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放課後、昨日と同じく優翔の家で千羽鶴を作ることになった。
学校からの2度目の道。知っている道を歩くのはとても嬉しいことである。
真央は重かった心が軽くなっていくのを感じた。

「お邪魔します」

ぺこり、と頭を下げて挨拶する。

「いらっしゃい」

純子が笑顔で出迎えてくれる。

リビングにいくと2人の高校生男子がソファーに座っていた。

「梨乃ちゃん、優翔の友達の真央君だよ。で、真央君、梨乃ちゃんは俺の彼女です」

翔大が折り鶴を折りながら縁側で日向ぼっこをする猫のように目を細めている。
翔大の隣には梨乃が座っている。梨乃という女の子みたいな名前だが男である。

「翔大が彼女といっているから驚くだろうが、俺が梨乃だ。混乱させてすまない」

ごろごろと喉を鳴らして梨乃の腕に翔大がすり寄っている。

「男同士だけど、愛し合っています。梨乃ちゃんは生まれたときから隣にいてさ、もう離れるとか考えられません」

真央は初めて男同士のカップルを目の前にして困惑する。

「驚くわよね。でも、2人が付き合っているからって、可愛い息子なのは変わらない。見守るしかないわ。無理矢理離したって、楽しい形が崩れるだけだし」

純子は真央の頭を撫でて肩を竦めて見せた。
親であるから複雑な心境である。色々と葛藤をしていたが、現在は見守るという形で落ち着いている。

「可愛い孫の顔を見たいけど、ふたりの幸せな顔可愛いからね」

純子はそう言い残して夕飯の買い物へと出掛けた。

「理解ある親で幸せだよな、俺達」

「うん、めっちゃ幸せ。この家のこでよかった」

2人は笑いあった。

「梨乃ちゃんを大切にするんだぞ、高校生」

「はい、分かりました、小学生」
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