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323、美香さんとお話 奏side

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「斗真はどうして怒ったんだろう。」

「それは…僕が迷惑かけるから…」

「迷惑?吐いたことが?」

「…全部……吐いたことも起こしたことも…」

「そっか、うーん、斗真が怒ってるって言ったの?」

フルフル
「言ってない…けど…怒ってる…」

「怒ってるのに優しかったの?」

……コクリ
「僕が悪いから…僕が…僕が…」

「そっか、自分のこといっぱい責めちゃったんだね。ほらほら、そんなに腕掴んだら痛くなっちゃうよ。」

ッ!

「あら、…辛かったね。」

袖を捲られ傷痕を見られた…
怒られると思ったが何故か頭を撫でられた。

「冷やそうか、ここ当てておける?」

コクリ
冷たい物を歯型に当てる。
思っていた以上に痕が赤くなっていた。

「完璧にならなくてもいいんだよ。子どものうちは大人に迷惑かけるくらいが丁度いいんだよ。大人はねそれを迷惑じゃなくてお世話するって言うんだよ。」

「おせわ…?」

「そ、お世話。大人はね可愛い子のお世話をするのが大好きなの。だから、迷惑をかけないようにするんじゃなくて、可愛くなるよう頑張ってみたらどうかな?」

「可愛く…できない……」

「奏くんならできるよ。もう可愛いんだけどね笑」

「………何したらいいの?」

「甘えたらいいんだよ。」

「甘える…」

「そ、甘える。例えば、抱っこしてほしい。とか、そばにいてほしいとか、…うーん、奏くんがやりたいことを伝えたり、奏くんの気持ちを伝えたりかな。」

「気持ち……斗真さん好き」

「そうそう、そう言うのを言葉にして伝えたら可愛いって思ってもらえるよ。」

コクリ
「伝える。可愛い…なる……」

なれるかな…十分斗真さんには甘えてたつもりだけど…もっと…もっと甘えたら斗真さんに可愛いって思ってもらえるかな?
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