転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

文字の大きさ
255 / 468
連載

◆叩いてみました

しおりを挟む
ガンボさん達と教科書の内容について話し合った結果、当初は内容よりも子供達の手に渡ることを第一に考え、最初に作る教科書の内容を少なくし、残りは後から作る教科書でカバーすることにした。
「じゃあ、ガンボよ。教科書の内容については任せたぞ。締め切りはあと三日じゃな」
「三日かよ。どうじゃ? カーティス、メアリーいけるか?」
「まあ、なんとかやってみましょう。なあ、メアリー」
「はぁ、ケインのやることはいつもいきなりだわ。これにも慣れなきゃいけないのね。いいわ、やってあげる」
「じゃあ、任せたぞ。ほれ、ケイン。続きじゃ」
「はいはい、じゃあ頑張ってくださいね」
「ああ、ほどほどにな」
ガンボさん達に挨拶し、ゲートを再び工房の自室へと繋ぎ潜っていく。

ソファに座りゆっくりしていると、ガンツさんが言う。
「さて、教科書の内容については決まったと思っていいだろう。そして内容も少なくしたから、一番簡単な方法での製本にすれば、数は揃えられると思うが、どうじゃ?」
「うん、ガンツさんの言う通りだね。でも、その前に製本よりは教科書の原本についてはどうなるの? カーティスさん達の手書きなの?」
「ああ、そこか」
「ほら、前にガンツさんが興味持っていた方法があったでしょ? あれはどうなったの?」
「あれ?」
「ほら、一字ずつ打つっていう方法で、紙に直接印字するってやつ」
「ああ、あれか。あれはまだ進んでおらんていうか、なにもしてないな」
「え~勿体ない。あれが出来れば、すっごく便利になるのに」
「じゃが、それならタブレットでもやっていたじゃろ? ほれ、あの写真の名前を変えたりしてたじゃろ?」
「ああ、あれ」
「そうじゃ、あれをなんとかすれば出来るんじゃないのか?」
「それもそうだね。じゃあさ、ガンツさんは機械式の印字を作ってよ。俺はタブレットをなんとかしてみるからさ」
「ほう、競争という訳か。ワシに勝てるつもりか」
そういうとガンツさんがとニヤリと笑う。
「いや、別に勝負じゃないから。それに俺のはタブレット限定だけどさ、ガンツさんのは出来たら、誰でも欲しがると思うよ。特に行政関連でね」
「そうか?」
「だってさ、手書きって結構、面倒だよね? それに行政関連の事務系なんて特にね」
「まあ、分かるがな。だが、ケインの頭の中にはある程度の構想はあるんじゃろ? なら、合わせられるところは合わせておこうか」
「いいね。じゃあ早速決めようか。まずは刻印する文字の配列だね」
「配列? 順番通りじゃダメなのか?」
「ダメでしょ。まずはよく使う母音にあたる文字を使いやすい位置に配置して、あまり使わないのは遠くでもいいって感じかな」
この世界の文字は英語に近いもので、使う文字もアルファベットとあまり差異はなかった。なら、前世のキーボード配列でいけるんじゃないかと思っている。個人的にはテンキーは付けたいところだけどね。

前世の記憶を頼りに指が覚えているかを試して、エアーでブラインドタッチをしてみる。
「あ~ここか」
「ケイン、なにをやっているんだ?」
そんな俺を見ていたガンツさんが不思議そうに聞いてくる。

「どこにどの文字があれば使いやすいかを考えていたんだ」
「そうか。で、決まったのか?」
「うん、こういうのはどうかな? 最初は使いづらいと思うけど、慣れればいけるからさ」
「どれ?」
試しにと土魔法で簡易的なキーボードを作ってみるが、土魔法で作ったものなので、実際にキーを叩いても沈むとかの反応がない。

「これじゃ分からん。実際に叩いてみないと分からんぞ」
「それもそうだね。でも、そうなるとガンツさんとの共同制作になっちゃうけど、いいの?」
「ああ、ワシは構わんぞ」
「分かったよ」

それならと前世の記憶を頼りに頭の中に昔ながらのタイプライターの形を思い浮かべながら、少しずつタイプライターを形作っていき、数分後には目の前にはステンレンス製のメタリックなタイプライターが現れた。
「動きとしては、この文字のキーを叩くと、同じ文字の活版がインクが染み込んだテープを叩く。すると、紙にその文字が印字される。そして、紙の終わりまで行った時や、次の行にずらしたい時には、この『改行』で紙を一行分上に送るんだ。どう?」
「お前……本当にどこから、この発想が出来るんじゃ?」
「さ、さあ、若さゆえじゃないの?」
「その若さも微妙じゃがな。まあええわ、ちょっと使わせてくれ」
「いいよ、はい」
『カシャカシャカシャ……チ~ン』
『カシャカシャカシャ……チ~ン』
『カシャカシャカシャ……チ~ン』
「ガンツさん、ガンツさん?」
一心不乱という感じでタイプライターを打ち続けるガンツさんに声を掛ける。
「お、おお、なんだ? なにがあった?」
「なにが? じゃないでしょ。なにか呟きながら、一心不乱に打っていたから心配になったんじゃない」
「そうか?」
そう言って、ガンツさんが印字された用紙を手に取る。
「うわぁ~自分でいうのもなんだが、引くな~」
「なになに? なにを書いたの?」
印字された内容を覗き込もうとするとガンツさんが、慌てる。
「な、なんじゃ! なにを覗こうとしているんじゃ!」
「なに書いたのか気になるじゃない。いいじゃない、見せてよ!」
「ダメじゃ、これは見せられん!」
「まあ、アンジェさんに対するラブレターみたいなもんだしね」
「ああ、そうじゃ。この胸の内に抱えるものを吐き出したら……って、なんでお前が内容を知っているんじゃ?」
「なんでって、全部口に出しながら打っていたよ? 気付いてなかったの?」
「え? 全部?」
「うん。全部だね」
「うぉぉぉ~」
「ガ、ガンツさん? 大丈夫だから、誰にも言わないよ?」
「そこは疑問形なんじゃな」
「そこは、ちょっと自信がないかもね」
「まあええ。は~なんで口に出るかな~」
「そういう人もいるからね、口に出しながら手を動かす人ってのは多いと思うよ」
「そういうもんかの~」
「それじゃ、仕組みはこれでいいかな?」
「そうじゃな、後はワシが使い勝手がいいように変えてみるか」
「分かった。じゃあ、後はおまかせで」
「あいよ、任された」

タイプライターの改良をガンツさんに任せるとタブレットでの文字入力を考える。
「ここは、キーボードレイアウトを表示して、タップしていくやり方がいいかな。とりあえずは改良してみるか」
しおりを挟む
感想 254

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。