転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

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◆注文されました

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「そうか、ケインは為政者にはなりたくないか」
「はい。出来れば今のままが一番いいです」
「分かった。色々言って済まなかったな。だが、君が作った魔道具が素晴らしいのは分かっている。特にあの、頭で考えたことが相手に伝わる魔道具。あれは特に素晴らしい。私の方でも随分と役立たせて貰っているよ。だが、一つだけ注文がある」
「注文ですか? それはなんでしょうか」
王太子殿下から注文と言われ俺は警戒してしまう。それは隣のガンツさんも同じ様で小声で『即決するなよ』と注意される。そして、注文内容を王太子殿下に確認する。
「それはね、音量だよ。例え話せるようになったとしても、思ったことの全部が相手に伝わることがいいかと言えば、そうでもない。これは分かるよね」
「はい」
王太子殿下に言われ、ハッとする。確かにマイクを使った場合でも音量の大小は必要な機能であることを知っていたのに魔道具には着けていなかった。頭で考えたことが他者に伝わるという魔道具を作れたことで、それ以上の検証を行わなかった俺の落ち度でもある。
そして、王太子殿下が、その注文内容を話し出す。
「なので、私からの注文は、使用者が自分の意思で音量を変えられるようにして欲しいということだ。あとは、害意ある者から装着者が奪われないようにして欲しい。どうだろうか?」
「一つ確認ですが、それは話すことが出来ない人に使うんですよね。拷問というか、捕まえた犯罪者に使うわけじゃないですよね」
「それはない。そういう風に使うのは既にシャルディーア伯より買い取り済みだ。しかも十分な量をね」
王太子殿下がデューク様を見て、デューク様が俺を見て、また申し訳なさそうにしている。
「分かりました。王太子殿下のご注文は確かに賜りました」
「よろしく頼む。実はね、あの魔道具を知り合いの話すことが出来ない子に使ってもらったんだよ。自分の思いが両親に伝わったと分かった瞬間の、その時のあの子の嬉しそうな顔が今でも忘れられなくてね。でも、その子はすぐに恥ずかしそうになって、奧に引っ込んでしまった。私もその子の両親も最初は、その子がなぜそんな態度を取るのかが分からなかったよ。だって、さっきまであんなに喜んでいたのにさ。でもね、その理由はすぐに分かったんだ。なぜだと思う?」
「さあ、俺には分かりません」
王太子殿下に魔道具を装着した子が急に態度が変わったことの原因を俺に聞いてきたが、王太子殿下が話してくれた内容だけでは正直、何も分からないので、そう答えるしかなかった。
「そこはもう少し想像力を働かせて欲しいな。でも、確かに分からないと思うよ。私もこの目で見て、この耳で聞くまでは分からなかったからね。答えを言うとね、その子は泣いていたんだ。でもね、魔道具からはずっと声が聞こえてくるんだよ。『止めて! 聞かないで! こんなこと言いたくないのに!』ってね。これが君に改良を頼んだ理由さ。そして、便利な物でも使う人にとっては、知られたくないことも含め、全てを自分以外の人に晒してしまうことにもなる物だ。それを君には知って欲しい」
「分かりました。今後は十分に注意します。そして、誰も不幸にしないと約束します」
「ワシも約束する」
魔道具を装着した子の悲痛な叫びを王太子殿下から話を聞いて、やっと理解することが出来た。
「あ~やっぱり、まだまだ半人前だな~」
「ケイン、ワシら職人は満足したら、そこまでだ。それが分かっただけでも大したもんだ。まあ、今度から身に付ける物は十分に検証を重ねようじゃないか」
「うん、ありがとうガンツさん。検証する時はよろしくね」
「ああ、分かった。……って、ケイン。それはどういう意味だ?」
俺が検証の為の実験モデルはガンツさんしかいないと思い、ガンツさんにお願いと言うとガンツさんが露骨にイヤな顔をする。
「どういうって、だから検証はガンツさんにお願いするってことだよ。大丈夫?」
「ワシはまだボケてはおらん! だから、検証をワシにお願いってことは、あれだろ? 要はワシを人体実験に……そう言ってるんだろ」
「そうだよ。何も間違っていないよ。だから、よろしくねガンツさん」
「待てぇ! なんでワシなんだ? それならケインがすればいいだろ?」
俺の言葉にガンツさんが激昂する。もう、お年寄りなんだから興奮するのは体によくないのにね。だから、子供にでも言い聞かせるように咀嚼するように話す。
「いや、俺が自分でしたら第三者の視点で観察出来ないから無理だよ。だから、消去法でガンツさんになるよね」
「何が消去法だ! ん? 待てよ。ワシとケイン以外にもいるじゃないか、ジョシュアが」
「ダメだよ」
「はぁ? 何がダメなんだ。アイツなら、十分だろ?」
「まず魔道具の理解が難しいから、何を検証するのか説明するのが面倒」
「まあ、そうだな」
「それに普段から情緒不安定なところがあるから、ちゃんとしたデータを採るのが難しい」
「ふむ、反論出来んな」
「だから、もし何かが実際に起きたとしても冷静に対応出来ないから。これが答えだよ」
「あ~何してんだよ、ジョシュア!」

「ハックショイ! あ~」
その頃、まだ海上で船の操縦を習っているジョシュアが大きなくしゃみをする。
「おいおい、まだ試験にも受かっていないのに風邪なんてひくなよ」
「はい、気を付けます」
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