うちの課長はお若いのがお好き

杉 孝子

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【第2章】復活編

異形の者達

 徹の手には、黒いロープを束ねた鞭が握られていた。その鞭は、薄暗いプレハブの中で冷たく光を反射している。希美の前に立つと、徹は何の前触れもなく、鞭を彼女の白く艶やかな太腿に打ち付けた。  

「いやーっ!」  
 突然の衝撃と焼け付くような痛みに、希美は悲鳴を上げる。その声は小さなプレハブの中で反響し、耳に突き刺さるようだった。打たれた太腿には、幾筋もの赤い痕が瞬く間に浮かび上がり、彼女の肌に深い痛みの証を刻みつける。  

「徹、少しは手加減したらどう? せっかくの綺麗な肌が爛れちゃうわよ」  
 優子は軽い口調でそう言いながら、まるでそれが他愛のない冗談であるかのように笑った。その声にはどこか余裕すら感じられるが、彼女の視線は鋭く冷たい。  

「俺はな、優子。綺麗な肌を見るとどうしようもなくめちゃくちゃにしたくなるんだよ」  
 徹は鞭を持つ手を軽く振りながら、希美を見下ろして笑みを浮かべた。その笑みは、残酷さを隠そうともしない歪んだものだった。  

 希美は震える身体を懸命に抑えようとしたが、拘束された腕と脚は動くことすら許さない。彼女の心は恐怖と怒りで錯綜し、痛みに霞む視界の中で徹と優子の顔が薄暗い光の中に浮かび上がる。  

「もう一度、いくか」  
 徹が鞭を振り上げるのを見た瞬間、希美の胸は恐怖に締め付けられ、全身が硬直した。 

 徹の鞭が再び振り下ろされ、今度は希美の反対の太腿を打ち付けた。焼け付くような痛みが走り、拘束された体が反射的にのけ反る。彼女は衝撃を和らげようと、無意識に腰を捻った。  

「優子、見ろよ。こいつのこの格好を。いい体してやがる」  
 徹が満足げに口元を歪ませ、鞭を下げて希美の涙に濡れた顔を見下ろす。その声に、彼女の悲鳴が再び小さなプレハブの中に響き渡った。  

 その瞬間、壁際に手足を縛られたまま眠らされていたはずの誠二が、かすれた声を上げる。  
 「希美ーー!」  
 必死に身体を起こそうともがくが、ロープが彼の自由を奪い、力が入るたびに擦れる音がするだけだ。  

「なんだよ、うるせえな」  
 徹は希美から離れると、誠二の方へと向かった。荒々しく誠二の身体を足蹴りにすると、彼の体は壁に叩きつけられ、鈍い音が響く。呻き声を上げる誠二だったが、痛みに耐えながらも鋭い視線で徹を睨みつけた。  

「今いいところだったのに、もう少しおねんねしてた方がいいんじゃねえの?」  
 徹が皮肉げに笑い、誠二の足元をもう一度蹴りつける。  

「徹、大事な体なんだから、あまり傷つけないでよ」  
 希美の時とは違って、優子の声には少しだけ苛立ちが滲んでいた。叱責するように、徹の方を一瞥する。  

「徹・・・、どういうつもりだ! 俺たちをこんな目に合わせて。絶対に許さない。今すぐ縄を解け!」  
 誠二は背中の痛みに歯を食いしばりながら、怒りを露わにして叫ぶ。しかし、徹は誠二の言葉など耳に入っていないかのように、余裕の表情を崩さなかった。  

「は? まだ状況がわかってねえのか、お前」  
 徹が冷たい声で笑うと、部屋の空気は一層重苦しく淀んでいった。  

 優子はゆっくりと徹の方に近づいた。その目には妖しい光が宿り、薄暗いランプの明かりが彼女の白い肌を淡く照らしている。  

 彼女はランプの横に置かれていた小瓶を手に取ると、徹の肩に腕を絡ませ、そのまま唇を重ねた。唇の動きは次第に激しくなり、お互いの息遣いが混ざり合う。まるで唾液を交換し合っているかのような、ねっとりとしたキスだった。  

 唇を離した後、優子は徹の耳元に唇を寄せ、囁くように言った。  
 「私が誠二を相手にするから、あなたは希美の相手をしてあげて。優しくしてあげてね。あまり痛めつけてはだめよ」  

 その言葉に、徹の口元が再び歪む。優子は小瓶を軽く振りながら徹の目の前に掲げると、そのまま振り返り、ロープで拘束された誠二の方へと向かう。  

 小瓶の中身が何なのか、希美にはわからなかった。だが、薄暗いプレハブに漂う異様な空気と、優子の微笑みが、彼女の心をさらに締めつけた。  

 徹は再び希美の元に戻ると、壁に拘束されていた手足の固定具を外した。しかし、それは解放ではなかった。希美のブラウスを乱暴に脱がせ、最後に残っていたブラジャーも荒々しく剥ぎ取ると、無理やり両腕を前方に突き出させた状態で革のベルトで固定した。  

 抵抗しようとする気持ちはあったものの、恐怖と疲労で体が思うように動かない。希美はいつの間にかパンティー一枚だけの姿になっていた。徹は冷たく光る目で希美を見下ろしながら、低く命じた。  

「四つん這いになれ」  

 希美は一瞬動くことを躊躇した。しかし、徹が鞭を手にしているのを見ると、恐怖に駆られ、床に膝をついて従った。冷たいフローリングの感触が皮膚に伝わり、無機質な冷たさが彼女の体をさらに硬直させた。  

 突然、鞭がパンティー越しに彼女の臀部に打ち付けられた。鋭い焼け付くような痛みが全身を駆け巡る。その痛みに希美は思わず悲鳴を上げた。  

「やめて、お願い、やめて!」  
 声にならないほどの苦痛と恐怖に希美は訴えたが、徹は聞く耳を持たなかった。  

 鞭が再び彼女の肌に叩きつけられる。その度に痛みは増し、体は勝手に震え、涙が止めどなく頬を伝った。床の冷たさと鞭の熱が交互に体を侵し、何が現実なのかわからなくなっていく。  

 希美は心の中で繰り返し叫んでいた。  
「生きてここを抜け出す。それだけでいい」  
 恐怖と痛みの中で、それだけが彼女の微かな希望だった。  

 徹はしゃがみ込んで希美の顔を覗き込む。その表情には冷酷な笑みが浮かんでいた。  
「生きてここから出ていくことは無理だな。教えてやろうか、希美」  

 希美は、熱を持ち痛む臀部の激痛に堪えながら、涙で濡れた顔を徹に向ける。そこに諦めの表情はなかった。恐怖に震えながらも、必死に闘志を失わない希美の瞳が徹を捉えていた。  

「強がるのも今のうちだ。大平が蘇っても、その強がりが続くかどうか、見ものだな」  

 希美は目を見開き、かすれた声で問い返した。  
「何故、大平の話になるのよ。あんた達と大平と何の繋がりがあるのよ」  

 徹は希美の問いに答えず、不敵に笑うだけだった。  
「それは追々わかるさ」  

 そう言うと、徹は鞭の持ち手部分を希美の臀部の割れ目に沿ってゆっくりとなぞり始めた。パンティー越しに、冷たい革の感触が肛門から秘部へとかけて往復する。希美は嫌悪感と恐怖心で全身を硬直させたが、拘束された体では逃れる術もない。  

 徹は鞭の持ち手に微妙な力を込めながら、執拗に動かし続けた。その動きには悪意が込められており、希美の心をさらに追い詰めていく。  
「それまでは、俺がたっぷり楽しませてもらうさ」  

 徹は嫌らしく笑いながら、鞭の持ち手を秘部の上で止めた。その瞬間、希美の中に再び激しい恐怖が押し寄せてくる。  
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