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82、関わり 斗真side
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綺麗と言われたのが嬉しかったのかさっきからずっと細くてさらさらな髪を触りながら「綺麗」と呟いている。
その姿が可愛くて頭を撫でながら「綺麗だよ。」と、囁く。
「奏くんご飯どうする?みんなはハンバーグにしようと思ってるんだけど」
母さんが入ってきた。
「どうする?俺らと同じの食べる?」
コクリ
さっきまで話せてたのに母さんが入ってきた途端口を開かなくなる。
「じゃあ、用意するね。」
「ありがとう」
「できるまでゆっくりしてね~」
母さんが部屋を出ようとしたら奏くんが立とうとした。
もしかして、
「奏くんどうしたの?母さんについて行くの?」
コクリ コクリ
「あら、もしかしてお手伝いしてくれるの?」
コクリ
母さんの問に深く頷き母さんの後ろを着いて行った。
奏くんから人に関わろうとしている姿を見て嬉しくなる。
できることなら家族とは仲良くなれたらいいな。
俺はカウンターから奏くんを見守ることにした。
「え~何手伝ってもらおうかな~お料理はしたことある?」
コクリ
「へぇ~!すごいわねぇ、どんなことできるかな。」
すると包丁を指さした。
「包丁使えるの?」
コクリ コクリ
「すごいわねぇ~じゃあサラダに使うキュウリ切ってもらおうかな。こうやって、この形に切ってほしいんだけどできる?」
コクリ
「指切らないように気をつけてね、ゆっくりでいいからね。」
コクリ
母さんはハンバーグを作りながら心配そうに奏くんが切るのを見ている。
それにしてもキュウリの千切りっていきなり難易度高くないか?
っと思ったが、奏くんの包丁さばきは想像以上だった。
あっという間に切り終えた。
「「上手だね…」」
2人とも黙って見入ってしまっていた。
「すごいわ!奏くん上手!じゃあ次にんじんも同じ形に切れる?」
コクリ
褒めてもらって表情が緩む。嬉しかったんだな。
にんじんも難なく切り終え、次の指示をじっと待っている。
「速いし綺麗だし、奏くん良い仕事するわね!」
母さんに頭を撫でてもらい初めはびくりと肩が上がったが次第に力が抜けていき穏やかな表情で母さんを見つめる。
「じゃあ次はハムを切ってくれる?それで切るのは終わりね。」
コクリ
「じゃあそれを全部混ぜ合わせてゴマだれかけて混ぜ混ぜしてくれる?」
コクリ
一生懸命混ぜる姿に子どもらしさを感じ自然と頬が緩んでしまう。
「混ざった?味見してみて、」
さっきまでテキパキ動いていた奏くんがピタりと止まってしまった。
「どうした?一口食べてみな、」
困った表情で俺を見つめる。
「じゃあ、2人で味見してみて、」
少量のサラダを乗せた小皿を奏くんと俺に渡される。
自分が作った物だから薬とかは入ってないのは分かると思うけど、
「うん!美味しいよ。味付けも丁度いい」
「そう、良かった~奏くんも美味しいかどうか食べてみて」
「どうした?食べていいよ。野菜苦手か?」
フルフル
ゆっくりと口を開ける。
モグモグ ゴクン
「どう?美味しい?」
コクリ
「そっか~良かった~奏くんが上手に作ってくれたからだね」
「切るのすごい上手かったもんな。びっくりした。
どうした?味見したの初めてでびっくりした?」
コクリ
「そっか、美味しくできて良かったね。」
コクリ コクリ
あれだけ包丁を上手く使えるってことは、今まで料理はしてたんだろうな。
でも奏くんはご飯を食べることに抵抗がある。
それに今まではにんじんの皮とかを食べていた…
そういうことか、料理をして出た生ゴミを奏くんは食べていた。
だから、作ってそれを食べるってなって戸惑ったのか。
はぁ、
なんだか無性に奏くんを抱きしめたい。
ダメだダメだ今は料理中、
我慢しろ自分、
ふー、
その姿が可愛くて頭を撫でながら「綺麗だよ。」と、囁く。
「奏くんご飯どうする?みんなはハンバーグにしようと思ってるんだけど」
母さんが入ってきた。
「どうする?俺らと同じの食べる?」
コクリ
さっきまで話せてたのに母さんが入ってきた途端口を開かなくなる。
「じゃあ、用意するね。」
「ありがとう」
「できるまでゆっくりしてね~」
母さんが部屋を出ようとしたら奏くんが立とうとした。
もしかして、
「奏くんどうしたの?母さんについて行くの?」
コクリ コクリ
「あら、もしかしてお手伝いしてくれるの?」
コクリ
母さんの問に深く頷き母さんの後ろを着いて行った。
奏くんから人に関わろうとしている姿を見て嬉しくなる。
できることなら家族とは仲良くなれたらいいな。
俺はカウンターから奏くんを見守ることにした。
「え~何手伝ってもらおうかな~お料理はしたことある?」
コクリ
「へぇ~!すごいわねぇ、どんなことできるかな。」
すると包丁を指さした。
「包丁使えるの?」
コクリ コクリ
「すごいわねぇ~じゃあサラダに使うキュウリ切ってもらおうかな。こうやって、この形に切ってほしいんだけどできる?」
コクリ
「指切らないように気をつけてね、ゆっくりでいいからね。」
コクリ
母さんはハンバーグを作りながら心配そうに奏くんが切るのを見ている。
それにしてもキュウリの千切りっていきなり難易度高くないか?
っと思ったが、奏くんの包丁さばきは想像以上だった。
あっという間に切り終えた。
「「上手だね…」」
2人とも黙って見入ってしまっていた。
「すごいわ!奏くん上手!じゃあ次にんじんも同じ形に切れる?」
コクリ
褒めてもらって表情が緩む。嬉しかったんだな。
にんじんも難なく切り終え、次の指示をじっと待っている。
「速いし綺麗だし、奏くん良い仕事するわね!」
母さんに頭を撫でてもらい初めはびくりと肩が上がったが次第に力が抜けていき穏やかな表情で母さんを見つめる。
「じゃあ次はハムを切ってくれる?それで切るのは終わりね。」
コクリ
「じゃあそれを全部混ぜ合わせてゴマだれかけて混ぜ混ぜしてくれる?」
コクリ
一生懸命混ぜる姿に子どもらしさを感じ自然と頬が緩んでしまう。
「混ざった?味見してみて、」
さっきまでテキパキ動いていた奏くんがピタりと止まってしまった。
「どうした?一口食べてみな、」
困った表情で俺を見つめる。
「じゃあ、2人で味見してみて、」
少量のサラダを乗せた小皿を奏くんと俺に渡される。
自分が作った物だから薬とかは入ってないのは分かると思うけど、
「うん!美味しいよ。味付けも丁度いい」
「そう、良かった~奏くんも美味しいかどうか食べてみて」
「どうした?食べていいよ。野菜苦手か?」
フルフル
ゆっくりと口を開ける。
モグモグ ゴクン
「どう?美味しい?」
コクリ
「そっか~良かった~奏くんが上手に作ってくれたからだね」
「切るのすごい上手かったもんな。びっくりした。
どうした?味見したの初めてでびっくりした?」
コクリ
「そっか、美味しくできて良かったね。」
コクリ コクリ
あれだけ包丁を上手く使えるってことは、今まで料理はしてたんだろうな。
でも奏くんはご飯を食べることに抵抗がある。
それに今まではにんじんの皮とかを食べていた…
そういうことか、料理をして出た生ゴミを奏くんは食べていた。
だから、作ってそれを食べるってなって戸惑ったのか。
はぁ、
なんだか無性に奏くんを抱きしめたい。
ダメだダメだ今は料理中、
我慢しろ自分、
ふー、
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