転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

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◆提案してみました

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俺がチーズをインベントリに収納する様子をポカーンとして見ていたヨサックさんが、なんとか意識を取り戻すと、俺に向かっていう。
「試すような真似をしてすまなかった。この通りだ」
そう言って、ヨサックさんが俺に頭を下げる。

「なんの真似ですか?」
「いや、だってよ。あんだけ疑っといてなにもなしって訳にはいかないだろ?」
「そうですか? それは別に構わないんですけどね。それで、これで終わりですか?」
「あ、ああ。家にある分はこれで終わりだ」
「そうなんですね。それで金貨七枚でよかったんでしたっけ?」
「あ、ああ、それなんだがな……」
「あれ? 足りません?」
「違う! そうじゃない! そうじゃないんだ……」
「なら、なにか問題でも?」
「いやな、さっきのは熟成していない分まで含めていたからな。だから、金貨五枚でいいか?」
「いいですよ。じゃ、はい」
ヨサックさんに金貨五枚を渡す。

「それでな、話は変わるんだけどさ」
「なんでしょうか?」
「もしかしてさ、別の保管方法も持ってたり?」
「え? ああ、ありますよ」
「本当に? それって馬車に乗せられたりする?」
「はい、問題なく」
「それは、一つだけ?」
「どういう意味でしょう?」
「あ~もう、焦ったいな。よし! 村長のところに行こうか」
「なんで?」
「行けば分かるから、ほら行くよ」
「え~じゃ、その前にガンツさん達を呼びますね」
「ああ、あの爺さんか。いいよ」
保管庫を出ると一度ヨサックさんの家に戻り、ガンツさん達を呼ぶ。
「おう、チーズは手に入ったのか?」
「うん、それは問題なくなんだけどさ」
「どうした?」
「村長のところに連れて行くっていうからさ~」
「はぁ、やっぱりお前はまた面倒ごとを……」
「俺のせい?」
「ほら、なにしてんだ。さっさと行くぞ」
ヨサックさんが俺達が家から出てこないから、痺れを切らしてしまったようだ。
「やっぱり、行くんですか?」
「ああ、頼む! 俺達を助けると思ってさ」
「やっぱり、面倒ごとのようだな」
「やっぱり? ガンツさんもそう思う?」
「ああ、間違いなくな」
「ああ、もう……ん? 村長のところに行っても冷蔵庫の説明が必要になるよな。なら、いっそこっちに来て貰えばいいんじゃね?」
「まだかい?」
ちょっと思いついたことをヨサックさんに言ってみる。
「ねえ、ヨサックさん。やっぱりその冷蔵庫のことも説明するんでしょ?」
「ああ、それは必要だからな」
「じゃあさ、その村長さんをこっちに呼んだ方が早くないかな」
「それもそうか。よし! 呼んでくるか。いいな、ここから動くなよ。いいな、絶対にだぞ!」
「はいはい。なら、気が変わらないうちに早くしてください」
「いいな、絶対にだからな!」
ヨサックさんがそう言い残して家から出ていく。

「で、ケインよ。どこまでやるんだ?」
「どこまでって、俺が飽きるまで?」
「お前……」

『ガチャッ』と乱暴にドアが開かれ、ヨサックさんが入ってくる。
「よし! ちゃんといるな。村長! こっちへ」
ヨサックさんが村長と呼ばれる老人を家に招き入れる。

「村長、こちらがケイン。こちらが……」
「ガンツじゃ。ケインと一緒に工房を営んでいる」
「これはご丁寧に。私が村長のジロウドです。で、なんの話かの?」
「村長、それは私から。おい、ハンナ。もう冷えた頃だと思う。冷蔵庫からエールを持ってきてくれ」
「うん、分かった」
ガンツさんと二人でヨサックさんのすることを大人しく黙って見ている。

奥さんが村長の前にエールとグラスを置き、グラスにエールを注ぐ。
「お、なんだ。私にご馳走してくれるのか? ありがとうな」
村長が奥さんからグラスを渡されると、そのグラスの冷たさに驚く。

「なんだ、冷たいな……」
「村長、分かります?」
「ああ、冷たいのは分かるぞ。それがどうした?」
「では、どうやって冷やしたかは分かりますか?」
「それは、お前の氷魔法じゃないのか?」
「いえ、これはあの冷蔵庫で冷やした物です」
「冷蔵庫? はて? どっかで聞いたような……」
「まあ、それはいいとして。村長、冷やして運べるようになれば、もっと楽になると思いませんか?」
「今だって、冷やしながら運んでいるだろ? なにが変わるというんだ?」
「だからですね。今までの方法だと魔法を掛けながらになるから、運搬担当はキツイんですよ。でも、この冷蔵庫のように冷やして運べる道具があれば助かると思いませんか?」
「そうだな。まあ、お前の言わんとしていることは分かる。だが、それは運ぶ時の話じゃろ?」
「そこなんですよ。今、この冷蔵庫がじわじわと数を増やしているんですよ。だから、これからはチーズの消費量も増えると思うんです」
「まあ、その冷蔵庫が増えたからと言って、チーズの消費量が増えるとは言えんぞ」
「増えますよ」
村長が、ヨサックさんの話に乗り気じゃなさそうなので、助け舟を出すことにした。

「坊主。え~と、ケインじゃったな。なんでそう言い切れる?」
「なぜかって、それは今までチーズを食べたくても、自分達の口の中には入ってこなかったんですよ。それはなぜか? そう! ヨサックさんが持ってくる量が少なくて日持ちがしないから、なんですよ。それが、運搬に魔道具を導入することにより、運搬出来る量も増えます。量が増えれば、手に入れられる人が増えます。食べられる人が増えれば、当然の様にチーズの消費量は増えるでしょ! どうです? 納得していただけましたか?」
「「あ、ああ」」
ヨサックさんまで村長と一緒になって返事をする。

「しかし、そんな魔道具を購入出来る費用なぞ、この村からは出せんぞ。それはどうする?」
「それは……」
「その点はご心配なく。俺とガンツさんの工房で用意しますんで」
「なんか怪しいな……なにが狙いだ?」
「そうですね。ちゃんとこちらにも利益はありますから、ご心配なく」
「ほう、例えば?」
「チーズの優先販売」
「それだけか?」
「俺が考えている商品開発の手伝い」
「それだけか?」
「商品開発がうまく行った後の工場での生産管理の手伝い」
「それだけか?」
「今のところは、この三つでしょうか」
「そうか。まあ、お前の考えていることは分かった」
「なら、村長……」
「まあ、待てヨサック」
「村長、どうして……」
ヨサックさんの提案にまだ難色を示す村長にヨサックさんが、渋面になる。

「確かに、そこのケインが言う様にチーズの消費量は増えるかもしれん」
「なら……」
「だから、慌てるなって。いいか、消費量は増えてもそれに見合う生産量はどうする?」
「それは……」
「そうだろ? そう簡単には増やせない。そうだな、ヨサック」
確かに工業製品とは違って、そんなに簡単には増やせない。なら、どうすればいい?
まず乳牛を増やすのは当然として、そうなると人手が必要になる。

飼料に関しては牧草をトラクターで刈り取ればロールにまで出来る。
搾乳に関しても魔道具でカバー出来るだろう。
とりあえず、これでプレゼンしてみるか。
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