転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

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◆心配事が増えました

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工房の自室に戻り、お昼を簡単に済ませるとガンツさんと今後について打ち合わせをする。
「のう、ケイン。昨日はボビーやイーガンといろいろと話し合ったが、結局は結論はでなかったんじゃ。どうするべきかの~」
「でも、今の製造ラインは把握できたんでしょ? なら、無駄にはなってないじゃない」
「まあ、そうだがな。それでまずは、なにをすべきかじゃが」
「そうだね。でも、工場とかならボビーさんやイーガンさんの意見も必要だよね」
「まあ、そうじゃがな。先に製紙工場の方をいろいろ決めてから、用地のいろいろを二人と相談しようや」
「それもそうか」
ガンツさんの提案で、まずは製紙工場のレイアウトを決めることとなったので、製造ラインをミニチュア模型を使って、ガンツさんに説明しながら決めていく。

「なあ、ケインよ。製本も工場を建てるのか?」
「ああ、そうか。製本についても考えとかないとダメだったね。ならさ、製紙工場の上に作っちゃおうか?」
「まあ、それならいいか。だが、荷物の搬入搬出とか考えると一階の方が都合がいいんだがな」
「それはそうだけどさ、今は空き地があるからね。でも、『紙』でまとめられるなら纏めたいかな。って、いうのもね。紙はいろいろと用途によっては作り方を変える必要があると考えているんだよね。だから、それ毎に工場が新たに必要になるからさ、印刷関連は一つの工場でまとめておきたいかなって思うんだ」
「いろんな用途ごとの紙ね~」
「そう、たとえばさ今はメモ紙でも意外と高いよね。それにお尻を拭くのも……」
「そうか? 尻拭きはまあ、慣れてしまったがな」
「でも、印刷用とメモ紙用はさ、触り心地から違うよね」
「まあな、今は印刷用だけを考えてはいるが、確かにケインの言うことも分かる」
「でしょ? だからさ、今はというか、今後はさ用途ごとに工場を建てていく感じに出来ればと思うんだ。どうかな?」
「ケインがそこまで考えているのなら、ワシとしては反対はせん。なら、これでボビー達に提案するか」
「分かった。じゃ、下に行こう」

工房の一階に降りるとボビーさんとイーガンさんを探すが、見当たらない。
近くの工員に聞くと奥の部屋に入って会議をしているとか。
工員に礼を言って、奥の部屋の扉をノックする。

「ボビー、イーガン、ちょっといいか?」
「親方!」
「親父!」
「なんじゃ? なにをしているんじゃ?」
テーブルの上にはガンツさんが作ったタイプライターと俺が作ったタイプライターが部品単位で分解された状態で置かれていた。

「なんじゃ、壊したのか?」
「心外だな。そうじゃない、製造工程の確認の為にバラしたんだ。とりあえず、これを見本に作ったのはそこに置いてある」
イーガンさんが指した方向を見ると、タイプライターが二台置かれていた。

「ほう、ちゃんと作れているようじゃな」
「当たり前だろ」
「それで、親方達のご用は?」

ボビーさんがガンツさんに目的を尋ねる。
「ああ、ワシらは工場の新設で確認しようと思ってな」
「そのことでしたか。こちらでは製造ラインを基本に考えた案がありますが、親方達はそうではないんですよね?」
「ああ、ワシらは工場を新設するにあたり、用地を取り合うことがないようにと相談に来たんじゃ」
「確かに用地は限りがありますからね」
「じゃろ? でだ、ワシらはこれを作れるだけの用地が欲しい。ケイン、出してくれ」
「はい、ガンツさん。ここでいいの?」
ガンツさんに言われ、製紙工場のミニチュア模型をインベントリから出して、テーブルの上に置かせてもらう。
「ああ、ありがとうな。ボビー、これがワシらが作りたい工場で製紙工場と印刷、製本業務をまとめた工場じゃ」
「ガンツさん、今なんと?」
「なんじゃ、ボビーも歳で聞き取りにくくなったのか?」
「そうではありません。製紙工場ってなんですか? まさか、紙を作るつもりで?」
「なんじゃ、分かっているじゃないか。まあ、そのための工場じゃ」
「呆れた……親方! あなたはなにを敵に回すのか分かっているのですか?」
「なんじゃ? 敵ってなんのことじゃ? ワシらは普通に紙を作って教科書を作りたいだけなんじゃが?」
「ハァ~そうでした。親方は工業製品のことなら知っていても、その他の世事には疎いということを」
「なんじゃ、褒められとらんことは分かるが……」
「いいですか? 紙に関してはある団体が決めた協定があって、勝手に作ったり、売ることは禁止されています。なので、製紙工場を作るということは、その団体に対し真っ向から喧嘩を売ることになりますよ!」
「なんじゃ、その程度か。国ではないんだろ。なら、いいじゃないか」
「『その程度』ですまないから、言っているんです!」
「まあまあ、このドワーフタウン内だけのことだから、心配するな。もしなにかあっても領主が対応してくれるはずじゃ」
「なんで、そこで領主様が?」
「ボビーはそこまで知らんかったか? ここの領主はな、ケインがすることに対してはケツを持ってくれるんじゃ。だから、なにも心配することはない。しかも、製紙工場は今は一つだが、その内、用途毎にいくつも工場が増えるぞ。その度に訳分からん団体に遠慮するのか?」
「親方、そうは言っても、もし紙の供給が止められてしまっては、いろいろと支障が出ます」
「ほう? 例えば?」
「例えば……なんでしょう?」
「そうじゃろ、元々紙はそれほど使われておらん。まあ、請求書とか事務手続きには使われているが、その代替は用意出来るから心配はいらん」
「あれ? ならなにも心配することはないのかな?」
「ボビーさん、大丈夫?」
「ケイン君、本当に紙に関しては問題ないんだね?」
「ええ、心配いりません。もし、その妙な団体が因縁つけてきても、十分対処出来ますし、なんなら王家の方にも頑張ってもらいますから」
「領主だけでなく、王家まで……」
「おう、最近な。ちと領主から王家までのパイプが出来つつある。その分、面倒ごともあるがな」
「そうですか。では、なにかありましたら頼みましたよ。私は面倒ごとには慣れていないので」
「ああ、任せておけ」
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