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◆まだ洗礼前でした
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一度、ガンツさんと自室に戻るとこれからの設備拡張について話す。
「さっき、イーガンも言うてたが、やはり手狭になってきておるようじゃの」
「だね。車関連は別棟だから分からなかったけど、領都から持ち込んだ分もあるし、ここの工房で作り始めた物も結構あるからね。どうしようか」
「どうしようって、広げるか作るかじゃろ? 幸いにも空き地はまだまだあるしな」
「そうは言うけどさ、無計画に広げたって後から困るよ」
「そこはほれ! いつもの様にな」
「なって言われても。そもそもいつものようにってなに?」
「いつもなら、模型を使ってから始めるじゃろ? 今回なら街の模型じゃな」
「ああ、そういうこと。なら、ちょっと待ってね」
そういって、ドワーフタウンの模型を用意する。
「今は、こんな感じかな」
「どれ。ほう、だいぶ込み入って来たな。少しは街らしくなってきたか」
「そう言われるとそうだね。俺としては、もう少し少なくてもいいんだけどね」
「そうか? じゃが、これからは人手が必要になるぞ。だから、町長としても工房の関係者としても多少は増えてもらわんと困るんじゃがな」
「それもそうか。で、工房の方はどうするの?」
「まあ、まずは車関連は今のままでいいとしてじゃ。今の工房で作っている物で製造ラインの延長上にある物は動かせないな」
「なら、領都から持ってきたママチャリ関連は別棟にするんだね?」
「ああ、それが良かろう。で、製造ラインには関係ない単品の製品は一纏めにするのがいいと思うが」
「そうだね。でもさ、今はどの程度の製造ラインがあるのか把握してるの?」
「ん? ケインがしているんじゃないのか?」
「え? なんで俺が?」
「へ? なんでもなにも、いつも無茶を言って作らせているのはお前じゃろ?」
「は? それはそうかもしれないけどさ、そこは工房の責任者として知っておこうよ」
「ふっ忘れたのか? ワシは開発の責任者じゃが、工房の責任者は形だけだと言うことを」
「ほ~そうきますか。でも実質のオーナーはガンツさんでしょ?」
「あ~そういえば、そうじゃったな。じゃが、現場は任せっきりじゃったから全然知らんぞ」
「もう、長々とやり取りしてみたけど、結局は二人とも知らないってことだよね?」
「まあ、そうなるな」
「なら、こんなところで二人で話していてもダメじゃない。ガンツさんは下で話してきなよ。はい! これ持って!」
そう言って、ガンツさんに街の模型を渡すと下のイーガンさん達のいる部屋へとゲートを繋ぐ。
イーガンさん達が驚いた顔をしてこちらを見るが、すぐにガンツさんと俺であることに気付くと今度は不思議そうに見る。
「なに?」
「イーガンさん、ガンツさんも仲間に入れてやって」
「仲間に? それはどういうことだ?」
「それは、ガンツさんから説明するから。ほら、ガンツさん」
「あ、ああ、分かったから押すなよ。ったく」
「ケイン君、なんでかを聞いても?」
「うん、それも全部ガンツさんが説明するから。俺は母さんを迎えに行かないとダメだから、もう帰るからさ。だから後はよろしくね! じゃあね~」
「「「あ、ケイン」」」
その場でゲートをアーロンさんの家の前に繋いで、部屋から出る。
「行っちまいやがったな、あの野郎」
「それで、親父よ。どういうことなんだ? その模型は?」
「ああ、これか。これはだな……」
「ああ、新しい工場を作るんですね」
「そうじゃ、ボビーその通りじゃ」
「はぁ? 今から工場を作る? 本気か?」
「本気じゃが、イーガンはなにが心配なんじゃ?」
「なにって、工場だろ? 小屋じゃなく工場なんだろ? それを今から作って、いつ完成予定だというつもりなんだ? 他にも建造中のはいくつもあるから、必要な人足は満足に集めることも出来ないって分かっているんだろうな!」
「ボビーよ、イーガンはまだ洗礼は受けてなかったのか?」
「はい、確かまだだと思います。まあ、私も直接は見ていないので、そういう意味では私もまだですが」
「そうか。なら、今回のことを楽しみにしておくがいい」
「はい、楽しみです」
「なあ、待てよ。親父もボビーさんもなにを納得しているんだよ! それにまだ工場の件も答えを聞いていないぞ!」
「ああ、そうだったな。確かいつ始めていつ終わらせるのかってことだったな」
「ああ、そうだよ。いつまでなんだ?」
「そんなのはお前……一瞬だよ」
「は? 親父、気は確かか? 工場だぞ! 小屋じゃなくて、工場なんだろ?」
「だから、そのくらい分かってるわ! お前こそ、分かっているのか? ケインじゃぞ。まあ、ここでいくら言っても信じられないだろうな。なら、今は工場の建設については別にして必要なことを話し合おうじゃないか」
「誤魔化すのかよ!」
「そうではない。だが、お前が話を信じてくれなければどうしようもないと言うことだ。な、分かるか」
「分からない。ボビーさんはなんで、黙っているんだ?」
「イーガンさん、私は仮ですが、すでに洗礼は受けてますので。なので親方……ガンツさんの言うことも信じられますし、信じます。それはケイン君についても同じです」
「なんだよ、それ! 意味わかんねえよ!」
「イーガン、なら言うが。この街をワシとケインが作ったのは知っているか?」
「ああ。人伝に聞いたことはある。それがどうした?」
「なら、どのくらいの期間を設けたかは聞いたか?」
「期間? この街をどのくらいの期間で作ったかってことか?」
「ああ、そうじゃ」
「それは……聞いてない。いや聞いたことがない」
「まあ、そうじゃろうな」
「それがどうしたって言うんだ?」
「だから、この街はワシとケインが作った。じゃが基本的なところは全部ケインじゃ」
「ハァ~気は確かか?」
「心配せんでもワシは正気じゃ。でな改めて聞くが、あのシンボルとも言えるあの橋は、どのくらいの期間で作ったと思う?」
「さあな。だが、あの大きさなら一年掛かっても不思議じゃないだろうな」
「一瞬じゃ」
「は? 親父、やっぱり一度見てもらった方がいいぞ」
「イーガンさん、間違いじゃないと思いますよ」
「ボビーさんまでなにを言うんですか?」
「イーガン、信じられんのも分かるがな。これが事実じゃ」
「親父、いい加減にしろよ! なんでそこまで頑固なんだ。あんなのが一瞬で出来るわけないだろうが!」
「ああ、ワシもそう思った」
「なら、間違いなんだろ」
「ああ、ワシも目の前で起こったことが信じられんでな、何度も目を擦って見たが、橋が消えることはなかった。ケインの一言で、あの橋は出来上がったんだよ」
「んなわけないだろ」
「なら、領主にでも聞くがええ。証人が必要なら何人でも用意するぞ」
「え? 領主まで……本当なのか?」
「ああ、それにお前が住んでいる独身寮な、あれもワシとガンボの前で一瞬で出来上がったぞ。ガンボにも聞くか?」
「ガンボさんまで……」
「納得出来たのなら、先に進めるぞ。いいか?」
「あ、ああ」
「さて、なにから決めましょうか?」
「まずは製造ラインの把握じゃな。増設予定も含めてな」
「分かりました」
「さっき、イーガンも言うてたが、やはり手狭になってきておるようじゃの」
「だね。車関連は別棟だから分からなかったけど、領都から持ち込んだ分もあるし、ここの工房で作り始めた物も結構あるからね。どうしようか」
「どうしようって、広げるか作るかじゃろ? 幸いにも空き地はまだまだあるしな」
「そうは言うけどさ、無計画に広げたって後から困るよ」
「そこはほれ! いつもの様にな」
「なって言われても。そもそもいつものようにってなに?」
「いつもなら、模型を使ってから始めるじゃろ? 今回なら街の模型じゃな」
「ああ、そういうこと。なら、ちょっと待ってね」
そういって、ドワーフタウンの模型を用意する。
「今は、こんな感じかな」
「どれ。ほう、だいぶ込み入って来たな。少しは街らしくなってきたか」
「そう言われるとそうだね。俺としては、もう少し少なくてもいいんだけどね」
「そうか? じゃが、これからは人手が必要になるぞ。だから、町長としても工房の関係者としても多少は増えてもらわんと困るんじゃがな」
「それもそうか。で、工房の方はどうするの?」
「まあ、まずは車関連は今のままでいいとしてじゃ。今の工房で作っている物で製造ラインの延長上にある物は動かせないな」
「なら、領都から持ってきたママチャリ関連は別棟にするんだね?」
「ああ、それが良かろう。で、製造ラインには関係ない単品の製品は一纏めにするのがいいと思うが」
「そうだね。でもさ、今はどの程度の製造ラインがあるのか把握してるの?」
「ん? ケインがしているんじゃないのか?」
「え? なんで俺が?」
「へ? なんでもなにも、いつも無茶を言って作らせているのはお前じゃろ?」
「は? それはそうかもしれないけどさ、そこは工房の責任者として知っておこうよ」
「ふっ忘れたのか? ワシは開発の責任者じゃが、工房の責任者は形だけだと言うことを」
「ほ~そうきますか。でも実質のオーナーはガンツさんでしょ?」
「あ~そういえば、そうじゃったな。じゃが、現場は任せっきりじゃったから全然知らんぞ」
「もう、長々とやり取りしてみたけど、結局は二人とも知らないってことだよね?」
「まあ、そうなるな」
「なら、こんなところで二人で話していてもダメじゃない。ガンツさんは下で話してきなよ。はい! これ持って!」
そう言って、ガンツさんに街の模型を渡すと下のイーガンさん達のいる部屋へとゲートを繋ぐ。
イーガンさん達が驚いた顔をしてこちらを見るが、すぐにガンツさんと俺であることに気付くと今度は不思議そうに見る。
「なに?」
「イーガンさん、ガンツさんも仲間に入れてやって」
「仲間に? それはどういうことだ?」
「それは、ガンツさんから説明するから。ほら、ガンツさん」
「あ、ああ、分かったから押すなよ。ったく」
「ケイン君、なんでかを聞いても?」
「うん、それも全部ガンツさんが説明するから。俺は母さんを迎えに行かないとダメだから、もう帰るからさ。だから後はよろしくね! じゃあね~」
「「「あ、ケイン」」」
その場でゲートをアーロンさんの家の前に繋いで、部屋から出る。
「行っちまいやがったな、あの野郎」
「それで、親父よ。どういうことなんだ? その模型は?」
「ああ、これか。これはだな……」
「ああ、新しい工場を作るんですね」
「そうじゃ、ボビーその通りじゃ」
「はぁ? 今から工場を作る? 本気か?」
「本気じゃが、イーガンはなにが心配なんじゃ?」
「なにって、工場だろ? 小屋じゃなく工場なんだろ? それを今から作って、いつ完成予定だというつもりなんだ? 他にも建造中のはいくつもあるから、必要な人足は満足に集めることも出来ないって分かっているんだろうな!」
「ボビーよ、イーガンはまだ洗礼は受けてなかったのか?」
「はい、確かまだだと思います。まあ、私も直接は見ていないので、そういう意味では私もまだですが」
「そうか。なら、今回のことを楽しみにしておくがいい」
「はい、楽しみです」
「なあ、待てよ。親父もボビーさんもなにを納得しているんだよ! それにまだ工場の件も答えを聞いていないぞ!」
「ああ、そうだったな。確かいつ始めていつ終わらせるのかってことだったな」
「ああ、そうだよ。いつまでなんだ?」
「そんなのはお前……一瞬だよ」
「は? 親父、気は確かか? 工場だぞ! 小屋じゃなくて、工場なんだろ?」
「だから、そのくらい分かってるわ! お前こそ、分かっているのか? ケインじゃぞ。まあ、ここでいくら言っても信じられないだろうな。なら、今は工場の建設については別にして必要なことを話し合おうじゃないか」
「誤魔化すのかよ!」
「そうではない。だが、お前が話を信じてくれなければどうしようもないと言うことだ。な、分かるか」
「分からない。ボビーさんはなんで、黙っているんだ?」
「イーガンさん、私は仮ですが、すでに洗礼は受けてますので。なので親方……ガンツさんの言うことも信じられますし、信じます。それはケイン君についても同じです」
「なんだよ、それ! 意味わかんねえよ!」
「イーガン、なら言うが。この街をワシとケインが作ったのは知っているか?」
「ああ。人伝に聞いたことはある。それがどうした?」
「なら、どのくらいの期間を設けたかは聞いたか?」
「期間? この街をどのくらいの期間で作ったかってことか?」
「ああ、そうじゃ」
「それは……聞いてない。いや聞いたことがない」
「まあ、そうじゃろうな」
「それがどうしたって言うんだ?」
「だから、この街はワシとケインが作った。じゃが基本的なところは全部ケインじゃ」
「ハァ~気は確かか?」
「心配せんでもワシは正気じゃ。でな改めて聞くが、あのシンボルとも言えるあの橋は、どのくらいの期間で作ったと思う?」
「さあな。だが、あの大きさなら一年掛かっても不思議じゃないだろうな」
「一瞬じゃ」
「は? 親父、やっぱり一度見てもらった方がいいぞ」
「イーガンさん、間違いじゃないと思いますよ」
「ボビーさんまでなにを言うんですか?」
「イーガン、信じられんのも分かるがな。これが事実じゃ」
「親父、いい加減にしろよ! なんでそこまで頑固なんだ。あんなのが一瞬で出来るわけないだろうが!」
「ああ、ワシもそう思った」
「なら、間違いなんだろ」
「ああ、ワシも目の前で起こったことが信じられんでな、何度も目を擦って見たが、橋が消えることはなかった。ケインの一言で、あの橋は出来上がったんだよ」
「んなわけないだろ」
「なら、領主にでも聞くがええ。証人が必要なら何人でも用意するぞ」
「え? 領主まで……本当なのか?」
「ああ、それにお前が住んでいる独身寮な、あれもワシとガンボの前で一瞬で出来上がったぞ。ガンボにも聞くか?」
「ガンボさんまで……」
「納得出来たのなら、先に進めるぞ。いいか?」
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