文字の大きさ
大
中
小
276 / 468
連載
◆小さくしてみました
ガンツさんの作ったアタッチメントの耕運機の動作確認のために一階に下りて、トラクターを拝借する。
「お、ケイン。久しぶりだね、あっちの様子はもう見たの? すっかりキレイになったでしょ?」
「うん、見たよ。その様子だと、イーガンさんも見てないみたいだね」
「ん? それはどういう意味だい?」
「まあ、それは見てからのお楽しみってことで。で、どれを借りられるの?」
工房の入り口でイーガンさんに絡まれるが、軽く交わしてトラクターを借りたいんだけど。
「ケイン、ちょっと待とうか。向こうの雑草は俺たちが刈った。これは事実だよな」
「うん、試作品の性能評価のためだよね?」
「チッ。覚えていたか」
「そりゃあね。そんな忘れるほどの期間があった訳でもないし。あ、そうだ! それでね、ガンツさんとも話したんだけどさ、いくら動作確認のためとは言え、あそこまでしてもらって、なにも出さないってのはマズイだろうってことになってね。なにかイーガンさん達が納得するものを用意しようと思うんだけど、なにがいい?」
「「「「「おお!」」」」」
周りで聞いていた工員が歓声をあげる。
「おい、それは金か?」
「いや、違うな、酒だろ?」
「なにを言ってるんだ、ケインだぞ。そりゃ家とか……だろ?」
「ちょ、ちょっと待って!」
「いい加減にせい! そんないっぺんに言われても対処出来るか! ボビー、イーガン、お前らが纏めろ!」
「分かりました。親方」
「分かったよ。で、なにを用意してくれるんだ?」
「それは、ガンツさんにも相談したけど、まずは要望を聞いてからと思ってたからね」
「そうか。で、さっき奴らが言ってたようなのでもいいのか?」
「うん、流石に全員に家は無理だけど、お金かお酒ならなんとか出来るよ」
「「「「「おお! さすが!」」」」」
俺の言葉に逐一工員達が反応する。
「うるさいぞ! お前ら! もう少し待ってろ!」
「じゃあ、ケイン君の方ではまだなににするかは決めてないってことですか?」
「ええ、ボビーさん」
「なあ、ボビー、イーガン。ここで酒とか金に変えるのもいいんだが、もっと違うものをねだったらどうだ?」
ガンツさんが、ボビーさんとイーガンさんにニヤリと笑って見せる。
すると、それでなにかを思いついたのか、イーガンさんもニヤリと笑う。
「そうか、親父。あんたもなかなかだな」
「イーガンさん、私にはさっぱりですが?」
「まあまあ、ボビーさん。それじゃ、ケイン。それじゃ、俺達全員のお願いとして一つの建物でもいいのか?」
「建物ですか? まあ、この工房とかと同じくらいの規模であれば……ですね」
「そうか。じゃあ、一旦俺達で考えさせてもらうわ」
「そうですね。ここは焦ってお願いするよりも熟考させていただきましょう」
「「「「「ええ~!」」」」」
「あ~もう、うるさい! いいから、悪いようにはしないから、俺とボビーさんに任せとけって。それに金なら十分すぎるほどもらっているだろうが! 酒だって、蒸溜所から直で持っていっていると聞いてるぞ?」
「「「「「そ、そんなのデタラメだ!」」」」」
「そうか、ならお前らとグルの蒸溜所の責任者に確認してもいいんだぞ?」
「「「「「すみませんでした!!!」」」」」
何人かの工員がキレイな土下座を決める。
土下座は世界共通なのかな。
「じゃあ、ケイン。そういうことだ。しばらくは保留でな」
「分かったよ。じゃ、ガンツさん。動作確認と行こうか」
「おう、随分と時間くったな」
「まあ、いつものことだし」
「じゃあ、これでいいか。イーガン、これを借りてくぞ」
「ああ、いいよ」
ガンツさんが選んだトラクターに乗り込むと俺も一緒に乗り込む。すると、イーガンさんも乗り込んでこようとする。
「イーガンさん、狭いんですけど?」
「気にするな。俺も親父の作った物に興味がある。ほら、行こうじゃないか」
「「「「「あ~! ずるい! イーガンさん、それはずるいぞ!」」」」」
「ほら、ケインがさっさとしないから……」
「俺のせいですか?」
「あ~もう、面倒じゃ。ケイン、ゲートを大きめに作ってやれ」
「もう、分かったよ」
トラクターに乗ったまま、ゲートを大きめにして、作った農地にトラクターと工員たちを潜らせる。
「お? 昨日までは雑草を刈って広々とした草原だったのに……」
「ふむ、ちゃんと整地されとるな」
「でしょ。マサオと一緒に走り回って、整地したんだよ」
『ケインはずっと乗り物だったじゃないか!』
「まあ、そう言わずに」
「「「「「すっげ~」」」」」
イーガンさんと一緒にトラクターから降りるとガンツさんの作った耕運機をインベントリから出す。
「じゃあ、ガンツさん。繋げるね」
「おう、頼むわ」
「これが親父が作ったヤツか」
「そう、これで土を耕すんだ。よし、これで接続OK。ガンツさん、繋いだから。後ろを上げて」
「おう」
ガンツさんが短く返事すると、接続した耕運機が持ち上げられる。
「じゃ、ガンツさん。そこの農地に入ってから後ろを下ろしてね。あと、下ろす時には動かした状態でお願いね」
「動かしてからか。分かった。ほら、そこ! 邪魔だし危ないぞ!」
興味津々で覗き込んでいた工員達を退げるとガンツさんの乗ったトラクターがゆっくりと農地に入る。農地に入って、後ろの耕運機までが農地に入ったところで、ガンツさんにOKと合図を出す。
すると、接続した耕運機が勢いよく回り出すと、接続部分のアームが下げられ土に食い込む。
「ガンツさん、食い込んだよ。ゆっくり進んで」
「了解だ!」
トラクターが進み、耕運機が土を掘り起こし耕していく。
「こりゃ、すごいな。これなら、ほとんどの農家が喜ぶぞ」
「ああ、俺の実家にも届けてやりてぇ」
「この広さじゃなくても狭くても耕すのはキツイからな」
「でも、この大きさじゃ無理だ……」
「そうだな。それにライセンスまで必要となると……」
「「「「「無理だな……」」」」」
最初は耕運機の働きに感動していた工員達が、見る見るうちに萎れていく。
「あの~大きいのなら、小さくすればいいんでしょ? ライセンスが必要なら、ライセンスがいらないように乗って使うんじゃなく、押して使えるような大きさにすればいいんじゃないかな?」
「「「「「!!!」」」」」
工員がガバッと顔を上げると、俺に向かって言う。
「ケイン! 君はなんてことを……」
「え? 俺、なんか言いました?」
「ああ、とんでもないことを言ったんだぞ! その責任は取ってもらうからな!」
「ええ! なんで? なんの責任なの?」
「さっき言っただろ!」
「え? なにを?」
「小さくすればいいって、言ったじゃないか!」
「まあ、確かに言いましたね。それが?」
「『それが?』じゃない! ケイン、君は自分が言ったことが分かってないみたいだな」
「ごめんなさい……」
「いや、謝ることじゃない。こっちが強く言い過ぎた。スマン」
「いえ、それは構いませんが。話を戻しますけど、責任ってのは?」
「ああ、それだがな。耕運機もそうだが、草刈り機も小さくは出来ないか?」
「出来ますよ」
「そうか、まあいきなり言っても無理だよな」
「だから、出来ますって!」
「いや、ケイン。もういい、俺達が悪かった」
「だから、出来ますって言ってるじゃないですか!」
「なに? それは本当かい?」
「ええ、まあ。構造は簡単ですよ。まあ、一つに一つの機能になってしまいますけどね」
「いや、それでも十分だ」
「そうですか。じゃあ、いいですか、ここに一番小さいエンジンがあります」
「ああ、あるな。それで?」
「これを支えるパイプと動力を伝えるシャフトの先に回転刃をつけると、はい! 出来上がり!」
「「「「「おお!」」」」」
「いいですか、このレバーについているスロットルを握ると先の回転刃が回って、草を刈ります。危険なので取り扱いには注意が必要になりますよ。その辺だけは注意してくださいね」
「「「「「分かった!」」」」」
近くの工員に渡すと我先にと争いが始まる。
「危険だと言いましたよね?」
それを見て、注意したらピタリと止み、一人の工員が勝ち誇った顔で草刈機を手に持つと、近くの雑草を刈っていく。
「「「「「おお! これなら」」」」」
工員が草を刈っていく様子をしばらく見ているとイーガンさんが近くに寄って来る。
「ケイン、なかなか楽しそうなことをしているじゃないか?」
「イーガンさん」
「で、これはなんだ? まあ、見りゃ分かるがな。また、短時間でよくもまあ、こんな物を……」
「じゃあ、ついでだから、もう一つも作りますね」
イーガンさんの言葉を無視して、手押しの耕運機を作り出す。
「まずは先ほどと同じように小さめのエンジンを用意します」
「「「「「それで?」」」」」
「エンジンのシャフトに土を耕す爪を付けた回転軸を接続します。後はこれにカバーとハンドル、それを繋ぐパイプを取り付ければ、はい! 完成です!」
「「「「「おお!」」」」」
また、取り合いになりかけたので、注意するとピタリと止む。
まあ、この辺はドワーフの習性なのかな。ガンツさんも同じだし。
「じゃあ、俺がやってみるな」
工員の一人が、耕運機を担いで農地へと入ると、エンジンを起動し爪を地面に食い込ませ、耕していく。
「おお、こりゃいい! これなら、お年寄りでも扱えるぞ」
「なに! 俺に代われ!」
「いや、俺だ!」
また、取り合いになりそうだったので、「コホン」と軽く咳払いをすると、ピタリと止む。
「ケイン。これは大変な物を作ってしまったね」
「やっぱり?」
「ああ、これはしばらくは封印だね。まあ、あいつらの家族には試験モニターとか言って使ってもらってもいいが。ハァ~親父の気持ちが分かった気がするよ」
「イーガンさん、私もです」
「イーガンさん、ボビーさん。ごめんね。じゃあ、あれはなかったことで……」
「「いやいやいや、ダメだよ(です)!」」
「ケイン、君は人の話を聞いていたのかい?」
「あれはダメってことじゃ?」
「違う! しばらくは、身内だけで使うって言ったの! 販売とかその辺の話は親父と一緒に考えるから。あれを使うなって、言えば暴動が起きそうだし」
「確かに、そうですね……」
イーガンさんの言葉にボビーさんが肯定する。
「お、ケイン。久しぶりだね、あっちの様子はもう見たの? すっかりキレイになったでしょ?」
「うん、見たよ。その様子だと、イーガンさんも見てないみたいだね」
「ん? それはどういう意味だい?」
「まあ、それは見てからのお楽しみってことで。で、どれを借りられるの?」
工房の入り口でイーガンさんに絡まれるが、軽く交わしてトラクターを借りたいんだけど。
「ケイン、ちょっと待とうか。向こうの雑草は俺たちが刈った。これは事実だよな」
「うん、試作品の性能評価のためだよね?」
「チッ。覚えていたか」
「そりゃあね。そんな忘れるほどの期間があった訳でもないし。あ、そうだ! それでね、ガンツさんとも話したんだけどさ、いくら動作確認のためとは言え、あそこまでしてもらって、なにも出さないってのはマズイだろうってことになってね。なにかイーガンさん達が納得するものを用意しようと思うんだけど、なにがいい?」
「「「「「おお!」」」」」
周りで聞いていた工員が歓声をあげる。
「おい、それは金か?」
「いや、違うな、酒だろ?」
「なにを言ってるんだ、ケインだぞ。そりゃ家とか……だろ?」
「ちょ、ちょっと待って!」
「いい加減にせい! そんないっぺんに言われても対処出来るか! ボビー、イーガン、お前らが纏めろ!」
「分かりました。親方」
「分かったよ。で、なにを用意してくれるんだ?」
「それは、ガンツさんにも相談したけど、まずは要望を聞いてからと思ってたからね」
「そうか。で、さっき奴らが言ってたようなのでもいいのか?」
「うん、流石に全員に家は無理だけど、お金かお酒ならなんとか出来るよ」
「「「「「おお! さすが!」」」」」
俺の言葉に逐一工員達が反応する。
「うるさいぞ! お前ら! もう少し待ってろ!」
「じゃあ、ケイン君の方ではまだなににするかは決めてないってことですか?」
「ええ、ボビーさん」
「なあ、ボビー、イーガン。ここで酒とか金に変えるのもいいんだが、もっと違うものをねだったらどうだ?」
ガンツさんが、ボビーさんとイーガンさんにニヤリと笑って見せる。
すると、それでなにかを思いついたのか、イーガンさんもニヤリと笑う。
「そうか、親父。あんたもなかなかだな」
「イーガンさん、私にはさっぱりですが?」
「まあまあ、ボビーさん。それじゃ、ケイン。それじゃ、俺達全員のお願いとして一つの建物でもいいのか?」
「建物ですか? まあ、この工房とかと同じくらいの規模であれば……ですね」
「そうか。じゃあ、一旦俺達で考えさせてもらうわ」
「そうですね。ここは焦ってお願いするよりも熟考させていただきましょう」
「「「「「ええ~!」」」」」
「あ~もう、うるさい! いいから、悪いようにはしないから、俺とボビーさんに任せとけって。それに金なら十分すぎるほどもらっているだろうが! 酒だって、蒸溜所から直で持っていっていると聞いてるぞ?」
「「「「「そ、そんなのデタラメだ!」」」」」
「そうか、ならお前らとグルの蒸溜所の責任者に確認してもいいんだぞ?」
「「「「「すみませんでした!!!」」」」」
何人かの工員がキレイな土下座を決める。
土下座は世界共通なのかな。
「じゃあ、ケイン。そういうことだ。しばらくは保留でな」
「分かったよ。じゃ、ガンツさん。動作確認と行こうか」
「おう、随分と時間くったな」
「まあ、いつものことだし」
「じゃあ、これでいいか。イーガン、これを借りてくぞ」
「ああ、いいよ」
ガンツさんが選んだトラクターに乗り込むと俺も一緒に乗り込む。すると、イーガンさんも乗り込んでこようとする。
「イーガンさん、狭いんですけど?」
「気にするな。俺も親父の作った物に興味がある。ほら、行こうじゃないか」
「「「「「あ~! ずるい! イーガンさん、それはずるいぞ!」」」」」
「ほら、ケインがさっさとしないから……」
「俺のせいですか?」
「あ~もう、面倒じゃ。ケイン、ゲートを大きめに作ってやれ」
「もう、分かったよ」
トラクターに乗ったまま、ゲートを大きめにして、作った農地にトラクターと工員たちを潜らせる。
「お? 昨日までは雑草を刈って広々とした草原だったのに……」
「ふむ、ちゃんと整地されとるな」
「でしょ。マサオと一緒に走り回って、整地したんだよ」
『ケインはずっと乗り物だったじゃないか!』
「まあ、そう言わずに」
「「「「「すっげ~」」」」」
イーガンさんと一緒にトラクターから降りるとガンツさんの作った耕運機をインベントリから出す。
「じゃあ、ガンツさん。繋げるね」
「おう、頼むわ」
「これが親父が作ったヤツか」
「そう、これで土を耕すんだ。よし、これで接続OK。ガンツさん、繋いだから。後ろを上げて」
「おう」
ガンツさんが短く返事すると、接続した耕運機が持ち上げられる。
「じゃ、ガンツさん。そこの農地に入ってから後ろを下ろしてね。あと、下ろす時には動かした状態でお願いね」
「動かしてからか。分かった。ほら、そこ! 邪魔だし危ないぞ!」
興味津々で覗き込んでいた工員達を退げるとガンツさんの乗ったトラクターがゆっくりと農地に入る。農地に入って、後ろの耕運機までが農地に入ったところで、ガンツさんにOKと合図を出す。
すると、接続した耕運機が勢いよく回り出すと、接続部分のアームが下げられ土に食い込む。
「ガンツさん、食い込んだよ。ゆっくり進んで」
「了解だ!」
トラクターが進み、耕運機が土を掘り起こし耕していく。
「こりゃ、すごいな。これなら、ほとんどの農家が喜ぶぞ」
「ああ、俺の実家にも届けてやりてぇ」
「この広さじゃなくても狭くても耕すのはキツイからな」
「でも、この大きさじゃ無理だ……」
「そうだな。それにライセンスまで必要となると……」
「「「「「無理だな……」」」」」
最初は耕運機の働きに感動していた工員達が、見る見るうちに萎れていく。
「あの~大きいのなら、小さくすればいいんでしょ? ライセンスが必要なら、ライセンスがいらないように乗って使うんじゃなく、押して使えるような大きさにすればいいんじゃないかな?」
「「「「「!!!」」」」」
工員がガバッと顔を上げると、俺に向かって言う。
「ケイン! 君はなんてことを……」
「え? 俺、なんか言いました?」
「ああ、とんでもないことを言ったんだぞ! その責任は取ってもらうからな!」
「ええ! なんで? なんの責任なの?」
「さっき言っただろ!」
「え? なにを?」
「小さくすればいいって、言ったじゃないか!」
「まあ、確かに言いましたね。それが?」
「『それが?』じゃない! ケイン、君は自分が言ったことが分かってないみたいだな」
「ごめんなさい……」
「いや、謝ることじゃない。こっちが強く言い過ぎた。スマン」
「いえ、それは構いませんが。話を戻しますけど、責任ってのは?」
「ああ、それだがな。耕運機もそうだが、草刈り機も小さくは出来ないか?」
「出来ますよ」
「そうか、まあいきなり言っても無理だよな」
「だから、出来ますって!」
「いや、ケイン。もういい、俺達が悪かった」
「だから、出来ますって言ってるじゃないですか!」
「なに? それは本当かい?」
「ええ、まあ。構造は簡単ですよ。まあ、一つに一つの機能になってしまいますけどね」
「いや、それでも十分だ」
「そうですか。じゃあ、いいですか、ここに一番小さいエンジンがあります」
「ああ、あるな。それで?」
「これを支えるパイプと動力を伝えるシャフトの先に回転刃をつけると、はい! 出来上がり!」
「「「「「おお!」」」」」
「いいですか、このレバーについているスロットルを握ると先の回転刃が回って、草を刈ります。危険なので取り扱いには注意が必要になりますよ。その辺だけは注意してくださいね」
「「「「「分かった!」」」」」
近くの工員に渡すと我先にと争いが始まる。
「危険だと言いましたよね?」
それを見て、注意したらピタリと止み、一人の工員が勝ち誇った顔で草刈機を手に持つと、近くの雑草を刈っていく。
「「「「「おお! これなら」」」」」
工員が草を刈っていく様子をしばらく見ているとイーガンさんが近くに寄って来る。
「ケイン、なかなか楽しそうなことをしているじゃないか?」
「イーガンさん」
「で、これはなんだ? まあ、見りゃ分かるがな。また、短時間でよくもまあ、こんな物を……」
「じゃあ、ついでだから、もう一つも作りますね」
イーガンさんの言葉を無視して、手押しの耕運機を作り出す。
「まずは先ほどと同じように小さめのエンジンを用意します」
「「「「「それで?」」」」」
「エンジンのシャフトに土を耕す爪を付けた回転軸を接続します。後はこれにカバーとハンドル、それを繋ぐパイプを取り付ければ、はい! 完成です!」
「「「「「おお!」」」」」
また、取り合いになりかけたので、注意するとピタリと止む。
まあ、この辺はドワーフの習性なのかな。ガンツさんも同じだし。
「じゃあ、俺がやってみるな」
工員の一人が、耕運機を担いで農地へと入ると、エンジンを起動し爪を地面に食い込ませ、耕していく。
「おお、こりゃいい! これなら、お年寄りでも扱えるぞ」
「なに! 俺に代われ!」
「いや、俺だ!」
また、取り合いになりそうだったので、「コホン」と軽く咳払いをすると、ピタリと止む。
「ケイン。これは大変な物を作ってしまったね」
「やっぱり?」
「ああ、これはしばらくは封印だね。まあ、あいつらの家族には試験モニターとか言って使ってもらってもいいが。ハァ~親父の気持ちが分かった気がするよ」
「イーガンさん、私もです」
「イーガンさん、ボビーさん。ごめんね。じゃあ、あれはなかったことで……」
「「いやいやいや、ダメだよ(です)!」」
「ケイン、君は人の話を聞いていたのかい?」
「あれはダメってことじゃ?」
「違う! しばらくは、身内だけで使うって言ったの! 販売とかその辺の話は親父と一緒に考えるから。あれを使うなって、言えば暴動が起きそうだし」
「確かに、そうですね……」
イーガンさんの言葉にボビーさんが肯定する。
感想 254
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
由香皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。
敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。
この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。
「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」
無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。
正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。
転生幼女のチートな悠々自適生活 伝統魔法を使っていたら賢者になっちゃいました
犬社護この度、書籍化が決定しました!
イラスト担当は、えすけー様です。
5月13日刊行予定です。
あらすじ
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中に呆然と佇んでいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出したのだ。前世、日本伝統が子供の頃から大好きで、小中高大共に伝統に関わるクラブや学部に入り、卒業後はお世話になった大学教授の秘書となり、伝統のために毎日走り回っていたが、旅先の講演の合間、教授と2人で歩道を歩いていると、暴走車が突っ込んできたので、彼女は教授を助けるも、そのまま跳ね飛ばされてしまい、死を迎えてしまう。
享年は25歳。
周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっている。
25歳の精神だからこそ、これが何を意味しているのかに気づき、ショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
ロール転生 ~異世界行ったらのんびりする
華翔誠異世界転生、それは人に役割を求める。
勇者だったり聖女だったり。
若者や異世界転生に夢を求める者は、役割を求めるだろう。
しかし社会に疲れた大人たちは、そうでもない。
何事もなくのんびり過ごしたいと思う者もいる。
これは社会の歯車になり若干女性に苦手意識を持っていた中年男性が異世界転生をする物語。
※第6回次世代ファンタジーカップ終了までお読みいただきありがとうございました。
続きは別コンテスト等での展開を検討しています。
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。