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三、当日×材料
三、当日×材料③
しおりを挟む一部屋、一部屋、有名なデザイナーがデザインしているらしいので、部屋の真ん中に水槽があったり、ペンキがひっくり返されたような眼がチカチカするような鮮やかな部屋、黒くシックな部屋の中に白い線を滲ませて、スタイリッシュな部屋とか。テレビの特集で見たことがある。デザイナーが自分の好きなコンセプト、インスピレーションで作ってるので全く全室雰囲気が違う、と。
「そこのオーナーとは同期だからね。結婚祝いに一部屋借りれたんだ。親が一緒のホテルにいて、イチャイチャできるか? したくないだろ」
「確かに」
あと数階で一階に降りるので、抱きかかえていたのを下ろしてもらった。
エレベーターのドアが開いて、外に出るとロビーのステンドグラスを見ていた利用客が私たちに振り返り、視線が集中される。
外国のお客様も多いので、色打掛は珍しいんだと思う。
恥ずかしかったけど、堂々とエスコートしてくれる彼の横顔が格好良くて、私もおどおどしているのがバレないように、伏し目がちに微笑んでホテルをあとにした。
***
大きな満月が、すぐにでも落ちてきそうな夜だった。
用意された部屋は、気障な彼にぴったりな甘い香りが漂う部屋。
部屋に飾られた絵画は全て薔薇。ピンク色のベットシーツ。甘い香りは、ローズのアロマオイル。
SubRose(薔薇の下で)というコンセプトの部屋らしい。
結婚式に薔薇が用いられるのは、愛と喜びと美と純潔の象徴でもある女神の象徴が薔薇だから、らしい。
そこまで調べて、私の初めてをロマンチックに演出してくれようとした。
そんな素敵な人、きっとこの先、一生出会えない。喬一さんぐらいだろう。
甘い香りの中、一枚一枚脱がされて、肌を滑っていく絹すれの音にお互いの心音が早鳴っていくのが分かる。
全部シーツの上に落ちた後、私の肌は桃色どころか真っ赤だったけど。
それでも彼は優しく、触れてくれた。
まるで何かの儀式のように、甘く優しい一夜。
何もかも初めてだった。きっと沢山の女性と経験があるだろう彼に、みっともなく慌てる姿を見せるだけだと思っていたのに。
優しいキスに触れた瞬間、彼からの愛情を感じて、不安は全て吹っ飛んでいった。
彼の指が優しく触れて、身体の奥を愛撫していくうちに、私は身体は素直に濡れていった。
こんなにも愛情をくれる彼が、私の体を触るだけで甘く痺れて酔ってしまいそうだった。
もっと、触れてほしい。もっと触れたい。この体温をずっと感じていたい。
彼にリードされ、蕩けさせられ、全身で喬一さんを感じた。
痛みは伴ったけれど、それよりも幸せすぎて私は初めて彼の腕の中で朝を迎えたのだった。
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