混沌藍皿

柏木あきら

文字の大きさ
22 / 24

22.触れられて

 本当にこの男は、あの黒コートのむかつく客と同一人物なのかとエミリオは再度苦笑いをした。ゆっくりと体を起こして立ち上がるとアノンの手を引き、寝室に移動した。
 普段一人で使うベッドに二人の重みがのしかかり、ベッドがキシ、と鳴る。ベッドの上では上半身裸になった二人がキスをしながらお互いの体に触れ合っている。
 アノンはエミリオの耳から首、胸板と唇を這わせながらゆっくり壊れものを扱うように、優しくエミリオの体を横たえた。アノンはさらに胸の突起を舐めたり指で摘んだり。
 そのつどエミリオは左右に首を振り、甘い声を出さないように唇を噛んでいる。
「そんなに噛むな」
「う、うるさ……あっ」
 口を開いた途端、するりとアノンの手が主張を始めた中心を掴んだのだ。思わず声を上げてしまったエミリオの耳もとでアノンが囁く。

「可愛い声を聞かせてくれ」

 全裸になったエミリオの誰にも触れたことのないところにアノンの手が伸びる。その長い指が強弱をつけながら扱いていくものだからエミリオは声を止めることが出来ず甘い声を聞かせていた。
「んっ……や、やぁ……っ」
 体が震えるたびにアノンはエミリオにキスを落とす。限界が近くなってきて潤んできた瞳を見て、アノンはごくりと喉を鳴らした。
「あ、ああっ……もうダメだって……っ、でるっ」
 途端に強く扱かれ、エミリオは腰を浮かせその精を思い切り放出する。

 アノンの鍛えられた胸元にも白濁したものが一部かかったが、エミリオはあまりの気持ち良さに頭が回らなくて肩で息をしながらぼうっとその姿を見つめた。
「……悪い、かかっちまって」
 そう言葉に出来たのはしばらく経ってから。アノンはフッと笑い、乱れたエミリオの前髪を整えてやった。
「今日はここまでにするか?」
「……は?」
「女と違って男はな、そんなにすぐ挿れることができないんだよ。まあお前は女も知らないか」
「よ、余計だろっ」
 経験がないことを見事に当てられて、エミリオは頬を膨らます。
「急いでお前を傷つけたくないんだ」
感想 0

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。