302 / 468
連載
◆忘れてました
しおりを挟む
「でも、どうしましょ。これだけの子達を一度にお散歩は大変よね」
アンジェさんが、俺をチラッと見る。
ガンツさんも嘆息し、コクリと頷き、俺に向かって手を合わせる。
「分かりました」
犬舎の横に転移ゲート用の小屋を作り、その作ったばかりの小屋の中に転移ゲートの扉を用意する。
「ガンツさん、アンジェさん、ご自宅に転移ゲートの扉を取り付けたいので、一緒にいいですか?」
「ああ、アンジェ。いいか?」
「いいわよ」
ガンツさんの自宅前に転移ゲートを繋ぎ、自宅の中へと案内してもらう。
「おじゃまします。じゃ、どこに設置しましょうか?」
「そうね、あまり邪魔にならない。ここかな?」
「ガンツさんも、ここでいい?」
「ああ、そこなら邪魔にはならん」
「分かったよ」
転移ゲートの扉を取り付け、アンジェさんとガンツさんのブレスレットを登録すると、アンジェさんに転移ゲートの扉を使ってもらう。
転移ゲートを潜ると、そこは犬舎の横に作ったガンツさん達専用の転移ゲートの小屋の中だった。
「ちょっと、暗いわね」
「あ! そうだった。ちょっと待ってください」
そう言って、他の転移ゲートの小屋と同じように人感センサー付きの灯りを取り付ける。
「あら、明るくなったわ。ありがとう、ケイン君」
アンジェさんが、転移ゲートの小屋の扉を開けると、外に出る。
『ばーちゃん、どこに行ってたの?』
『そうだぞ、もう少しでマサオのアニキと一緒に探しに行くところだったんだぞ』
「あら、ごめんなさいね。でも、心配してくれたのね。ありがとう」
『ふん、別にばーちゃんを心配した訳じゃないんだぞ……』
アンジェさんにそっぽを向いた瞬間にアンジェさんに後ろから抱き抱えられる。
「あなたは、あまり素直じゃないようね。名前はあるのかしら?」
『……』
「あら、急に大人しくなっちゃったわね? どうしたの?」
『ばーちゃん、僕達はほとんどが名前はないんだ。大きい他の犬は互いに名前を付け合って呼んでいるんだけど……』
「あら、それならあなた達も名前は考えたんじゃないの?」
『考えた。考えたけど、大きいのは誰も呼んでくれないし。僕達のことは『チビで十分だ』って言って……』
「そう」
アンジェさんはそういうと、ジョン達をジッと見る。
「この子達の言っていることは本当かしら?」
『……』
「ジョンだったかしら? 私は聞いてるんですけど?」
『……本当です』
「そう。それで私はこの子達に名前を着けたいんだけど、構わないかしら?」
『はい』
「ありがとう。ほら、あなた達も帰るわよ。着いて来て』
『帰る?』
『どこに?』
『戻って来られるの?』
「私達の家へ帰るの。今日からあなた達は私と一緒よ。それとここへは好きな時に戻って来られるわよ」
『分かった』
『ばーちゃんと一緒?』
「そうよ、じゃいきましょ。ガンツはまだ仕事が残っているんでしょ?」
アンジェさんと一緒に帰ろうとしていたガンツさんが、アンジェさんの手で差し戻される。
「……」
「じゃ、お仕事頑張ってね。ほら、あなた達はさっさと入って。そう、いい子達ね」
バタンと扉が閉められ、ガンツさんが呆然としている。
「ガンツさん?」
「ケイン……薬が効き過ぎたみたいだぞ。どうしてくれる?」
「それを俺に言うの?」
「むぅ……それもそうか」
「でも、心配しなくてもすぐに頼ってくると思うけどね」
「どうして、そう思うんだ?」
「だって、あの子達に名前を着けるんだよ。絶対に後の方になれば悩むでしょ」
「そうか。そこでワシが手を貸すと言う訳だな」
「そう」
「そうか、アンジェがワシを頼ってくるか」
どこか、機嫌が良さそうなガンツさんに一言。
「アルガンさんから連絡は?」
「アルガン? あいつがなにかしたか?」
「やっぱり、忘れてる」
「忘れてる?」
「はぁ……樽を頼んでいたでしょ?」
「樽? 樽? あ! 樽か!」
「そう、忘れてたでしょ。まあ、俺もだけどさ」
そんなわけで、アズマ村で修行中のアルガンさんの元へと向かう。
「ダインさ~ん、こんにちは~」
木工職人のダインさんに声を掛けると、奥からダインさんとアルガンさんが出て来る。
「やっと、来たか。ケイン」
「ごめんなさい」
「まあ、いい。樽はそこに出来てるから、持っていけ」
「うん、分かりました。ガンツさん、値段は聞いといてね」
「な、お前……ダイン、いくらになる?」
「そうだな……」
ガンツさんが支払いを済ませている内にと樽をインベントリにどんどん収納していく。
「なあ、ケイン」
「なに? アルガンさん」
「その、聞きにくいんだが……その、なんだ、親父と……」
「アンジェさんのこと?」
「あ、ああ、そうだ。俺とイーガン兄さんが一度に家を出たから母さんがどうしているのか気になってさ」
「あ~そういうこと。なら、直接聞けばいいじゃない」
「それが出来ないから聞いてるんだろ。分かってくれよ」
「面倒だな~でも、アンジェさんなら、もうアルガンさん達のことはどうでもいいみたいよ。特に今はね」
「なんでだ? それはそれで気になるぞ」
「ん~それは自分で確かめたら、いいんじゃないかな。ガンツさん、終わった?」
「おう、終わったぞ。支払いも次の注文も済ませた」
「分かった。じゃ、帰ろうか。アルガンさん、またね」
「あ、ケイン……」
まだ、なにか言いたそうなアルガンさんをその場に残して、ドワーフタウンの蒸溜所へと向かう。
アンジェさんが、俺をチラッと見る。
ガンツさんも嘆息し、コクリと頷き、俺に向かって手を合わせる。
「分かりました」
犬舎の横に転移ゲート用の小屋を作り、その作ったばかりの小屋の中に転移ゲートの扉を用意する。
「ガンツさん、アンジェさん、ご自宅に転移ゲートの扉を取り付けたいので、一緒にいいですか?」
「ああ、アンジェ。いいか?」
「いいわよ」
ガンツさんの自宅前に転移ゲートを繋ぎ、自宅の中へと案内してもらう。
「おじゃまします。じゃ、どこに設置しましょうか?」
「そうね、あまり邪魔にならない。ここかな?」
「ガンツさんも、ここでいい?」
「ああ、そこなら邪魔にはならん」
「分かったよ」
転移ゲートの扉を取り付け、アンジェさんとガンツさんのブレスレットを登録すると、アンジェさんに転移ゲートの扉を使ってもらう。
転移ゲートを潜ると、そこは犬舎の横に作ったガンツさん達専用の転移ゲートの小屋の中だった。
「ちょっと、暗いわね」
「あ! そうだった。ちょっと待ってください」
そう言って、他の転移ゲートの小屋と同じように人感センサー付きの灯りを取り付ける。
「あら、明るくなったわ。ありがとう、ケイン君」
アンジェさんが、転移ゲートの小屋の扉を開けると、外に出る。
『ばーちゃん、どこに行ってたの?』
『そうだぞ、もう少しでマサオのアニキと一緒に探しに行くところだったんだぞ』
「あら、ごめんなさいね。でも、心配してくれたのね。ありがとう」
『ふん、別にばーちゃんを心配した訳じゃないんだぞ……』
アンジェさんにそっぽを向いた瞬間にアンジェさんに後ろから抱き抱えられる。
「あなたは、あまり素直じゃないようね。名前はあるのかしら?」
『……』
「あら、急に大人しくなっちゃったわね? どうしたの?」
『ばーちゃん、僕達はほとんどが名前はないんだ。大きい他の犬は互いに名前を付け合って呼んでいるんだけど……』
「あら、それならあなた達も名前は考えたんじゃないの?」
『考えた。考えたけど、大きいのは誰も呼んでくれないし。僕達のことは『チビで十分だ』って言って……』
「そう」
アンジェさんはそういうと、ジョン達をジッと見る。
「この子達の言っていることは本当かしら?」
『……』
「ジョンだったかしら? 私は聞いてるんですけど?」
『……本当です』
「そう。それで私はこの子達に名前を着けたいんだけど、構わないかしら?」
『はい』
「ありがとう。ほら、あなた達も帰るわよ。着いて来て』
『帰る?』
『どこに?』
『戻って来られるの?』
「私達の家へ帰るの。今日からあなた達は私と一緒よ。それとここへは好きな時に戻って来られるわよ」
『分かった』
『ばーちゃんと一緒?』
「そうよ、じゃいきましょ。ガンツはまだ仕事が残っているんでしょ?」
アンジェさんと一緒に帰ろうとしていたガンツさんが、アンジェさんの手で差し戻される。
「……」
「じゃ、お仕事頑張ってね。ほら、あなた達はさっさと入って。そう、いい子達ね」
バタンと扉が閉められ、ガンツさんが呆然としている。
「ガンツさん?」
「ケイン……薬が効き過ぎたみたいだぞ。どうしてくれる?」
「それを俺に言うの?」
「むぅ……それもそうか」
「でも、心配しなくてもすぐに頼ってくると思うけどね」
「どうして、そう思うんだ?」
「だって、あの子達に名前を着けるんだよ。絶対に後の方になれば悩むでしょ」
「そうか。そこでワシが手を貸すと言う訳だな」
「そう」
「そうか、アンジェがワシを頼ってくるか」
どこか、機嫌が良さそうなガンツさんに一言。
「アルガンさんから連絡は?」
「アルガン? あいつがなにかしたか?」
「やっぱり、忘れてる」
「忘れてる?」
「はぁ……樽を頼んでいたでしょ?」
「樽? 樽? あ! 樽か!」
「そう、忘れてたでしょ。まあ、俺もだけどさ」
そんなわけで、アズマ村で修行中のアルガンさんの元へと向かう。
「ダインさ~ん、こんにちは~」
木工職人のダインさんに声を掛けると、奥からダインさんとアルガンさんが出て来る。
「やっと、来たか。ケイン」
「ごめんなさい」
「まあ、いい。樽はそこに出来てるから、持っていけ」
「うん、分かりました。ガンツさん、値段は聞いといてね」
「な、お前……ダイン、いくらになる?」
「そうだな……」
ガンツさんが支払いを済ませている内にと樽をインベントリにどんどん収納していく。
「なあ、ケイン」
「なに? アルガンさん」
「その、聞きにくいんだが……その、なんだ、親父と……」
「アンジェさんのこと?」
「あ、ああ、そうだ。俺とイーガン兄さんが一度に家を出たから母さんがどうしているのか気になってさ」
「あ~そういうこと。なら、直接聞けばいいじゃない」
「それが出来ないから聞いてるんだろ。分かってくれよ」
「面倒だな~でも、アンジェさんなら、もうアルガンさん達のことはどうでもいいみたいよ。特に今はね」
「なんでだ? それはそれで気になるぞ」
「ん~それは自分で確かめたら、いいんじゃないかな。ガンツさん、終わった?」
「おう、終わったぞ。支払いも次の注文も済ませた」
「分かった。じゃ、帰ろうか。アルガンさん、またね」
「あ、ケイン……」
まだ、なにか言いたそうなアルガンさんをその場に残して、ドワーフタウンの蒸溜所へと向かう。
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。