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8.救出
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そう言った瞬間、バン! と何かが破裂するような音がして俺たちは慌てて外に出た。そこにいたのはウッドペッカーやリンクスなどたくさんの仲間たち。そして真ん中にいたのは、ヒト型のオークツリーだ。この群衆を見て慌てたのはフォックスだ。俺の前に立ち、尻尾を逆立てる。
「何の真似だ」
「フォックスが私に火を放とうとしてると聞いて」
「な……! 誰がそんな……、ウッドペッカーかぁ? お前っ」
「だ、だってこのままじゃ、みんなが死んじゃうから僕怖くなって!」
名指しされたウッドペッカーはそう言うと、オークツリーの陰に隠れた。その様子を見たフォックスが尻尾をこすり、火を灯した。
「ちょうどよかった。お前もこの森も燃やしてやる!」
フォックスがオークツリーに走り寄った。俺は止めようフォックスの尻尾をつかもうとしたが一瞬遅かった。嫌だ! オークツリー、逃げろ! 逃げてくれ!
オークツリーの首をつかんだフォックス。それでもオークツリーは動かない。何故だ? 何故逃げない! 群衆たちからも悲鳴が上がったその時。フォックスの尻尾の火がフッと消えた。それに気づいたフォックスは慌てて何度も尻尾をこするが、火は灯らない。
「クッソ、どうなってんだ」
オークツリーは首をつかんでいたフォックスの手を剥がして逆にフォックスの首をつかみ、地面に叩きつけた。キャン、と本来の鳴き声を出すフォックス。オークツリーはフォックスの耳元で何かを囁くと、フォックスの顔がどんどん青ざめる。なにを言ったのか分からないが、フォックスはあっという間に意気消沈していた。
しばらくするとオークツリーは立ち上がり、俺の方へ近づいてきた。手を差し伸ばして穏やかに笑う。
「助けに来たでしょう? さあ帰りましょう」
「で、でもフォックスがまた悪さをするかも……」
オークツリーはフォックスを一瞥すると、フォックスは怯えた様に後退りした。フォックスの急な態度の変化に、俺もそこにいた仲間たちも驚いた。
「彼ならもう悪さはできませんから。安心して」
「でも、オークツリー、あんたを燃やそうとしてたことにはかわらねぇぜ! 俺らの森を燃やそうとしたことは許せねぇ」
群衆の中から、リンクスが声を上げた。すると何人か頷いた。ウッドペッカーはオロオロしながらオークツリーを見る。
「そうですか……ではフォックス」
名を呼ばれてびくっと身体を揺らすフォックス。おずおずと顔を上げる。
「この住まいでずっと暮らしなさい。森の中心には近づかないように」
フォックスはそれを聞いて、おおきく頷く。ウッドペッカーはホッとした様な顔で、俺を見た。それから俺は仲間たちと一緒に戻った。フォックスが何故あんなに怯え出したのか、不思議でたまらずにオークツリーに聞くがまったくそれについては答えず、とにかくクロウが無事でよかったと何度も頭を撫でられた。
「フォックス」
「何だ、ウッドペッカーか。お前アイツの正体知っててチクったのかよ」
「正体?」
「俺らがヒト型になるのも、この森の不思議な世界も、森のせいじゃない。オークツリーのチカラなんだと。アイツがこの世界の中心なんだ。俺が簡単に手出しできるような存在じゃない。俺の尻尾の火が突然出なくなったのもアイツのチカラで、これから先も火が出せねえんだ。キツネの中で俺だけ火を出せなくなっちまった。森にも行けねぇしな、まあ自業自得か」
「あの……僕、どうしてもフォックスを止めたくて」
「ああ。ありがとよ。ウッドペッカー。あのままだったら俺は狂ったままだったかも知れないな。……お前も帰れよ。俺といたらお前まで嫌われるぞ」
「何の真似だ」
「フォックスが私に火を放とうとしてると聞いて」
「な……! 誰がそんな……、ウッドペッカーかぁ? お前っ」
「だ、だってこのままじゃ、みんなが死んじゃうから僕怖くなって!」
名指しされたウッドペッカーはそう言うと、オークツリーの陰に隠れた。その様子を見たフォックスが尻尾をこすり、火を灯した。
「ちょうどよかった。お前もこの森も燃やしてやる!」
フォックスがオークツリーに走り寄った。俺は止めようフォックスの尻尾をつかもうとしたが一瞬遅かった。嫌だ! オークツリー、逃げろ! 逃げてくれ!
オークツリーの首をつかんだフォックス。それでもオークツリーは動かない。何故だ? 何故逃げない! 群衆たちからも悲鳴が上がったその時。フォックスの尻尾の火がフッと消えた。それに気づいたフォックスは慌てて何度も尻尾をこするが、火は灯らない。
「クッソ、どうなってんだ」
オークツリーは首をつかんでいたフォックスの手を剥がして逆にフォックスの首をつかみ、地面に叩きつけた。キャン、と本来の鳴き声を出すフォックス。オークツリーはフォックスの耳元で何かを囁くと、フォックスの顔がどんどん青ざめる。なにを言ったのか分からないが、フォックスはあっという間に意気消沈していた。
しばらくするとオークツリーは立ち上がり、俺の方へ近づいてきた。手を差し伸ばして穏やかに笑う。
「助けに来たでしょう? さあ帰りましょう」
「で、でもフォックスがまた悪さをするかも……」
オークツリーはフォックスを一瞥すると、フォックスは怯えた様に後退りした。フォックスの急な態度の変化に、俺もそこにいた仲間たちも驚いた。
「彼ならもう悪さはできませんから。安心して」
「でも、オークツリー、あんたを燃やそうとしてたことにはかわらねぇぜ! 俺らの森を燃やそうとしたことは許せねぇ」
群衆の中から、リンクスが声を上げた。すると何人か頷いた。ウッドペッカーはオロオロしながらオークツリーを見る。
「そうですか……ではフォックス」
名を呼ばれてびくっと身体を揺らすフォックス。おずおずと顔を上げる。
「この住まいでずっと暮らしなさい。森の中心には近づかないように」
フォックスはそれを聞いて、おおきく頷く。ウッドペッカーはホッとした様な顔で、俺を見た。それから俺は仲間たちと一緒に戻った。フォックスが何故あんなに怯え出したのか、不思議でたまらずにオークツリーに聞くがまったくそれについては答えず、とにかくクロウが無事でよかったと何度も頭を撫でられた。
「フォックス」
「何だ、ウッドペッカーか。お前アイツの正体知っててチクったのかよ」
「正体?」
「俺らがヒト型になるのも、この森の不思議な世界も、森のせいじゃない。オークツリーのチカラなんだと。アイツがこの世界の中心なんだ。俺が簡単に手出しできるような存在じゃない。俺の尻尾の火が突然出なくなったのもアイツのチカラで、これから先も火が出せねえんだ。キツネの中で俺だけ火を出せなくなっちまった。森にも行けねぇしな、まあ自業自得か」
「あの……僕、どうしてもフォックスを止めたくて」
「ああ。ありがとよ。ウッドペッカー。あのままだったら俺は狂ったままだったかも知れないな。……お前も帰れよ。俺といたらお前まで嫌われるぞ」
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