転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

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◆ライセンスが必要になりました

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試作品フェリーの動作確認を終えた頃にタイミング良く携帯電話が鳴り、表示されている番号がセバス様からの着信を知らせる。
「セバス様からだ。なにか進展があればいいね」
「どうだかな。とりあえず、出て話しを聞いてみるんだな」
「うん。そうするね」
携帯電話の受話ボタンを押し応対する。
「もしもし、ケインです」
『ケイン様、セバスです。今お時間よろしいでしょうか?』
「はい、いいですよ。いい知らせでしょうか」
『はい、港の運用について旦那様よりお話しいたしますので、王都のお屋敷まで、ご足労願えますでしょうか?』
「いいですよ。なら、直接そちらの執務室へ繋いでもいいですか?」
『少々お待ち下さい。旦那様……はい、はい、ええ、そうです。分かりました。では、お迎えしますね。ケイン様、お待たせしました。こちらへ直接でも構わないとのことです』
「はい、分かりました。では、繋ぎますね」
携帯電話を切るとガンツさんにゲートを直接繋ぐことを伝える。
「え~これで行くんじゃなかったのかよ~」
「考えてみれば、向こうの港には岸壁がないから接岸できないんだよね。それにそもそも浜辺に辿り着けないよ。浅すぎて……」
「それもそうか。なら、繋いでくれや」
ガンツさんの了承も得られたので、王都にいるデューク様のお屋敷の執務室へとゲートを直接繋ぐと、向こう側には執務机に座り渋面のデューク様が見えたが、こちらの方を見ると目がクワッと見開かれる。
「ケイン! その背後のはなんだ! とても大きな物に見えるが……」
「あ~見えちゃいました?」
「あ~見た。で、なんだそれは?」
「前に少し話したでしょ。船ですよ。少し大きめのね」
「セバス、向こうに行くぞ」
「旦那様、お話があったのでは?」
「話なら向こうでも出来るだろ」
「それもそうですが……ケイン様、よろしいのですか?」
「ええ、別に構いませんよ。では、こちらへどうぞ」
「だから、言っただろ! 行くぞ! セバス!」
「まったく、旦那様は……すみません」
デューク様とセバス様が話よりも試作品フェリーが気になるらしくお屋敷に呼ばれたはずなのになぜか、ドワーフタウンの港へと来てしまった。

試作品フェリーに近付き、そのまま乗り込もうとするデューク様を引き留める。
「デューク様、せっかくですから。このまま乗り込むのは面白くはないですよね」
デューク様にニヤリと笑い話しかける。

「ふむ、この船の入り口らしき箇所が開いていることから、なにかあるとは思っていたが」
しばらく思案顔になるが、やがて意を決したように言う。
「よし、お前の仕掛けに乗ってやろう。さあ、なにをするつもりだ」
「そんなに身構える必要はないですよ」
軽トラをインベントリから取り出すと、デューク様とセバス様に荷台へ上がってもらう。
「すみません。前は狭いので荷台へお願いします。ガンツさん、頼むね」
「おお、そう言うことか。まあ、これも試さんとな」
ニヤリとガンツさんが笑うと運転席へと乗り込む。
俺はデューク様達が荷台へと上がったのを確認した後に助手席へと乗り込む。
「じゃあ、動かしますから、どこかに捕まっていて下さいね」
「ああ、分かった。頼む」
デューク様からの返事を待って、ガンツさんに試作品フェリーへと乗り込んでもらう。
「ガンツさん、ゆっくりね」
「分かっとる。まあ、見てろ」
軽トラがゆっくりと動き出し、後ろの荷台ではデューク様が少し慌てているみたいだが、セバス様は体幹がしっかりしているのか微動だにしない。本当に何者だよこの人は。

軽トラが試作品フェリーのハッチに乗り上げると、少しだけ縦に揺れるが問題はないようだ。
ガンツさんも問題なしとみて、そのまま試作品フェリーの奥へと進み入れる。
「ガンツさん、なるべくまん真ん中にね」
「なんでだ? どこでもいいんじゃないのか?」
「重心が問題になるからね。とりあえずは中心位置でお願い」
「ふ~ん、そういうことか。運用する時には問題になりそうだな」
「まあね。でも考えがないわけじゃないから」
「そうか。じゃ、この辺だな」
ガンツさんが軽トラをほぼほぼ中心位置に停めると助手席から降りて、荷台の二人にも軽トラから降りてもらう。
「ふ~ケインよ。これは車を載せるための船なのか」
「はい、フェリーと言います」
「そうか、なら王都の港湾施設が出来れば、この船で俺の車や、マイクロバスも直接王都に行けるようになるわけだ」
「そうですね」
「ふふふ、これでまた……睨まれてしまうな……」
「旦那様、もう今更だと思われますが……」
「まあ、そうだな。よし、ここからは気持ちを入れ替えて……すまん、気持ちを切り替えるのに少し時間をくれ」
あんなに乗り気だった試作品フェリーに実際に乗ってみてから、今後の貴族対応が面倒なことになると気付いたんだろうな。
「セバス様、二階に座れるスペースがあるので、そちらでデューク様と座ってお待ち下さい。その間に出港準備を済ませますので。じゃ、ガンツさん頼んだよ」
「分かりました。ケイン様」
「おう、任せとけ」
セバス様がデューク様と一緒に階段を上がっていく後ろからガンツさんも操舵室へと向かう。

岸壁に降り、係留ロープを外し船に戻るとハッチ横のボタンで係留ロープを巻き取ると操舵室へ向かいガンツさんに船尾ハッチを閉めるように頼む。
船尾ハッチが閉まるのを確認するとガンツさんに適当に周遊してもらうように頼む。
「適当にか。それが一番難しいんだがな。で、ワシは話に入らなくてもいいのか?」
「後で、ちゃんと話すから。今は操船に集中してね」
「分かったわい」

ガンツさんがスロットルを操作してゆっくりと試作品フェリーを走らせるの確認してから、操舵室を出て椅子を並べているフロアーに行くと心なしかデューク様がぐったりしている。
「もしかして、船酔いですか? まだ動いたばかりなのに?」
「違うわ! ああ、すまん、お前に怒鳴ることじゃないな」
「ケイン様、これで王都とドワーフタウンの間を航行するのですか?」
「そうです。ただ、当面は父さんの店の仕入れ用になるんじゃないかな。まだ王都の人達に車は広まってないし」
「それもそうですね。では、人だけを運ぶ船もお造りになると?」
「はい。その予定です。それは速度重視で王都とドワーフタウンの間を一時間はもちろん三十分で行き来出来ればなと考えています」
「今まで一週間かかっていた王都への旅路が三十分ですか。領都からドワーフタウンへの時間を入れても約一時間半」
「ダメですか?」
「それは……」
するとぐったりしていたはずのデューク様が立ち上がる。
「ケイン、それは本当に実現可能な話なのか?」
「え、ええ。そのつもりですが……どうしました?」
「まだ案件は残っていたんだな。まあいい、それはそれでいいとして、この船を扱えるのは今はガンツ以外にいないんだろ」
「ええ、今からドワーフタウンで募集するつもりです」
「だが、習熟はどうするつもりだ? まさか、ライセンスなしで操船させるつもりか?」
「え~と、必要とお考えですか?」
「お前な……そこら辺の小舟なら目を瞑りもしたが、これだけの輸送量に王都と一時間で往復できる船がバンバン海上を走り回るんだろ。なら、ルールも必要になるってのが、お前の車に対する考えだっただろ。違ったか?」
「いえ、その通りですね」
「なら、動力付きの船に対してはライセンスを要するのは当然だな」
「はい、そうですね……」
「なんだ? どうした?」
俺が沈んだ様子を見せたものだから、デューク様が不思議がる。
「俺、まだこの船を動かしてなかったんです」
「ああ、そういうことか。お前がこの船を操船する前に俺がライセンスが必要と言ったから拗ねているのか。ぷっ……ははは」
「笑うことですか?」
「いや、それはすまないことをした。だが、お前がそんなことで拗ねると思わなかったんでな。悪かった」
「いいですよ。それより肝心のお話をまだ聞いていませんが?」
「おう、そうだったな。それなんだけどな……」
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