転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

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◆違いの分かる男でした

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ガンボさんとの話が終わったので、俺は家に帰るとガンツさんに伝えて、その場でゲートを家に繋ぐと忘れないようにメアリーと一緒に潜る。
「じゃあ、明日な」
「うん、またね」
「ケイン、今度は連絡するんじゃぞ」
「あ、はい」

家に帰るとクリス兄さんと父さんに紙束を渡す。
「ケイン、これは? 普通の紙とはちょっと違うよね?」
「さすが! クリス兄さんは違いが分かる男だね~」
「ケイン、そんな冗談を言っている場合か! お前、なにも知らずに作ったのか?」
やっぱり父さんも組合の存在は知っているんだね。でも、ここで止まるわけにもいかないし。その結果、組合が文句を言ってくるのなら正面から受け止めるだけだし。

「父さん、もしかして組合のことを言ってるの?」
「ああ、そうだ。お前も知っているのなら、なぜ作ったんだ?」
「なぜって、欲しかったから?」
「お前、そんな理由で組合にケンカ売るつもりか?」
「俺からはケンカを売るつもりはないんだけど、別に法律でダメって決められている訳でもないんだし、今の紙質じゃ俺の求めてる物は出来ないから作ったんだよ。それに組合がって皆言うけど、組合が出て来るまではまだ、時間があるでしょ? だから、その前に一揃い作っちゃおうと思うんだ。でも、父さんが組合に従うって言うんなら、これは俺達の工房やドワーフタウンだけで使うだけだし」
「ケイン……お前は」
「父さん、ここはケインに乗ろうよ。多分、ケインの考えていることは、これで終わりじゃないよ。そうだよね、ケイン」
「やっぱり、クリス兄さんは違うな~ねえ、うちの工房で働かない?」
「ケイン、お前は俺の前で引き抜くのはやめろ!」
「ふふふ、ケインありがとう。十分迷わせてくれる嬉しいお誘いだけど、僕は今の方が性に合っているみたいなんだ。ごめんね。それで、この紙を使ってなにをするつもりなの?」
クリス兄さんが欲しいのは本当だけど、やんわり断られる。

「まず、学校で使う教科書を作る。そして、勉強するために必要なノートを作る。そして、本を安価で売りまくる」
「ケイン、教科書ってのは、教師が使う教本とは違うのか?」
「父さん、教科書は学校に入った子供達に無償で配る予定なんだ」
「無償で……ただで配るのか」
「そう! だって、学校と家でしか使えないしね。それにまだ正当な価値が分からないってのもあるんだけどね」
「まあいい。それでノートってのはなんだ? メモ帳とは違うのか? まさか、これも無償配布なのか?」
「そう、無償だね。それでノートってのはこれね」
父さんの目の前にノートの試作品を出す。
「メモ帳の大きい版か」
「考え方はそれで合っているよ」
父さんが試作品のノートをパラパラとめくって触って確かめる。
「これ、もらってもいいか?」
「別にいいけど、どうするの?」
「ちょっと、使ってみたくてな」
「分かった。なにかあったら教えてね」
「じゃあ、僕にもちょうだい」
「はい、これね」
「ありがとう」
「あ、クリス兄さんのタブレットを貸して」
「はい、でもなにするの?」
「まあ、いいから。ちょっと待っててね」
クリス兄さんのタブレットにもキーボード入力対応にしてクリス兄さんに返す。
「はい、じゃ使い方を教えるね」
「うん。で、どうやるの?」
「ちゃんと教えるから。まずはここをタップして……」
クリス兄さんにキーボードの使い方を教える。
「後、ほら前に教えた伝票があったでしょ?」
「ああ、あれね。あれは凄く助かってるよ。で、それがどうしたの?」
「ふふふ。まあ、見ててよ」
白紙の用紙に線を引き枠組みを作るとクリス兄さんのカメラを借りて写す。
「紙なんか写してどうするの?」
「まあまあ」
今度はクリス兄さんのタブレットで、さっき写した枠組みだけの紙を呼び出すと、その用紙に挨拶文や店の名前などをタイプしてレイアウトしていく。
「ほら、これで帳票の原本が出来たでしょ? 後はこれを印刷して、宛名だけ変えればいいし。もしお得意様なら、専用の帳票を作って原本として保存しておけばいいし。ね?」
「「ケイン!」」
「うわっ」
いきなり父さんとクリス兄さんに抱きつかれる。
「ちょ、ちょっとなに? どうしたの?」
「「これで面倒な伝票整理から解放されるのかと思うと……」」
「そんなに?」
「「そんなにだ!」」
そんな風に父さん達に好きなようにさせていると立ってこちらを見ているリーサさんと母さんと目が合う。
「あの~どうしました?」
「どうしましたじゃないだろ、ケイン。なにやら難しい話が始まったかと思い、夕食だと言い出せずにずっと待っていたんだがな」
「そうよ、ケイン。もう待ちすぎちゃったから、どうしようかなってリーサちゃんと話していたら父さん達があんな風になるんだもの。一体どうしたの?」
「まあ、それは父さんたちが落ち着いてから聞いてね。ほら、ご飯でしょ」
そう言って、母さん達と一緒に食堂へと向かう。
「父さん達はいいの?」
「落ち着いたらくるでしょ。いいからいいから」
食堂のテーブルには待ちくたびれた様子のサム兄さん達が待っていた。
「ごめんね。遅れちゃって」
「それはいいが、父さん達はいいんだな?」
「いいよ。すぐに正気になるでしょ」
「じゃあ、食べましょうか」
母さんの号令で夕食を開始する。

「ねえ、母さん」
「なにかしら?」
「バッグを作って欲しいんだけど、誰か心当たりはないかな?」
「バッグ? それなら母さんが作ってあげるわよ。なに水臭いこと言ってんの」
「いや、でも数が必要だから……」
「そう? 二、三個ならいいわよ」
「でも欲しいのは百個だから」
「百個ね。そのくらい……は無理だわね。それならキャシーさん達に相談してみれば? あ、でもその前に母さんがサンプルを作ってあげるわ。後でどんな形が欲しいか教えて」
「ありがとう、母さん。じゃ、こんな感じでお願い」
通学用バッグのデザイン画を母さんに見せる。
「あら、準備がいいこと。どれどれ……ふんふん、なるほどね。マチを多めに作っているのね。いいわ、これなら明日中に出来そうよ。任せて!」
「ありがとう、母さん」
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