか。なら、頼むな」
「でしょ。じゃ、まずはお昼だね。やってればいいけど」
そう言いながら、リーサさんと泊まったホテルの食堂を目指す。
少し迷ったが、目的のホテルへと到着する。
車から下りると父さんには、収納するようにお願いする。
「こんな物、盗む奴がいるのか?」
「これにも悪意を持ってなにかしようとすれば呪いが付与されるからな。折角静かになりかけているんだから、また火種を追加することもないでしょ」
「あ、ああそうだな。『収納』」
ホテルに入り食堂へと向かうと、あの女将さんらしき人がこちらに気付き小走りに寄ってくる。
「わぁ~久しぶり~ねえ、元気だった? あら、この前の綺麗な人は? どうしたの? 別れたの? ねえ、なにがあったの? よければ私に話して」
そこまで女将さんが一気に喋りまくったところで、女将さんの後頭部がはたかれる。
「お前はお客さんになにをしているんだ! ってこの前の。いやぁよく来てくれました。もう、いただいた魔道具がいいのなんのって」
「あ、長くなりそうなら後で聞きますので、席に案内してもらっても?」
「これは失礼しました。おい! 席にご案内して」
「は、はい、こいらへどうぞ」
女将さんに奥のテーブルへと案内され、今日のランチを人数分頼む。
「ケイン、お前こんなところにリーサさんと泊まったのか。俺でも泊まったことがないのに」
「父さんは王都住みだったんでしょ。なら、泊まる必要がないじゃない」
「でもさ、ケインはなんでここを選んだの?」
「クリス兄さんも度々利用するかも知れないからね。こういうセキュリティがしっかりしているところは押さえておいた方がいいよ」
「そうか、いくら部屋に鍵が付いていても宿屋の主人が信用出来ないと危ないものね」
「そういうこと。でも、泊まるのならデューク様のところに行ってもいいし」
「「「「それはダメだ!」」」」
「いい案だと思ったんだけどな~」
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。