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〖115〗愚か
しおりを挟む「エドワード·····」
シオンは彼の名前をつぶやく。
狐みたいな目の端が、少し高揚している。
「ほんもの·····?」
「·····あ?」
そうだ、こんなに意地悪で妖しい美男は、エドワードの他にいない。
彼は探しに来てくれた。
利用するためだとしても、まだ必要とされている。
初めて他人に望まれたのが、ディアゼルという場所だった。
いつかは、彼らの一員になれるだろうか。
なりたい。
そう思った。
「嬉し·····っ」
ピンク味をおびた癖毛が揺れる。
シオンはそっと吐息を漏らした。
聞こえてきたのは、大きな舌打ちだった。
「·····ああ、クソ·····糞が·····」
大きな手はシオンの頭上を押さえつけた。
体の芯がくねる事を許されない。
真っ直ぐの身体に、狂気そのものが打ち付けられる。
「あ"·····~~~っ♡」
「こんなふうに無理矢理犯されても、"嬉しい"って?」
ガツガツと奥をえぐる衝撃に拒絶も許されない。
引き抜く瞬間めくれる内襞が、押し込まれる鉄棒に吸い付いては、擦られ腫れ上がった。
「なら、初めから·····」
生意気にもイキ方を覚えた腹が、気持ちよさそうにうねる。
「あぁ♡だめっ♡だめ♡あっ♡あっ、あ♡あん"っ♡」
───弱者は愚かだ。
生きていることすら忌々しい、卑しい存在だ。
生き残るためには男に股を開いて、ただれた甘声で男を悦ばせる。
"嬉しい"、"気持ち良い"、"愛してる"。
そうやって権力と色欲に溺れた女から生まれたのが、この自分だった。
「ん"·····っ、♡!、?」
シオンが声を抑えるように、息を止める。
「手伝ってやるよ」
おかしくてたまらない。
エドワードはシオンの口を押さえつけた。
ぎゅうう、と、内肉が締まる。
思わず、笑い声がこぼれてしまった。
「あ~、締まる締まる」
ねじるようにして、絡みつく膜を擦ってやる。
泡立った結合部から激しい水音が響くたび、意思と裏腹にどうしようもなく昂った。
「上の口閉じたとこで、マ○コがうるせえんだよ(笑)」
初めから大嫌いだった。
淫らに蹂躙されてもなお、身の程もわきまえず喚いたり説教じみたことを言ったり、料理なんかをしてみせたり。
ほかの弱者と同じように、ただ強者に媚びて、股を開けと言われたら開き、言うことを聞いていれば良かったのだ。
初めからそうしていれば、今その台詞を聞いても、狂いそうなほど苛立つなんてことは無かった。
結局こいつも、他の雌犬と同じだ。
それを知っても尚、興奮は冷めやらない。
エドワードは殴りつけるようにしてシオンを犯し続けた。
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