ゴドウィン校のヴァンパイア達~望まぬ転生~

【38話】従順な玩具

「も、死んじゃ···っ」

「食い殺すっつったろ」


手首を舐め上げた赤い舌から、鋭利な牙が覗く。次の瞬間、それが動脈へ突き立てられた。


「あぁ♡」


ありえないくらい大きく脈打った奥へ白濁を注ぎ込まれる。
長く続く射精を、強制的に全て受け止める。尻の奥は味わうように襞の波をたてた。


「ふ、うぅ·····♡」


射精を終えると、凶器的なペニスはいくらかゆっくりと動き出す。
ナカを舐めるように動く熱のおかげで、形や脈までが腹の中で確認できるようだった。

自由になった両手をベッドに押し付けられ、千秋は完全に開けた視界の先にユランを捉える。
ギシギシと軋むベッドの音と、忙しなく響く、粘ついた水の音。
こちらを見下ろす美形なヴァンパイアの真紅には、グロテスクな熱が灯されていた。

視線が絡み合うと耐えきれぬほど恥ずかしい。
千秋は喘ぎながら視線を逸らした。


「目、逸らすな」


卑猥に鳴る水音と共に、千秋をおかしくする声が加わる。


「自分から股開いて強請ったのは、お前だろ？」

「あ·····っ♡」


抜けそうなほど引き抜かれたそれが、再びゆっくりと奥まで突き刺される。


「あぁぁぁ·····っ♡」

「イけよ」


一層低くなった声に、千秋の身体が繰り返し仰け反る。
絶頂を予感して、足の先は面白いくらいにぴんと伸ばされた。


「またイくのか？」


少しずつ早くなってゆくピストンに合わせ、玩具は従順に鳴く。


「あ、あ♡はぁっ♡あん♡あっあっあ、あっ♡」


ベッドへ押さえつけた両手が小刻みに震え出した。
突き出された胸の突起は、ぷるぷると自身の存在を主張する。
溢れる涙は酷く甘そうで、唇は寂しげに半開きする。
千秋がそれを誤魔化すように指を柔く噛んだ。

近づいてきたユランの舌に、涙はそっと掬い取られた。


「！」


反射的にまぶたを閉じた時、吐息が鼻の先で感じられた。
喘ぎが漏れる唇は、食べるように塞がれた。


「んっ！？っ····ん、ふ·····♡んぅん···♡」


何度も角度を変え、ねっとりと口内を蹂躙される。
全身が骨抜きになるみたいだ。


「んっ···♡んぅぅ·····」


両手を押さえつけていた手が離れてゆく。
キスをしたまま、それは易しく内腿を撫で続けた。

所々触れられた噛み傷は痛みとともに快楽を生み出す。
何度も奥へ侵入してくる硬い肉棒を締め付けて、どちらのものかも分からぬ唾液を飲み込む。

" 家畜なんかとキスできるかよ "


「ん·····♡」


口内を味わうように執拗なディープキスだった。
鼓動が苦しいのも、媚薬成分のせいなのだろうか。

蕩けた脳内でこれ以上思考することは出来なかった。
千秋はただ、彼に与えられる罰を甘受していた。