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331、家での生活 斗真side
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奏くんが今まで家でどうやって過ごしてきたのか知らないことがまだまだある。
ご飯は生ゴミで寝る時は布団はなかった。そのくらいしか知らない。
親が自分で遊ぶか……
奏くんが言ってるその遊びって多分奏くんのことを傷付ける行為のことなんだろうな…
いくらその行為が痛くて辛いものでも奏くんにとっては唯一の親との関わり…正しい愛を知らない奏くんにとってそれは当たり前の光景だったんだろうな……
そう考えるだけで胸が傷んだ。
暴力は毎日あったんだろうか、体の傷は親から付けられたのか、それとも客から付けられたのか……
その両方か……
アザや切り傷、火傷、骨折治るまでまだ時間がかかる。傷痕が残るものだってあるだろう。
奏くんがこの傷を見る度に辛い思い出を思い出すのか…
体は解放されても記憶に縛られ続けるのか……
「……斗真さん??」
「ぁ……ん??どうした?」
「……痛い?」
「え?」
奏くんが俺の頭を撫でてそう言った。
「痛くないよ?どうして?」
「痛い……どこ?頭?お腹?それとも…」
心配そうな顔をして俺の体を優しく触る。
「……ここが痛い。」
平気なフリをしようとしたが、俺も奏くんに気持ちを伝えると決めたから正直に言うことにした。
「胸?……よしよし…あっ、僕の胸の音聞く?」
「胸の音?聞いたら痛くなくなるの?」
コクリ
「僕は斗真さんの胸の音聞いたら痛いなくなる…あ、……ここ開けてもいい?」
「そっか、 いいよ。」
奏くんはクローゼットを開け、俺の服を1着ずつ匂っていく。
「これっ!これ匂って、」
「ありがと。」
「斗真さんの匂い、痛いのなくなる。」
クローゼットから1着持ってきてくれた。
でも、自分の匂いより俺は奏くんの匂いの方が好きかな。
「奏くんおいで、」
??…コクリ……っ!
優しくベッドに倒し、奏くんの胸に頭を置いた。
いつも奏くんがしてるように胸に耳を当てた。
確かに奏くんが言うように鼓動を聞いていると落ち着く気がした。
「しんどい??」
「うーうん、大丈夫だよ。奏くんの胸の音聞いてたら痛くなくなってきた。」
「斗真さんの匂いも、」
俺の服を顔に当てられる。
「奏くんの匂いの方がいい。」
「っ!ぇ……っ、」
抱きしめ首元の匂いを嗅ぐとビックリして手足をジタバタさせたが匂いを嗅いでることが分かると全身の力が抜けていった。
「……臭い…?」
「うーうん、いい匂いだよ。落ち着く。」
「ほんとに?」
「本当だよ。落ち着く匂い。」
そういえば奏くんは体臭を気にしてたな…
「奏くんが落ち着くって言ってたのが分かるわー、」
「よしよし、」
「ありがと、寝ちゃいそう。」
「寝てもいいよ。」
俺がいつも奏くんにするように俺の頭を優しく撫でてくれる。
ご飯は生ゴミで寝る時は布団はなかった。そのくらいしか知らない。
親が自分で遊ぶか……
奏くんが言ってるその遊びって多分奏くんのことを傷付ける行為のことなんだろうな…
いくらその行為が痛くて辛いものでも奏くんにとっては唯一の親との関わり…正しい愛を知らない奏くんにとってそれは当たり前の光景だったんだろうな……
そう考えるだけで胸が傷んだ。
暴力は毎日あったんだろうか、体の傷は親から付けられたのか、それとも客から付けられたのか……
その両方か……
アザや切り傷、火傷、骨折治るまでまだ時間がかかる。傷痕が残るものだってあるだろう。
奏くんがこの傷を見る度に辛い思い出を思い出すのか…
体は解放されても記憶に縛られ続けるのか……
「……斗真さん??」
「ぁ……ん??どうした?」
「……痛い?」
「え?」
奏くんが俺の頭を撫でてそう言った。
「痛くないよ?どうして?」
「痛い……どこ?頭?お腹?それとも…」
心配そうな顔をして俺の体を優しく触る。
「……ここが痛い。」
平気なフリをしようとしたが、俺も奏くんに気持ちを伝えると決めたから正直に言うことにした。
「胸?……よしよし…あっ、僕の胸の音聞く?」
「胸の音?聞いたら痛くなくなるの?」
コクリ
「僕は斗真さんの胸の音聞いたら痛いなくなる…あ、……ここ開けてもいい?」
「そっか、 いいよ。」
奏くんはクローゼットを開け、俺の服を1着ずつ匂っていく。
「これっ!これ匂って、」
「ありがと。」
「斗真さんの匂い、痛いのなくなる。」
クローゼットから1着持ってきてくれた。
でも、自分の匂いより俺は奏くんの匂いの方が好きかな。
「奏くんおいで、」
??…コクリ……っ!
優しくベッドに倒し、奏くんの胸に頭を置いた。
いつも奏くんがしてるように胸に耳を当てた。
確かに奏くんが言うように鼓動を聞いていると落ち着く気がした。
「しんどい??」
「うーうん、大丈夫だよ。奏くんの胸の音聞いてたら痛くなくなってきた。」
「斗真さんの匂いも、」
俺の服を顔に当てられる。
「奏くんの匂いの方がいい。」
「っ!ぇ……っ、」
抱きしめ首元の匂いを嗅ぐとビックリして手足をジタバタさせたが匂いを嗅いでることが分かると全身の力が抜けていった。
「……臭い…?」
「うーうん、いい匂いだよ。落ち着く。」
「ほんとに?」
「本当だよ。落ち着く匂い。」
そういえば奏くんは体臭を気にしてたな…
「奏くんが落ち着くって言ってたのが分かるわー、」
「よしよし、」
「ありがと、寝ちゃいそう。」
「寝てもいいよ。」
俺がいつも奏くんにするように俺の頭を優しく撫でてくれる。
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