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18 俺の生き甲斐、肉!!
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「いっ、いや! それより早く飯食え! 早く食って肉にしろ!」
「はぁ? 食ってすぐに肉になる位なら苦労しねぇわ!! 手の軟膏は塗らなくて良いのかよ、お前が言い出したんだろ!? おっむぐ!!」
迫って来るアルフに尻込みする俺に、アルフは問答無用でサンドウィッチを取り出すと俺の口に突っ込んで来た。
あんまりにもあんまりな仕打ちにイラッとしたものの、突っ込まれたものはしょうがない。もっぐもっぐと口の中のサンドウィッチを咀嚼する。
やっぱり、アルフの持って来る飯は美味え。これが残り物だってんだから建物内の使用人達は普段からどんだけ良いもん食ってんだよ、って感じだ。
アルフの訳分からん暴走には参ったけど、美味いもんを食っちまうと、どうでも良くなっちまう。
何とか口いっぱいに突っ込まれたサンドウィッチは飲み込んだけど、少しソースと具がこぼれてしまった。胸元から腹にボタボタ、と落ちて服を着て無くって良かったけど、もったいねぇ。
ま、食うけどね。だって、ソースは諦められるけど、具の肉は諦め切れねぇ。だって今日の肉、ステーキ肉だぞ? しかも脂身の超美味そうな所が落ちたんだ。絶対食う!
浮き出た肋骨に引っかかってる肉の欠片を摘まみ取ろうと伸ばした手がアルフによって阻まれる。
「ああ? あにすんだよ」
「お前、さっきまで汚ねぇ農具を洗ってただろうが」
また、出たよ。アルフの面倒くさいヤツ。
だけど、もう俺も慣れた。アルフの納得いく様にすりゃさっさと食えるんだ。
「じゃぁ、お前が取ってくれよ」
俺の汚い手で取らなきゃ良いんだから、アルフに取って貰えばいい。
ほら……と、アルフが取りやすい様に少し胸を突き出して肉を取ってくれるのをジッと待ってると、あろう事かアルフが身を屈め、腹から胸にかけてベロリとこぼれたソースを舐めて来た。
「ぎゃーっ! ばっか!! てめぇ、なにしてっ!」
「取ってやってんだろ」
「俺が言ってんのは肉だよ! 肉!! 誰がソース舐めろつったぁ!」
信じらんねぇ! 何考えてんだ、コイツ!? もしかして、いつもコイツの手に付いたソースまで舐め取ってた俺への当てつけか!?
いけ好かねぇ~~~!
アルフの頭をぶん殴ってやりたいけど、そんな事したら肉が落ちちまう。
肉の為だと思ってグッと暴れたいのを我慢して、俺の腹近くに顔を埋めたままのアルフを睨み付けて今度こそ肉を取ってくれるのを待つ。
なのに、この野郎。手じゃ無くって口に挟んで肉を取りやがった!
「俺の肉!」
別に小さな肉の欠片くらいって思うけど、滅茶苦茶食べる気でいた所を悪戯にかすめ取られるのはムカつく!
ぜってぇ、コイツには食わせねぇ!!
肉を咥えたアルフが顔を上げた瞬間、頭をわし掴んで逃げられない様にしてアルフの口から垂れた肉に食らい付く。食らい付くつっても歯を立てたら怪我しちまうから舌でペロッてすくってからチュッと吸い取ってやった、つもりなんだけど……
肉だけじゃ無くてアルフの舌まで口の中に入って来て、俺の口の中で暴れ始めた!!
「ンンっ! んぅぅ!!!」
アルフのヌルヌルした舌が俺の舌だとか上顎だとかをこそばして来るから涎垂れるし、苦しいしでアルフの頭を引き剥がそうとするけど、この野郎ビクともしない。
やっと舌が出て行ったと持ったら、今度は顎を舐めて来やがって、また口の中に舌が入って来た。口の中にソースの味が広がって、こぼしたソースを舌で掬い取って来たんだと気が付いたけど普通に食わせろ!
「んんぅ、ン、チュ、ぷはっ……はぁはぁ、は……ぁ」
苦しかった……しかも舌がなんかジンジンする。
「ドニー……」
いまだ顔の近いアルフが真面目な顔で何か言ってるけど、それより肉……肉、に、く……
「ああーっ! 肉ない! 口ン中に肉が無い! 飲み込んじゃったぁぁぁぁぁ! アルフのヴァカ!!」
「はぁああぁ?」
折角奪い返したと思った肉が口の中、どこを探しても見つからない。食ったにしても味わいたかったのに!
「てめぇ……肉の事しか頭にねぇのかよ……」
「アルフが肉取って意地悪したからだろ! 肉よこせ!」
アルフの手の中で少し潰れたサンドウィッチに齧り付く。今度はアルフより先に肉を取る!
「色気ねぇ……」
「あ?」
「黙って食え。今度、もっと分厚い肉食わしてやるよ」
「マジ! やったぁ!!」
「……はぁ~……」
アルフが空いた片手で頭を抱えて溜息を吐いてたけど、そんな事より今は肉!
「はぁ? 食ってすぐに肉になる位なら苦労しねぇわ!! 手の軟膏は塗らなくて良いのかよ、お前が言い出したんだろ!? おっむぐ!!」
迫って来るアルフに尻込みする俺に、アルフは問答無用でサンドウィッチを取り出すと俺の口に突っ込んで来た。
あんまりにもあんまりな仕打ちにイラッとしたものの、突っ込まれたものはしょうがない。もっぐもっぐと口の中のサンドウィッチを咀嚼する。
やっぱり、アルフの持って来る飯は美味え。これが残り物だってんだから建物内の使用人達は普段からどんだけ良いもん食ってんだよ、って感じだ。
アルフの訳分からん暴走には参ったけど、美味いもんを食っちまうと、どうでも良くなっちまう。
何とか口いっぱいに突っ込まれたサンドウィッチは飲み込んだけど、少しソースと具がこぼれてしまった。胸元から腹にボタボタ、と落ちて服を着て無くって良かったけど、もったいねぇ。
ま、食うけどね。だって、ソースは諦められるけど、具の肉は諦め切れねぇ。だって今日の肉、ステーキ肉だぞ? しかも脂身の超美味そうな所が落ちたんだ。絶対食う!
浮き出た肋骨に引っかかってる肉の欠片を摘まみ取ろうと伸ばした手がアルフによって阻まれる。
「ああ? あにすんだよ」
「お前、さっきまで汚ねぇ農具を洗ってただろうが」
また、出たよ。アルフの面倒くさいヤツ。
だけど、もう俺も慣れた。アルフの納得いく様にすりゃさっさと食えるんだ。
「じゃぁ、お前が取ってくれよ」
俺の汚い手で取らなきゃ良いんだから、アルフに取って貰えばいい。
ほら……と、アルフが取りやすい様に少し胸を突き出して肉を取ってくれるのをジッと待ってると、あろう事かアルフが身を屈め、腹から胸にかけてベロリとこぼれたソースを舐めて来た。
「ぎゃーっ! ばっか!! てめぇ、なにしてっ!」
「取ってやってんだろ」
「俺が言ってんのは肉だよ! 肉!! 誰がソース舐めろつったぁ!」
信じらんねぇ! 何考えてんだ、コイツ!? もしかして、いつもコイツの手に付いたソースまで舐め取ってた俺への当てつけか!?
いけ好かねぇ~~~!
アルフの頭をぶん殴ってやりたいけど、そんな事したら肉が落ちちまう。
肉の為だと思ってグッと暴れたいのを我慢して、俺の腹近くに顔を埋めたままのアルフを睨み付けて今度こそ肉を取ってくれるのを待つ。
なのに、この野郎。手じゃ無くって口に挟んで肉を取りやがった!
「俺の肉!」
別に小さな肉の欠片くらいって思うけど、滅茶苦茶食べる気でいた所を悪戯にかすめ取られるのはムカつく!
ぜってぇ、コイツには食わせねぇ!!
肉を咥えたアルフが顔を上げた瞬間、頭をわし掴んで逃げられない様にしてアルフの口から垂れた肉に食らい付く。食らい付くつっても歯を立てたら怪我しちまうから舌でペロッてすくってからチュッと吸い取ってやった、つもりなんだけど……
肉だけじゃ無くてアルフの舌まで口の中に入って来て、俺の口の中で暴れ始めた!!
「ンンっ! んぅぅ!!!」
アルフのヌルヌルした舌が俺の舌だとか上顎だとかをこそばして来るから涎垂れるし、苦しいしでアルフの頭を引き剥がそうとするけど、この野郎ビクともしない。
やっと舌が出て行ったと持ったら、今度は顎を舐めて来やがって、また口の中に舌が入って来た。口の中にソースの味が広がって、こぼしたソースを舌で掬い取って来たんだと気が付いたけど普通に食わせろ!
「んんぅ、ン、チュ、ぷはっ……はぁはぁ、は……ぁ」
苦しかった……しかも舌がなんかジンジンする。
「ドニー……」
いまだ顔の近いアルフが真面目な顔で何か言ってるけど、それより肉……肉、に、く……
「ああーっ! 肉ない! 口ン中に肉が無い! 飲み込んじゃったぁぁぁぁぁ! アルフのヴァカ!!」
「はぁああぁ?」
折角奪い返したと思った肉が口の中、どこを探しても見つからない。食ったにしても味わいたかったのに!
「てめぇ……肉の事しか頭にねぇのかよ……」
「アルフが肉取って意地悪したからだろ! 肉よこせ!」
アルフの手の中で少し潰れたサンドウィッチに齧り付く。今度はアルフより先に肉を取る!
「色気ねぇ……」
「あ?」
「黙って食え。今度、もっと分厚い肉食わしてやるよ」
「マジ! やったぁ!!」
「……はぁ~……」
アルフが空いた片手で頭を抱えて溜息を吐いてたけど、そんな事より今は肉!
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