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連載
◆散歩しました
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アーロンさんの家に入ると、まだアーロンさんは向こうの世界に行ったままだったが、知らない振りして横を通り過ぎ、ソファに座る母さん達の元へヘレンさんを案内する。
「母さん、ヘレンさんを連れて来たよ」
「あら、ケイン。なかなか気が効くじゃない。どうしたの?」
「父さんが連れて行けってさ。父さんは家に帰って双子の妹の世話しているよ」
「そうなのね。レティさん、この人は私もお世話になったヘレンさん。ヘレンさん、こちらはレティさんよ。お腹には私と同じで双子みたいなの。よろしくね」
「分かった。レティさん、ワシがヘレンじゃ。ちょっと診せてもらうがいいか? ほれ、ケインも外に出てろ。ん? そこで呆けている男は誰じゃ?」
「あ、ああ、あの人は私の旦那なので、気にしないで下さい」
「そうか、ならいいか」
「じゃヘレンさんお願いね」
そう言って、家の外に出る。
「お? 早かったな」
外にいた、ガンツさんが話しかけてくる。
「うん、今ヘレンさんが診るからって追い出された」
「まあ、ケインも子供とは言え、男だもんな。それで、今日はもういいのか? 早速印刷機や製本機の開発を終わらせたいんじゃが」
「そうだね、じゃ母さんを送ったら、工房に行こうか」
「話が終わるのを待つのか? 言っちゃあなんだが、女性の話は長いぞ? 待つつもりか?」
「ああ、それもそうか。母さんにも携帯電話は渡しているし、いいよね。じゃ、久々に工房まで歩きながら、製本について考えようか」
「おう、工房までそれほど離れてはいないが、歩くのか?」
「ガンツさんも最近は歩いていないでしょ? まあ、たまには運動と思ってさ」
「まあ、いいか。マサオの運動にもなるしの」
『俺は十分運動していると思うけどな』
「もう少し、お腹がシュッとしてから言いなよ」
『ぐっ……』
歩きながら、ガンツさんと製本について話してみるが、自分自身も仕組みを詳しく知っているわけじゃないので、ある意味では一からの構築となる。
まずは製本するにあたり、印刷方法から考えることになった。と、言うのも見開きで印刷して中心で折って製本するのか、一枚ずつ印刷して重ねて製本するのかという話と、そもそもページに対して両面印刷をするのか、印刷した紙を貼り合わせるのかというのも考える必要がある。
前世の知識から引用すると絵本のような厚紙をまとめた物は張り合わせる方法がベストであり、教科書のような物では、見開きで両面印刷したものを十頁単位くらいでまとめて折ったものを重ねて製本する方法がベストと思う。週刊誌みたいな雑誌だと見開きで印刷したものをまとめて中間位置で追ったものをホチキスで止めるだけだから、一番簡単なんだけどな。
とりあえず、話して分かったことは両面印刷が出来ることが前提になる。それと紙の質ももう少し上げたい。今の紙質のままだと印刷にムラが出やすい。
「やはり、そこからか」
「やはりってことは、ガンツさんも思っていたの?」
「ああ、印刷機が出来たことで浮かれていたが、よく見るとムラがあってな。このままじゃいかんなとは感じていた」
「もう、なら早く言ってよ」
「なんじゃ、ケインはもう気付いて対策方法があるものと思っていたぞ」
「まあ、そりゃないこともないけどさ」
「お、ちょうどついたな。後は上で話そうや」
工房の前に着いたので、自室へと上がって行く。
自室に入るとガンツさんとテーブルを挟んでソファに座る。
「ちと整理するか」
「うん」
テーブルの上にさっき歩きながら話していたことをメモ紙にまとめていく。
「まずは紙質だよね」
「ああ、そこをなんとかせんと、次の工程に無理が出る。
「それが終われば、両面印刷の方法だね」
「単に表、裏と順番に印刷するんじゃダメなのか?」
「それでいいとは思うんだけどね。とりあえずは確認しなきゃいけないことだからね」
「まあ、そういうことなら分からんでもないな」
「その次が、製本の方法か」
「うん、何通りかあるのは話した通りだけどね。考えると、どれか一つ選ぶんじゃなくて、全部いつかはいるなと思うんだ」
「まあ、そうじゃな。だが、今は教科書向けの製本をどうするかじゃ」
「うん、そうだよね。だから、見開きで両面印刷をした頁をね、十枚程度で纏めた後に重ねて糊付けする方法がいいかなと思うんだ。どう?」
「今、どうと言われても正直分からん。まずは試してみてからじゃな」
「やっぱり、そうなるよね」
「ところで、教科書を作ると言うているが、その教科書の内容はどうなんじゃ?」
「え? ガンツさんが頼んでいるんじゃないの?」
「ん? 頼む? 誰にじゃ?」
「え~そこは大事だよ。どうするの?」
「まあ、慌てるな。こういう時は校長じゃろ?」
「ああ、ガンボさんね」
「そういうことだ。お~ガンボか? 今どこにいる?」
ガンツさんが、いつの間にか取り出した携帯電話でガンボさんに掛けると、今どこにいるかを確認する。
『なんじゃ、いきなりじゃな。ワシは学校の校長室でカーティスと話しているところじゃ』
「ほう、そいつは都合がいい。分かった」
そう言って、ガンツさんが携帯電話を切ると校長室だと話す。
「分かった、繋ぐね」
そう言って、ゲートを校長室に繋ぐとガンボさんにカーティスさん、メアリーがなにやら話している最中だったみたいだ。
「ケイン、いきなりじゃな。ガンツからの電話で何かあるとは思っていたが、なんの用じゃ?」
「よし、ケイン行くぞ」
そう言って、ガンツさんとゲートを潜って校長室へと向かう。
「ガンツよ、だから説明をしてくれないか?」
「ガンボ、お前さん。教科書の用意はしているのか?」
「教科書? ああ、教本のことか? それなら、今カーティス達と授業内容を考えながら作っているところじゃ」
「それは教師用だろ? 子供達が使う教本はどうするんだ?」
「それは必要なのか?」
「ワシじゃうまく説明出来んな。ここからはケインが説明する」
「ガンツさん……もう、ガンボさん。いいですか? 教師だけが教本を持って説明しても子供達の手元にはなにも資料がないから、理解が進まないと思うんです」
「まあ、それはそうかもな。だが、黒板に書いて説明することも出来るし、それほど重大な問題とは言えんじゃろ」
「でも、教科書があれば家に帰ってからも授業の復習も出来るし、人によっては予習も出来るんじゃないかと思うんですよ。それに宿題を出す場合も教科書の範囲から出せるし」
「ふむ、悪いことはなさそうじゃな。カーティス達はどう思う?」
「私はケイン君の考えには賛成です。もし、授業に遅れがちな子供がいても、教科書があれば帰ってからも家族の助けが得られるでしょう」
「メアリーは?」
「私は正直、家に帰ってまで勉強はしなくてもと思いますが、父さんの言うように授業に遅れる子供のことを考えると、教科書はあった方がいいと思います」
「そうか、二人は賛成なんじゃな。ふむ」
「あの、その前に質問なんですが」
「なんじゃ、ケイン」
「今、揃っている教師はカーティスさんとメアリーの二人だけなんですか?」
「ああ、今はな。もう少ししたら、この街に到着する予定だ」
「それは何人ですか?」
「とりあえずは三人だ」
「そうなんですね。あと、授業の内容は?」
「まずは『読み書き』だな。それと『計算』、後は未定だ」
「それを五人で持ち回る予定なんですね」
「ああ、そうだ。ケインからなにかあるのか?」
「実は、今度ここの学校に通う予定の竜人の里の子に学校で魔法を習えばいいと言ってしまったんですよ」
「魔法か。まあ、生活魔法レベルなら教えられんことはないな。それじゃダメなのか?」
「もう少し、本格的なものですね。例えば、無詠唱とか」
「お前、自分でなにを言っているのか分かっているのか? そんなの王都の学校でもやってはいないぞ」
「でも、出来ますよ?」
「お前はな! ん? だが、待てよ。お前がしてきた方法なら、その無詠唱も出来るのか?」
「はい、ちなみにデューク様のところのエリー様、ショーン様、マリー様にセバス様も手ほどきしたら出来るようになりましたよ」
「お前な……はぁ分かった。それなら、魔法の教師もなんとかしよう」
「分かりました。お願いしますね」
「ああ、とびっきりのをな」
そう言ってガンボさんがこちらをみて不敵に笑う。
あれ? なにかやらかしたかな?
「母さん、ヘレンさんを連れて来たよ」
「あら、ケイン。なかなか気が効くじゃない。どうしたの?」
「父さんが連れて行けってさ。父さんは家に帰って双子の妹の世話しているよ」
「そうなのね。レティさん、この人は私もお世話になったヘレンさん。ヘレンさん、こちらはレティさんよ。お腹には私と同じで双子みたいなの。よろしくね」
「分かった。レティさん、ワシがヘレンじゃ。ちょっと診せてもらうがいいか? ほれ、ケインも外に出てろ。ん? そこで呆けている男は誰じゃ?」
「あ、ああ、あの人は私の旦那なので、気にしないで下さい」
「そうか、ならいいか」
「じゃヘレンさんお願いね」
そう言って、家の外に出る。
「お? 早かったな」
外にいた、ガンツさんが話しかけてくる。
「うん、今ヘレンさんが診るからって追い出された」
「まあ、ケインも子供とは言え、男だもんな。それで、今日はもういいのか? 早速印刷機や製本機の開発を終わらせたいんじゃが」
「そうだね、じゃ母さんを送ったら、工房に行こうか」
「話が終わるのを待つのか? 言っちゃあなんだが、女性の話は長いぞ? 待つつもりか?」
「ああ、それもそうか。母さんにも携帯電話は渡しているし、いいよね。じゃ、久々に工房まで歩きながら、製本について考えようか」
「おう、工房までそれほど離れてはいないが、歩くのか?」
「ガンツさんも最近は歩いていないでしょ? まあ、たまには運動と思ってさ」
「まあ、いいか。マサオの運動にもなるしの」
『俺は十分運動していると思うけどな』
「もう少し、お腹がシュッとしてから言いなよ」
『ぐっ……』
歩きながら、ガンツさんと製本について話してみるが、自分自身も仕組みを詳しく知っているわけじゃないので、ある意味では一からの構築となる。
まずは製本するにあたり、印刷方法から考えることになった。と、言うのも見開きで印刷して中心で折って製本するのか、一枚ずつ印刷して重ねて製本するのかという話と、そもそもページに対して両面印刷をするのか、印刷した紙を貼り合わせるのかというのも考える必要がある。
前世の知識から引用すると絵本のような厚紙をまとめた物は張り合わせる方法がベストであり、教科書のような物では、見開きで両面印刷したものを十頁単位くらいでまとめて折ったものを重ねて製本する方法がベストと思う。週刊誌みたいな雑誌だと見開きで印刷したものをまとめて中間位置で追ったものをホチキスで止めるだけだから、一番簡単なんだけどな。
とりあえず、話して分かったことは両面印刷が出来ることが前提になる。それと紙の質ももう少し上げたい。今の紙質のままだと印刷にムラが出やすい。
「やはり、そこからか」
「やはりってことは、ガンツさんも思っていたの?」
「ああ、印刷機が出来たことで浮かれていたが、よく見るとムラがあってな。このままじゃいかんなとは感じていた」
「もう、なら早く言ってよ」
「なんじゃ、ケインはもう気付いて対策方法があるものと思っていたぞ」
「まあ、そりゃないこともないけどさ」
「お、ちょうどついたな。後は上で話そうや」
工房の前に着いたので、自室へと上がって行く。
自室に入るとガンツさんとテーブルを挟んでソファに座る。
「ちと整理するか」
「うん」
テーブルの上にさっき歩きながら話していたことをメモ紙にまとめていく。
「まずは紙質だよね」
「ああ、そこをなんとかせんと、次の工程に無理が出る。
「それが終われば、両面印刷の方法だね」
「単に表、裏と順番に印刷するんじゃダメなのか?」
「それでいいとは思うんだけどね。とりあえずは確認しなきゃいけないことだからね」
「まあ、そういうことなら分からんでもないな」
「その次が、製本の方法か」
「うん、何通りかあるのは話した通りだけどね。考えると、どれか一つ選ぶんじゃなくて、全部いつかはいるなと思うんだ」
「まあ、そうじゃな。だが、今は教科書向けの製本をどうするかじゃ」
「うん、そうだよね。だから、見開きで両面印刷をした頁をね、十枚程度で纏めた後に重ねて糊付けする方法がいいかなと思うんだ。どう?」
「今、どうと言われても正直分からん。まずは試してみてからじゃな」
「やっぱり、そうなるよね」
「ところで、教科書を作ると言うているが、その教科書の内容はどうなんじゃ?」
「え? ガンツさんが頼んでいるんじゃないの?」
「ん? 頼む? 誰にじゃ?」
「え~そこは大事だよ。どうするの?」
「まあ、慌てるな。こういう時は校長じゃろ?」
「ああ、ガンボさんね」
「そういうことだ。お~ガンボか? 今どこにいる?」
ガンツさんが、いつの間にか取り出した携帯電話でガンボさんに掛けると、今どこにいるかを確認する。
『なんじゃ、いきなりじゃな。ワシは学校の校長室でカーティスと話しているところじゃ』
「ほう、そいつは都合がいい。分かった」
そう言って、ガンツさんが携帯電話を切ると校長室だと話す。
「分かった、繋ぐね」
そう言って、ゲートを校長室に繋ぐとガンボさんにカーティスさん、メアリーがなにやら話している最中だったみたいだ。
「ケイン、いきなりじゃな。ガンツからの電話で何かあるとは思っていたが、なんの用じゃ?」
「よし、ケイン行くぞ」
そう言って、ガンツさんとゲートを潜って校長室へと向かう。
「ガンツよ、だから説明をしてくれないか?」
「ガンボ、お前さん。教科書の用意はしているのか?」
「教科書? ああ、教本のことか? それなら、今カーティス達と授業内容を考えながら作っているところじゃ」
「それは教師用だろ? 子供達が使う教本はどうするんだ?」
「それは必要なのか?」
「ワシじゃうまく説明出来んな。ここからはケインが説明する」
「ガンツさん……もう、ガンボさん。いいですか? 教師だけが教本を持って説明しても子供達の手元にはなにも資料がないから、理解が進まないと思うんです」
「まあ、それはそうかもな。だが、黒板に書いて説明することも出来るし、それほど重大な問題とは言えんじゃろ」
「でも、教科書があれば家に帰ってからも授業の復習も出来るし、人によっては予習も出来るんじゃないかと思うんですよ。それに宿題を出す場合も教科書の範囲から出せるし」
「ふむ、悪いことはなさそうじゃな。カーティス達はどう思う?」
「私はケイン君の考えには賛成です。もし、授業に遅れがちな子供がいても、教科書があれば帰ってからも家族の助けが得られるでしょう」
「メアリーは?」
「私は正直、家に帰ってまで勉強はしなくてもと思いますが、父さんの言うように授業に遅れる子供のことを考えると、教科書はあった方がいいと思います」
「そうか、二人は賛成なんじゃな。ふむ」
「あの、その前に質問なんですが」
「なんじゃ、ケイン」
「今、揃っている教師はカーティスさんとメアリーの二人だけなんですか?」
「ああ、今はな。もう少ししたら、この街に到着する予定だ」
「それは何人ですか?」
「とりあえずは三人だ」
「そうなんですね。あと、授業の内容は?」
「まずは『読み書き』だな。それと『計算』、後は未定だ」
「それを五人で持ち回る予定なんですね」
「ああ、そうだ。ケインからなにかあるのか?」
「実は、今度ここの学校に通う予定の竜人の里の子に学校で魔法を習えばいいと言ってしまったんですよ」
「魔法か。まあ、生活魔法レベルなら教えられんことはないな。それじゃダメなのか?」
「もう少し、本格的なものですね。例えば、無詠唱とか」
「お前、自分でなにを言っているのか分かっているのか? そんなの王都の学校でもやってはいないぞ」
「でも、出来ますよ?」
「お前はな! ん? だが、待てよ。お前がしてきた方法なら、その無詠唱も出来るのか?」
「はい、ちなみにデューク様のところのエリー様、ショーン様、マリー様にセバス様も手ほどきしたら出来るようになりましたよ」
「お前な……はぁ分かった。それなら、魔法の教師もなんとかしよう」
「分かりました。お願いしますね」
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