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◆釘付けでした
「ただいま、母よ」
「おかえり、リーサ。結構早かったのね。ケイン君も久しぶり」
「「誰?」」
リーサさんが家の玄関扉を開け挨拶すると、リディアさん? が出て来て挨拶する。
「誰って、随分ね。そりゃ、あの時の私も非道かったと思うけど、もう改心したんだから。ね、リーサ」
「そうだ。だから、言っただろ。大丈夫だって」
「まあな。だが、本物を見るまでは信じられんだろ」
ガンツさんがそう言うと、リディアさんが俺達に家に入るように促す。
「ほら、分かったのなら入って、入って」
「「お邪魔します」」
家の中は思ったより荒れていなかったので、驚きのあまりリディアさんを見てしまう。
「な~に? ケイン君は家の中が片付いているのが不思議そうね?」
「え、いや。そんなことはないんですけど……」
チラリとリーサさんを見ると黙って頷き、リディアさんを見て言う。
「母は頑張ったんだと思う」
「そうみたいだね。でも、話しに聞いていたのと違ったから、正直ちょっとビックリした」
「ふふふ」
「すまない、母」
「いいのよ。カーティスとあなた達に全部任せて何もしてこなかったのは本当のことだもの。でもね、こんな私でも少しずつでもやれば、出来るって分かったの。片付けられないなら散らかさないようにすればいいだけだし。それより、座って。ケイン君からも話を聞きたいし」
「はい」
リディアさんに勧められソファに座る。
「ねえ、ケイン君。私はどんなことを教えればいいの?」
「いきなりなんですね」
「そりゃそうよ。役に立たないと思っていた私の絵が子供達の為になるんでしょ。嬉しくないはずがないじゃない!」
リディアさんが嬉しそうに話すの聞いて、リーサさんに頼んでよかったと思い、インベントリからシュークリームを取り出しお皿に盛り付けた状態でテーブルの上に出す。
「これは……リーサ、これってそうよね? ね? そうでしょ、リーサ」
「リディアさん、落ち着いて下さい。話が終わったら食べていいですから」
「そ、そうなの? じゃあ、話して!」
シュークリームを目の前に自制心をなくしかけたリディアさんをなんとか宥める。マサオはまだだからね。そんな目で見ないの。
「ここにお菓子があります」
リディアさん始め皆が『うんうん』とシュークリームを見ながら頷く。
「これを他の人、シュークリームを知らない人に伝えたい場合はまず言葉で伝えると思います」
リディアさん始め皆が『うんうん、それで』とシュークリームを見ながら頷く。
「でも、言葉じゃなく絵で伝えられたら早く間違いなく伝わりますよね?」
リディアさん始め皆が『うんうん、食べればもっとだね』とシュークリームを見ながら頷く。
「要は、絵が描けると言うことは、それだけ早く人を納得させることが出来るということです。例えば、家を作るときの完成予想図に、こんな洋服を作りたい、作って欲しいと説明する際のデザイン画とか、こんなお菓子を作りたいとか、作った後のレシピとして、そのお菓子の絵を残すことも出来ます」
「ん?」
「ガンツさん、どうしたの?」
「いやな、別に絵を描けなくてもカメラで撮ればいいだけのことだろ?」
「「『あ、確かに』」」
皆がガンツさんの意見に頷く。
「でも、それは出来ている物。実際にある物でしょ? 考えている最中の物は写せないよ」
「そうか。確かにな。ワシも図面を引く前にはある程度の完成予想図は書くことはあるが、ワシ意外には、その絵を見せてもなかなか理解してもらえないこともあるな。まあ、図面になれば分かってもらえるがな」
「でしょ! だから、自分の考えていることを絵にすることは大事なんだよ!」
「ありがとう。ケイン君。絵がどれだけ必要かは分かったわ。単なる風景や人物画じゃなく理想を絵にするのね」
「まあ、平たく言うとそんな感じでしょうか」
「分かったわ。授業内容は私の方で考えるわ。それで……」
「それでお願いします」
「だからね。それで……終わりでしょ。話は終わりでいいのよね?」
そう言いながらリディアさんの目がテーブルの上に釘付けになる。
試しにその物を少しだけずらすとリディアさんの目もずれる。もしかしてと反対方向にずらすとリディアさんの目もずれる。面白くなってきたので、また反対方向へとずらそうとしたところでリーサさんに腕を止められる。
「母で遊ばないでもらえるか?」
「ごめんなさい……」
リーサさんに少し強めに言われて素直に謝り、皿から手を離し「どうぞ」と差し出す。
「ありがとうね」
リディアさんが嬉しそうにシュークリームを頬張り、ガンツさん達も手に取り食べ始める。だが、マサオだけがそれを恨めしそうに見ている。
「ケイン、マサオに何かしらの罰を受けさせているとは思うが、許してやってくれないか。これじゃ見ている方がツライし、食べづらい」
「分かったよリーサさん。マサオ、ちゃんとリーサさんにお礼を言って」
『ありがとう! リーサ』
「ふふふ、マサオに礼を言われるとはな。ちなみになんでバツを受けたのか聞いても?」
『ガフッ……』
シュークリームを頬張っていたマサオが喉を詰まらせる。
「どうした? マサオ。ちゃんと言わないと……」
『ケイン、お前……』
「マサオ、水だ。さあ、話してくれ」
『ケイン……』
「ちゃんと、自分で話してね」
「ふふふ、さあ聞こうじゃないか。実はケインとお義母様が話しているのが少しだけ聞こえてな。まあ、それのバツだとは思うが、一応確認しとこうかと思ってな」
『ごめんなさい』
「おかえり、リーサ。結構早かったのね。ケイン君も久しぶり」
「「誰?」」
リーサさんが家の玄関扉を開け挨拶すると、リディアさん? が出て来て挨拶する。
「誰って、随分ね。そりゃ、あの時の私も非道かったと思うけど、もう改心したんだから。ね、リーサ」
「そうだ。だから、言っただろ。大丈夫だって」
「まあな。だが、本物を見るまでは信じられんだろ」
ガンツさんがそう言うと、リディアさんが俺達に家に入るように促す。
「ほら、分かったのなら入って、入って」
「「お邪魔します」」
家の中は思ったより荒れていなかったので、驚きのあまりリディアさんを見てしまう。
「な~に? ケイン君は家の中が片付いているのが不思議そうね?」
「え、いや。そんなことはないんですけど……」
チラリとリーサさんを見ると黙って頷き、リディアさんを見て言う。
「母は頑張ったんだと思う」
「そうみたいだね。でも、話しに聞いていたのと違ったから、正直ちょっとビックリした」
「ふふふ」
「すまない、母」
「いいのよ。カーティスとあなた達に全部任せて何もしてこなかったのは本当のことだもの。でもね、こんな私でも少しずつでもやれば、出来るって分かったの。片付けられないなら散らかさないようにすればいいだけだし。それより、座って。ケイン君からも話を聞きたいし」
「はい」
リディアさんに勧められソファに座る。
「ねえ、ケイン君。私はどんなことを教えればいいの?」
「いきなりなんですね」
「そりゃそうよ。役に立たないと思っていた私の絵が子供達の為になるんでしょ。嬉しくないはずがないじゃない!」
リディアさんが嬉しそうに話すの聞いて、リーサさんに頼んでよかったと思い、インベントリからシュークリームを取り出しお皿に盛り付けた状態でテーブルの上に出す。
「これは……リーサ、これってそうよね? ね? そうでしょ、リーサ」
「リディアさん、落ち着いて下さい。話が終わったら食べていいですから」
「そ、そうなの? じゃあ、話して!」
シュークリームを目の前に自制心をなくしかけたリディアさんをなんとか宥める。マサオはまだだからね。そんな目で見ないの。
「ここにお菓子があります」
リディアさん始め皆が『うんうん』とシュークリームを見ながら頷く。
「これを他の人、シュークリームを知らない人に伝えたい場合はまず言葉で伝えると思います」
リディアさん始め皆が『うんうん、それで』とシュークリームを見ながら頷く。
「でも、言葉じゃなく絵で伝えられたら早く間違いなく伝わりますよね?」
リディアさん始め皆が『うんうん、食べればもっとだね』とシュークリームを見ながら頷く。
「要は、絵が描けると言うことは、それだけ早く人を納得させることが出来るということです。例えば、家を作るときの完成予想図に、こんな洋服を作りたい、作って欲しいと説明する際のデザイン画とか、こんなお菓子を作りたいとか、作った後のレシピとして、そのお菓子の絵を残すことも出来ます」
「ん?」
「ガンツさん、どうしたの?」
「いやな、別に絵を描けなくてもカメラで撮ればいいだけのことだろ?」
「「『あ、確かに』」」
皆がガンツさんの意見に頷く。
「でも、それは出来ている物。実際にある物でしょ? 考えている最中の物は写せないよ」
「そうか。確かにな。ワシも図面を引く前にはある程度の完成予想図は書くことはあるが、ワシ意外には、その絵を見せてもなかなか理解してもらえないこともあるな。まあ、図面になれば分かってもらえるがな」
「でしょ! だから、自分の考えていることを絵にすることは大事なんだよ!」
「ありがとう。ケイン君。絵がどれだけ必要かは分かったわ。単なる風景や人物画じゃなく理想を絵にするのね」
「まあ、平たく言うとそんな感じでしょうか」
「分かったわ。授業内容は私の方で考えるわ。それで……」
「それでお願いします」
「だからね。それで……終わりでしょ。話は終わりでいいのよね?」
そう言いながらリディアさんの目がテーブルの上に釘付けになる。
試しにその物を少しだけずらすとリディアさんの目もずれる。もしかしてと反対方向にずらすとリディアさんの目もずれる。面白くなってきたので、また反対方向へとずらそうとしたところでリーサさんに腕を止められる。
「母で遊ばないでもらえるか?」
「ごめんなさい……」
リーサさんに少し強めに言われて素直に謝り、皿から手を離し「どうぞ」と差し出す。
「ありがとうね」
リディアさんが嬉しそうにシュークリームを頬張り、ガンツさん達も手に取り食べ始める。だが、マサオだけがそれを恨めしそうに見ている。
「ケイン、マサオに何かしらの罰を受けさせているとは思うが、許してやってくれないか。これじゃ見ている方がツライし、食べづらい」
「分かったよリーサさん。マサオ、ちゃんとリーサさんにお礼を言って」
『ありがとう! リーサ』
「ふふふ、マサオに礼を言われるとはな。ちなみになんでバツを受けたのか聞いても?」
『ガフッ……』
シュークリームを頬張っていたマサオが喉を詰まらせる。
「どうした? マサオ。ちゃんと言わないと……」
『ケイン、お前……』
「マサオ、水だ。さあ、話してくれ」
『ケイン……』
「ちゃんと、自分で話してね」
「ふふふ、さあ聞こうじゃないか。実はケインとお義母様が話しているのが少しだけ聞こえてな。まあ、それのバツだとは思うが、一応確認しとこうかと思ってな」
『ごめんなさい』
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