こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

神娘

文字の大きさ
61 / 760

61、どこ? 奏side

しおりを挟む
真っ暗…目を開いても…真っ暗…

そうだ…病院に来て…

診察を受けてたんだ…
でも途中から頭がぼーっとして、それでどうしたんだっけ…

「奏くん、大丈夫だよ。大丈夫、大丈夫、」

この声…斗真さん?

斗真さんの声が聞こえる。

ゆっくりと声の方を見ると斗真さんがにっこりと笑ってくれた。

斗真さんだ。

斗真さんがそばにいてくれてると思った途端色んな感覚が一気に感じ取れるようになった。

ここどこ?キョロキョロ辺りを見渡すとベッドに横になってることが分かった。
周りは卵色のカーテンで囲まれている。

「診察はもう終わったよ。頑張ったね。」

斗真さんの優しい手が僕の頭を撫でてくれる。

診察終わったんだ…

じゃあ…帰りたい……

「ん?どうした?」

「帰る…帰る…」

「うん、そうだね。帰ろうか、その前に透に奏くん起きたよって伝えてもいい?」

コクリ

透さんに電話したらすぐに来てくれた。

「奏くんおはよ~体調はどう?」

斗真さんの膝に乗って透さんをじっと見つめる。

「お!その目は元気そうってより帰りたいっていう目だね笑
ちょっとだけ触らせてね~」

透さんは僕の首に手を当ててじっとしている。
何してるの?

「よし、大丈夫。帰って良いよ~」

「今日は本当にありがとう。」

「おう!奏くん、斗真の言うこと聞いてたら痛いの全部治るからね。一緒に頑張ろうね。」

痛いの治る…
痛みがないことは怖いこと…だけど…肩の痛みが少し減るなら…少し楽になるかな…

何をしてても痛くて少し動いただけで痛くて動きたくなくなっちゃうから…

「治ったら斗真にいっぱいぎゅーしてもらえるぞ~」

斗真さんにいっぱいぎゅーしてらえるの?
ほんと?

斗真さんの顔を見る。

「いっぱいしてあげるよ。」

いっぱい…いっぱい斗真さんのぎゅーしてほしい。

「頑張れそうか?」

コクリ  コクリ

「よし!じゃあ一緒に頑張ろうな。」

コクリ
頑張る。
しおりを挟む
感想 68

あなたにおすすめの小説

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

月弥総合病院

僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

ふたなり治験棟 企画12月31公開

ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。 男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!

たとえば、俺が幸せになってもいいのなら

夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語――― 父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。 弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。 助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

鬼ごっこ

ハタセ
BL
年下からのイジメにより精神が摩耗していく年上平凡受けと そんな平凡を歪んだ愛情で追いかける年下攻めのお話です。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

処理中です...