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◆そういえばなかった
ヘレンさんを回収しリーサさんと合流出来たので、家のリビングにゲートを繋ぐと皆で潜る。
「「「「「『ただいま~』」」」」」
「あら、お帰りなさい」
「お義母様、もういいんですか?」
台所に立つ母さんを見て、リーサさんが慌てる。
「リーサちゃん、いいの。ヘレンさんももう大丈夫って言ってくれたしね」
「そうじゃ、リーサよ。だから、もうこの家に来ることはないぞ」
「「「「ええ!」」」」
「なんじゃ、ケインまで」
「そりゃ言うよ、言わせてよ。そりゃ、最初は母さんの手伝いとしての夕食を頼んでいたけどさ。もういいじゃん」
「そうだな、俺もリーサさんの作るご飯は好きだな」
「僕も!」
「あら、母さんよりいいって、言うの?」
「「「そんなことはないけど……」」」
「ふふふ、冗談よ。でも、確かにそうよね。もうこの大所帯で食べるのが普通になっていたものね。でもね、別にリーサさんが作らなくてもいいんじゃないの」
「え~なんでさ」
「ケイン、今日はなにしにドワーフタウンに行ったのか忘れてない?」
「なにしにって……あ! そうか」
「ふふふ、そうよ。そう言うこと。これからも食べにくればいいだけの話よ。お手伝いとかじゃなくてね」
「そうか、そうだよ。リーサさん、これからは、夕食を作りにじゃなくて、食べにくればいいんだよ」
「あの……すまないが話が全然、見えないんだが。説明してもらっても?」
「忘れとった……そうじゃ、なんでワシに断りもなく引っ越す話になっておるんじゃ!」
「「「引っ越す?」」」
「そうよ、リーサちゃん。この家をね、ドワーフタウンに持って行くの」
「「「持っていく?」」」
「そう、持って行くのよ。今日はね、この家の場所を決めてきたの! アーロンさんの隣にだけどね」
「「「はぁ~」」」
「マギー! 聞いているのか! だから、なんで引っ越すんじゃ! ワシになんの断りもなく!」
「ヘレンさん、急に決めたことは謝りますが、なにもそんなに怒らなくてもいいじゃないですか」
「トミー、そう言うが、ワシはこれからどうすればいいんじゃ。もう、この家で夕飯を食べられないんじゃ……」
「あら、そんなこと」
「マギー、そんなことと言うがな、ワシは……ワシは……」
「なら、ヘレンさんも引っ越せばいいじゃない。ねえ、父さん」
「あ、ああ。そうだな、もしヘレンさんがよければだけど……」
「いいのか? ワシが引っ越しても?」
「私は別にいいわよ。なんなら、ガンツさんに頼んでもいいし」
「なんで、あの爺さんが出て来るんじゃ?」
「なんでって、ドワーフタウンの町長だから?」
「町長じゃと? あの爺さんが?」
「そうよ、だから、まずは引越しの確認が必要よね」
「「「「母さん、待って!」」」」
「なに? 皆して」
暴走気味の母さんに父さんと俺達兄弟からの『待て』が掛かる。
「母さん、忘れているかもしれないけど、ヘレンさんにも家族がいるんだから。そんなに勝手に決めることは出来ないよ。ね、ヘレンさん」
「ケイン、ワシは決めたぞ!」
「ほら、ヘレンさんも困って……ないね。ヘレンさん、なにを決めたのかな?」
「ワシも家族と一緒にドワーフタウンに引っ越す!」
「「「「え~」」」」
「決めた!」
「ヘレンさん、一度ご家族とちゃんと話し合った方がいいと思うけど」
「トミー、ワシは決めた。幸いというか、息子も仕事をやめたいとか、上手く行かないと嘆いていたからの。ここはドワーフタウンで一念発起じゃ!」
「ヘレンさん、それは無理だと思う。ヘレンさんは許可されても息子さんは難しいよ」
「なんでじゃ!」
「だって、無職で来られても町長として困ると思うから」
「なんじゃ、ああ見えても息子は出来る男じゃぞ」
「じゃあ、聞くけどさ。どんな仕事をしてきたの?」
「まあ、簡単な事務作業をしながら、暇な時には近所の子供に読み書きとか教えていたな」
「え? それホント?」
「ああ、本当じゃ。息子本人は学校には通ってはいないが、ワシと死んだ爺さんが読み書き計算は、生きて行く上で困らんようにと教えたからの」
「そうか。じゃあ引っ越しは許可されるね」
引っ越しがダメかもと思っていた俺が、ヘレンさんの話を聞いただけで許可されるかもって話になったことで、今度は周りがついて行けないって顔になっている。
「ケイン、すまないが私にも分かるように説明してくれないか?」
「リーサさん、分からない? メアリーは分かるよね?」
「私はなんとなくで、ケインの考えに合っているかは分からない」
「そう、じゃあ答え合わせじゃないけれど、説明するね」
周りで聞いていたヘレンさん、リーサさん含め全員がコクリと頷く。
「いい、まずガンボさんが学校を作ってます」
「はい! 僕もそこに通うんだ!」
「そう、デイヴは九月からそこに通うよね」
「ああ、そういうこと」
「メアリーは分かったと思うけど、まずは聞いていてね」
「うん、分かった」
「じゃ、続きね。ガンボさんと学校を作ったはいいけど、生徒は足りても教師が足りない。それに事務をやってくれる人もまだ募集中なんだ。そこで、ヘレンさんの息子さんがドワーフタウンに引っ越してくれるなら、教師か事務のどちらかを任せられると思うんだ。どう、ヘレンさん?」
「ああ、確かにいい話じゃ。事務はともかく教師役が出来るかどうかは不安があるがな」
「そこは、ガンボさんにちゃんと面接してもらって必要なら試験でも受ければいいんじゃないの? ねえ、メアリー」
「うん、ケインのいう通りだと思う」
「そうかい、なら明日にでも息子達と話してみようかね」
「話はまとまったのかしら? なら、夕食の準備を手伝ってね」
「「「「「「「『は~い』」」」」」」」
夕食を食べ終わり、台所でリーサさんと一緒に後片付けをする。
「ふふふ、こうしてケインと並んでするのも今日が最後なんだな」
「え~違うでしょ! もう、さっきの話、ちゃんと聞いてたの? 引っ越したら、近くなるんだし、遠慮せずに来なさいって母さんが言ってたでしょ?」
「ああ、そうだったな。場所が変わるだけの話だったな。ふふふ、それにしても家ごとの引っ越しか。普通はそんなこと考えないし、出来ないぞ」
「言い出したのは母さんだけどね。俺もその発想はなかったよ。そこはさすが母さんだと思うよ」
「確か、ケインのモノ作りに対する考え方とかはお義母様譲りだとか」
「うん、そうみたいね。母さんも服飾とかの発想はすごいよ」
「あ~!」
急になにがあったのか、不意に母さんが叫び出す。
「「「「どうしたの? 母さん!」」」」
「ケイン、ごめん。忘れてた!」
「なんのこと?」
「ほら! リーサさんとお揃いのあれよ! 作っている時に出産したもんだから、すっかり忘れていたわ」
「俺とリーサさんの……お揃い……あ! ああ、あれね」
「そう、あれ」
「あれじゃ分からないよ。母さん」
父さんが母さんが叫んだ理由は分かったみたいだが、出て来るのが『あれ』ばかりなので全然分からないらしく少しイラついているっぽい。
「父さん、あれってのは俺が母さんに頼んでいた、ファスナー付きの作業着だよ」
「ああ、あれか! あれは俺も欲しかったんだ。母さん、頼めるか?」
「あら、いいわよ。何色にする?」
「母さん、俺も欲しい!」
「僕もいいかな?」
「ふふふ、いいわよ。ただし色は被らないように気をつけてね」
「ああ」
「「うん」」
「「「「「『ただいま~』」」」」」
「あら、お帰りなさい」
「お義母様、もういいんですか?」
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「なんじゃ、ケインまで」
「そりゃ言うよ、言わせてよ。そりゃ、最初は母さんの手伝いとしての夕食を頼んでいたけどさ。もういいじゃん」
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「僕も!」
「あら、母さんよりいいって、言うの?」
「「「そんなことはないけど……」」」
「ふふふ、冗談よ。でも、確かにそうよね。もうこの大所帯で食べるのが普通になっていたものね。でもね、別にリーサさんが作らなくてもいいんじゃないの」
「え~なんでさ」
「ケイン、今日はなにしにドワーフタウンに行ったのか忘れてない?」
「なにしにって……あ! そうか」
「ふふふ、そうよ。そう言うこと。これからも食べにくればいいだけの話よ。お手伝いとかじゃなくてね」
「そうか、そうだよ。リーサさん、これからは、夕食を作りにじゃなくて、食べにくればいいんだよ」
「あの……すまないが話が全然、見えないんだが。説明してもらっても?」
「忘れとった……そうじゃ、なんでワシに断りもなく引っ越す話になっておるんじゃ!」
「「「引っ越す?」」」
「そうよ、リーサちゃん。この家をね、ドワーフタウンに持って行くの」
「「「持っていく?」」」
「そう、持って行くのよ。今日はね、この家の場所を決めてきたの! アーロンさんの隣にだけどね」
「「「はぁ~」」」
「マギー! 聞いているのか! だから、なんで引っ越すんじゃ! ワシになんの断りもなく!」
「ヘレンさん、急に決めたことは謝りますが、なにもそんなに怒らなくてもいいじゃないですか」
「トミー、そう言うが、ワシはこれからどうすればいいんじゃ。もう、この家で夕飯を食べられないんじゃ……」
「あら、そんなこと」
「マギー、そんなことと言うがな、ワシは……ワシは……」
「なら、ヘレンさんも引っ越せばいいじゃない。ねえ、父さん」
「あ、ああ。そうだな、もしヘレンさんがよければだけど……」
「いいのか? ワシが引っ越しても?」
「私は別にいいわよ。なんなら、ガンツさんに頼んでもいいし」
「なんで、あの爺さんが出て来るんじゃ?」
「なんでって、ドワーフタウンの町長だから?」
「町長じゃと? あの爺さんが?」
「そうよ、だから、まずは引越しの確認が必要よね」
「「「「母さん、待って!」」」」
「なに? 皆して」
暴走気味の母さんに父さんと俺達兄弟からの『待て』が掛かる。
「母さん、忘れているかもしれないけど、ヘレンさんにも家族がいるんだから。そんなに勝手に決めることは出来ないよ。ね、ヘレンさん」
「ケイン、ワシは決めたぞ!」
「ほら、ヘレンさんも困って……ないね。ヘレンさん、なにを決めたのかな?」
「ワシも家族と一緒にドワーフタウンに引っ越す!」
「「「「え~」」」」
「決めた!」
「ヘレンさん、一度ご家族とちゃんと話し合った方がいいと思うけど」
「トミー、ワシは決めた。幸いというか、息子も仕事をやめたいとか、上手く行かないと嘆いていたからの。ここはドワーフタウンで一念発起じゃ!」
「ヘレンさん、それは無理だと思う。ヘレンさんは許可されても息子さんは難しいよ」
「なんでじゃ!」
「だって、無職で来られても町長として困ると思うから」
「なんじゃ、ああ見えても息子は出来る男じゃぞ」
「じゃあ、聞くけどさ。どんな仕事をしてきたの?」
「まあ、簡単な事務作業をしながら、暇な時には近所の子供に読み書きとか教えていたな」
「え? それホント?」
「ああ、本当じゃ。息子本人は学校には通ってはいないが、ワシと死んだ爺さんが読み書き計算は、生きて行く上で困らんようにと教えたからの」
「そうか。じゃあ引っ越しは許可されるね」
引っ越しがダメかもと思っていた俺が、ヘレンさんの話を聞いただけで許可されるかもって話になったことで、今度は周りがついて行けないって顔になっている。
「ケイン、すまないが私にも分かるように説明してくれないか?」
「リーサさん、分からない? メアリーは分かるよね?」
「私はなんとなくで、ケインの考えに合っているかは分からない」
「そう、じゃあ答え合わせじゃないけれど、説明するね」
周りで聞いていたヘレンさん、リーサさん含め全員がコクリと頷く。
「いい、まずガンボさんが学校を作ってます」
「はい! 僕もそこに通うんだ!」
「そう、デイヴは九月からそこに通うよね」
「ああ、そういうこと」
「メアリーは分かったと思うけど、まずは聞いていてね」
「うん、分かった」
「じゃ、続きね。ガンボさんと学校を作ったはいいけど、生徒は足りても教師が足りない。それに事務をやってくれる人もまだ募集中なんだ。そこで、ヘレンさんの息子さんがドワーフタウンに引っ越してくれるなら、教師か事務のどちらかを任せられると思うんだ。どう、ヘレンさん?」
「ああ、確かにいい話じゃ。事務はともかく教師役が出来るかどうかは不安があるがな」
「そこは、ガンボさんにちゃんと面接してもらって必要なら試験でも受ければいいんじゃないの? ねえ、メアリー」
「うん、ケインのいう通りだと思う」
「そうかい、なら明日にでも息子達と話してみようかね」
「話はまとまったのかしら? なら、夕食の準備を手伝ってね」
「「「「「「「『は~い』」」」」」」」
夕食を食べ終わり、台所でリーサさんと一緒に後片付けをする。
「ふふふ、こうしてケインと並んでするのも今日が最後なんだな」
「え~違うでしょ! もう、さっきの話、ちゃんと聞いてたの? 引っ越したら、近くなるんだし、遠慮せずに来なさいって母さんが言ってたでしょ?」
「ああ、そうだったな。場所が変わるだけの話だったな。ふふふ、それにしても家ごとの引っ越しか。普通はそんなこと考えないし、出来ないぞ」
「言い出したのは母さんだけどね。俺もその発想はなかったよ。そこはさすが母さんだと思うよ」
「確か、ケインのモノ作りに対する考え方とかはお義母様譲りだとか」
「うん、そうみたいね。母さんも服飾とかの発想はすごいよ」
「あ~!」
急になにがあったのか、不意に母さんが叫び出す。
「「「「どうしたの? 母さん!」」」」
「ケイン、ごめん。忘れてた!」
「なんのこと?」
「ほら! リーサさんとお揃いのあれよ! 作っている時に出産したもんだから、すっかり忘れていたわ」
「俺とリーサさんの……お揃い……あ! ああ、あれね」
「そう、あれ」
「あれじゃ分からないよ。母さん」
父さんが母さんが叫んだ理由は分かったみたいだが、出て来るのが『あれ』ばかりなので全然分からないらしく少しイラついているっぽい。
「父さん、あれってのは俺が母さんに頼んでいた、ファスナー付きの作業着だよ」
「ああ、あれか! あれは俺も欲しかったんだ。母さん、頼めるか?」
「あら、いいわよ。何色にする?」
「母さん、俺も欲しい!」
「僕もいいかな?」
「ふふふ、いいわよ。ただし色は被らないように気をつけてね」
「ああ」
「「うん」」
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※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。