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◆脂を取り過ぎました
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「あ! しまった!」
「ヤバい!」
「どうする?」
視察団の面々が、口々にそんなことを言うのを聞いて、俺は何がどうしたのか視察団に確認する。
「写真撮るのを忘れた」
「あのサクサク感を写真に収めたかった」
「あのジューシーな感じをどうすれば見る人に伝えられるのか」
そう言いながら、視察団の人達が俺の方をチラリと見る。脂が着いた指をチュパチュパと舐めながらだけど。
「作らないからね」
「「「……」」」
「自分達で作るのなら、手伝ってもいいけど?」
俺が作らないと宣言すると、視察団の人達はシュンとなるけど、自分達で作るならと言った瞬間に顔が綻ぶ。
「「「是非!」」」
「分かったから、近すぎるから! ちょっと、離れて」
そして、喜びの余りに俺に抱き着こうとするのをなんとか牽制し、軽食コーナーの予定地に向かい唐揚げ、チップス、ソーセージの売り場を「えい!」の一声で作り出す。
「じゃあ、リーサさんも手伝ってね。奧から、唐揚げ、チップス、ソーセージの順ね」
「なら、私は唐揚げの指導に行くか」
「分かった。じゃあ、後は俺が順に教えていくね。まあ、チップスもソーセージも揚げるだけ、焼くだけだから唐揚げに比べれば簡単だから」
「「「はい!」」」
港湾施設の視察よりは食べ物への好奇心が勝ってしまったようで、視察団の人達はそれぞれの売り場兼厨房へと向かう。
「まあ、これも成り行きだししょうがないよね」
『なあ、俺はどれを食べればいいんだ?』
「とりあえず、味見も兼ねていろいろ食べてみればいいんじゃない」
『分かった』
「でも、ちゃんと批評はするんだよ。いい加減な批評をしたら……」
『したら?』
俺のもったいぶった言い方にマサオが不穏な気配を感じ取る。
「マサオの舌には価値がないということで、当分の間のオヤツはあの甘ったるいお菓子の処分をしてもらいます!」
『げっ、まだ残っていたのかよ!』
「うん。不思議と評判が悪くてね」
『あの、甘ったるさを知ってていうかよ!』
「まあ、そんな訳だから、試食頑張ってね」
『……分かったよ』
軽食コーナーでそれぞれの売り場の指導を終え、後は視察団の人達に任せて、俺はテーブルに座ってぼ~っとしているとリーサさんが横の椅子に座る。
「お疲れ様、ケイン」
「リーサさん、指導は終わり?」
「ああ、指導と言うほどではないが、二度揚げについては五月蠅いくらいに言ってきた。あれをするとしないじゃ出来上がりが違うからな」
「ふふふ、リーサさんにもこだわりがあるんだね」
「元はケインじゃないか。忘れたのか?」
「あれ? そうだった?」
そんな感じでリーサさんと楽しく会話していたら、マサオが悲しそうな目でこっちに向かってくる。
『ケイン……』
「どうしたの、マサオ?」
『試食させてくれないんだ、アイツら……』
「何? どういうことだ、それは?」
そう言ってリーサさんが売り場に向かうと、リーサさんが呆れた顔をして戻ってくる。
「どうしたの?」
「悪いな、マサオ」
そう言って、リーサさんが見てきたことを話してくれたけど、信じがたい内容だった。
「まさか、自分達で作った端から食べていたなんて……すまないマサオ」
『俺の唐揚げ、ソーセージ……』
「ほら、これを上げるから」
気落ちしているマサオに取り置きしておいた唐揚げをインベントリから取り出し皿に盛ってマサオの前に置く。
『いいのか? ケイン』
「いいよ。食べようと思って、その口になっていたのに食べられない気持ちは分かるからね。遠慮なくどうぞ」
『やり~ありがとうな、ケイン!』
マサオは簡単な礼を言うと、皿の中へと顔を突っ込んで食べ始める。
「リーサさん、やっぱり栄養指導と健康指導はやっぱり必要みたいだね。頑張ってね」
「やっぱり、そうなるか。だが、それを私一人でやるのか?」
そう言ってリーサさんが俺をチラリと見る。
「心配しないで。ちゃんと手伝うし。経験者からの話もしてもらうから」
「経験者?」
「そ。ナーガさんに経験者としての立場から話してもらうから」
「まあ、手伝ってくれるのなら問題はないが、今はあの無限に作り続けるあの連中をどうするかなんだが」
「それもその内、終わるでしょ。だって、あれだけ脂っこい物を食べ続けられはしないでしょ?」
「それもそうだな」
「ほら、言ってる側から、『脂祭り』は終わったみたいだよ」
リーサさんが俺が指差す方向を見ると、売り場から胸とお腹を押さえながら、ゾロゾロと視察団の人達が出てくる。
「加減ってものを知らないのか。アイツらは……」
「ヤバい!」
「どうする?」
視察団の面々が、口々にそんなことを言うのを聞いて、俺は何がどうしたのか視察団に確認する。
「写真撮るのを忘れた」
「あのサクサク感を写真に収めたかった」
「あのジューシーな感じをどうすれば見る人に伝えられるのか」
そう言いながら、視察団の人達が俺の方をチラリと見る。脂が着いた指をチュパチュパと舐めながらだけど。
「作らないからね」
「「「……」」」
「自分達で作るのなら、手伝ってもいいけど?」
俺が作らないと宣言すると、視察団の人達はシュンとなるけど、自分達で作るならと言った瞬間に顔が綻ぶ。
「「「是非!」」」
「分かったから、近すぎるから! ちょっと、離れて」
そして、喜びの余りに俺に抱き着こうとするのをなんとか牽制し、軽食コーナーの予定地に向かい唐揚げ、チップス、ソーセージの売り場を「えい!」の一声で作り出す。
「じゃあ、リーサさんも手伝ってね。奧から、唐揚げ、チップス、ソーセージの順ね」
「なら、私は唐揚げの指導に行くか」
「分かった。じゃあ、後は俺が順に教えていくね。まあ、チップスもソーセージも揚げるだけ、焼くだけだから唐揚げに比べれば簡単だから」
「「「はい!」」」
港湾施設の視察よりは食べ物への好奇心が勝ってしまったようで、視察団の人達はそれぞれの売り場兼厨房へと向かう。
「まあ、これも成り行きだししょうがないよね」
『なあ、俺はどれを食べればいいんだ?』
「とりあえず、味見も兼ねていろいろ食べてみればいいんじゃない」
『分かった』
「でも、ちゃんと批評はするんだよ。いい加減な批評をしたら……」
『したら?』
俺のもったいぶった言い方にマサオが不穏な気配を感じ取る。
「マサオの舌には価値がないということで、当分の間のオヤツはあの甘ったるいお菓子の処分をしてもらいます!」
『げっ、まだ残っていたのかよ!』
「うん。不思議と評判が悪くてね」
『あの、甘ったるさを知ってていうかよ!』
「まあ、そんな訳だから、試食頑張ってね」
『……分かったよ』
軽食コーナーでそれぞれの売り場の指導を終え、後は視察団の人達に任せて、俺はテーブルに座ってぼ~っとしているとリーサさんが横の椅子に座る。
「お疲れ様、ケイン」
「リーサさん、指導は終わり?」
「ああ、指導と言うほどではないが、二度揚げについては五月蠅いくらいに言ってきた。あれをするとしないじゃ出来上がりが違うからな」
「ふふふ、リーサさんにもこだわりがあるんだね」
「元はケインじゃないか。忘れたのか?」
「あれ? そうだった?」
そんな感じでリーサさんと楽しく会話していたら、マサオが悲しそうな目でこっちに向かってくる。
『ケイン……』
「どうしたの、マサオ?」
『試食させてくれないんだ、アイツら……』
「何? どういうことだ、それは?」
そう言ってリーサさんが売り場に向かうと、リーサさんが呆れた顔をして戻ってくる。
「どうしたの?」
「悪いな、マサオ」
そう言って、リーサさんが見てきたことを話してくれたけど、信じがたい内容だった。
「まさか、自分達で作った端から食べていたなんて……すまないマサオ」
『俺の唐揚げ、ソーセージ……』
「ほら、これを上げるから」
気落ちしているマサオに取り置きしておいた唐揚げをインベントリから取り出し皿に盛ってマサオの前に置く。
『いいのか? ケイン』
「いいよ。食べようと思って、その口になっていたのに食べられない気持ちは分かるからね。遠慮なくどうぞ」
『やり~ありがとうな、ケイン!』
マサオは簡単な礼を言うと、皿の中へと顔を突っ込んで食べ始める。
「リーサさん、やっぱり栄養指導と健康指導はやっぱり必要みたいだね。頑張ってね」
「やっぱり、そうなるか。だが、それを私一人でやるのか?」
そう言ってリーサさんが俺をチラリと見る。
「心配しないで。ちゃんと手伝うし。経験者からの話もしてもらうから」
「経験者?」
「そ。ナーガさんに経験者としての立場から話してもらうから」
「まあ、手伝ってくれるのなら問題はないが、今はあの無限に作り続けるあの連中をどうするかなんだが」
「それもその内、終わるでしょ。だって、あれだけ脂っこい物を食べ続けられはしないでしょ?」
「それもそうだな」
「ほら、言ってる側から、『脂祭り』は終わったみたいだよ」
リーサさんが俺が指差す方向を見ると、売り場から胸とお腹を押さえながら、ゾロゾロと視察団の人達が出てくる。
「加減ってものを知らないのか。アイツらは……」
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