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玖の抄 最愛
其の壱
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第一印象は、猫。
奈良公園からすこし外れた奥、寂れた空き地で、まるで毛を逆立てた猫のように鹿とタイマンをはる彼女を見つけた。
ショートヘアにすらりとしなやかに伸びた手脚がまぶしくて、おもわず足を止めてしまったのだ。
なんしよる、と声をかけると、どうやら大事なものを鹿に食われてしまっているらしい。
鹿を見ると、ぼうっと紙を咥えたままわずかに顎を動かしている。ああ、食われている。
「それほんとダメなんだって、返してってば……!」
──第二印象、東京。
耳心地のよい、しかし悲痛な声で彼女はわめく。鹿が驚かぬよう声量を抑えているあたり、マナーのいい観光客だとおもった。
鹿は顎の動きを止めた。
彼女はとっさに口元に手を伸ばす。危険だ、と声をかけようとする前に、鹿がパッと空き地から飛び出してきた。
完璧におちょくっている。
彼女はあああ、と放心して空き地にへたりこんでしまった。
「……──しゃしん、写真が……」
という涙声を聞いてしまっては、黙っちゃいられない。
先ほどの鹿を探す。それは、ほどなく見つけた。口からいまだに半分ほど紙をぺろりと出していたからだ。
返してやれよ、というと、鹿はまるで人の言葉がわかるかのごとく案外あっさりと紙を吐き出した。本当にただ彼女と遊んでいたのか──と紙を拾う。
左端がすこし千切れたそれは、写真だった。
先程の彼女が満面の笑みでひとりうつっている。
しかし不自然な位置取りで撮られた写真だ。一見、ツーショット写真かと見まがうように、彼女のとなりにスペースが空いている。
空き地に引き返した。
彼女はいまだに地べたに座っている。フェンスを飛び越えて彼女のもとへ駆けた。
なにも言わずに写真を差し出す。
彼女はうるむ目を見開き、こちらを深く深く見つめた。
第三印象、────。
写真を受け取って食い入るように見つめる。涙はこぼれることなく乾いていた。
「これ──取り返してくれたの?」
うまく返事ができなかった。
おん、とかなんとか言ったような気がする。彼女は呆けた顔のまま「ありがと……」とつぶやく。
ちょっと食われたけど、といった。
しかし彼女は首を横に振る。
「いい、そんなの……もうどうせ、消えちゃったんだから」
と、不自然なひとり分のスペースを優しく指でなぞり、彼女はそれを陽光に掲げた。
「……あーあ、とうとうぜんぶ消えた。──」
肩を落とす。
なにが写っていたのかと聞くと、彼女は半笑いを浮かべて、
「夢」
とひとこと。
首をかしげると、彼女は困ったように微笑してふたたびありがとう、といった。
「あなたホントに恩人。そのくらい、これ大切な写真だったから──お礼、したいんだけどいまあげられるものがなにもなくって」
とバッグを漁る彼女の手を握る。
そんなものはいらない。いらないから──と口ごもる。これから言わんとすることが、なんだか口説いているみたいでひどく気恥ずかしくなった。
……アンタの名前は?
意を決して、聞く。
彼女はすべてを溶かすような微笑みを浮かべて、いった。
「三橋綾乃」
…………。
これは、いまから六年ほど前の話である。
※
「ほうか」
咥えたタバコに火をつける。
喉奥いっぱいに吸い込んで、ふう、と紫煙を吐き出した。
「あのアホ、消えたか──」
耳に当てた携帯電話から漏れ聞こえる声に、石田力哉は、サングラスの奥の瞳を細めてわらった。
ポケットから、東京発京都行、その先近鉄奈良駅までの乗継切符を二枚取り出して目上にかかげる。
「帰ったらよう聞かせてや。おん、昼過ぎにはつくさかいに。おう、じゃあな」
と通話を切る。
床に置いた鞄を拾い上げようと、身を屈めた力哉に影がかかった。
んっ、と顔をあげる。
咥えた煙草が細い指に取り上げられた。火は消され、共用灰皿の底に消えていく。
あーあ、つけたばっかりだったのに……。
などとケチくさいことは言わない。力哉は身体を起こした。
「クサイ」
視線下斜め三十度。
鼻頭にシワを寄せる女が、つぶやいた。
薄手の白Tシャツにホットパンツから覗く生白く長い脚が艶かしくて、力哉は閉口する。
サングラスをかけててよかった──とにやける口元を手で隠し「よかった」とつぶやいた。
「来ねえかとおもった」
「そんな薄情な女に見える?」
「滅相も──荷物貸して」
「あ。ありがとう」
「うん」
彼女──三橋綾乃は、颯爽と新幹線の乗り口へ向かう。
ふたり分の荷物を手に、力哉はその引き締まった尻を追いかけた。
六年前のあの日。
石田力哉は彼女に恋をした。
どこに惚れたかと言われるとわからない。気が付いたら好きだったし、思えば鹿とタイマンをはる姿からなんとなく惹かれていたような気もする。──まったく、学生時代に手当たり次第の女を食ってきた自分がなんというざまだろう。
けれど当時は、あの一瞬の邂逅で終わりと諦めていた。きっと彼女は旅行者で、もう二度と会うこともない。行きずりの恋にすがるほど女にも困ってはいなかった。
しかし──。
力哉はポケットをそっとまさぐり、忍ばせたモノに触れる。
ちいさな巾着袋である。真ん中に『守』と入ったささやかなお守り袋。
あの日の翌日、見事に澄んだ青空の下。名残惜しさにふたたび立ち寄った空き地で、彼女はもう一度力哉の前にあらわれた。
昨日のお礼、といって渡されたのがこのお守り袋だったのだ。
「好きんなるわ、こんなん」
「なんかいった?」
「いーえなんも」
力哉はふっと口角をあげた。
それ以来、肌見離さずこのお守りを身につけている自分を思えば、もはや引き返せない想いを抱えてしまったのだと思い知る。
新幹線の座席に並ぶ。
彼女は通路側がいいのだと言った。職業柄、すぐに動けるところの方が落ち着くのだという。力哉はカーテンを半分ほど引いて彼女の顔にかかる陽光をさえぎった。
「あやさん」
力哉がつぶやく。
「奈良にふたりっての、久しぶりだね」
「……んー?」
彼女はすこし眠そうな声をあげた。こっくりと首を揺らしながら「なにそれ」とちいさく笑っている。
「わたしとアナタで、奈良に行ったことなんてないでしょ」
「…………そー、でしたっけ」
むなしいものである。
彼女は六年前の恩人のことなど、もはやすっかり忘れてしまったのだろうか。──いや無理もない。なにせ力哉は当時の恩人が自分だということなど、これまで一言だって話したことはないのだから。
新幹線は、走りはじめた。
それと同時に綾乃の頭が力哉の肩に落ちる。左肩にからだじゅうの熱が寄せ集まるようで、力哉は車窓に意識を逸らす。
だって、逢いたかったんだ。
やっぱりどうしようもなく気になったんだ。
こんな気持ちのまま、一生逢わずに寂しく過ごせってのか。否、そんなことは無理だ。──。
六年前の自分が主張してくる。
わかってる、わかってるって。
力哉はちらと綾乃のつむじを見つめて、深くため息をついた。
それから力哉が眠りに落ちたのは、新幹線が新横浜を抜けるころのことである。
『難波潟 みじかき芦の ふしの間も
逢はでこの世を過ぐしてよとや』
否!
と、夢のなか。
満足げにわらう六年前の自分がいた。
※ ※ ※
──難波潟の葦の、
短い節々の間のごとく短い間すら、
あなたに逢わぬまま
過ごせというのですか。──
第十九番 伊勢
題知らず。
来訪せぬ想い人への
思慕を詠める。
奈良公園からすこし外れた奥、寂れた空き地で、まるで毛を逆立てた猫のように鹿とタイマンをはる彼女を見つけた。
ショートヘアにすらりとしなやかに伸びた手脚がまぶしくて、おもわず足を止めてしまったのだ。
なんしよる、と声をかけると、どうやら大事なものを鹿に食われてしまっているらしい。
鹿を見ると、ぼうっと紙を咥えたままわずかに顎を動かしている。ああ、食われている。
「それほんとダメなんだって、返してってば……!」
──第二印象、東京。
耳心地のよい、しかし悲痛な声で彼女はわめく。鹿が驚かぬよう声量を抑えているあたり、マナーのいい観光客だとおもった。
鹿は顎の動きを止めた。
彼女はとっさに口元に手を伸ばす。危険だ、と声をかけようとする前に、鹿がパッと空き地から飛び出してきた。
完璧におちょくっている。
彼女はあああ、と放心して空き地にへたりこんでしまった。
「……──しゃしん、写真が……」
という涙声を聞いてしまっては、黙っちゃいられない。
先ほどの鹿を探す。それは、ほどなく見つけた。口からいまだに半分ほど紙をぺろりと出していたからだ。
返してやれよ、というと、鹿はまるで人の言葉がわかるかのごとく案外あっさりと紙を吐き出した。本当にただ彼女と遊んでいたのか──と紙を拾う。
左端がすこし千切れたそれは、写真だった。
先程の彼女が満面の笑みでひとりうつっている。
しかし不自然な位置取りで撮られた写真だ。一見、ツーショット写真かと見まがうように、彼女のとなりにスペースが空いている。
空き地に引き返した。
彼女はいまだに地べたに座っている。フェンスを飛び越えて彼女のもとへ駆けた。
なにも言わずに写真を差し出す。
彼女はうるむ目を見開き、こちらを深く深く見つめた。
第三印象、────。
写真を受け取って食い入るように見つめる。涙はこぼれることなく乾いていた。
「これ──取り返してくれたの?」
うまく返事ができなかった。
おん、とかなんとか言ったような気がする。彼女は呆けた顔のまま「ありがと……」とつぶやく。
ちょっと食われたけど、といった。
しかし彼女は首を横に振る。
「いい、そんなの……もうどうせ、消えちゃったんだから」
と、不自然なひとり分のスペースを優しく指でなぞり、彼女はそれを陽光に掲げた。
「……あーあ、とうとうぜんぶ消えた。──」
肩を落とす。
なにが写っていたのかと聞くと、彼女は半笑いを浮かべて、
「夢」
とひとこと。
首をかしげると、彼女は困ったように微笑してふたたびありがとう、といった。
「あなたホントに恩人。そのくらい、これ大切な写真だったから──お礼、したいんだけどいまあげられるものがなにもなくって」
とバッグを漁る彼女の手を握る。
そんなものはいらない。いらないから──と口ごもる。これから言わんとすることが、なんだか口説いているみたいでひどく気恥ずかしくなった。
……アンタの名前は?
意を決して、聞く。
彼女はすべてを溶かすような微笑みを浮かべて、いった。
「三橋綾乃」
…………。
これは、いまから六年ほど前の話である。
※
「ほうか」
咥えたタバコに火をつける。
喉奥いっぱいに吸い込んで、ふう、と紫煙を吐き出した。
「あのアホ、消えたか──」
耳に当てた携帯電話から漏れ聞こえる声に、石田力哉は、サングラスの奥の瞳を細めてわらった。
ポケットから、東京発京都行、その先近鉄奈良駅までの乗継切符を二枚取り出して目上にかかげる。
「帰ったらよう聞かせてや。おん、昼過ぎにはつくさかいに。おう、じゃあな」
と通話を切る。
床に置いた鞄を拾い上げようと、身を屈めた力哉に影がかかった。
んっ、と顔をあげる。
咥えた煙草が細い指に取り上げられた。火は消され、共用灰皿の底に消えていく。
あーあ、つけたばっかりだったのに……。
などとケチくさいことは言わない。力哉は身体を起こした。
「クサイ」
視線下斜め三十度。
鼻頭にシワを寄せる女が、つぶやいた。
薄手の白Tシャツにホットパンツから覗く生白く長い脚が艶かしくて、力哉は閉口する。
サングラスをかけててよかった──とにやける口元を手で隠し「よかった」とつぶやいた。
「来ねえかとおもった」
「そんな薄情な女に見える?」
「滅相も──荷物貸して」
「あ。ありがとう」
「うん」
彼女──三橋綾乃は、颯爽と新幹線の乗り口へ向かう。
ふたり分の荷物を手に、力哉はその引き締まった尻を追いかけた。
六年前のあの日。
石田力哉は彼女に恋をした。
どこに惚れたかと言われるとわからない。気が付いたら好きだったし、思えば鹿とタイマンをはる姿からなんとなく惹かれていたような気もする。──まったく、学生時代に手当たり次第の女を食ってきた自分がなんというざまだろう。
けれど当時は、あの一瞬の邂逅で終わりと諦めていた。きっと彼女は旅行者で、もう二度と会うこともない。行きずりの恋にすがるほど女にも困ってはいなかった。
しかし──。
力哉はポケットをそっとまさぐり、忍ばせたモノに触れる。
ちいさな巾着袋である。真ん中に『守』と入ったささやかなお守り袋。
あの日の翌日、見事に澄んだ青空の下。名残惜しさにふたたび立ち寄った空き地で、彼女はもう一度力哉の前にあらわれた。
昨日のお礼、といって渡されたのがこのお守り袋だったのだ。
「好きんなるわ、こんなん」
「なんかいった?」
「いーえなんも」
力哉はふっと口角をあげた。
それ以来、肌見離さずこのお守りを身につけている自分を思えば、もはや引き返せない想いを抱えてしまったのだと思い知る。
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「あやさん」
力哉がつぶやく。
「奈良にふたりっての、久しぶりだね」
「……んー?」
彼女はすこし眠そうな声をあげた。こっくりと首を揺らしながら「なにそれ」とちいさく笑っている。
「わたしとアナタで、奈良に行ったことなんてないでしょ」
「…………そー、でしたっけ」
むなしいものである。
彼女は六年前の恩人のことなど、もはやすっかり忘れてしまったのだろうか。──いや無理もない。なにせ力哉は当時の恩人が自分だということなど、これまで一言だって話したことはないのだから。
新幹線は、走りはじめた。
それと同時に綾乃の頭が力哉の肩に落ちる。左肩にからだじゅうの熱が寄せ集まるようで、力哉は車窓に意識を逸らす。
だって、逢いたかったんだ。
やっぱりどうしようもなく気になったんだ。
こんな気持ちのまま、一生逢わずに寂しく過ごせってのか。否、そんなことは無理だ。──。
六年前の自分が主張してくる。
わかってる、わかってるって。
力哉はちらと綾乃のつむじを見つめて、深くため息をついた。
それから力哉が眠りに落ちたのは、新幹線が新横浜を抜けるころのことである。
『難波潟 みじかき芦の ふしの間も
逢はでこの世を過ぐしてよとや』
否!
と、夢のなか。
満足げにわらう六年前の自分がいた。
※ ※ ※
──難波潟の葦の、
短い節々の間のごとく短い間すら、
あなたに逢わぬまま
過ごせというのですか。──
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題知らず。
来訪せぬ想い人への
思慕を詠める。
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