こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

神娘

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183、病院行こ? 透side

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斗真と奏くんがリビングを出てからもう2時間くらい経った。

寝てんのかな?

特にやることもなくぼーっとテレビを見る。

そろそろ様子見に行くか、
斗真の部屋の前まで来たが中の声は聞こえない。
やっぱり寝てるのか?

起こすのは悪いけど…

ノックだけして反応無かったら戻ろう。

コンコン、

「はーい、」

ガチャ
「どした?」

ん?鍵閉めてた?珍しいな、

「いや、様子見に来ただけ、」

「そっか、大丈夫だよ。」

斗真はいつも通りだけど奏くんは耳まで真っ赤にして俯いている。

こりゃ何かあったんだろうけどそっとしとこう。

「大丈夫なら良かった。じゃあ俺はリビングにいるな。
あ、そうだ。病院行ける日決まったらまた教えて。」

「分かった。奏くん昨日病院行くの嫌がったんだよな?」

「んー、まぁな、もう1回聞いてみるか?」

「うん、   
奏くん、あのね、怪我の様子を診たいって優咲先生が言ってるんだけど病院行ける?」

「………」

斗真から言われたらちょっと変わるか持って思ったが、奏くんは黙ったまま俯いてしまった。

「痛いことはしないよ?治ってるかな?って診てもらうだけ、」

痛くないことを伝えても反応は変わらない。

「………痛い…ない…病院…行かなくても大丈夫…」

痛くないわけないだろ…
肩はまだ赤紫色で腫れている。
肩以外も酷い傷はいくつもある。

「病院怖い?」

「………こわい…ない…」

「前みたいに斗真がずっと傍にいてくれるよ?」

「痛いない!痛いない!っ!…っっっはっ…はっ…」

急に大きい声を出したかと思ったら過呼吸を起こした。

「大丈夫、大丈夫、ゆっくり息しようねー、ゆっくりー、そう吸ってー、吐いてー、そう、吸ってー、吐いてー、上手上手、」

「はっ…はぁはぁはぁ…いたい゛…ない…いたい…ない…はぁはぁ…」

「分かった、分かったよ、大丈夫、大丈夫、」

斗真が過呼吸を治そうとしている間、何度も痛くないことを主張した。
前回の病院がよっぽど嫌だったのか…

心は此処でも治せるが、骨折とかの外傷は病院じゃないと治療できないしな……
かといって、無理強いして余計病院を嫌いになられてもな…ストレスになるだろうし…

「透の病院って犬いなかったっけ?」

「犬?…いるけど…?」

動物介在療法を取り入れていて、動物の力を借りて精神的・肉体的な治療をするため、犬は数頭病院にいる。
が、なんで急に犬の話なんだ?

「その犬って会える?」

「うん、まぁ、会えるけど?」

「奏くん、犬に会いに行こ?」

「…犬?」

「そ、犬、わんちゃん、会いたくない?」

「会えるの?」

「会えるよ!会いたい?」

コクリ
「会いたい」

「でもそのわんちゃん、病院に住んでるんだって、」

「病院……」

「病院に頑張って行って、わんちゃん触りに行こ?」

「触っていいの?」

「いいよ~奏くん犬好き?」

「好き…?かも?」

会ったことないから好きかどうかなんて分かんないよな。
でも明らかさっきとは反応が変わっている。

「病院にわんちゃんに会いに行こうか、」

コクリ
「行きたい!」

「よし!じゃあいつがいいかな~?」

「今から!」

「「今から?」」

ノリノリになってくれたのは嬉しいけど優咲の予定が空いてるか…

「聞いてくる笑」

「ありがとう」





プルルルル、

「はい、佐藤です。」

「あ、小林です。」

「透?!どうした?」

「実はお願いがあって、急なんだけど奏くんの診察今からできたりする?」

「今からですか?!ちょっと待ってくださいっ…1時間後ならいけます!体調悪いんですか?」

「いや、体調は変わりなさそうなんだけど、病院行くの嫌がってたんだけど犬に会えるよって言ったら食いついて今から行きたいって」

「なるほど、犬ですか、じゃあ奏くんが来る時間に合わせて犬と診察室で待ってますね。」

「助かる。ありがとう。じゃあ1時間後行くわ。」

「はーい、お待ちしてまーす!」



犬の準備もしてくれるのか、良かった。
奏くんの気が変わらないうちに伝えなきゃ。

ガチャ
「奏くん、今日犬に会えることになったよ~」

「良かったねぇ」

目をキラキラさせている。
病院を嫌がってた姿からは想像できないな笑
犬とそれを提案してくれた斗真に感謝だな。

「1時間後だからゆっくり準備しだそうか、」

「透、ありがとな。」

「いや、今回は完全に斗真のおかげだよ。俺だけだったら説得できなかった。ありがとう。」

見つめ合ってふふっとお互い笑みを零した。
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