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161、理解していなかった。 斗真side

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奏くんが思ってることを知った。

嫌われたくない。そう願う奏くんは辛そうで俺の心まで押し潰されそうで涙を抑えられなかった。

こんなに近くにいたのに奏くんの辛さを全く理解していなかった。
透には叶わないと思うけど少しでも奏くんの気持ちに寄り添いたい。

「2人とも目真っ赤だな、ほら、これ当てときな。」

ピタッと俺たちの目元にホットタオルを乗せてくれる。

奏くんは一瞬ビックっと体を強ばらせたが俺がタオルを当てているのを見て、ゆっくりと目にタオルを当てた。


「っ!ゃっ!」
俺の上に仰向けにしようとしたが、やっぱり抵抗された。仰向けはまだ難しいか。

ベッドに横になって向き合った。

腕枕をしてお互いのお腹をひっつける。
安心したのか体の力が抜けていった。
泣き疲れてるだろうしこのまま寝かせようかな。

背中をリズム良く叩く。
やっぱり疲れていたのか5分も経たないうちに寝息に変わった。

「斗真も寝ていいよ。」

「俺はいいや、今はこうやって奏くんの寝顔を見ていたい。」

「そうか、」

少しでも離れようとすれば小さな手が俺の服を掴む。

「ここにいるよ。大丈夫、大丈夫、」

座ろうと思ったが、奏くんの手を見て奏くんが起きるまでこうしていようと思った。
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