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60、反応がない 斗真side
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レントゲン撮り終わって今は膝の上にいる。
もっと嫌がったり泣いたりすると思ったけど、ちゃんと先生の言うことを聞いていた。
「どうだった。」
透と先生が怪我について話している。
「やっぱり肩の骨はヒビが入ってるね、でもちゃんと治療してなかったから結構酷い状態だね。ギブスして安静にしてたら1ヶ月くらいで完治すると思うよ。
鎮痛剤出しとくね。」
「そっか、結構腫れてるもんな…」
「あと、透くんが気にしてた脚の骨折なんだけど綺麗に治ってたよ。でもな…他にも骨折の痕がいくつかあるんだよね…」
「まじか…斗真も見るか?」
「う、うん、」
奏くんを抱いたままレントゲンを見る。
丁寧に先生に説明してもらった。
「辛かったね。」
先生が奏くんの背中を撫でるとビクッっと肩が上がった。
「あ、ごめんね。びっくりしたね。湿布貼ってギブスしようか。」
上の服を脱がすと目を瞑って強ばる。
怖いんだろうな、頭を優しく撫でる。
「できたよ。今日はこれで終わりです。薬出すのでちょっと待っててくださいね。」
そう言って先生は部屋を出ていった。
その間に奏くんの服を着替えさせる。
「奏くん、終わったよ。服着替えようね。」
「奏くん頑張ったな。」
「そうだな。」
透と話しながら奏くんの服を着替えさせる。
抱き直して背中を撫でる。
いつも撫でたりトントンしたりしてるけど痛いのかな。
今更だけど奏くんの痛みが気になっていつもより優しく頭を撫でる。
「持ってきたよ、」
薬やこれからの事を教えてもらって今日は帰ることにした。
奏くんはずっと俺の胸に顔を押し付けている。
「奏くん、終わったから帰ろうね。」
さっきから話しかけても反応がない。
「先生、ありがとうございました。」
「いえいえ、奏くんすっごい頑張ったんでたくさん褒めてあげてくださいね。」
「はい。ありがとうございます。」
「では、お大事に。奏くんまたね。」
奏くんは先生を見ずに俺の胸にずっと顔を押し付けたままだ。
お礼を言って診察室を出る。
「透もありがとな。」
「俺はなんもしてね~よ。
それより奏くん大丈夫か?」
「うん、さっきからずっと動かないんだ。起きてると思うんだけど、」
「泣いてるか?」
「いや、泣いてない。」
「ちょっとヤバいかもな…」
「俺の部屋で休ませよう。」
透の診察室に入ってベッドに寝かせようとしたけど、俺の服を握りしめていて離れてくれない。
「一緒に横になってやんな。初対面の人にたくさん触られて心がいっぱいになっちゃったんだな。
斗真で安心できるならとことん安心さしたれ、」
「俺で安心できるのか?」
「安心できるから離れないんだよ。
俺は席外すから話しかけたり触ったりしたり。一緒に寝ててもいいからな。
じゃ、1時間くらいしたら起こしに来るから。なんかあったら電話して」
ベットの周りのカーテンを閉め、枕元に奏くんが持っていたくまのぬいぐるみを置いて部屋を出ていった。
もっと嫌がったり泣いたりすると思ったけど、ちゃんと先生の言うことを聞いていた。
「どうだった。」
透と先生が怪我について話している。
「やっぱり肩の骨はヒビが入ってるね、でもちゃんと治療してなかったから結構酷い状態だね。ギブスして安静にしてたら1ヶ月くらいで完治すると思うよ。
鎮痛剤出しとくね。」
「そっか、結構腫れてるもんな…」
「あと、透くんが気にしてた脚の骨折なんだけど綺麗に治ってたよ。でもな…他にも骨折の痕がいくつかあるんだよね…」
「まじか…斗真も見るか?」
「う、うん、」
奏くんを抱いたままレントゲンを見る。
丁寧に先生に説明してもらった。
「辛かったね。」
先生が奏くんの背中を撫でるとビクッっと肩が上がった。
「あ、ごめんね。びっくりしたね。湿布貼ってギブスしようか。」
上の服を脱がすと目を瞑って強ばる。
怖いんだろうな、頭を優しく撫でる。
「できたよ。今日はこれで終わりです。薬出すのでちょっと待っててくださいね。」
そう言って先生は部屋を出ていった。
その間に奏くんの服を着替えさせる。
「奏くん、終わったよ。服着替えようね。」
「奏くん頑張ったな。」
「そうだな。」
透と話しながら奏くんの服を着替えさせる。
抱き直して背中を撫でる。
いつも撫でたりトントンしたりしてるけど痛いのかな。
今更だけど奏くんの痛みが気になっていつもより優しく頭を撫でる。
「持ってきたよ、」
薬やこれからの事を教えてもらって今日は帰ることにした。
奏くんはずっと俺の胸に顔を押し付けている。
「奏くん、終わったから帰ろうね。」
さっきから話しかけても反応がない。
「先生、ありがとうございました。」
「いえいえ、奏くんすっごい頑張ったんでたくさん褒めてあげてくださいね。」
「はい。ありがとうございます。」
「では、お大事に。奏くんまたね。」
奏くんは先生を見ずに俺の胸にずっと顔を押し付けたままだ。
お礼を言って診察室を出る。
「透もありがとな。」
「俺はなんもしてね~よ。
それより奏くん大丈夫か?」
「うん、さっきからずっと動かないんだ。起きてると思うんだけど、」
「泣いてるか?」
「いや、泣いてない。」
「ちょっとヤバいかもな…」
「俺の部屋で休ませよう。」
透の診察室に入ってベッドに寝かせようとしたけど、俺の服を握りしめていて離れてくれない。
「一緒に横になってやんな。初対面の人にたくさん触られて心がいっぱいになっちゃったんだな。
斗真で安心できるならとことん安心さしたれ、」
「俺で安心できるのか?」
「安心できるから離れないんだよ。
俺は席外すから話しかけたり触ったりしたり。一緒に寝ててもいいからな。
じゃ、1時間くらいしたら起こしに来るから。なんかあったら電話して」
ベットの周りのカーテンを閉め、枕元に奏くんが持っていたくまのぬいぐるみを置いて部屋を出ていった。
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