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すげぇ嫌な予感がする……
家の前に停まっている馬車は街と街の間を移動する一般仕様のものとは異なり、車体の中央が観音開きになって乗り降りするタイプで、車体全体に金やら銀の細かな装飾が施されている。
おそらく来訪者はあのお方なのだろう。
見なかったことにして通り過ぎたかったが、後々面倒なことになりかねないので、意を決して家に帰ることにした。
家の中が以前ミリスさんがウチに来た時のような緊迫した空気感になっていると思うとため息の一つも吐きたくなる。
ミリスさんは空気を読んでくれたけど、あのお方がそのような配慮をするとはとても思えないので家の中が凄く心配になってきた。
「あっ! ツトム様。
先ほどアルタナ王国のお姫様と名乗られる方がお越しになられてまして……」
やっぱりな。
なぜか玄関の外で待っていたロザリナが来訪者の推測が正しかったことを伝えてくる。
「ロザリナはどうしてこんなところで待ってたんだ?」
「ルルカさんがそろそろツトム様がお帰りになられると仰って」
「そ、そうか……」
ルルカの感知能力か。あのまま通り過ぎていたらヤバかったな!
「ツトム様?」
ドアに手を掛けたところで止まっている俺をロザリナは不審がっている。
中がどのような魔境になっているのか想像すらできないので、思わずドアを開けるのを躊躇してしまう。
どの道もう逃げることはできない。
再び意を決してドアを開ける!
「…………あ、あれ?」
家の中はとくにおかしなところはなく、いつも通りでプレッシャーが漂ってることもない。
本当にレイシス姫が来ているのだろうか?
てっきり龍虎相討つ的な一触即発な激ヤバ空間に踏み込む覚悟をしていたので肩透かしもいいとこだ。
もっともいくらルルカといえど他国の姫君相手には無茶はしないのかもしれない。
下手したら外交問題になってしまうしな。
なんにせよ中が魔空間になってないのなら恐れることはない。すぐにリビングへ、
ソファに座っているレイシス姫の近くで片膝を着き、
「レイシス様、お待たせ致しました。
我が家へようこそ。
このような借家に足を運んで頂き恐悦至極に存じ奉ります」
「ツムリーソ、お邪魔しておりますよ」
本日のレイシス姫は仕立ての良さが一目でわかる普段着?だが、相も変わらず肌の露出は少ない。
「何をしているのです?
早くお掛けなさい」
「し、失礼します」
既に横にずれていたルルカの隣、レイシス姫の正面に座る。
「……レイシス様、本日は拙宅にどのような御用件で?」
本来なら雑談のひとつでもしてから用件を聞くべきなのだろうが、どんな雑談をすればいいのかわからなかった!
「今日はそなたに頼みたいことがあって参りました」
「なんでしょう?」
「私は明日、アルタナに帰ることになりました。
そこでそなたに国元まで送ってもらいたいのです」
「かしこまりました」
くっ。明日は3人目を買う予定だったのに!!
これで帝都の奴隷商行きが延期になるのは2度目だ。
だけどこのレイシス姫からの頼みは断れない。
当然ながらイリス姫の内諾を得てのことだろうし、姫様に守ってもらう為には俺が姫様の役に立つ人間であるということを示さないといけない。
「明朝、ゆっくりで構わないので城に来てください」
「了解しました」
「次にそなたの婚儀についての話をしなければなりません」
「「!?」」
ルルカとロザリナが驚いたように息を呑む。
「既にお姉さまの許可は頂いております。
後はそなたの下へと嫁ぐアルタナ王国所縁の女性を選ぶだけです」
俺だって驚いているのだ。
いつの間にやら結婚寸前まで話が進んでいる事態に。
「その選別の前に、そなたが申していた個人的な事情とやらを知らねばならないと思い、こうしてそなたの家にまで足を運びました」
「そのことを話す前に質問があるのですが」
「なんですか?」
「俺の婿入りの話ですよね? そのことを姫様はお認めになられたのですか?」
「婿入りではなく嫁入りの話です。
お姉さまもツムリーソの意思に任せるとの仰せです」
変わってるし!
そういうことはまず本人に言ってくれないと!!
「しかしこのような狭苦しい借家に住む冒険者に、アルタナ王国の高貴なる女性がお嫁に来てくれるとは到底思えないのですが……」
「住まいに関してはどうとでもなりますが、冒険者の下にということに関しては選定の儀を難しくするであろうことは確かです」
この家も俺気に入っているからね?!
どうとでもしてもらっても困るからね?
「女性が見つからないということであれば致し方なし。
今回のお話は無かったということに」
「そうは参りません。
そなたとの婚儀には我がアルタナ王国の未来が懸かっているのです。
そう簡単に諦める訳にはまいりません!」
相変わらず国家第一というか、お姫様という立場なら当然なんだろうけど。
「そろそろ以前に申していた個人的な事情とやらを話しなさい。
もっとも、大体のことは察することができますが……」
レイシス姫が鋭い眼光で俺を睨んでくる。
「大方その2人のことなのでしょう?」
ルルカとロザリナがビクッと肩を震わせる。
「2人共に奴隷とのことですが解放すればいいでしょう。
我がアルタナ王国が今後の生活も不自由しないよう手配致します」
基本的には優しくはあるのだよな。
話し合いが一方通行になりがちなところが欠点だけど、誰にでも短所はあるしな。
「恐れながら、この2人を解放するつもりは一切ありません。
もはや私の生活はこの2人抜きには考えられなくなっております故」
「ツトムさん……」
「ツトム様……」
「しかしそれでは……」
「もし自分が結婚するのなら、この2人と同世代で且つ仲良くできる女性であることが絶対条件です」
「なっ?!」
レイシス姫は驚きを隠せないようだが、2人には何回か言ってきてたし、俺がこの世界で生きる上での目標が年上ハーレムを築くことだ。
そこには国家権力の介入はもちろん、一切の妥協も許さないのである!!
「…………結婚してお子を設ければその後好きなだけ奴隷を増やすことも可能となります」
「レイシス様が自分にこだわられるように、自分も彼女達にこだわります。
他の奴隷ではダメなのです」
「…………わかりました。国元に帰り次第、嫁候補を検討し直しましょう」
一旦保留な形にはできたかな。
やや思い通りの結末に満足していると、
「ツトムさん、こちらのお姫様は正しい理解をされてないのではないでしょうか?」
ルルカよ。一体何を言い出す気なんだ?
家の前に停まっている馬車は街と街の間を移動する一般仕様のものとは異なり、車体の中央が観音開きになって乗り降りするタイプで、車体全体に金やら銀の細かな装飾が施されている。
おそらく来訪者はあのお方なのだろう。
見なかったことにして通り過ぎたかったが、後々面倒なことになりかねないので、意を決して家に帰ることにした。
家の中が以前ミリスさんがウチに来た時のような緊迫した空気感になっていると思うとため息の一つも吐きたくなる。
ミリスさんは空気を読んでくれたけど、あのお方がそのような配慮をするとはとても思えないので家の中が凄く心配になってきた。
「あっ! ツトム様。
先ほどアルタナ王国のお姫様と名乗られる方がお越しになられてまして……」
やっぱりな。
なぜか玄関の外で待っていたロザリナが来訪者の推測が正しかったことを伝えてくる。
「ロザリナはどうしてこんなところで待ってたんだ?」
「ルルカさんがそろそろツトム様がお帰りになられると仰って」
「そ、そうか……」
ルルカの感知能力か。あのまま通り過ぎていたらヤバかったな!
「ツトム様?」
ドアに手を掛けたところで止まっている俺をロザリナは不審がっている。
中がどのような魔境になっているのか想像すらできないので、思わずドアを開けるのを躊躇してしまう。
どの道もう逃げることはできない。
再び意を決してドアを開ける!
「…………あ、あれ?」
家の中はとくにおかしなところはなく、いつも通りでプレッシャーが漂ってることもない。
本当にレイシス姫が来ているのだろうか?
てっきり龍虎相討つ的な一触即発な激ヤバ空間に踏み込む覚悟をしていたので肩透かしもいいとこだ。
もっともいくらルルカといえど他国の姫君相手には無茶はしないのかもしれない。
下手したら外交問題になってしまうしな。
なんにせよ中が魔空間になってないのなら恐れることはない。すぐにリビングへ、
ソファに座っているレイシス姫の近くで片膝を着き、
「レイシス様、お待たせ致しました。
我が家へようこそ。
このような借家に足を運んで頂き恐悦至極に存じ奉ります」
「ツムリーソ、お邪魔しておりますよ」
本日のレイシス姫は仕立ての良さが一目でわかる普段着?だが、相も変わらず肌の露出は少ない。
「何をしているのです?
早くお掛けなさい」
「し、失礼します」
既に横にずれていたルルカの隣、レイシス姫の正面に座る。
「……レイシス様、本日は拙宅にどのような御用件で?」
本来なら雑談のひとつでもしてから用件を聞くべきなのだろうが、どんな雑談をすればいいのかわからなかった!
「今日はそなたに頼みたいことがあって参りました」
「なんでしょう?」
「私は明日、アルタナに帰ることになりました。
そこでそなたに国元まで送ってもらいたいのです」
「かしこまりました」
くっ。明日は3人目を買う予定だったのに!!
これで帝都の奴隷商行きが延期になるのは2度目だ。
だけどこのレイシス姫からの頼みは断れない。
当然ながらイリス姫の内諾を得てのことだろうし、姫様に守ってもらう為には俺が姫様の役に立つ人間であるということを示さないといけない。
「明朝、ゆっくりで構わないので城に来てください」
「了解しました」
「次にそなたの婚儀についての話をしなければなりません」
「「!?」」
ルルカとロザリナが驚いたように息を呑む。
「既にお姉さまの許可は頂いております。
後はそなたの下へと嫁ぐアルタナ王国所縁の女性を選ぶだけです」
俺だって驚いているのだ。
いつの間にやら結婚寸前まで話が進んでいる事態に。
「その選別の前に、そなたが申していた個人的な事情とやらを知らねばならないと思い、こうしてそなたの家にまで足を運びました」
「そのことを話す前に質問があるのですが」
「なんですか?」
「俺の婿入りの話ですよね? そのことを姫様はお認めになられたのですか?」
「婿入りではなく嫁入りの話です。
お姉さまもツムリーソの意思に任せるとの仰せです」
変わってるし!
そういうことはまず本人に言ってくれないと!!
「しかしこのような狭苦しい借家に住む冒険者に、アルタナ王国の高貴なる女性がお嫁に来てくれるとは到底思えないのですが……」
「住まいに関してはどうとでもなりますが、冒険者の下にということに関しては選定の儀を難しくするであろうことは確かです」
この家も俺気に入っているからね?!
どうとでもしてもらっても困るからね?
「女性が見つからないということであれば致し方なし。
今回のお話は無かったということに」
「そうは参りません。
そなたとの婚儀には我がアルタナ王国の未来が懸かっているのです。
そう簡単に諦める訳にはまいりません!」
相変わらず国家第一というか、お姫様という立場なら当然なんだろうけど。
「そろそろ以前に申していた個人的な事情とやらを話しなさい。
もっとも、大体のことは察することができますが……」
レイシス姫が鋭い眼光で俺を睨んでくる。
「大方その2人のことなのでしょう?」
ルルカとロザリナがビクッと肩を震わせる。
「2人共に奴隷とのことですが解放すればいいでしょう。
我がアルタナ王国が今後の生活も不自由しないよう手配致します」
基本的には優しくはあるのだよな。
話し合いが一方通行になりがちなところが欠点だけど、誰にでも短所はあるしな。
「恐れながら、この2人を解放するつもりは一切ありません。
もはや私の生活はこの2人抜きには考えられなくなっております故」
「ツトムさん……」
「ツトム様……」
「しかしそれでは……」
「もし自分が結婚するのなら、この2人と同世代で且つ仲良くできる女性であることが絶対条件です」
「なっ?!」
レイシス姫は驚きを隠せないようだが、2人には何回か言ってきてたし、俺がこの世界で生きる上での目標が年上ハーレムを築くことだ。
そこには国家権力の介入はもちろん、一切の妥協も許さないのである!!
「…………結婚してお子を設ければその後好きなだけ奴隷を増やすことも可能となります」
「レイシス様が自分にこだわられるように、自分も彼女達にこだわります。
他の奴隷ではダメなのです」
「…………わかりました。国元に帰り次第、嫁候補を検討し直しましょう」
一旦保留な形にはできたかな。
やや思い通りの結末に満足していると、
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