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 囚われた睦月 2

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「待って、待って、賢ぅぅっ」

「待たない」

 そうだ、コイツが待ってくれたためしはない。

 地下室のベッドで聡子に猛る己を呑み込まれながら、睦月は賢に羽交い締めにされていた。

 そして、ず.....っと捩じ込まれる賢の熱い一物。

 ローションで散々嬲られ、ぬるぬるにされた睦月の蕾を抉じ開けて、にちゅにちゅと軽く出入りするソレは、震えがくるほど気持ち悦い。 

「はっ、うわっ、ぁぁあっ!」

「あぁぁんっ、睦月ぃぃっ!」

 賢に突き上げられ、睦月の腰が大きく揺れる。
 熱い叔父の猛りが聡子の奥に当たり、彼女は腰をくねらせて貪欲に睦月のモノを締め付けた。

 

 二人の初めてを叩きつけられた日から五年。

 睦月のトラウマのリハビリと称した二人の調教により、睦月の悪夢は上書きされた。
 身体を暴かれるのは、踏みにじられ陵辱されるのだという睦月の記憶の条件反射。
 その根深いトラウマを、兄妹は少しずつほどいてゆき、深く暴かれる行為は、優しく愛おしまれるモノなのだと塗り替えてくれた。

 そして、今では睦月の身体を堪能し、溢れる愛情で包む二人に翻弄される毎日である。

 今日も今日とて、その狂おしいまでの愛情に泣かされる睦月。



「ぅぁあああっ、無理っ、もぅ、イクぅっ!!」

「我慢して? イッたら、お仕置きだよ、睦月?」

 前を聡子に絡め取られ、後ろから賢に責めまくられ、睦月は失神寸前である。

 眼を淫猥に輝かせて、睦月を追い詰める兄妹。

「じゃあ、代わってよ、お兄ちゃん」

「おけ」

 聡子が睦月の首に抱きつくと、そのまま賢が聡子ごと睦月を起こしてベッドに寝そべる。
 寝そべった賢に背中から抱き締められた睦月の上に、聡子が馬乗り状態になり、ちろりと薄い唇を舐めた。小さな赤い舌が艶かしい。

「んんっ、奥に当たるぅぅ」

 ぱちゅぱちゅと音をたてて、激しく腰を振る聡子。

 締め付け、絡まる聡子の柔肉に絞り上げられ、睦月は涙目で喘いだ。

「ひゃぁっ、やめてっ、聡子っ! イッ、イッちゃうっっ」

「イッちゃうかぁ、お仕置き確定だな、睦月ぃ?」

 さも愉しそうに賢は腰を突き上げる。

「ゃっ、ぁっ、ああぁーーーっっ!!」

 その激しい突き上げに、ガクガク痙攣しながら、睦月は聡子の中で爆発した。

「うっわ、締まるっ!!」

「あはっ、凄い出てるよ、睦月ぃ。気持ちいーっ!」

 ぬちゅぬちゅと腰を振って睦月の余韻を刺激しまくり、聡子は蕩けた眼差しで彼にキスをした。
 舌を絡めて己の口に吸い込む聡子。睦月は泣き濡れ、息も絶え絶えである。

「はぁ.....っ、もっ、勘弁して? 俺、年寄りなんだから」

 いくらか呼吸も落ち着き、涙にけぶる切なげな瞳で、睦月は賢をすがるように見上げた。
 ぞくりと賢の背筋に愉悦が走り、獰猛なケダモノが眼を覚ます。

 そういうとこだぞっ!? 止まらねーわっ!!

 己の扇情的な煽りに気づいていない愛しい人。
 この人を守れるなら、なんでもする。絶対に他には渡さない。

 嵐のように吹き荒れる庇護欲と独占欲。

 どれだけ深く長く愛し合っても、貪欲なそれが満たされる事はない。むしろ、さらなる餓えが兄妹を襲う。

 もっと、もっとと狂暴な何かが二人を狂わせる。

 その求めに応じ、素直に二人に身体を預ける睦月の無防備さが堪らない。
 こうして泣きを入れさせ、睦月を従わせられる幸福に眼が眩みそうだ。

「三十半ばは年寄りとは言わねーよっ、男盛りだろうがっ!!」

「ぅわぁあああっ、ちょっ、おまっ! ひぃーっっ!!」

 三十代なんて十代から見たら、おじさんじゃないの? 違うの?!

 聡子から睦月のモノを引っ張りだし、賢は尿道にバイブを捩じ込む。
 くちゅくちゅ動かしながら深々と捩じ込み、ベルトで固定した。

「イッたらお仕置きだって言ったよね? 最強でスイッチ入れてあげるから、続いてドライやってみようかぁ?」

「おまえ、むちゃくちゃーっっ!!」

 絶叫をあげつつ、どこまでも従順に二人を受け入れてくれる睦月。その姿が愛しくて堪らない。

 全身が粟立つ歓喜に賢の一物が猛り狂う。

「誉め言葉だね。聡子、やるぞ?」

「おっけー♪」

 嬉々として絡み付く絶倫兄妹に、睦月は毎日悶絶させられ疲労困憊。
 それでも調教は終わらず、睦月が意識を失うまで、二人は愛しい叔父を狂暴に愛し続けた。

 失神するまで許されない睦月。二人の愛情に底はない。



「死ぬって..... 少しは手加減しろ、おまえら」

 二階の寝室に運ばれ、睦月はぐったりと横たわる。
 それを甲斐甲斐しく御世話して、二人は御満悦だ。

「もう働かなくても良いし、俺らに任せてよ。大切にするからね、睦月」

「老後の御世話もバッチリするよ? だから、ずっと傍にいてね♪」

 楽しくて仕方無い様子の二人に、睦月はがっくり項垂れる。
 そう。なんと、二人には多額の遺産が遺されていたのだ。
 遥の両親はそれを着服し、海外へ逃げたらしいが、そうは問屋が卸さず、委任されていた弁護士により、振り込まれていた二人の養育費や生活費を着服していた事を追及され、睦月の元へ届けられたのである。

 月額三十万の振り込みに、二人の進学費用なども別途支払われ、さらには成人したら億をこえた遺産が譲られる。

 これにより、兄妹は睦月から仕事を奪い取り、ほぼ監禁するように暮らしていた。
 睦月にも親の遺産があるし、慎ましく生活する分には困ってなかったのだが、二人の束縛は厳しく、電話どころがネットひとつ触らせてはくれない。

 とにかく、二人以外と睦月が接触する事が許せないらしい。

 病的なまでに全てを排除し、三人だけの生活に拘る甥と姪。

 そして睦月が退屈しないようにと、自由に動けぬようにを兼ね合わせて、精も根も尽き果てるほど抱き潰すのだ。

 事実、腕もあげられぬほど睦月は疲労困憊。

 二人に介助されながら暮らしている。

 さすがに下の世話は辞退したいのだが、それを強制する術を知る賢によって、毎日、腹の中を無理やり掃除されていた。

 小水も毎回、カテーテルで抜き取られている。

 以前にまだ動けた頃、そっとトイレに行こうとベッドから降りた睦月を見て、賢は瞠目し、雄叫びをあげた。

『動くなって言ったよなぁっ?! なんで俺を呼ばないっ?! あれだけ抱き潰したのに、まだ動けるんだ? 凄いね、睦月。まだ足りなかったんだ?』

 狂暴な面差しで、不均等に口角を歪める賢。

 鈍痛と疲労で動けない睦月は、それまで賢を呼んでトイレに運んでもらい用足しをしていた。
 もちろん用足しをする睦月を賢に観賞されるまでがセットで、堪らない羞恥に泣く睦月を、うっとりと眺める賢。

 それが嫌で、動けたのを幸いにトイレへ立ったのが運のつき。

 賢は聡子を呼んで、徹底的に睦月を抱き潰した。

 それこそ、失神しても無理やり起こし、絶叫で喉が渇れ果て声も出せなくなるまで。
 ピクリとも動けぬほど睦月を消耗させて、ようやく賢は安堵に顔を緩めた。

『ああ、睦月。可愛いよ。そうして、じっとしている睦月が凄く愛らしい。もう、これからは睦月が求める前にやるよ。食事も用足しも全部ね。だから、俺達だけを見て? 他に何も考えないで?』


 その賢の瞳に浮かぶ狂喜に満ちた光。


 そこから睦月は抵抗を諦めた。二人のやりたいようにやらせ、己の身体を与え続ける。
 なんのかんのと、結局、睦月も二人が可愛くて仕方無いのだ。

 叔父の全てを支配し、隠す事を許さない兄妹に、もはや抗う気も起きない睦月である。



「「愛してるよ、睦月♪」」

「はは..... ありがと」

 満面の笑みな賢と聡子。


 だが、その瞳に宿る鋭利な光は獰猛な狂気を孕み、どす黒い欲望を隠してもいない。
 この束縛が心地好い自分も、たぶん狂っているのだろう。

 堕ちるなら、どこまでも。

 山奥の静かな一軒家に住む奇妙な家族。

 それもある意味、ひとつの幸せの形だった。

              ~了~




 ~あとがき~

 完結です。ふいに思い立って書いた話なので、乱雑な文章になり申し訳ない。

 後日談的なモノもありますが、今は完走した気の緩みで書けません。
 そのうち投稿すると思うので、よろしければ時々チラ見してください。

 読んでくださった皆様に感謝をこめて。さらばです♪
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