110 / 314
第三章 悪役令嬢は学院生活を送る
110.悪役令嬢の婚約者は憤る
しおりを挟む
私は苛立ちを感じながら王家の席へ戻る。どうして、我が婚約者はこんなにも私を苛立たせるのだろう。
両親にも政治的な事情で婚約者が決まったと聞き、私はミストリアの王族として好きでもない相手との婚約も当たり前だと納得はしている。しかし、私は母親が苦手だ。何を考えているか分からない、あの冷たい雰囲気が苦手だ。そして、私も母に似ていると思うとゾッとするのだ。
正直、婚約者が誰であろうと問題は無かった。だが、あのハーブスト公爵の娘――自身の従姉妹にあたるエステリアだと聞かされた時、私は何も感がられなくなってしまった。
母が苦手なのは当然だが、母の双子の姉であるハーブスト公爵夫人も苦手だった。そして、その娘のエステリアはもっと苦手だ。何を考えているか分からない人形のような容姿、冷たい表情。寒気がする。
バカな女であればまだ我慢出来たかもしれない、しかし、彼女はとても優秀で王位継承権からいっても私よりも下だが、古きを大事にしてきている我がミストリアでは女子の方が継承権が高い事を考えれば、あの忌々しい妹のアリエルに何かあった場合、母は絶対にエステリアを次代の女王に推すだろう。
私は男というだけで、第一子だというのに不遇だ。それに以前から思っていたのだ、女性に継承する流れ自体がおかしいのでは無いかと。近年、他国では男性継承が普通になっているそうだが、我が国では時世に乗り遅れていると私は思うのだ。
それに古代の文献によれば、天帝が立つ前の時代、豪族達の王は皆男性だったという話があった。本来はその形が普通なのでは無いかと私は考えるようになった。
先代の女王も第一王子に王位を継承させようとしてたのを母上が女王と王子を倒し、王位を簒奪したのだ。私は簒奪者の子だと言われたことがある――しかし、当時は間違いだと思っていたが、知れば知るほどにその通りだと思えるようになった。
現在は三大公爵家と言われているが元々は王家の分家筋はパルプスト公爵家だけだった、ヴィジタリア公爵家は最古参の家臣でハーブスト公爵家はミストリアに移って来た者達でミストリア黎明期に王を助けた豪族だった。ここ数代はパルプスト公爵家とは婚姻を結んではいないが、血筋で言えばパルプスト公爵家が最も王族に近い血筋だと私は考えている。
確かにハーブスト公爵は現在で言えば王族が嫁いだのだから、最も王家に近しいと言えるがハーブスト家は特に謀が得意な者が多い、そもそも信用ができないと私は考えている。
それにエステリアもハーブスト家らしく、色々と裏で動いている節があるのだ。そんなのが婚約者だと? 全くもってふざけるなと言いたい――が、今はまだ我慢が必要だ。
あいつらはきっと貴族派の切り崩しを狙っているのだろう、だから、私がその貴族派を取り込んでより大きな派閥を作ればいい。
今回、各貴族がどういう動きをするのか試してみたが、やはりハーブストだ。奴らはこの国にとって良くないとパルプストが言っていた通りだった。母上もアヤツらに騙されているのだ……なんと愚かしい。
もっと私は強くなり、力を蓄えて、この国の王として立たねばならぬ。
そうだ、正しい国にせねばならない。近年は南方の国々とも貿易が盛んになっていると聞くが、海沿いの領主であるハーブスト公爵やレシアス侯爵は制限をもっと強くしなければならないと言っていたが、それではダメだと私は思う。西方諸国などは貿易で巨万の富を得ていると聞いた。
私達もそうやって強くならねばならないのが、アヤツらには分からないに違いない。
今はまだ、動く時では無い――しかし、私は必ず王となる。
そして自分達の愚かさを教えてやるのだ。
両親にも政治的な事情で婚約者が決まったと聞き、私はミストリアの王族として好きでもない相手との婚約も当たり前だと納得はしている。しかし、私は母親が苦手だ。何を考えているか分からない、あの冷たい雰囲気が苦手だ。そして、私も母に似ていると思うとゾッとするのだ。
正直、婚約者が誰であろうと問題は無かった。だが、あのハーブスト公爵の娘――自身の従姉妹にあたるエステリアだと聞かされた時、私は何も感がられなくなってしまった。
母が苦手なのは当然だが、母の双子の姉であるハーブスト公爵夫人も苦手だった。そして、その娘のエステリアはもっと苦手だ。何を考えているか分からない人形のような容姿、冷たい表情。寒気がする。
バカな女であればまだ我慢出来たかもしれない、しかし、彼女はとても優秀で王位継承権からいっても私よりも下だが、古きを大事にしてきている我がミストリアでは女子の方が継承権が高い事を考えれば、あの忌々しい妹のアリエルに何かあった場合、母は絶対にエステリアを次代の女王に推すだろう。
私は男というだけで、第一子だというのに不遇だ。それに以前から思っていたのだ、女性に継承する流れ自体がおかしいのでは無いかと。近年、他国では男性継承が普通になっているそうだが、我が国では時世に乗り遅れていると私は思うのだ。
それに古代の文献によれば、天帝が立つ前の時代、豪族達の王は皆男性だったという話があった。本来はその形が普通なのでは無いかと私は考えるようになった。
先代の女王も第一王子に王位を継承させようとしてたのを母上が女王と王子を倒し、王位を簒奪したのだ。私は簒奪者の子だと言われたことがある――しかし、当時は間違いだと思っていたが、知れば知るほどにその通りだと思えるようになった。
現在は三大公爵家と言われているが元々は王家の分家筋はパルプスト公爵家だけだった、ヴィジタリア公爵家は最古参の家臣でハーブスト公爵家はミストリアに移って来た者達でミストリア黎明期に王を助けた豪族だった。ここ数代はパルプスト公爵家とは婚姻を結んではいないが、血筋で言えばパルプスト公爵家が最も王族に近い血筋だと私は考えている。
確かにハーブスト公爵は現在で言えば王族が嫁いだのだから、最も王家に近しいと言えるがハーブスト家は特に謀が得意な者が多い、そもそも信用ができないと私は考えている。
それにエステリアもハーブスト家らしく、色々と裏で動いている節があるのだ。そんなのが婚約者だと? 全くもってふざけるなと言いたい――が、今はまだ我慢が必要だ。
あいつらはきっと貴族派の切り崩しを狙っているのだろう、だから、私がその貴族派を取り込んでより大きな派閥を作ればいい。
今回、各貴族がどういう動きをするのか試してみたが、やはりハーブストだ。奴らはこの国にとって良くないとパルプストが言っていた通りだった。母上もアヤツらに騙されているのだ……なんと愚かしい。
もっと私は強くなり、力を蓄えて、この国の王として立たねばならぬ。
そうだ、正しい国にせねばならない。近年は南方の国々とも貿易が盛んになっていると聞くが、海沿いの領主であるハーブスト公爵やレシアス侯爵は制限をもっと強くしなければならないと言っていたが、それではダメだと私は思う。西方諸国などは貿易で巨万の富を得ていると聞いた。
私達もそうやって強くならねばならないのが、アヤツらには分からないに違いない。
今はまだ、動く時では無い――しかし、私は必ず王となる。
そして自分達の愚かさを教えてやるのだ。
0
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
【完結】長男は悪役で次男はヒーローで、私はへっぽこ姫だけど死亡フラグは折って頑張ります!
くま
ファンタジー
2022年4月書籍化いたしました!
イラストレータはれんたさん。とても可愛いらしく仕上げて貰えて感謝感激です(*≧∀≦*)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
池に溺れてしまったこの国のお姫様、エメラルド。
あれ?ここって前世で読んだ小説の世界!?
長男の王子は悪役!?次男の王子はヒーロー!?
二人共あの小説のキャラクターじゃん!
そして私は……誰だ!!?え?すぐ死ぬキャラ!?何それ!兄様達はチート過ぎるくらい魔力が強いのに、私はなんてこった!!
へっぽこじゃん!?!
しかも家族仲、兄弟仲が……悪いよ!?
悪役だろうが、ヒーローだろうがみんな仲良くが一番!そして私はへっぽこでも生き抜いてみせる!!
とあるへっぽこ姫が家族と仲良くなる作戦を頑張りつつ、みんなに溺愛されまくるお話です。
※基本家族愛中心です。主人公も幼い年齢からスタートなので、恋愛編はまだ先かなと。
それでもよろしければエメラルド達の成長を温かく見守ってください!
※途中なんか残酷シーンあるあるかもなので、、、苦手でしたらごめんなさい
※不定期更新なります!
現在キャラクター達のイメージ図を描いてます。随時更新するようにします。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる