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◆港の模型を作りました
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いつものように転移ゲートを潜ってドワーフタウンの工房に出る。
「おう、ケイン……」
「おはよう、ガンツさん。どうしたの? 疲れているみたいだけどさ」
「付き合わされた……十二匹の名付けが終わるまでな……」
「それはまた、お疲れ様です」
「ワシは今日は働かんぞ……もう、眠い……」
ガンツさんが寝落ちすると同時に携帯電話が鳴り出す。
「あ、セバス様からだ。もしもし……はい、三時にお屋敷ですね。分かりました。では、失礼します」
携帯電話を切り、ガンツさんに報告しようとすると、ガンツさんはソファの上で横になりすやすやと寝息を立てている。
「まあ、しょうがないか。昼過ぎまで寝かせてあげとこう」
ガンツさんを工房に残して、クレイグさんの元へと転移ゲートを繋いで潜る。
「おはよう、クレイグさん」
「ケイン君……どうしたの?」
「多分ですけど、王都の港の工事が出来そうなんですよ。だから、その準備をお願いしに来ました」
「準備?」
「そう、準備」
「でも、準備ってなにを?」
「この前、海図を作ってもらったでしょ? まずはそれを下さい」
「いいけど、どうやって?」
「どうやって?」
クレイグさんが意味不明なことを言い出す。
「どうやってってのは?」
「いやね、海図はこのタブレットの中なんだけど、これをどうやって渡せばいいのかが分からないんだけど」
「ああ、そういうことですね」
「そう、そういうこと」
「じゃ、ちょっと借りますね」
クレイグさんのタブレットの海図をタップして、『送信』メニューを開くと、送信先として俺のタブレットが選択リストに上がっていたので、送信先として選択する。
これで『送信』をタップすれば……俺のタブレットに『受信を許可しますか?』のポップアップが表示されるので、『はい』を選択する。
「はい、これで海図を受信出来ました!」
「へ~意外と簡単なんだね。これって、写真とかも送れたりするの?」
「多分……出来ると思います」
「そうか。今度試してみよう」
工房に戻ると、ガンツさんは起きる様子はなく、まだ夢の中だ。そんなガンツさんに呆れつつ王都の港の模型を作り埋め立て予定地を確認する。
「今ある倉庫は全部撤去するでしょ。その後に港と街の間にフェンスを作るでしょ。そして、中は一両編成の路面電車を走らせるけど、そのままじゃ車や人の通行の邪魔になるか。なら、いっそ高架にしてしまえば事故も減らせるし信号もいらないから運行も楽になるね。それで外壁の上を走らせてもいいし。うん、そうしよう」
その後は、商業区、工業区、住宅区と区分けをし、それぞれの区域の周囲と中央を通る十字型に幹線道路を作り、その上に路面電車の高架を通す。
「交通機関としては、こんなものか。あとはミニバスの路線を決めれば終わりと」
「なんじゃ、面白そうなことをしているな」
「あ、ガンツさん。起きたの?」
「ああ、ふぁ~。まだ、少し眠いが……まあ、大丈夫じゃろ。で、お前がいじってるそれはなんだ?」
「あ、これ? 朝一でセバス様から電話があってね。三時に来て欲しいって」
「そうか。それで、この模型か」
「うん。セバス様に具体的な内容は来てから応えると言われたけど、港のことでと言われたから、やっと許可が下りたのかなと思ってね」
「そうか。それにしても、結構、広範囲を埋め立てるんだな。一体、どれくらいの広さなんだ?」
「さあ? 多分東京ドーム十個分くらい?」
「は? なんだ、そのトウキョウドウムってのは?」
「あ、なんでもない。忘れて。でも、ドワーフタウンほどの広さはないよ」
「そうか。まあいい。顔でも洗ってくるから、ワシにもそれを説明してくれ」
「分かった」
ガンツさんが部屋を出たのを確認し、模型を見直す。
「居住区は、もう少しバリエーションを増やすかな。単身者向けを多めに作って、家族用は2LDK、3LDKでしょ。工業区は……ガンツさんと相談するか。商業区は父さん達に丸投げしてもいいよね。ホテルを用意するかは誰かに要相談として、商業区と工業区は港側に作った方が便利だよな。もう少し、考えるか」
模型を前にああでもないこうでもないと考えていると、いつの間にか戻って来ていたガンツさんが模型を覗き込む。
「これは車での通行を基本に考えているのか?」
「うん。ここ、ドワーフタウンからフェリーで色々運ぶ予定だしね」
「なら、ここの港もやっと手を着けるのか」
「そうだよ。あと、造船所もね」
「造船所か。しかし、ワシはあのフェリーしか作れないぞ」
「十分だよ。運用するのに四隻でしょ。補修点検用に二隻あればいいかな」
「そんなにか!」
「やっぱりちょっと、少ないかな?」
「い、いや、十分だな。まあイーガン達に手伝わせれば、なんとかなるか」
「あと、操舵手も育てないとだし、大変だねガンツさん」
「は? なんでワシが?」
「だって、俺ライセンス取れないし。忘れたの?」
「あ~そうだった。よし、こうなったら、ジョシュアにも急いで取って貰わないと」
「あ、ジョシュアさんに教えるなら、船外機から教えてね」
「ん? なんでだ」
「え? いきなりフェリーの操船を教えるつもりなの。ダメでしょ! まずは水の上では急ハンドルや急制動が効かないことを理解してもらわないと!」
「それも、そうか……なんか、急にやることが多くなったな」
「そうだね。デューク様がやっと動いてくれたからかな」
「だな」
「おう、ケイン……」
「おはよう、ガンツさん。どうしたの? 疲れているみたいだけどさ」
「付き合わされた……十二匹の名付けが終わるまでな……」
「それはまた、お疲れ様です」
「ワシは今日は働かんぞ……もう、眠い……」
ガンツさんが寝落ちすると同時に携帯電話が鳴り出す。
「あ、セバス様からだ。もしもし……はい、三時にお屋敷ですね。分かりました。では、失礼します」
携帯電話を切り、ガンツさんに報告しようとすると、ガンツさんはソファの上で横になりすやすやと寝息を立てている。
「まあ、しょうがないか。昼過ぎまで寝かせてあげとこう」
ガンツさんを工房に残して、クレイグさんの元へと転移ゲートを繋いで潜る。
「おはよう、クレイグさん」
「ケイン君……どうしたの?」
「多分ですけど、王都の港の工事が出来そうなんですよ。だから、その準備をお願いしに来ました」
「準備?」
「そう、準備」
「でも、準備ってなにを?」
「この前、海図を作ってもらったでしょ? まずはそれを下さい」
「いいけど、どうやって?」
「どうやって?」
クレイグさんが意味不明なことを言い出す。
「どうやってってのは?」
「いやね、海図はこのタブレットの中なんだけど、これをどうやって渡せばいいのかが分からないんだけど」
「ああ、そういうことですね」
「そう、そういうこと」
「じゃ、ちょっと借りますね」
クレイグさんのタブレットの海図をタップして、『送信』メニューを開くと、送信先として俺のタブレットが選択リストに上がっていたので、送信先として選択する。
これで『送信』をタップすれば……俺のタブレットに『受信を許可しますか?』のポップアップが表示されるので、『はい』を選択する。
「はい、これで海図を受信出来ました!」
「へ~意外と簡単なんだね。これって、写真とかも送れたりするの?」
「多分……出来ると思います」
「そうか。今度試してみよう」
工房に戻ると、ガンツさんは起きる様子はなく、まだ夢の中だ。そんなガンツさんに呆れつつ王都の港の模型を作り埋め立て予定地を確認する。
「今ある倉庫は全部撤去するでしょ。その後に港と街の間にフェンスを作るでしょ。そして、中は一両編成の路面電車を走らせるけど、そのままじゃ車や人の通行の邪魔になるか。なら、いっそ高架にしてしまえば事故も減らせるし信号もいらないから運行も楽になるね。それで外壁の上を走らせてもいいし。うん、そうしよう」
その後は、商業区、工業区、住宅区と区分けをし、それぞれの区域の周囲と中央を通る十字型に幹線道路を作り、その上に路面電車の高架を通す。
「交通機関としては、こんなものか。あとはミニバスの路線を決めれば終わりと」
「なんじゃ、面白そうなことをしているな」
「あ、ガンツさん。起きたの?」
「ああ、ふぁ~。まだ、少し眠いが……まあ、大丈夫じゃろ。で、お前がいじってるそれはなんだ?」
「あ、これ? 朝一でセバス様から電話があってね。三時に来て欲しいって」
「そうか。それで、この模型か」
「うん。セバス様に具体的な内容は来てから応えると言われたけど、港のことでと言われたから、やっと許可が下りたのかなと思ってね」
「そうか。それにしても、結構、広範囲を埋め立てるんだな。一体、どれくらいの広さなんだ?」
「さあ? 多分東京ドーム十個分くらい?」
「は? なんだ、そのトウキョウドウムってのは?」
「あ、なんでもない。忘れて。でも、ドワーフタウンほどの広さはないよ」
「そうか。まあいい。顔でも洗ってくるから、ワシにもそれを説明してくれ」
「分かった」
ガンツさんが部屋を出たのを確認し、模型を見直す。
「居住区は、もう少しバリエーションを増やすかな。単身者向けを多めに作って、家族用は2LDK、3LDKでしょ。工業区は……ガンツさんと相談するか。商業区は父さん達に丸投げしてもいいよね。ホテルを用意するかは誰かに要相談として、商業区と工業区は港側に作った方が便利だよな。もう少し、考えるか」
模型を前にああでもないこうでもないと考えていると、いつの間にか戻って来ていたガンツさんが模型を覗き込む。
「これは車での通行を基本に考えているのか?」
「うん。ここ、ドワーフタウンからフェリーで色々運ぶ予定だしね」
「なら、ここの港もやっと手を着けるのか」
「そうだよ。あと、造船所もね」
「造船所か。しかし、ワシはあのフェリーしか作れないぞ」
「十分だよ。運用するのに四隻でしょ。補修点検用に二隻あればいいかな」
「そんなにか!」
「やっぱりちょっと、少ないかな?」
「い、いや、十分だな。まあイーガン達に手伝わせれば、なんとかなるか」
「あと、操舵手も育てないとだし、大変だねガンツさん」
「は? なんでワシが?」
「だって、俺ライセンス取れないし。忘れたの?」
「あ~そうだった。よし、こうなったら、ジョシュアにも急いで取って貰わないと」
「あ、ジョシュアさんに教えるなら、船外機から教えてね」
「ん? なんでだ」
「え? いきなりフェリーの操船を教えるつもりなの。ダメでしょ! まずは水の上では急ハンドルや急制動が効かないことを理解してもらわないと!」
「それも、そうか……なんか、急にやることが多くなったな」
「そうだね。デューク様がやっと動いてくれたからかな」
「だな」
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