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廿の抄 たからもの
其の陸
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「ということで、最寄りの駅までお送りいただいて帰ってまいりました」
と小町は胸を張っていった。
おそらく、こんなにドンピシャな情報を集めてきてスゴイでしょ、と言いたいのだろうが高村が初めに発したのは深いため息だった。
「おまえな──電車の乗り方が分からんなら、『式』から言霊にもどれって何度も言うとるだろが」
「だって『式』のほうが人とお話しできて楽しいんですもの」
「あっそう」
きっと浜崎先生に酒をおごろう、とつぶやいてから高村はフッと微笑する。
「まあでもよく見つけたな小町、その日記も──さすがは浜崎先生というべきか」
「ふふふ」
と、わらって隣の業平に笑みを見せる小町。どうやらお前も褒めろ、とのことなので業平は仕方なく小町の頭を撫でてやる。
それを横目に、八郎はくいと首をかしげた。
「それで、これからどうするんスか」
「うん。明日にでもまたお供え淵へ行って、鏡を覗いてみようとおもう」
「鏡って──たまに先生が使ってる手鏡のこと?」
「ああ。冥官の七つ道具だ」
と嘯く。
そして鞄から和本を取り出した。出会った頃はこの半分ほどの厚さだったが、それほどよく集まったということか、と八郎はまじまじと和本を覗いた。
高村はすこしさびしそうにわらう。
「早いもので、あと四首を残すところとなったよ」
「え、四首って──もう九十六首も集まったの!」
「ああ。お前たちのおかげでな」
「いったい残りは誰なんです」
と業平が横から覗いてきた。
それを受けた高村は「そうだなあ」と和本をめくっていく。やがて最後まで確認するや業平と小町は「これはこれは」と目を見開いた。
「たいへん興味深い面々が残ったようですね」
「まったくだ」
「どうぞ最後まで精進なすってくだされ」
と業平が笑顔でいった。
まるで他人事のような言いぐさね、と小町が不服そうにつぶやくと、彼は意外にもすなおにうなずいている。
「そろそろ私も、和本に戻らねばと思いまして」
「まあ、業平さま……」
「さびしいかい」
「さび、しいと言おうと思ったのに、あなたが先に言うから言いたくなくなりました」
「またまた」
まったく、どこまでも飄々とした男である。
高村は柄にもなく深々と頭を下げた。
「短いあいだではあったが、お前には助けられたよ。ありがとう」
「こちらこそ、つかの間の非日常をたのしめました。ありがとうございます」
「業平さん、もう出てきてくれへんの」
八郎がつぶやいた。
その顔はうつむいて見えないが、沈んだ声色で想像はできる。
「うん、これで最後だ。……八郎くん」
「ん」
「きみはまるで和歌だね」
唐突にいった。
業平のことばに、おもわず八郎は顔をあげる。
「和歌はすべてを結ぶもの。『心のふるさと』だ。だからきみも、きっとね。なんとかなると思うのだよ。和歌には力がある。われわれ歌人はその一生を和歌に費やしてきたから、とかくそれを知っているんだ。いつの時代も、……」
消え入りそうな笑顔だった。
八郎はその手をつかもうと試みたけれど、それはむなしく宙をさらう。
「きみのような人は、”たから”なのさ」
といったことばを最後に、業平は静かに和本へと戻っていった。
「…………」
すると小町はとたんに無言になって、しまいにはさっさと廃屋へ入って行ってしまった。
──静寂。
夜闇にただよった沈黙が胸に刺さって、八郎の目頭が熱くなる。ぐっとこらえたその肩に高村の手が乗る。
「彼のことばは、心にはいるだろ」
「……ウン」
「そういうお人さ」
といった高村の足もとでクン、と文次郎がひと声鳴いた。
──。
────。
しばらくの立ち話ののち、高村は「いい加減に帰りなさい」と八郎の背を押した。
家に帰ったらラブシーンがあるかもしれない、と思うと、どうにも足が重くなるのだと八郎はいう。それを聞いた高村はケタケタとわらった。
「うぶやなあ」
「うるさいっ」
「文次郎ももうねむいって言ってるで、かわいそうやろが」
と高村がしゃがむと、文次郎はぐでっと身体を横たえた。腹を撫でろと言っているらしい。
それを見て、八郎は「ああ」とつぶやく。
「そういや、かんちゃんの前は文次郎が起きひんかったんよな。だいじょうぶか、文次郎」
「ワンッ」
「ああ、コイツはもう大丈夫。なあ文次郎、おまえ勇ましかったな」
と撫でくりまわす高村に、文次郎は仰向けのままくねくねと身体を揺らした。およそ勇ましさの欠片もない姿だが、夢のなかでなにがあったというのか。
最後に質問、と聞こうとした矢先のこと。
「おいハチ」
と、暗がりから声がした。
柊介だ。
「あれ、しゅう!」
「あれとちゃうわ。おまえいつまで外ほっつき歩いてんねん」
「え、いま何時」
「もうすぐ十時や」
どうやら、先生ひとりを送ってくるにしてはあまりにも遅いので、心配して探しにきたらしい。高村はそれを聞くやうしろでクックッと肩を揺らした。
そりゃそうだ。八郎がなかなか帰らない原因が柊介にあるのだから。しかし八郎は赤面して「シッ」と高村をぶった。
「なんや」
「なんでもない!」
即答した。
しかし、今どき男子高校生が夜の十時に外出しているからといって、こんなに心配されるものだろうか──とも思う。昔から、柊介はたいがい過保護なのだ。
「じゃあセンセ、帰る」
「八郎」
「え?」
「あした、六花についてちと調べに行くが──おまえも来るか」
「おっ、い、行くッ。ぜったい!」
と前のめりに返事をすると、高村はふふ、とうれしそうにわらってうなずいた。
しかし柊介は不服そうに「俺は?」と聞き返している。
「あ、せやな。あした環奈は学校やもンな」
「うッるせーなそういうことちゃうわッ。いまさらここまで関わって、なにがなんだかわからんまま終わるのがイヤなだけや!」
「わかったよしゅう、照れんなって。もう遅いんやから声抑えれ」
「…………チッ」
荒々しく舌打ちをした柊介と、それに対してケラケラとわらう八郎。
高村はひとり、じつは一部始終を見守っていた環奈の夢のなかでの出来事を思い出している。
──ヤロウッ。
と、ひときわ怒りをあらわにした柊介。
その理由を思えば、彼にとってこの刑部姉弟に対する愛情に差はないのじゃないかとも思う。
「おまえもかわええヤツやな、柊介」
「は?」
おっと、地雷だ。
高村は苦笑した。
「ほな、十時にここで」
「ハイッ」
「よく寝ろよ」
そうしてようやく、生徒ふたりは帰路につく。
高村はふたりが角を曲がるところまで、家に入ることなくずっと見送ってくれた。
と小町は胸を張っていった。
おそらく、こんなにドンピシャな情報を集めてきてスゴイでしょ、と言いたいのだろうが高村が初めに発したのは深いため息だった。
「おまえな──電車の乗り方が分からんなら、『式』から言霊にもどれって何度も言うとるだろが」
「だって『式』のほうが人とお話しできて楽しいんですもの」
「あっそう」
きっと浜崎先生に酒をおごろう、とつぶやいてから高村はフッと微笑する。
「まあでもよく見つけたな小町、その日記も──さすがは浜崎先生というべきか」
「ふふふ」
と、わらって隣の業平に笑みを見せる小町。どうやらお前も褒めろ、とのことなので業平は仕方なく小町の頭を撫でてやる。
それを横目に、八郎はくいと首をかしげた。
「それで、これからどうするんスか」
「うん。明日にでもまたお供え淵へ行って、鏡を覗いてみようとおもう」
「鏡って──たまに先生が使ってる手鏡のこと?」
「ああ。冥官の七つ道具だ」
と嘯く。
そして鞄から和本を取り出した。出会った頃はこの半分ほどの厚さだったが、それほどよく集まったということか、と八郎はまじまじと和本を覗いた。
高村はすこしさびしそうにわらう。
「早いもので、あと四首を残すところとなったよ」
「え、四首って──もう九十六首も集まったの!」
「ああ。お前たちのおかげでな」
「いったい残りは誰なんです」
と業平が横から覗いてきた。
それを受けた高村は「そうだなあ」と和本をめくっていく。やがて最後まで確認するや業平と小町は「これはこれは」と目を見開いた。
「たいへん興味深い面々が残ったようですね」
「まったくだ」
「どうぞ最後まで精進なすってくだされ」
と業平が笑顔でいった。
まるで他人事のような言いぐさね、と小町が不服そうにつぶやくと、彼は意外にもすなおにうなずいている。
「そろそろ私も、和本に戻らねばと思いまして」
「まあ、業平さま……」
「さびしいかい」
「さび、しいと言おうと思ったのに、あなたが先に言うから言いたくなくなりました」
「またまた」
まったく、どこまでも飄々とした男である。
高村は柄にもなく深々と頭を下げた。
「短いあいだではあったが、お前には助けられたよ。ありがとう」
「こちらこそ、つかの間の非日常をたのしめました。ありがとうございます」
「業平さん、もう出てきてくれへんの」
八郎がつぶやいた。
その顔はうつむいて見えないが、沈んだ声色で想像はできる。
「うん、これで最後だ。……八郎くん」
「ん」
「きみはまるで和歌だね」
唐突にいった。
業平のことばに、おもわず八郎は顔をあげる。
「和歌はすべてを結ぶもの。『心のふるさと』だ。だからきみも、きっとね。なんとかなると思うのだよ。和歌には力がある。われわれ歌人はその一生を和歌に費やしてきたから、とかくそれを知っているんだ。いつの時代も、……」
消え入りそうな笑顔だった。
八郎はその手をつかもうと試みたけれど、それはむなしく宙をさらう。
「きみのような人は、”たから”なのさ」
といったことばを最後に、業平は静かに和本へと戻っていった。
「…………」
すると小町はとたんに無言になって、しまいにはさっさと廃屋へ入って行ってしまった。
──静寂。
夜闇にただよった沈黙が胸に刺さって、八郎の目頭が熱くなる。ぐっとこらえたその肩に高村の手が乗る。
「彼のことばは、心にはいるだろ」
「……ウン」
「そういうお人さ」
といった高村の足もとでクン、と文次郎がひと声鳴いた。
──。
────。
しばらくの立ち話ののち、高村は「いい加減に帰りなさい」と八郎の背を押した。
家に帰ったらラブシーンがあるかもしれない、と思うと、どうにも足が重くなるのだと八郎はいう。それを聞いた高村はケタケタとわらった。
「うぶやなあ」
「うるさいっ」
「文次郎ももうねむいって言ってるで、かわいそうやろが」
と高村がしゃがむと、文次郎はぐでっと身体を横たえた。腹を撫でろと言っているらしい。
それを見て、八郎は「ああ」とつぶやく。
「そういや、かんちゃんの前は文次郎が起きひんかったんよな。だいじょうぶか、文次郎」
「ワンッ」
「ああ、コイツはもう大丈夫。なあ文次郎、おまえ勇ましかったな」
と撫でくりまわす高村に、文次郎は仰向けのままくねくねと身体を揺らした。およそ勇ましさの欠片もない姿だが、夢のなかでなにがあったというのか。
最後に質問、と聞こうとした矢先のこと。
「おいハチ」
と、暗がりから声がした。
柊介だ。
「あれ、しゅう!」
「あれとちゃうわ。おまえいつまで外ほっつき歩いてんねん」
「え、いま何時」
「もうすぐ十時や」
どうやら、先生ひとりを送ってくるにしてはあまりにも遅いので、心配して探しにきたらしい。高村はそれを聞くやうしろでクックッと肩を揺らした。
そりゃそうだ。八郎がなかなか帰らない原因が柊介にあるのだから。しかし八郎は赤面して「シッ」と高村をぶった。
「なんや」
「なんでもない!」
即答した。
しかし、今どき男子高校生が夜の十時に外出しているからといって、こんなに心配されるものだろうか──とも思う。昔から、柊介はたいがい過保護なのだ。
「じゃあセンセ、帰る」
「八郎」
「え?」
「あした、六花についてちと調べに行くが──おまえも来るか」
「おっ、い、行くッ。ぜったい!」
と前のめりに返事をすると、高村はふふ、とうれしそうにわらってうなずいた。
しかし柊介は不服そうに「俺は?」と聞き返している。
「あ、せやな。あした環奈は学校やもンな」
「うッるせーなそういうことちゃうわッ。いまさらここまで関わって、なにがなんだかわからんまま終わるのがイヤなだけや!」
「わかったよしゅう、照れんなって。もう遅いんやから声抑えれ」
「…………チッ」
荒々しく舌打ちをした柊介と、それに対してケラケラとわらう八郎。
高村はひとり、じつは一部始終を見守っていた環奈の夢のなかでの出来事を思い出している。
──ヤロウッ。
と、ひときわ怒りをあらわにした柊介。
その理由を思えば、彼にとってこの刑部姉弟に対する愛情に差はないのじゃないかとも思う。
「おまえもかわええヤツやな、柊介」
「は?」
おっと、地雷だ。
高村は苦笑した。
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